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[谷口 貴章](https://orcid.org/0000-0002-8460-5431), 畠山 一翔, 伊田 進太郎

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[無機ナノシートの合成と最近の展開 ―酸化グラフェン，TMDC，MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートを中心に―](https://mdr.nims.go.jp/datasets/68fa2037-4826-4f06-928c-2740e98fd106)

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jjspm_advpub_23-00065Advanced Publication by J-STAGEJ. Jpn. Soc. Powder Powder Metallurgy, Advanced Publication by J-STAGEhttps://doi.org/10.2497/jjspm.23-00065©2023 Japan Society of Powder and Powder Metallurgy1解説無機ナノシートの合成と最近の展開 ―酸化グラフェン，TMDC，MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートを中心に―谷口　貴章 1，畠山　一翔 2，伊田　進太郎 2*1国立研究開発法人物質・材料研究機構，ナノアーキテクトニクス材料研究センター，〒 305-0044つくば市並木 1-1． 2熊本大学，産業ナノマテリアル研究所，〒 860-8555熊本市中央区黒髪 2丁目 39番 1号．Recent Progress in Inorganic Nanosheet Synthesis ―Focusing on Graphene Oxide, TMDC, MXene Nanosheets and Oxynitride Nanosheets―Takaaki TANIGUCHI1, Kazuto HATAKEYAMA2 and Shintaro IDA2*1Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA), National Institute for Materials Science (NIMS),  1-1 Namiki, Tsukuba 305-0044, Japan. 2Institute of Industrial Nanomaterials, Kumamoto University, 2-39-1 Kurokami, Chuo-ku, Kumamoto 860-8555, Japan.Received November 7, 2023; Revised November 30, 2023; Accepted December 1, 2023; J-STAGE Advance Published date: December 27, 2023ABSTRACTTwo-dimensional nanomaterials have been studied as materials that may exhibit properties and functions different from those of bulk materials.  In this review, graphene oxide with controlled surface oxygen functional groups, transition meta dichalcogenide (hereafter referred to as TMDC), MXene nanosheets and oxynitride nanosheets using soft chemical exfoliation synthesis, and their typical functions are described.KEY WORDSNanosheet, exfoliation１　は じ め に二次元ナノ材料はバルク材料とは異なる物性や機能を示すとして古くから研究が行われてきた．2000年代以降にグラフェンに関する研究が世界的に広がったため，2次元ナノ材料は比較的新しい研究対象として認識されているが，層状化合物の剥離による合成される「ナノシート」を扱った研究はかなり古くから行われている．例えば，酸化グラフェンナノシートは 1962年にすでに合成されており1)，リチウムインターカレーションを経由したMoS2ナノシートの剥離合成は 1986年に報告されている2)．また層状酸化物の剥離による酸化物ナノシートの合成やナノシートを基材に用いたナノ薄膜形成研究は，1990年代から行われている3,4)．2010年代からは，ナノシートを積層した自立膜の機能開発に関する研究も進んでおり，ナノ材料をマクロなレベルで利用する研究も加速している．このように，近年，ナノシートの研究は，さらに多彩な広がりを示しており，単純にその全体を把握することは難しいが，本解説では，表面酸素官能基が制御された酸化グラフェン，遷移金属ダイカルコゲナイド（Transition meta dichalcogenide，以降，TMDCと表記），MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートのソフト化学剥離合成とその薄膜・自立膜の応用について解説する．これらについて，より詳細については著者らの総説を参照いただきたい5)．２　表面酸素官能基が制御された酸化グラフェンの合成古くから存在が知られていた酸化グラフェンが一気に注目されたのは，2007年のRuoffらの論文からである6)．Ruoffらは単層に剥離した酸化グラフェンをヒドラジン還元することでグラフェン類似ナノシートが合成できると提案した．当時はグラフェン研究が急激に加速しており，その波に乗る形で酸化グラフェンの研究も一気に広がった．このように，当初，酸化グラフェンはグラフェン合成の中間体としての認識が強く，いかに強力に簡便に酸化グラフェンを還元しグラフェンを合成するかが研究の焦点であった．その後 2010年を過ぎたころから，プロトン伝導性や気体，イオン選択特性* Corresponding author, E-mail: ida-s@kumamoto-u.ac.jp本論文はCC BY-NC-NDライセンスによって許諾されています． ライセンスの内容を知りたい方は， https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.jaでご確認ください．「粉体および粉末冶金」Advanced Publication by J-STAGE2 谷口　貴章，畠山　一翔，伊田　進太郎など酸化グラフェン自身の興味深い特性が多数報告されるようになり，酸化グラフェンというグラフェンとは異なるナノシートとして，確かに認識されるようになった．今では農業，医療など，グラフェンがカバーできない広い分野で研究が実施され，毎年 1万件以上の関連論文が公開されるまで至っている．このように大きな広がりを見せている酸化グラフェンであるが，古くから多種類の酸素官能基と炭素欠陥を不均一に含む複雑な構造が課題とされており，再現性や機能性制御が非常に難しい．また，現在の炭素欠損（hole）が多い構造では還元しても欠陥が必ず残り，期待されるほどの電子移動度は実現できない．近年我々は，酸化プロセスと剥離プロセスを細部まで見直すことで，これらの課題の解決策を得た7)． Fig. 1に従来の酸化グラフェンと新たに開発した酸化グラフェンの構造を比較した図を示す．TEMおよびXPS測定結果からわかるように，新たに開発した酸化グラフェンは単一の酸素官能基と高い構造規則性を有する．このレベルで構造制御を実現した前例はなく，この酸化グラフェンを用いることで，酸化グラフェン研究がさらに加速する可能性を秘めている．３　ソフト化学剥離法によるTMDC，MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートの合成ソフト化学剥離は酸化物ナノシートの合成法として確立された手法である．Ca2Nb3O10ナノシートを例とした合成手順としては，層状ペロブスカイト構造のKCa2Nb3O10粉体を酸処理し，層間のK+をH+に交換した後，かさ高いテトラブチルアンモニウムイオン（TBA）を層間に導入する8)．これにより，ホスト層間の静電的相互作用を低下させてホスト層 1層に対応するナノシートへと剥離することができる （Fig. 2）9)．このような有機カチオンを剥離剤として用いたソフト剥離プロセスは，様々な層状酸化物に適用することができ，導電性（RuO2）10)，光触媒（Ti0.87O2）11)，レドックス性（MnO2-x）12)等バラエティに富んだ酸化物ナノシートが得られている．ここで，ソフト化学剥離法の長所として以下 2つを挙げる．まず，単一の層状結晶に含まれるすべての層間が同じ化学反応性を持つため，原理的には，すべてのホスト層を単層ナノシートへと剥離することができる．対照的に，超音波法による層状結晶の剥離は，層状結晶が 2分割される劈開に基づくため，単層シート，あるいは数層ナノシートが得られる確率（収率）は低下せざるを得ない．次に，高結晶性の前駆体結晶から得られるナノシートは高結晶性の単結晶となり，高品位な材料が必要とされるエレクトロニクスにも応用することができる．ただし，ホスト層の酸化還元反応がイオン交換や剥離プロセスに関与している場合，欠陥や空孔が導入される可能性があることに留意しなければならない．つまり，デバイス性能に直結するナノシートの結晶性を最適化するためには，イオン交換，剥離ステップにおける化学反応を注意深く制御する必要がある．新たなナノシート材料として遷移金属ダイカルコゲナイド（Transition meta dichalcogenide，以降，TMDCと表記）とメクセン（以降，MXeneと表記）について紹介する．まず， TMDCの化学組成，結晶構造，及び物性的特徴から示す．化学式MX2（M = Mo，W等；X = S，Se，Te）で示されるTMDCはMX2層が積層した層状化合物であり，その単層は遷移金属層が上下のカルコゲン層の間に挟まれた原子 3層構造を基本とする（Fig. 3a）．固溶体を除き，これまでに約 60種類の TMDCが報告されている13)．単層を構成するMX6配位構造はイオンサイズやイオン性のバランスにより八面体型，または三角柱型となる．4族（Ti, Zr, Hf）および 6族（Mo, W）化合物は，それぞれ主に八面体配置および三角柱配置をとり，5族（Nb, Ta）化合物は両方の配置をとる．TMDCは組成と構造により，半導体，金属伝導，超伝Fig. 1 � Structural image, TEM image and C1s XPS spectra of (a) conventional graphene oxide and (b) defect-free graphene oxide.Fig. 2  Soft chemical exfoliation method for layered compound*1).*1) Fig. 2は文献 9)の出版社より掲載の許可を得ております．Advanced Publication by J-STAGE3無機ナノシートの合成と最近の展開―酸化グラフェン，TMDC，MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートを中心に―導特性等，幅広い物性を示す．加えて，幅広い組成の固溶体TMDCが形成されるため，機能性ナノシートとしても多種多様な候補物質が想定される．MXeneは，Mn+1AXn（MAX）相の剥離によって得られるナノシートの総称である．MAX相のホスト層二次元骨格は，Fig. 3bに示すように，X原子（C，N）と Sc，Ti，Cr，Zr，Nb等のM原子からなる八面体から形成される．これらの八面体層は，X原子と三角柱配位置を形成するAl，Si，Ga，Ge等のA元素層と交互に配置される．nが 1，2，3の場合，2層，3層，4層のMX6八面体層の間にA層が挿入される層状構造を構築する．既知のMAX相物質は 60種類以上にのぼる．代表的なMn+1AXnに加え，M2A2XやMn+1AxXn+xも存在し，さらに，TMDCと同様にMAX相系においても幅広い固溶体が形成されるため，候補物質は膨大である．MAX相物質は基本的に金属電子状態であり，これまで報告されたMXeneも全て電子導電性物質である．次に，これらナノシートの合成において，有機カチオンを用いたソフト化学剥離の導入が高品化に重要な役割を果たすことを示す．まず，TMDCはMX2層がファンデルワールス結合により積層した構造であり，層間種が存在しない．しかし，この層状構造に対して，ルイス塩基からアルカリ金属に至るまで，多種多様な電子供与性種をインターカレーションすることができる．したがって，層状酸化物と同様，適切な陽イオンを挿入することで，化学的剥離を導くことができる．古くから用いられるリチウムインターカレーション法はこの原理による［Fig. 4左］．MoS2を例にすると，ヘキサン中の n-ブチルリチウムをインターカレーション剤として用いて層状構造に Li+を挿入した後，水中で超音波剥離することで単層ナノシートを合成することができる．この手法では Li+が高密度に挿入されることで前駆体MoS2が八面体配位（2H相）から，三角柱配位（1T相）に変化する．1T相，2H相MoS2はそれぞれ電子状態的に金属，半導体となる．300°C程度の熱処理により，1T相を 2H相に戻すことができるが14)，ナノシート合成プロセス中に導入される高濃度の構造欠陥が原因でキャリア移動度は非常に低い（10-2 cm2/Vs程度）．2018年に Linらが良質の半導体 TMDCナノシートを合成する手法として，四級アンモニウムカチオン（臭化テトラヘプチルアンモニウム，THABなど）の電気化学的インターカレーションと，それに続く超音波処理を用いたソフト化学剥離法を報告している［Fig. 4右］15)．THABの分子サイズがおおよそ 20 Åと大きいため，インターカレートされるカチオン密度と，それに対応して注入される電子密度が制限され，2H相から 1T相への相転移は起きない．一方，層間距離はTHABの挿入により拡大され，剥離が加速される．この手法で得られるMoS2ナノシートは高結晶性であり，キャリア移動度は 5～10 cm2/Vsと前述した Liインターカレーション法に比べて二桁以上高い．さらに，電気化学アミンインターカレーションは，WSe2，Bi2Se3，NbSe2，In2Se3，Sb2Te3を含む様々な TMDCの剥離に適用することができる16)．MXeneはGogotsiらが 2013年に最初に報告した新しい二次元ナノ材料である．研究初期のMXenes合成手では，第一Fig. 3 � Structural models of (a) TMDCs and (b) MAX phase metal carbides/nitrides.Fig. 4  Preparation of MoS2 using soft chemical exfoliation method.「粉体および粉末冶金」Advanced Publication by J-STAGE4 谷口　貴章，畠山　一翔，伊田　進太郎ステップとしてMAX粉末とHF溶液との反応により，層状構造からA層を選択的に溶出させる［Fig. 5］17)．このエッチング処理によりMn+1Xn表面に形成された官能基（OH，O，F；以下，Txと表記）が層間結合を弱めるため，超音波剥離が可能になる．しかし，エッチング後も，ある程度強い層間結合が持続するため，単層または数層ナノシートの収率は非常に低い．そのため，単層MXeneナノシートの合成収率を向 上させるため，層間修飾についての研究がさらに続けられた． 2015年，Naguibらは，有機カチオンを用いたMXeneの高収率合成に成功した［Fig. 5］18)．層状酸化物，TMDC同様，有機カチオンの挿入に伴い，層間結合が低減することで，単層，あるいは数層ナノシートまで高収率に剥離することが確認されている．Alhabebらは，本プロセスによりMXeneの高収率剥離を導くための合成プロトコルを詳細にまとめている19)．酸窒化物ナノシートに関して，その定義は難しいが広義の意味では，窒素ドープ酸化物ナノシートも酸窒化物ナノシートに含まれる．2009年に Liuらによってアンモニア中で層状チタン酸化物を熱処理することで酸素サイトを窒素と置換したN-doped層状チタン酸を合成し，それを剥離することでN-dopedチタニアナノシートが得られることが報告され20)，同じく 2009年にMatsumotoらによってNb6O17ナノシート，TiNbO5ナノシートや Ca2Nb3O10ナノシートを TBAOH水溶液中で紫外線を照射することで，ナノシートに直接窒素を導入したN-doped酸化物ナノシートが報告されている21)．このようなナノシートは，可視光の光を吸収できることから，可視光応答性の光触媒として研究がその後発展した．酸素の 2p軌道と窒素の 2p軌道を比較すると，それらが結晶中に入ってバンド構造を形成すると窒素の 2p軌道は酸素の 2p軌道よりも浅い位置にエネルギー準位を形成する．そのため酸窒化物では，N2pから遷移金属の d軌道への励起がバンドギャップ吸収に対応するようになり，その吸収領域は可視光領域に移動する．アンモニア中での熱処理を利用した窒素を含む酸化物ナノシートとしては大きく分けて 2種類が報告されている．一つは，酸素サイトへの窒素置換に伴う電荷補償が酸素欠陥の生成により達成しているCsCa2Ta3O9.7N0.2などのDion-Jacobson相と呼ばれる一連の層状物質と同じ構造を持つ層状化合物の剥離により得られるナノシートである22)．もう一つは，酸素サイトへの窒素置換に伴う電荷補償が層間へのカチオン化学種の挿入により達成しているNa2Ca2Ta3O9NなどのRuddlesden–Popper相と呼ばれる一連の層状物質と同じ構造を持つ層状化合物の剥離により得られるナノシートである23,24)．前者のDion-Jacobson相の剥離により得られるナノシートの合成に関しては，比較的多くの単層のナノシートの研究報告がある．一方，後者のRuddlesden–Popper相の剥離によって得られる酸窒化物ナノシートの報告は殆どない．その理由としては，Ruddlesden–Popper相の層状酸窒化物の合成が難しかったことと，層間に剥離剤がインターカレーションされにくいことがあげられる．近年になって，ようやく，層状酸窒化物Na2Ca2Ta3O9Nの剥離によりCa2Ta3O9Nナノシートの合成が達成された状況である．以下，Ruddlesden–Popper相の層状化合物から得られる酸窒化物ナノシートの合成について紹介する．Ruddlesden–Popper相に分類される層状酸窒化物としては，Fig. 6に示すようなA2AE2M3O9NやA2REM2O6N（A：アルカリ金属イオン，AE：アルカリ土類イオン，RE：希土類イオン，M：Ta, Nb）などがある．例えば，層状酸窒化物Na2Ca2Ta3O9Nは Fig. 6の左図のような，トリプルペロブスカイト構造を持つ Ca2Ta3O9Nホスト層の間に 2個のNaイオンが配置された構造を持つ．この層状化合物を一段階の固相法プロセスで合成することは難しく，次に示すような多段階プロセスを経て合成される．はじめに，Dion-Jacobson型の層状化合物であるCsCa2Ta3O10を合成する．その後，層間の Csイオンを溶融塩法によりNaイオンに交換する．その後，NaCa2Ta3O10と電荷補償剤として，Na2CO3もしくはNaClを適当な量を加えアンモニア気流中で熱処理することで，酸素サイト（O2-）の一部が窒素（N3-）に置き換わり，同時に電荷補償としてNa+イオンが層間に挿入されることで，黄色の層状酸窒化物Na2Ca2Ta3O9Nを得ることができる．Na2Ca2Ta3O9Nの層状構造の剥離は，3～6 M HNO3水溶液の酸溶水液中で層状体を攪拌することで層間のNaイオンをプロトンに交換してプロトン体を得た後，エチルアミンを層間にインターカレートして層間距離を拡大させる．これにより，剥離剤として機能する嵩高い有機アンモニウムイオンが層間に挿入されやすくなり，剥離が達成される．しかしながら，この材料系ではホスト層の電荷密度が高HF TMAa) エッチング b) 層間拡大MAX相 O, FFig. 5  Preparation of MXene using soft chemical exfoliation method.Fig. 6  Structural model of Ruddlesden–Popper typed layered oxynitrides.Advanced Publication by J-STAGE5無機ナノシートの合成と最近の展開―酸化グラフェン，TMDC，MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートを中心に―いため，通常の静置状態では単層ナノシートへの剥離が十分に進行しないため，剥離剤であるテトラブチルアンモニウムヒドロキシド（TBAOH）水溶液中で超音波処理する処理を追加することで，効果的に剥離反応が進行し，Ca2Ta3O9Nナノシートを得ることができる．４　薄膜堆積法と応用本節ではナノシートの堆積法として広く普及しているLayer-by-layer法とラングミュア-ブロジェット法，及び比較的最近開発されたスピンコート法と液滴乾燥法について紹介する．有機カチオンを用いたソフト化学剥離法は共通して負の表面電荷を有するため，類似したコロイド特性を示す．したがって，下記の薄膜作製法は酸化物，TMDC，及びMXeneに対して共通して使用することができる．・Lay-by-layer堆積法Lay-by-layer堆積法は，帯電粒子やポリマーを用いた成膜に広く用いられる．表面の表面電荷に対して逆電荷を有する物質が静電引力により吸着する表面吸着機構を原理とする．負に帯電したナノシートを堆積する場合は，逆の正電荷を用いたポリマーを分子状と接着剤として用いる［Fig. 7a］．このプロセスを繰り返すことでナノシートの多層膜をすることもできる．本手法は酸化物25)，TMDC26)，MXene27)を含んだ種々ナノシートの成膜に利用されている．本手法は操作，設備が簡便で大面積化や複雑形状基板への堆積に対して拡張性を有することが長所である．一方，ナノシート単層積層を制御することは困難であり，通常，1回の積層プロセス後，未成膜部やナノシート 2～3層部の形成がされる．・ラングミュア・ブロジェット法ラングミュア-ブロジェット法は分子化学分野で普及した成膜法である．一般的なプロセスとして，気液界面で両親媒性分子の単分子膜を形成し，基板上に転写することで緻密な単分子膜が基板上に形成される．ナノシートを用いる場合，表面 TBAがナノシートを疎水化することで，ナノシート膜が気液界面に形成される．気液界面に存在するナノシートの密度は表面圧をモニターすることで精密に制御することができる［Fig. 7b］28)．これにより，種々の酸化物ナノシートで単層の被覆率 95%超の緻密膜作製されている．29,30)．さらに，成膜手順を繰り返すことで，膜厚を精密に制御した多層ナノ構造の構築も可能である．本手法は Ti3C2Tx単層膜の成膜にも採用されている31)．・スピンコーティングスピンコーティングは半導体分野ではフォトレジスト層の作製用に広く使用されおり，複雑な製造工程を必要とせず，数分単位で成膜が可能であることが長所である．2013年Kimらによる酸化グラフェン単層膜の作製がナノシート単層膜にスピンコーティングを用いた最初の報告となる32)．続いて，Sasakiらは，ジメチルスルホキシド（DMSO）溶媒を用いたスピンコーティングにより，単層ナノシートからなる稠密配向膜の堆積に成功している［Fig. 7c］33)．この単層コーティングは数分で完了し，ラングミュア-ブロジェット法よりもはるかに高速でありつつ，得られる薄膜の品質はほぼ同じである．Fig. 7 � Nanosheet thin film deposition methods: (a) layer-by-layer deposition, (b) Langmuir-Blodgett method, (c) spin-coating method and (d) droplet drying method*2).*2) Fig. 7b, 7dはそれぞれ，文献 28)34)の出版社より掲載の許可を得ております．「粉体および粉末冶金」Advanced Publication by J-STAGE6 谷口　貴章，畠山　一翔，伊田　進太郎・液滴乾燥法液滴乾燥法はナノシートを用いた成膜手法として最新技術である34)．本手法では，まずナノシート分散液を加熱した基板（100～120°C）上に滴下し，液膜を形成する．次に，液膜を吸い取る過程において，液膜が乾燥する端部からナノシート膜が形成され，液膜の除去後，基板一面に緻密単層膜が形成される［Fig. 7d］34)．滴下乾燥はナノシート膜の作製手法として常套手段であるが，基板加熱，及びエタノールの総量添加により，液膜の表面張力勾配と熱対流を制御することで，ナノシートの緻密配向の形成が初めて導かれた．この単層成プロセスの繰り返しにより，層数を精密に制御した多層膜が得られる．このように，単層ナノシート堆積法は，数分程度にまで短縮されたプロセスで原子スケール膜厚制御を可能にするまで進化している．ナノシート成膜プロセスは基板表面の結晶構造に制限されないため，Si/SiO2，ITO，Pt/Auなど，さまざまな基板上にナノシートを成膜することができる．さらに，堆積に高温の基板加熱が不要であるため，耐熱性の乏しいプラスチック基板上へのフレキシブル・デバイスの製造にも高い適合性を有する．・吸引濾過法ナノシートの積層を厚くすることで，自立膜としてナノシートを利用することができる．上述した方法でも時間をかければ数ミクロンの膜の合成は可能であるが，吸引濾過法を用いれば 1回のプロセスで数～数十ミクロンの膜厚のナノシート自立膜を作製することが可能である．例えば，2007年頃に酸化グラフェンの吸引濾過膜が報告されている35)．酸化物系のナノシートも同様な手法で自立膜の作製が可能であるが，ナノシート分散溶液中に過剰の剥離剤が存在する場合はナノシート層間や表面に過剰の剥離剤が残るため高品質の自立膜の作製が難しい．遠心分離法等を利用して事前に過剰量の剥離剤を除去したナノシート分散溶液を用いることで，透明な無機ナノシート自立膜を得ることができる．このような膜の反射XRDと透過XRD測定結果から，完全にナノシートが面と面で接合した自立膜が得られることが確認されている22)．Fig. 8は吸引濾過法で作製した厚さ 10 μメートル程度のCa2Nb3O10ナノシートの自立膜である．５　ナノシート薄膜・自立膜の応用最後にナノシート薄膜や自立膜の応用について簡単に紹介する．まず，酸化物ナノシートの特徴として電子絶縁性と高誘電性を挙げる．コンデンサの静電容量は膜厚に反比例し，誘電率の比例するため，数 nm厚さで絶縁性を確保できる酸化物ナノシートは薄膜コンデンサに最適である．Osadaらを中心に酸化物ナノシートの誘電体応用は約 15年間の研究がなされており，ペロブスカイト型酸化物ナノシートで 10 nm膜厚以下で誘電率が 300～500にも達する高性能薄膜コンデンサが開発されている36)．一方，TMDCナノシートは半導体材料として有望である．現在，気相成長により作製される単層MoS2，WS2デバイスでは 100 cm2/Vs程度のキャリア移動度が良好な値とされている．一方，現在のところ TMDCナノシートでは 10 cm2/Vsがおおよその最大値となる．今後，合成・成膜プロセスの改善により気相成長に匹敵する技術にまで進化することができれば，半導体チャネル，センサー素子，光学素子等，多用途へ応用展開が加速するであろう．MXeneは電子電導体であり，半導体デバイスにおける電極応用に好適である37)．無機ナノシートの自立膜の新しい展開としては，酸窒化物ナノシート自立膜をプロトン電解質に用いた水素燃料電池等が報告されており22)，ナノシート自立膜の新しい機能開拓が始めっている．今後，様々な無機ナノシートの中からその薄膜・自立膜の応用の更なる展開が期待される．文　　　献1)  H. 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Fig. 8 � Fabrication of freestanding nanosheet membranes using the vacuum filtration method and a photograph of a Ca2Nb3O10 nanosheet freestanding membrane.Advanced Publication by J-STAGE7無機ナノシートの合成と最近の展開―酸化グラフェン，TMDC，MXeneナノシート，酸窒化物ナノシートを中心に―Lotsch, W. D. Kaplan, C. Scheu: J. Phys. Chem., 120 (2016) 11170-11179.9)  R. Ma, T. Sasaki: Acc. Chem. Res., 48 (2015) 136.10)  D.-S. Ko, W.-J. Lee, S. Sul, C. Jung, D.-J. Yun, H.-G. Kim, W.-J. Son, J. G. Chung, D. W. Jung, S. Y. Kim, J. Kim, W. Lee, C. Kwak, J. K. Shin, J.-H. Kim, J. W. Roh: NPG Asia Mater., 10 (2018) 266-276.11)  T. Shibata, N. Sakai, K. Fukuda, Y. Ebina, T. Sasaki: Phys. Chem. Chem. Phys., 9 (2007) 2413-2420.12)  Z. Liu, R. Ma, Y. Ebina, K. Takada, T. Sasaki: Chem. Mater., 19 (2007) 6504-6512.13)  X. Yin, C. S. Tang, Y. Zheng, J. Gao, J. Wu, H. Zhang, M. Chhowalla, W. Chen, A. T. S. Chem. Soc. Rev., 50 (2021) 10087-10115.14)  X. Fan, P. Xu, D. Zhou, Y. Sun, Y. C. Li, M. A. T. Nguyen, M. Terrones, T. E. 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