データ駆動の材料研究の最近の潮流について，NIMSの取り組みを中心に解説した．実課題への展開，MIntシステムの開発を含む材料向けの手法開発，データプラットフォームの取り組みに加え，今後のマテリアルDXプラットフォーム構築に向けた取り組みを概観した．

材料分野においてもデータ駆動研究への期待が大きい。本稿では、データ駆動材料開発の最近の取り組みを概説する。材料データは必ずしも豊富にあるわけではないものの、データ駆動による材料・プロセスの探索は、金属、高分子、無機化合物等々へ広がり、自動実験・計測との連携も始まっている。メ...

NIMSクリープデータシートを用い、機械学習によってフェライト耐熱鋼のクリープ寿命予測をおこなった。サポートベクター回帰手法によるものが最も予測性能が高く、テストデータに対するクリープ寿命の常用対数の二乗平均平方根誤差は0.14と小さく、これは1.38倍以内の予測精度を有す...

材料は網羅的なビッグデータ構築が困難であり、実験データの再利用を進めつつ、少量のデータを有効に活用していく手法開発が必要となる。加えて、計算シミュレーションによるデータ創出を活用していくことも重要となる。NIMSにおけるデータ駆動研究の取り組みを紹介するとともに、基盤となる...

SIP第1期および第2期にわたって構築してきたマテリアルズインタグレーションのコンセプトと、このもとで実施されてきたMIntシステムの開発について、その全体像を俯瞰するレビューである。計算材料科学とデータ科学を構造材料研究に活用して、欲しい性能から材料・プロセスを設計する逆...

AE波形の連続計測と無線転送が行えるバッテリ駆動の独自開発装置「無線CWM」を用い，SLM造形装置のチャンバにケーブルを貫通させるような改造を加えない簡便な手法で，造形中の微小欠陥の発生をリアルタイムにモニタリングできることが示された．その結果，レーザ強度が高い条件ないし部...