# Fileset

[表面科学_32_2011_664.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/f89079a7-7306-491c-9929-1eeae91b2293/download)

## Creator

[Ogiwara, Toshiya](https://orcid.org/0000-0002-7376-6571), [Nagatomi, Takaharu](https://orcid.org/0000-0002-3629-638X), [Kim, Kyung Joong](https://orcid.org/0000-0001-5559-9784), [Tanuma, Shigeo](https://orcid.org/0000-0003-2628-9941)

## Rights



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[Ultra High Depth Resolution Auger Depth Profiling by Both Electron and Ion Beams at the Glancing Incidence using an Inclined Specimen Holder](https://mdr.nims.go.jp/datasets/feeb1f18-3b3e-4481-b019-e106a66f5a68)

## Fulltext

表面32-10_10_萩原_4.13.mcd表面32-10_10_萩原_4.13.mcd  Page 2 11/09/26 11:50  v4.13論 文表面科学 Vol. 32, No. 10, pp. 664-669, 2011傾斜試料ホルダーを用いた極低角度電子・イオン入射による超高深さ分解能オージェ深さ方向分析荻原俊弥1・永富隆清2・金慶中3・田沼繁夫11独立行政法人物質・材料研究機構2大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻3韓國標準科學研究院，産業測定標準本部〠 305-0047 茨城県つくば市千現 1-2-1〠 565-0871 大阪府吹田市山田丘 2-1〠 305-600 大韓民國大田市儒城區道龍洞 1（2011年 4月 25日受付；2011年 8月 3日掲載決定）Ultra High Depth Resolution Auger Depth Profiling by Both Electron and Ion Beamsat the Glancing Incidence using an Inclined Specimen HolderToshiya OGIWARA1, Takaharu NAGATOMI2, Kyung Joong KIM3 and Shigeo TANUMA11National Institute for Materials Science, 1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305-00472Division of Advanced Science and Biotechnology, Graduate School of Engineering, Osaka University,2-1 Yamadaoka, Suita, Osaka 565-08713Division of Industrial Metrology, Korea Research Institute of Standards and Science,1 Doryong-dong, Yuseong-gu, Daejeon, 305-600 Korea(Received April 25, 2011 ; Accepted August 3, 2011)We developed a 85°-high-angle inclined specimen holder which enabled the specimen surface to be irradiated by bothelectron and ion beams at the glancing incidence. We have investigated the high depth resolution Auger depth profilinganalysis with the inclined specimen holder. In consequence, the resulting depth resolution for the GaAs/AlAs super-lattice was found to be independent of the sputtered depth. The highest depth resolution of 1.7 nm was achieved with theAl-LVV Auger peak. The Auger depth profiles of the Si/Ge multiple delta-doped layers revealed that the Ge mono-layer can be measured in-depth profiled with high sensitivity using this inclined specimen holder.KEYWORDS : Auger depth profiling, ultra high depth resolution, inclined specimen holder, Ge mono-layer1．は じ め にイオンスパッタリングを併用したオージェ電子分光法（AES）は，試料最表面の微小領域の組成分析ならびに多層薄膜試料の積層状態の評価などに広く用いられている。AESによる多層薄膜試料の分析では，試料の積層状態を正確に反映したデプスプロファイルを得るために高深さ分解能での計測が不可欠である。そのため，急峻な界面を持つ試料を用いて深さ分解能とイオンスパッタリング条件の関係を調べることにより最適な分析条件を見出すための検討が数多く行われている1∼6)。筆者らは，AES深さ方向分析における深さ分解能を改善させる方法として，45° 傾斜試料ホルダーを用いた極低角度イオン入射オージェ深さ方向分析法を開発した7)。この計測法は，45° 傾斜試料ホルダーにセットした試料の測定面がアルゴンイオン銃側を向いた位置を基準として，そのホルダーを試料ステージ上で反時計方向に回転させると試料法線からのイオン入射角が連続的に大きくなることを利用したものである。この計測法により多層薄膜試料の深さ方向分析を行った結果，GaAs/AlAs，InP/GaInAsP多層膜については極低角度でイオン入射することにより深さ分解能が著しく改善されることを明らかにした8)。また，Ni/Cr多層膜については極低角度でのイオン入射は激しい表面あれを引き起こすこと表面32-10_10_萩原_4.13.mcd  Page 3 11/09/26 11:50  v4.13がわかり，その結果，深さ分解能が著しく低下する8)など，材料ごとに最適なイオン入射角を簡便に決定できる手法である。一方，試料に対する電子線入射角に関しては，試料法線から 80° 以上の角度で電子線を入射した場合，垂直方向からの入射に比べて Peak to Background（P/B）比が大きく改善されることが関根らにより報告がなされている9)。そこで，筆者らは電子およびイオンの両方を試料表面から極低角度で入射できる 85° 高傾斜試料ホルダーを作製した。そして，このホルダーを用いて GaAs/AlAs多層膜の深さ方向分析を行い，一般に用いられているフラット試料ホルダーならびに 45° 傾斜試料ホルダーで得られたデプスプロファイルと深さ分解能およびピーク強度を比較した。さらに，85° 高傾斜試料ホルダーを用いてSi/Geデルタドープ（6層）積層膜の深さ方向分析を行い，オージェ深さ方向分析による Geモノレイヤーの検出の可能性について検討した結果を報告する。2．計測法の原理2. 1 装置のジオメトリー検討に用いた装置は，日本電子製オージェマイクロプローブ JAMP-9500Fである。この装置はショットキータイプの電界放射型電子銃（FE-gun）ならびに同心半球型電子分光器（CHA）を搭載し，電子線励起により発生したオージェ電子は CHAにより分光され，マルチチャンネル検出器（MCP）により高感度かつ高分解能で計測されるシステムとなっている。また，アルゴンイオン銃（Ar-ion gun）は深さ方向分析のためのイオンスパッタリング機構に加えて，試料表面の帯電を中和するための低加速中和機能を有している。Fig. 1（a），（b）は本装置の FE-gun，CHA，Ar-iongunの配置を模式的に表したものである。Fig. 1（a）が示すように，試料ステージ表面から 90° の位置に FE-gunが配置されている。また，CHA，Ar-ion gunは試料ステージ表面からそれぞれ 30°，35° の位置である。Fig. 1（b）は装置を真上から見た模式図である。装置の正面側にあるステッピングモーターから反時計方向 40° の位置に Ar-ion gun，90° の位置に CHA（Ar-ion gun からは反時計方向に 50°）がそれぞれ配置されたジオメトリーとなっている。2. 2 45° 傾斜試料ホルダーを用いた極低角度イオン入射オージェ深さ方向分析Fig. 2（a）-（c）は 45° 傾斜試料ホルダーを試料ステージにセットした写真である。そして，Fig. 2（a）はホルダーにセットした試料の測定面が Ar-ion gun側を向いた状態である。Fig. 2（b）は測定面が CHA側を向いた状態，すなわち Fig. 2（a）の状態から 45° 傾斜試料ホルダーを反時計方向に 50° 回転させた位置での写真である。Fig. 2（c）は Fig. 2（a）の状態から 45° 傾斜試料ホルダーを反時計方向に 120° 回転させた位置での写真である。45° 傾斜試料ホルダーを用いた場合，Fig. 2（a）におけるアルゴンイオンの入射角は試料法線から 10° である。この位置を基準にして 45° 傾斜試料ホルダーを反時計方向に回転させると試料法線からのイオン入射角は連続的に大きくなり，その入射角は Fig. 2（b）では 39°，Fig. 2（c）では 83° である。すなわち，Fig. 2（c）の位置では試料表面からおよそ 7° の極低角度イオン入射による深さ方向分析が可能である。なお，Fig. 2（a）-（c）が示すように，45° 傾斜試料ホルダーを試料ステージ上で回転荻原俊弥・永富隆清・金慶中・田沼繁夫 665Fig. 1. Schematic diagrams of the geometry of the CHA typeAES instrument. (a) The angles of the axes of theelectron gun, CHA and argon ion gun measured fromthe specimen stage surface. (b) Top view.Fig. 2. SEM images of the 45° inclined specimen holder seton the stage at different azimuthal angles. (a) Theholder faces to the argon ion gun side. (b) The holderfaces to the CHA side. (c) The holder is rotated by70° from the CHA side.表面32-10_10_萩原_4.13.mcd  Page 4 11/09/26 11:50  v4.13させても，試料に対する電子線入射角は常に一定（この場合は 45°）である。さらに，傾斜ホルダーの傾斜角度が大きい試料ホルダーを使用すると電子線を試料表面から極低角度で入射できるようになる。そして，その傾斜試料ホルダーをイオンの入射角度が浅くなる位置まで試料ステージ上で反時計方向に回転させることにより極低角度電子・イオン入射オージェ深さ方向分析が可能になる。2. 3 極低角度電子・イオン入射が可能な 85° 高傾斜試料ホルダーの作製Fig. 3は 85° 高傾斜試料ホルダーの外観である。Fig. 3（a）はホルダーにセットした試料の測定面側から撮影したものである。また，Fig. 3（b）は Fig. 3（a）を 90° 時計方向に回転させた状態であり，図中には傾斜角度を示した。Fig. 3（a）が示すように，試料台の裏側にあるスプリングの圧力により試料台と試料抑え板の間の試料が固定される機構となっている。この 85° 高傾斜試料ホルダーを用いることにより，電子線は常に試料法線から85° で入射することになる。また，85° 高傾斜試料ホルダーを用いた場合，測定面が CHA側を向いた状態でのイオン入射角は試料法線から 55° である。そして，試料ステージ上で反時計方向に 10° および 35° 回転させた場合，イオン入射角はそれぞれ 63°，83° である。すなわち，85° 高傾斜試料ホルダーにセットした試料の測定面が CHAの方向を向いている状態から反時計方向に 35°回転させた位置では，電子およびイオンの両方を極低角度で入射した深さ方向分析が可能である。3．実 験3. 1 試料3. 1. 1 GaAs/AlAs多層膜深さ方向分析の検討に用いた試料は，産業技術総合研究所計量標準総合センターより認証標準物質として提供されている GaAs/AlAs 多層膜 CRM 5201-a である。この試料は，有機金属気相成長法により GaAs 基板上に200 nmの GaAsバッファー層を堆積した後，AlAs : 22.5nm，GaAs : 23.3 nm，AlAs : 22.4 nm，GaAs : 24.4 nmの順に合計 4層を積層した構造となっている。3. 1. 2 Si/Geデルタドープ積層膜この試料は，韓国標準科学研究院（KRISS）で作製されたものであり，イオンビームスパッタ堆積法によりSi基板上に Geデルタドープ層，Si : 37.8 nm，Geデルタドープ層，Si : 39.1 nm，Geデルタドープ層，Si : 39.0nm，Geデルタドープ層，Si : 39.1 nm，Geデルタドープ層，Si : 39.6 nm，Geデルタドープ層，Si : 39.4 nmの順に積層された構造となっている。すなわち，厚さ約 40nmの Si層間に Geデルタドープ層が 6層存在する積層膜である。3. 2 測定条件3. 2. 1 GaAs/AlAs多層膜深さ方向分析は，フラット試料ホルダー，45° 傾斜試料ホルダーおよび 85° 高傾斜試料ホルダーをそれぞれ用いて行った。フラット試料ホルダーを用いた測定は，試料ステージの傾斜機構によりフラット試料ホルダーをCHA 側に 45° 傾斜させた位置で行った。この計測は，CHAを搭載した装置における一般的な測定方法であり，以下通常法と呼ぶ。この位置でのイオン入射角は，試料法線から 39° である。45° 傾斜試料ホルダーを用いた測定は，測定面が CHA側を向いた状態｛Fig. 2（b）と同様｝から，反時計方向に 35° 回転させた位置で行った（45° 傾斜試料ホルダー法）。この位置でのイオン入射角は試料法線から 63° である。85° 高傾斜試料ホルダーを用いた測定は，測定面が CHA側を向いた状態から，反時計方向に 10° 回転させた位置で行った（85° 高傾斜試料ホルダー法）。この位置でのイオン入射角は，試料法線から 63° である。すなわち，通常法と 45° 傾斜試料ホルダー法による測定は，測定条件のうちイオン入射角のみが異なっている。そこで，これらの結果よりイオン入射角と深さ分解能の関係を調べた。45° 傾斜試料ホルダー法と 85° 高傾斜試料ホルダー法による測定では，イオンスパッタリング条件は同じであり，電子線入射角のみが異なっている。そこで，これらの測定結果からは電子線入射角とオージェピーク強度の関係を調べた。これらの測定に用いた装置は，日本電子製オージェマイクロプローブ JAMP-9500Fである。イオンスパッタリング条件は，イオン種はアルゴン，イオン加速電圧は1.0 kVである。デプスプロファイル測定におけるオージェピークの測定条件は，一次電子線加速電圧は 10 kV，ビーム電流は 30 nA，ビーム径は設定値として約 20 µm角である。なお，試料を傾斜した状態で測定していることから実際のビーム径は Y軸方向が設定値より長くなっている。測定したオージェピークは，Al-LVV（68表面科学 第 32巻 第 10号 (2011)666Fig. 3. Overview of the 85° high-angle inclined specimenholder. (a) Front view. (b) Side view.表面32-10_10_萩原_4.13.mcd  Page 5 11/09/26 11:50  v4.13eV)，Ga-LMM（1070 eV)，As-LMM（1228 eV)，Al-KLL（1396 eV）である。そして，各オージェピークのデプスプロファイルは次の手順により求めた。Al-LVVについては積分スペクトルを測定し，そのスペクトルの最大強度と最小強度の差を強度としてデプスプロファイルを得た。Ga-LMM，As-LMMおよび Al-KLLについては，測定した積分スペクトルを数値微分（7点）し，微分ピークの最大強度と最小強度の差を強度としてデプスプロファイルを得た。3. 2. 2 Si/Geデルタドープ積層膜測定条件は，85° 高傾斜試料ホルダーを用いて，電子線入射角は試料法線から 85°，イオン入射角は試料法線から 55°，イオン加速電圧は 0.5 kVである。なお，試料全体の厚さが約 240 nm と厚いため，イオン加速電圧0.5 kVのスパッタリングレートを考慮してイオン入射角は 55° とした。また，一次電子線加速電圧は 10 kV，ビーム電流は 30 nA，ビーム径は設定値として約 20 µm角，測定したオージェピークは，Si-LVV（92 eV)，Si-KLL（1619 eV），Ge-LMM（1147 eV）である。3. 3 深さ分解能の定義深さ分解能は，ロジスティック関数10)を用いて界面プロファイルのフィッティングを行い，フィッティングパラメーターの D0(界面幅)の値を 3.32倍することにより求めた11)。ここで求めた深さ分解能は 16-84%(84-16%)界面幅であり，この幅は界面の深さ分解能関数が半値幅sのガウス分布関数で表される場合 2sに相当する。4．結 果 と 考 察4. 1 通常法および傾斜試料ホルダー法による GaAs/AlAs多層膜の測定Al-LVV，Al-KLL，Ga-LMM，As-LMMのオージェピークを用いて通常法，45° 傾斜試料ホルダー法および85° 高傾斜試料ホルダー法により GaAs/AlAs多層膜を測定したデプスプロファイルを Fig. 4（a）-（c）に示す。Fig. 5は Fig. 4（a）-（c）の界面プロファイルをロジスティック関数によりフィッティングを行い，求めた深さ分解能を深さに対してプロットしたものである。Fig. 4（a）の通常法と Fig. 4（b）の 45° 傾斜試料ホルダー法のプロファイル形状を比較すると，前者の方が後者に比べて界面プロファイルの広がりが大きい。そして，Fig. 5が示すように，同じオージェピークごとに深さ分解能を比較すると，いずれも 45° 傾斜試料ホルダー法の深さ分解能の値が小さい。また，Al-KLL およびGa-LMMオージェピークを用いた場合の深さ分解能については，通常法，45° 傾斜試料ホルダー法ともに，GaAs層から AlAs層へ移り変わる界面（Leading edges）と AlAs 層から GaAs 層へ移り変わる界面（Trailingedges）ごとにその値がほぼ等しく，Trailing edgesに比べて Leading edgesの深さ分解能が優れている傾向にある。一方，Fig. 4（b）の 45° 傾斜試料ホルダー法と Fig. 4（c）の 85° 高傾斜試料ホルダー法の結果を比較すると，後者は強度軸のフルスケールが大きく P/B比に優れており，なめらかなデプスプロファイルが得られている。また，深さ分解能については Fig. 5が示すように，いずれのオージェピークを用いた場合にも両者の深さ分解能には大きな違いは見られない。通常法と 45° 傾斜試料ホルダー法では，測定条件のうちイオン入射角のみが異なっている。そして，通常法に比べて試料法線からのイオン入射角が大きい 45° 傾斜試荻原俊弥・永富隆清・金慶中・田沼繁夫 667Fig. 4. AES depth profiles of the GaAs/AlAs super-latticereference material obtained using (a) the flat holder,(b) the 45° inclined holder and (c) the 85°-high-angleinclined holder.Fig. 5. Dependence of the depth resolution of the GaAs/AlAs super-lattice reference material to the depthfrom the surface.表面32-10_10_萩原_4.13.mcd  Page 6 11/09/26 11:50  v4.13料ホルダー法の深さ分解能が優れている。イオン入射角と深さ分解能の関係については 100-1000 eVのアルゴンイオン加速電圧による検討結果が報告されている12)。この報告では，試料法線からのイオン入射角が大きい方が深さ分解能は優れており本検討でも同様の結果が得られている。また，GaAs/AlAs多層膜の深さ分解能を低下させる主な要因はイオンスパッタリングによるアトミックミキシングであり13∼15)，その影響を小さくするためには低いイオン加速電圧を試料表面から浅い角度で入射することが有効である12, 15)。Fig. 4（a）の通常法と Fig.4（b）の 45° 傾斜試料ホルダー法の結果はこれらを反映したものと考えられる。また，Leading edgesと Trailingedgesで深さ分解能が異なるのは両者においてアトミックミキシングの大きさが異なるためと推察される13)。また，85° 高傾斜試料ホルダー法のデプスプロファイルは P/B比に優れており，高感度で計測できることがわかった。これについては，電子線の入射角度を高角度にしたため，試料表面に対して 5度以下の浅い角度で電子が入射し，これによりオージェ電子の発生領域が電子の脱出深さ以下に押さえられるため，バックグランド強度が大幅に減少したことが主因であると考察している16)。4. 2 極低角度電子・イオン入射による GaAs/AlAs多層膜の測定85° 高傾斜試料ホルダーを用いて，極低角度電子・イオン入射による GaAs/AlAs多層膜の測定を行った。このとき，電子線入射角は試料法線から 85°，イオン入射角は試料法線から 83°，イオン加速電圧は 0.5 kV である。なお，デプスプロファイル構築におけるスペクトル測定条件は Fig. 4（a）-（c）と同じである。得られたデプスプロファイルを Fig. 6に示す。Fig. 6が示すように，Al-LVV，Al-KLL，Ga-LMM，As-LMMのいずれも界面が著しく急峻な矩形を示し，P/B比に優れたなめらかなデプスプロファイルである。Fig. 7は，Fig. 6の界面プロファイルより読み取った深さ分解能を深さの関数としてプロットしたものである。Fig. 7 が示すように，Al-LVVの深さ分解能は深さ方向の 4つの界面全てにおいて 1.7 nmであり，非常に高い深さ分解能を保った計測が可能である。このように，85° 高傾斜試料ホルダーを用いて測定条件を選択することにより高感度かつ高深さ分解能でオージェ深さ方向分析が可能である。4. 3 極低角度電子・イオン入射による Si/Geデルタドープ積層膜の測定85° 高傾斜試料ホルダーを用いて Si/Geデルタドープ積層膜を測定したデプスプロファイルを Fig. 8（a）に示す。Fig. 8（b）は Fig. 8（a）に示す Ge-LMMのデプスプロファイルを拡大したものである。Fig. 8（a）より，Ge が検出されている深さにおいて Si-LVV，Si-KLLの強度が低下しており，積層構造に対応したデプスプロファイルが得られている。そして，Fig. 8（b）のGeのプロファイルが示すように，非常に薄い Geデルタドープ 6層が強度の低下もなく深さ約 240 nmにわたって明瞭に検出されている。Fig. 9は 45° 傾斜試料ホルダーを用いてイオン入射角83° で Si/Ge デルタドープ積層膜を測定したものである。Fig. 9が示すように，45° 傾斜試料ホルダーを用いても Geデルタドープ層を検出できるがその強度は Fig.8（b）に比べて約 1/10である。Fig. 8（b）のプロファイルはイオン入射角が 55° であるにもかかわらず，Geデルタドープ層を高感度で検出できていることから，電子線を試料法線から大きい角度で入射することで P/B比が著しく改善されることの効果により明瞭なデプスプロファイルが得られたと考えられる。5．ま と め本検討では 85° 高傾斜試料ホルダーを作製し，電子およびイオンの両方を極低角度で入射できるオージェ深さ方向分析法を開発した。そして，開発した計測法により表面科学 第 32巻 第 10号 (2011)668Fig. 6. AES depth profiles of the GaAs/AlAs super-latticereference material obtained using the 85°-high-angleinclined specimen holder with the argon ion energyof 500 eV.Fig. 7. Dependence of the depth resolution of the GaAs/AlAs super-lattice reference material to the depthfrom the surface.表面32-10_10_萩原_4.13.mcd  Page 7 11/09/26 11:50  v4.13GaAs/AlAs多層膜，Si/Geデルタドープ（6層）積層膜の深さ方向分析を行い，以下のことを明らかにした。( 1 )電子線入射角 45° および 85° で GaAs/AlAs多層膜の深さ方向分析を行った。その結果，電子線入射角85° の方が 45° に比べて，高感度でオージェピークを測定できることがわかり，P/B比に優れたデプスプロファイルが得られた。( 2 )85° 高傾斜試料ホルダーを用いて，電子線入射角85°，イオン入射角 83°，イオン加速電圧 0.5 kVの条件で GaAs/AlAs多層膜の深さ方向分析を行った。その結果，Al-LVV（68 eV）の深さ分解能は深さ方向の 4つの界面全てにおいて 1.7 nmであり，非常に高い深さ分解能を保ちながら計測できることがわかった。( 3 )85° 高傾斜試料ホルダーを用いて，電子線入射角85°，イオン入射角 55°，イオン加速電圧 0.5 kVの条件で Si/Geデルタドープ積層膜の深さ方向分析を行った。その結果，深さ方向に対して Geのプロファイル強度が低下することなく 6層全てを高感度で検出できることが明らかになった。謝 辞本研究は，JST戦略的国際科学技術協力推進事業日中韓研究交流の助成に基づき実施された。文 献1) S. Hofmann : Surf. Interface Anal. 2, 148 (1980).2) M. Tanemura, S. Fujimoto and F. Okuyama : Surf. Sci.230, 283 (1990).3) K. Kajiwara and H. Kawai : Surf. Interface Anal. 15, 433(1990).4) S. Hofmann : J. Vac. Sci. Technol. A 9, 1466 (1991).5) 荻原俊弥, 田沼繁夫, 長沢勇二, 池尾信行 :表面科学13, 472 (1992).6) “Surface Analysis by Auger and X-ray PhotoelectronSpectroscopy”, ed. by D. Briggs and J.T. Grant (IMPublications, 2003) p. 619.7) 荻原俊弥, 田沼繁夫 :第 28回表面科学学術講演会要旨集 (3B32) (2008) p. 155.8) T. Ogiwara and S. Tanuma : J. Surf. Anal. 15, 246(2009).9) T. Sekine, T. Sato, Y. Nagasawa and Y. Sakai : Surf.Interface Anal. 13, 7 (1988).10) W.H. Kirchhoff, G.P. Chambers and J. Fine : J. Vac. Sci.Technol. A 4, 1666 (1986).11) 日本表面科学会編 : “オージェ電子分光法” 5.3 (丸善,2001).12) T. Nagatomi, T. Bungo and Y. Takai : Surf. InterfaceAnal. 41, 581 (2009).13) 荻原俊弥, 田沼繁夫, 高草木操 :分析化学 39, 277(1990).14) M. Inoue, R. Shimizu, H.I. Lee and H.J. Kang : Surf.Interface Anal. 37, 167 (2005).15) T. Bungo, T. Nagatomi and Y. Takai : Surf. InterfaceAnal. 38, 1598 (2006).16) 荻原俊弥, 西尾満章, 田沼繁夫 :投稿中.荻原俊弥・永富隆清・金慶中・田沼繁夫 669Fig. 8. AES depth profiles of the Si/Ge multiple delta-layerspecimen obtained using the 85°-high-angle inclinedspecimen holder. (a) Depth profiles of SiLVV,SiKLL and GeLMM. (b) Enlarged GeLMM depthprofile.Fig. 9. AES depth profile of the Si/Ge multiple delta-layerspecimen obtained using the 45° inclined specimenholder. Enlarged GeLMM depth profile.