論文 原子層堆積法による高イオン伝導リチウムリン酸窒化物薄膜の作製

鶴岡 徹 SAMURAI ORCID (ナノアーキテクトニクス材料研究センター/量子材料分野/イオニクスデバイスグループ, 物質・材料研究機構)

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引用
鶴岡 徹. 原子層堆積法による高イオン伝導リチウムリン酸窒化物薄膜の作製. ⽉刊 「⾞載テクノロジー」. , (), . https://doi.org/10.48505/nims.5367

説明:

(abstract)

リチウム(Li)固体電解質薄膜の研究は、過去数十年に渡り幅広い用途に拡大している。電池用途では車載用の全固体電池や薄膜型イオン電池への応用が期待されている。全固体電池は、航空機の動力システムやウェラブルデバイスなど、安全性が重視される用途にも有望である。しかし、固体中でイオンを高速で伝導されることが難しいため出力が上がりにくいという難点がある。実用化に向けては、高い伝導度を示し界面形成が容易な固体電解質の開発が重要である。また、Li固体電解質薄膜は、エレクトロクロミック窓や電気化学ランダムアクセスメモリ(ECRAM)などの固体イオン素子への応用にも注目が集まっている。特に、ECRAMは高効率且つ低消費電力で動作するニューロモルフィックコンピューティングシステムの構成要素として期待されている。
 リン酸リチウムに窒素をドープしたリチウムリン酸窒化物(LiPON)は、室温で比較的高いイオン伝導性と大気中での安定性を示すため、代表的なLi固体電解質材料の一つである。LiPON薄膜の作製には一般的に高周波スパッタリングやパルスレーザー堆積法などが用いられる。しかし、これらの成膜技術で3次元マイクロ電池や集積化デバイス上に均一な薄膜を形成するのは困難である。近年、原子層堆積(ALD)法は複雑な構造上に原子レベルの精度でピンホールのない均一な固体電解質を成膜できる技術として注目されている。本稿では、LPONのALD開発動向と、我々が進めているLiPONのALD成膜技術に関する最新の成果を紹介する。

権利情報:

キーワード: リチウム固体電解質, 原子層堆積法, リチウムリン酸窒化物

刊行年月日: [2025年1月]

出版者: 株式会社 情報技術協会

掲載誌:

  • ⽉刊 「⾞載テクノロジー」 (ISSN: 24325694)

研究助成金:

原稿種別: 著者最終稿 (Accepted manuscript)

MDR DOI: https://doi.org/10.48505/nims.5367

公開URL: https://www.gijutu.co.jp/doc/magazine/at_2025_01.htm

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更新時刻: 2025-03-14 16:30:24 +0900

MDRでの公開時刻: 2025-03-14 16:30:24 +0900

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