# Fileset

[バイオアダプティブなマグネシウム合金のための水酸／炭酸アパタイト被膜の開発 バイオマテリアル 42 3 46-50.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/ec1bdb9a-82bd-4a5b-8160-d93bb8628e1f/download)

## Creator

[廣本 祥子](https://orcid.org/0000-0003-4666-6708)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[バイオアダプティブなマグネシウム合金のための水酸／炭酸アパタイト被膜の開発](https://mdr.nims.go.jp/datasets/8036a808-98ac-4830-a867-18ce4df874a6)

## Fulltext

Microsoft Word - 【特集】 hiromoto NIMS final MDR用 はじめに 金属材料は，強度が高く，延性が大きくて成形しやすく，また靭性が高く弾性変形の限界を超えても容易に破断しないという優れた特性を有している．このため，大きな荷重がかかる人工関節や骨折固定材，人工歯根やステントなどに Ti 合金やステンレス鋼などの金属材料が使用されている．人工関節のように半永久的に使用されるデバイスでは，安全性の観点から，Ti 合金の様な不働態金属材料の高耐食性は非常に重要である．一方，骨ネジ，プレート，髄内釘やステープルなどの一時使用のデバイスの場合，不働態金属材料では手術による抜去が必要なため，患者の身体的負担が大きいという課題がある．患部の治癒に伴い分解・吸収される生分解性高分子が骨ネジやステントに用いられているが，強度に課題があるため適用範囲は広くない．そこで，より強度が高い生体内溶解性（biodegradable）材料として，生体環境で腐食溶解するマグネシウム（Mg），鉄や亜鉛合金が注目されている． 中でも Mg および Mg 合金の整形外科用デバイスへの応用に関する検討は古くから行われている 1)．その中で，Mg合金の腐食溶解による早期の強度低下，腐食反応で生成する水素ガスおよび水酸化物イオンによるガスだまり形成やpH 上昇が患部の治癒の妨げになる可能性が指摘されている 1)．一方，Mg2+イオンによる骨形成促進や 1)，生体内での Mg 腐食の主因子は Cl-イオンであること，体液からのリン酸カルシム析出，体液の流速，接する生体組織の種類，バッファーの種類などが腐食生成物層の組成や厚さを変化させ，腐食速度や形態に影響を及ぼすことが報告されている 2)． このため，Mg 合金製デバイスが患部を早期に固定し，治癒に伴い溶解・吸収されていくには，腐食溶解や周囲組織との接合のバイオアダプティブな制御が求められる．整形外科用 Mg 合金の場合、アパタイト被膜による制御が適していると考えられる．本稿では，我々のグループにおける医療用 Mg 合金のための水酸アパタイト（HAp）および炭酸アパタイト（CAp）被膜の開発と，HAp または CAp被覆 Mg 合金の in vitro および in vivo での腐食や骨形成挙動，アパタイト被膜の劣化挙動の検討を行った結果を紹介する．  Biodegradable Mg 合金 純 Mg や Mg 合金の生体材料への応用は，初めに 1870年代の終わりから 1980 年頃にかけて試みられたが，腐食速度の制御が困難なために研究は下火になった 1)．その後2000 年代初頭に Mg 合金が軽量材料として注目され，それまでよりも高強度，高耐食性の純 Mg や Mg 合金が開発されてくると，biodegradable 金属材料としての検討が再び盛んになった．日本では 2000 年頃の高谷らや堤らにより  バイオアダプティブなマグネシウム合金のための水酸／炭酸アパタイト被膜の開発  Mg 合金は高強度の生体内溶解性金属材料として注目されているが，腐食溶解速度の制御と生体適合性の向上が課題である．我々は，水酸アパタイトおよび炭酸含有量の異なる炭酸アパタイトを水溶液浸漬処理（化成処理）で被覆する方法を開発し，アパタイト被覆 Mg 合金を，被膜の組成や厚さなどにより腐食溶解挙動が制御されたバイオアダプティブ材料とすることを目指している．本稿では，アパタイト被膜の開発経緯と、アパタイト被膜を様々な組成や形状の Mg 合金に被覆し，in vitro および in vivo で腐食挙動や生体適合性の検討を行った結果を紹介する．  キーワード：生体内溶解性 Mg 合金，水酸／炭酸アパタイト被膜，化成処理  廣本 祥子 Sachiko Hiromoto 物質・材料研究機構 構造材料研究センター Research Center for Structural Materials, National Institute for Materials Science  純 Mg の疑似体液浸漬試験などが行われた例が最初と思われる 3-5)．図 1 に示すように，biodegradable 金属材料に関する論文の半分程度が biodegradable Mg 合金に関する論文で，それらの数は増加を続けている．本稿のトピックスである Mg 合金の表面改質に関する論文も一定数が発表され続けている.   図１ 2001 年～2024 年の生体内溶解性金属材料、生体内溶解性 Mg 合金およびその表面被覆／改質に関する文献数の推移（2024 年 4 月 9 日検索）．検索は Web of Science にて，論文全範囲を検索範囲とした。  これまでに，様々な Mg 合金の腐食特性や生体適合性，機械的性質が検討されている．欧州では 2013 年に希土類（Re）を含む Mg-Y-Re-Zr 合金製ステントが生体応用のための Conformite Europeene (CE)マークを取得し，その後骨ネジや胆管ステントも CE マークを取得している 6)．他に，中国では 2013 年に高純度 Mg(99,99%)製骨ネジがClinical Trial Registry を受け，韓国では 2015 年にMg-Ca-Zn 合金製骨ネジが政府の認可を受けるなど 6, 7)，実用化への検討が続いている．  Mg 合金の腐食溶解特性 マグネシウムの腐食溶解は，次式で表されるアノード反応とカソード反応がカップリングして進行する． Mg → Mg2+ + 2e- (アノード反応) 2H2O + 2e- → H2 + 2OH- (カソード反応) アノード反応で Mg は Mg2+イオンとして溶解し，カソード反応で水素ガスが発生し，周囲の pH が上昇する．表面の酸化皮膜は，アノード・カソード反応を抑制／促進する．  マグネシウムでは非常に微量の Fe，Cu，Ni や Co などの不純物元素の存在で腐食速度が急激に増大する．例えば，Fe濃度が 0.017mass%未満のマグネシウムの 3％ NaCl水溶液中での腐食速度は 0.2 mg/cm2/d であるのに対し，0.02mass%では 40 mg/cm2/d と約 200 倍になる 8)．現在市販の Mg 合金では不純物元素濃度が制御されているため，昔の合金よりも腐食速度は大きく改善されている． しかし，現在でも Mg 合金製の骨ネジやステントを生体内に埋入すると，周囲にガスだまりを形成するような大きな初期腐食がある確率で発生している 9, 10)．このような大きな初期腐食による強度低下やガスだまり形成は，デバイスによる患部の支持を失わせることになるため問題である．一般に金属材料の腐食速度は環境に暴露した直後にピークを示し，その後徐々に低下していくものであるが，この無作為に起こる大きな初期腐食の原因には，手術器具や骨との摩擦による表面損傷も考えられる．また，Mg 合金製骨ネジについては，周囲骨との接触率が Ti 製ネジより低いことが報告されている 11)．そこで，特に初期の腐食速度を低減して患部治癒まで必要なデバイス強度を保持し，ガスだまりを形成させず，周囲組織との適合性を向上するために，様々な表面被覆の開発が行われている 12)．骨伝導性が求められるデバイスのためには，アパタイト，リン酸二水素カルシウム（DCPD）や-リン酸三カルシウム（-TCP）などのリン酸カルシウム被膜やフッ化マグネシウム被膜，アノード酸化皮膜などが検討されている．  Mg 合金のアパタイト被覆 我々は，Mg 合金の腐食速度を低減し，周囲骨との接合を促進するために，初めに HAp 被膜の開発に取り組み 13)，被覆の損傷部からの腐食を抑制するためのポリマー修飾も試みた 14)．近年は CAp 被膜の開発に取り組んでいる．骨ネジのような凹凸の大きな材料表面に均一に被覆するには，水溶液中での処理が適している．他グループでは，前駆体となる DCPD や-TCP を水溶液浸漬や電析で析出させた後に，アルカリ性水溶液に浸漬してアパタイトに変化させる 2 段階処理や 15, 16)，SBF への自然浸漬での結晶性の低いアパタイト析出が行われていた 3)．1 段階の水溶液浸漬での Mg 表面へのアパタイト被覆が困難な理由は，基材から溶出した Mg2+イオン濃度の Ca2+イオン濃度に対する比率が大きくなると，析出したリン酸カルシウムのアパタイトへの結晶化が阻害されるためである 17)． そこで我々は，Mg の腐食を促進する Cl-イオンを含まず，Ca2+イオン濃度が高い被覆処理溶液の開発において，無機塩よりも溶解度が高い錯塩のエチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム（Ca-EDTA）を用いることとした 13)．図 2 のアパタイト形成反応の概略図に示すように，水溶液中の Ca2+イオンがアパタイト析出で消費されて濃度が低下すると，Ca(EDTA)2+イオンの解離により新たな Ca2+イオンが供給されて濃度が高く保たれる． アパタイトの析出は，水溶液の加温による Ca-EDTA からの Ca2+イオンの解離と，基材 Mg 合金の腐食による pH上昇により開始し（図 2），基材表面は 10 min 以内に半球状の HAp 粒子に覆われる 18)．短時間で表面が覆われることでその後の基材の腐食が抑制され，析出したリン酸カルシウムは仕込みの pH 下でアパタイトに結晶化し，成長すると考えられる 18)．開発した被覆法では，HAp 被膜が形成される pH 範囲は中性～アルカリ性と広く 19)，Ca-EDTA と リン酸塩の濃度，温度，処理時間を広い範囲で変化させることができる．つまり本被覆法は，被覆条件の制御により様々な結晶性や膜厚の HAp 被膜を形成できる利点がある．   図 2 アパタイト形成反応と被膜形成メカニズムの概略．文献 18)より改変引用．  これまでに図 3 の電子顕微鏡（SEM）像に示す純 Mg，Mg-3Al-1Zn（AZ31）合金および Mg-4Y-3RE（WE43）合金に加えてMg-xZn合金やMg-Ca合金など様々な合金表面に緻密な HAp 被膜を形成できることを明らかにした 13, 20-25)．HAp 被膜の構造は合金の組成によらず，図 3(d)および(e)に示すような 2 層構造で，緻密な内層とそこから成長した棒状結晶からなる多孔質の外層でできている．図 3(f)の HAp 被膜内層および図 3(g)の外層の棒状結晶の電子線回折像からわかるように，内層はアパタイトナノ結晶，棒状結晶は c 軸方向に成長した結晶性の高いアパタイトである 20)．外層の棒状結晶は被覆処理 10 min ですでに微小な針状結晶として形成されており，内層の厚さと外層の棒状結晶の長さと太さはそれぞれ処理時間に伴い成長する 18)．   図 3 (a, d) HAp 被覆純 Mg，(b, e-g) HAp 被覆 AZ31 および(c) HAp 被覆 WE43 の(a)-(c) 表面 SEM 像，(d) 断面 SEM像，(e) 断面 TEM 像，(f) 内層の電子線回折像および(g) 棒状結晶の電子線回折像．文献 20, 21)より改変引用．  In Vitro での HAp 被覆 Mg 合金の腐食挙動 マグネシウム合金では，不働態金属材料において一般的な分極試験では実際の腐食速度を評価できない 26)，また腐食にはリン酸カルシウム析出，タンパク質の吸着などが影響を及ぼす 27)．そこで細胞培養液を用いて HAp 被覆および未被覆AZ31および純Mgの浸漬試験を行った 28)．また，HAp 被覆表面に損傷が入る場合を想定し，表面にクロスカットを付けた試料の浸漬試験も行った 29)．図 4 に培養液中での Mg2+イオン溶出挙動を示す．HAp 被覆により AZ31および純 Mg の初期腐食が約 1/2 に抑制されたことがわかる．Mg2+イオン溶出速度から求めた HAp 被覆 AZ31 からの水素発生速度は 0.29 ml/cm2/d であり，これはモルモット皮下で求めたガスだまりを作らない限界の水素発生速度0.01 ml/cm2/d と同等であった 28)． HAp 被覆による腐食抑制効果は AZ31 では長期間継続したのに対し，純 Mg では浸漬 20 d ほどで顕著な効果はみられなくなった．AZ31 と純 Mg のいずれでも，HAp 被膜にキズを付けても初期の腐食速度はほとんど変化せず，浸漬30~40 d を超えるあたりからクロスカット材の腐食速度が最も低くなった 29)．浸漬 98 d 後の表面観察より，クロスカット内部にリン酸カルシウムの析出がみられ，キズが修復されることが示された．これらの結果より，我々が開発した HAp 被膜は，手術器具等による被膜損傷によらず耐食性を発揮できることが示唆された．   図 4 クロスカット有無の(a) HAp被覆AZ31および(b) HAp被覆純Mgの培養液中でのMg2+イオン溶出挙動および浸漬後のクロスカット部分 SEM 像．文献 29)より改変引用．  被覆条件の影響の検討では，HAp 被覆純 Mg の 3.5% NaCl中での分極試験より，10 min という短い被覆時間でも腐食電流密度を未被覆材の約 1/10 に低下できること，2 h の被覆で未被覆材の約 1/1000 にまで低下できることを報告した 18)．また，被覆処理溶液の pH により，HAp 被覆 AZ31や HAp 被覆 WE43 の被膜接着強度や疑似体液中での耐食性が変化することを報告した 30, 31)．これらの結果より，被覆条件によって腐食速度を制御できることが示唆された。   In Vivo での HAp 被覆 Mg 合金の腐食挙動 生体適合性評価のため，HAp 被覆 AZ31 のトランスジェニックマウスの皮下への埋入試験を行った（図 5）28)．未被覆材では埋入 4 w ころから皮膚に膨れが起こり，図 5(a)の左側に示すように 12 w でも膨れは明瞭であった．また，炎症に起因する発光の強度レベルは，HAp 被覆の有無に関わらず低く，顕著な炎症は起こらなかったと考えられる．   図 5 (a) HAp 被覆および未被覆 AZ31 ディスクを埋入したマウスの外観写真．(b) 未被覆材および(c) HAp 被覆材に接していた組織の H&E 染色像．星印：試験片と接していた側．文献 28)より改変引用．  16 w 後に材料を抜去したところ，未被覆材は透明なカプセルに包まれていた．カプセル内に液体はほとんどなく，材料表面は濡れている程度であり，生体組織の接着はみられなかった．一方，HAp 被覆材では 16 w の埋入期間で皮膚に膨れを生ずることはなく，抜去後には軟組織が表面に接着している様子が観察された．図 5(b)および(c)に示す材料周囲の組織のヘマトキシリン＆エオジン（H&E）染色像より，未被覆材周囲には 300 m 程度の厚い線維性組織が形成されて炎症性細胞の浸潤が顕著にみられたのに対し，HAp 被覆材周囲の線維性組織の厚さはその 1/10 程度で炎症性細胞の浸潤は少なかった．これらの結果より，HAp 被覆は軟組織中での Mg 合金の腐食を抑制し，生体適合性を向上することが示された． 次に，HAp 被覆した様々な Mg 合金ロッドのラット大腿骨への埋入試験を行った 23)．HAp 被覆および未被覆純 Mg，Mg-Ca合金およびWE43合金の結果の一部を図6に示す．埋入初期には，HAp 被覆によりいずれの基材合金でも腐食が抑制され，皮質骨との接合が促進された．基材が WE43の場合，HAp 被膜の腐食抑制効果は長期間継続し，腐食生成物の溶解はほとんどみられず，皮質骨と基材との接合状態も継続していた．一方，純 Mg や Mg-Ca 合金では，HAp被膜の腐食抑制効果は継続せず，腐食生成物が徐々に溶解し，皮質骨と基材との接合もが失われていくことがわかった．これらの結果より，HAp 被覆 Mg 合金では腐食は被膜下で進行し，ここで腐食生成物の溶解が起こると，HAp 被膜が基材表面から離れてしまうことがわかった．HAp 被膜は生体内で安定なため，残り続けて新生骨の基材合金表面への成長を妨げると考えられる．HAp 被膜の腐食抑制効果や骨との接合促進と維持は，基材 Mg 合金の腐食速度だけでなく腐食生成物の溶解性に依存することがわかった．   図 6 ラット大腿骨に埋入した HAp 被覆および未被覆(a-c) 純 Mg，(d-g) Mg-Ca および(h-k) WE43 の断面 SEM 像．文献 23)より改変引用．  Kim らは，同様の方法で HAp 被覆した高純度 Mg 製引張り試験片のラット骨頭蓋窩への，またネジの家兎脛骨への埋入試験を行い，HAp 被覆により基材 Mg の強度低下を抑制できること，骨との接触を向上できることを報告した 32)．  生体吸収性 CAp 被膜の開発 HAp 被膜に関する結果より，骨と基材合金との接合を継続させるには，生体吸収性の被膜が有効と考えた．CAp はHAp より溶解性が高く，破骨細胞により吸収され骨に置換される 33)．そこで，HAp 被覆処理溶液に炭酸塩を添加してCAp 被膜を開発した 22, 34)．図 7(a-d)に示すように，CAp被膜は微小粒子が凝集したカリフラワー状の形態を示した．アパタイト 002 面 XRD ピーク位置は，溶液の炭酸塩濃度の増加に伴い低角度側にシフトした（図 7(e, f)）．これより，アパタイトにおけるリン酸基が炭酸基に置換された B 型CAp 被膜が形成され，溶液の炭酸塩濃度により CAp の炭酸含有量が変化することがわかった 34)．   図 7 (a,c) CAp 被覆 WE43 および(b, d) CAp 被覆純 Mg．(e) WE43 および(f) 純 Mg 表面の HAp/CAp 被膜のアパタイト002 面由来 XRD ピーク．文献 22, 34)より改変引用．    図 8 (a, c) CAp 被覆 WE43 および(b, d) HAp 被覆 WE43 表面で培養した(a, b) 破骨細胞の TRAP 染色像および(c, d) 断面 SEM 像．文献 22)より改変引用．  CAp 被膜の劣化挙動の検討のため，CAp 被覆および HAp被覆 WE43 表面で破骨細胞の培養試験を行った 22)．図 8(a, b)の酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ（TRAP）染色像に示すように，HAp 被覆表面よりも CAp 被覆表面で成熟した破骨細胞が多く観察された．細胞の下の被膜の断面 SEM観察を行ったところ，HAp 被膜とその下の基材 WE43 には劣化がみられなかったのに対し，CAp 被膜には溶解の跡とみられる多くのひび割れがあり基材WE43には微小な腐食孔が観察された（図 8(c, d)）．これより，開発した CAp 被膜は破骨細胞により吸収される可能性が示された．用いた培養液中への Mg2+イオンを定量したところ，溶出量は CAp被覆と HAp 被覆 WE43 で同程度であった．これより，破骨細胞による被膜の吸収が伴う場合でも，CAp 被膜は腐食抑制効果を発揮できることがわかった．近年，CAp 被覆および HAp 被覆 Mg-Ca 合金製プレートおよびネジの家兎大腿骨埋入試験を行い，CAp 被膜は Mg-Ca 合金の局部腐食を抑制し，新生骨が形成された表面の CAp 被膜が溶解されていくことを確認している（2022 年第 44 回日本バイオマテリアル学会大会にて発表）．CAp の炭酸含有量が被膜吸収性に及ぼす影響は今後の検討課題である．  おわりに マグネシウム合金には，抜去手術を要さない，比較的強度が高い，ヤング率が骨に近い，CT や MRI におけるアーチファクトが非常に小さいなど，医療用材料として多くの利点がある．一方，医療用 Mg 合金の実用化には生体内での腐食速度の制御が重要である．我々が開発している HApおよび CAp 被膜は，被覆条件によって Mg 合金の腐食速度を変化させ，骨との接合を促進し，さらに CAp 被膜は生体に吸収されていくことから，Mg 合金をバイオアダプティブ材料として実用化していくのに適した被膜であるといえる．現在我々は，主に CAp 被膜の被覆条件と被覆 Mg/Mg合金の腐食速度との関係を系統的に評価している．そして，炭酸含有量が CAp 被膜の溶解挙動に及ぼす影響の評価を計画している．これらの基礎データの蓄積により，医療用に開発されている Mg 合金の組成や使用デバイスに適したHAp または CAp 被膜を提供していくことを目指している．  謝辞 本稿で紹介した研究の一部は，科学研究費補助金 基盤研究(B) (18760554，H1604511)，基盤研究(C) (16K11651，20K10012)，軽金属奨学会研究補助金，および T-CReDO（A22-02）の支援によって実施された．  参考文献 1) Witte F: The history of 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