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[Todoroki25OFT.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/e73bb924-b3d4-4a2b-80e3-5e00da5a9ce9/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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Copyright ©2025 by IEICE[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[ファイバフューズ —好奇心を呼び覚ます不思議な現象](https://mdr.nims.go.jp/datasets/5dc44f11-7fe7-49c7-9280-1ed5bb6345f0)

## Fulltext

一般社団法人 電子情報通信学会THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS信学技報IEICE Technical Report［招待講演］ファイバフューズ～好奇心を呼び覚ます不思議な現象～轟 眞市物質・材料研究機構広報室 〒305–0047茨城県つくば市千現 1–1–2E-mail: TODOROKI.Shin-ichi@nims.go.jpあらまし 筆者は 2009年から研究所への若い来訪者の眼の前でファイバフューズの実演をしている。「各自の手のひらの上に光の球を走らせる」と予告した上で、光ファイバに関する背景知識をわかりやすく説明すれば、彼らの期待はどんどん高まっていく。どのような工夫をこらしたのかを紹介する。2023年には、研究内容に一歩踏み込んだ短い動画 3部作を YouTubeで公開した。短時間のうちに込み入った内容のエッセンスをどう表現したかを説明する。最後に、筆者自身がどういう道筋をたどってファイバフューズ研究に深入りしていったのかを述べる。キーワード ファイバフューズ,ラボ見学,広報活動，YouTube[Invited Talk] Fiber Fuse– Amazing Phenomenon having Stirred up Our Curiosity –Shin-ichi TODOROKIPublic Relations Office, National Institute for Materials Science 1–1–2 Sengen, Tsukuna-shi, Ibaraki, 305–0047 JapanE-mail: TODOROKI.Shin-ichi@nims.go.jpAbstract I’ve been performing a demonstration of fiber fuse propagation in front of young visitors to our institute since 2009.This show finishes by letting a tiny comet run over the palms of their hands. The tips to stimulate their curiosities are describedin the introductory session for nonspecialists. In 2023, I posted a trilogy of YouTube video showing advanced backgroundknowledge of fiber fuse. Further tips are given to deliver the essence of detailed research results effectively. Lastly, my briefhistory is told to be deeply involved into the fiber fuse research.Key words Fiber fuse, Laboratory tour, Public relations, YouTube1. ま え が き1987 年に発見された、初めて見る人に強烈な印象を残す現象、ファイバフューズ1 [1, 2]。2004年からその研究を始めた筆者は [3]その 5年後から、研究所への若い来訪者の眼の前で実演するようになり、目撃者数はゆうに 1000名を超えた。しかし、ただ見せるだけでは「不思議～！」だけで終わってしまう。湧き上がった好奇心に間髪を入れず背景となる知識を提供することで、彼らの瞳はより一層輝き出す。まず最初に、中高生でもわかる背景説明にどう工夫をこらしたのかを紹介する [4]。コンパクトな動画で研究紹介をできるようにしておくと、見学対応や講演の時に重宝するだけでなく、本稿のように文書内（注1）：本稿では特に記載のない限り、標準的なシリカガラス製単一モード光ファイバにおける現象のことを指すこととする。に URLや QRコードの形で引用することができる。2023年に筆者は、それまでに使っていた導入用の 2分の動画に加えて、来訪者からよく受ける質問に答える内容の 3部作を製作した。一般の視聴者を対象に込み入った研究内容のエッセンスを伝える動画をどう作ったのかを説明する [5]。筆者がファイバフューズ研究に参入してから研究対象に据えたのは、ファイバフューズが通過したあとに残される不思議な形の空孔列であった。その形状と発生条件との関係を丹念に調べていくと、形状を支配しているのはコアに閉じ込められた高温高圧のガスではなく、それを取り囲む溶融ガラスであることがわかってきた。その推論の道筋やポリマー系ファイバフューズの研究に加わった経緯を解説する。2. 若い見学者への説明の工夫著者の勤務する物質・材料研究機構では、年間約 2300名のThis article is a technical report without peer review, and its polished and/or extended version may be published elsewhere.Copyright ©2025 by IEICE- 124 -IEICE Technical Report OFT2025-58(2025-10)信学技報一般社団法人　電子情報通信学会THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERSThis article is a technical report without peer review, and its polished and/or extended version may be published elsewhere. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　             Copyright ©2025 by IEICE内容光で光ファイバが壊れる現象—ファイバフューズ光ファイバ携帯電話やインターネットとの関わりは？’09ノーベル賞物理学賞と日本との関係は？ファイバフューズ走る火の玉の正体は？– p. 0図 1 筆者が見学者相手にファイバフューズのデモンストレーションをする前に行うミニ講義の内容.見学者を受け入れており (2023年度実績)、その多くが高校生である。訪問を企画した学校側の意図は、研究機関の活動の一端に触れさせて、彼らの進路に対する視野を広げることである。それに応えるために、我々は彼らに提示する内容を、彼らが無理なく理解できるように伝える必要がある。それにも増して重要なのは、説明の冒頭で彼らの興味を引き出す工夫をすることである。さもないと、彼らは次々と睡魔に襲われる。筆者が 2009年から見学者相手にファイバフューズのデモンストレーションを始めたのは、誰もが眼を見張る不思議な現象で見学者の興味を引き出したかったからである。約 20分の時間枠の冒頭で、「最後に光ファイバに沿って光る球を走らせる」と予告し、その現象を理解するために必要な基礎知識を解説し、それが我々の生活にどう関わるのかを説明している [4]。図 1は、その説明の冒頭に掲げるスライドである。話はまず、光ファイバとは何かについて触れ、これが社会に浸透したきっかけを作った物理学者の仕事を紹介し、最後にファイバフューズと呼ばれる、光で光ファイバが壊れてしまう現象のしくみを解説する。以下、これらを高校生にわかりやすく説明する工夫の数々を紹介する。2. 1 導 波 構 造まず見学者ひとりひとりに、FCコネクタ付き光ファイバケーブルの切れ端を配り、フェルールの真ん中に透明なガラスが埋まっているのが見えるかを試してもらう。その外径は 0.125mmだけれども、光が閉じ込められる領域は、その中央の 0.01mmだと告げる。二種類のガラスがチーズ竹輪のように配置されており、光が中央部に閉じ込められる理由は外側の屈折率が低いためだと説明する。ここでアクリル製の透明な長い板を取り出し、その中にレーザーポインタの光を走らせて、空気との界面で全反射が起こっていることを見せる。夏にプールの中に飛び込んで上を見上げると、水面が鏡のようになっているのも同じ現象だ、付け加える。光ファイバが世の中で最も多く使われているのは光通信システムであり、皆さんの自宅や集合住宅には電話局から光ファイバが引かれているし、携帯電話は最初電波で情報をやり取りするが、電話局に届いたあとは必ず光ファイバ回線を通過する、と説明する。さらに、2022年 1月のトンガ沖大規模噴火や 2025年 1月の八潮市道路陥没事故を例にとって、光ファイバ通信が世の中を支える重要なインフラであることを伝える。このように、実際に手にとって観察させたり、自身の経験や身近な話題を手がかりに話を展開することで、彼らにすんなりと理解してもらえるようにする。2. 2 光ファイバ通信の起源2009年にノーベル物理学賞を受賞した 3名の写真を示し、そのうちの一人が「光ファイバ通信の父」と呼ばれる、チャールズ・カオ博士だと紹介する。その受賞理由を一言でいえば「ガラスが光通信に使えると予言した」となるが、これだけでは何がすごいかわからないよね、と疑問を投げかける。ここで、一枚の絵を見せる。映画「となりのトトロ」で主人公のサツキが電話を掛けているシーンだ (スタジオ・ジブリのホームページで、鈴木敏夫氏が「常識の範囲内でご自由にお使いください」と許可してくださっている)。このシーンに至るまでの経緯を思い出させて、その昔、電話は珍しい存在だったことに気づかせる。そしてカオ先生の予言は、その当時の懸念事項、すなわち電話に対する爆発的需要にシステムが対応できないこと、に対する解決策だったことを告げる。さらにその予言は、当時の人々にとっては非常識な提案だったことを説明する。厚さ約 1cmの薄緑色に着色した板ガラスを見せて、「ガラスの繊維に光を通して情報を伝える、て言ったって先生、こんな濁ったガラスで信号を遠くまで伝えるなんで無理じゃないですか？」「いやいや、ガラスを限りなく透明にする技術を開発すれば、問題を解決することができるのです。」と畳み込む。その後、1970年の米国コーニング社によるシリカガラス製光ファイバの開発成功を機に、世界中で開発競争が起こり、100kmを超えて光信号を伝えても、信号強度が 1/100にしかならない、とてつもなく透明な光ファイバが入手できるようになった、と説明する。その際地図を示して、彼らの学校からつくば市までの距離を確認し、100kmの長さを実感させる。2. 3 ファイバフューズのしくみまず、電気回線と光回線にエネルギーを注入しすぎると何が起きるかを考えさせる。電気の場合は金属製の回線からジュール熱 (電流の二乗に比例)が発生し、温度上昇の末金属の融点を超えた時点で溶け落ちる。昔から電気製品の保護に使われているヒューズという部品はこの仕組みで動作する、と説明する。光回線の場合はどんなに強い光を注入しても、それだけではガラスから熱は発生しない。なぜなら今までの説明にあった通り、とてつもなく透明な光ファイバが使われるようになったからだ、と告げる。それでは、なぜ光で光ファイバが壊れてしまう現象が起きるのか？それは、強い光を通している光ファイバの一部分を加熱すれば良い、と明かす。いかに透明なガラスであっても、1000℃を超えるあたりから、わづかに光を吸収し始める。吸収したエネルギーは、ガラスを温めるのに使われる。温度が上が— 2 —- 125 -Optical fiberLaserLaserλ: 1.08 μmSpectrometer38 WOptical fiberLaserLaserλ: 1.08 μmSpectrometer9 WOptical fiberLaserLaserλ: 1.08 μmSpectrometer3 W2006 年、ロシアの研究グループが次のような実験を行いました。シリカガラス製の光ファイバを Y の字に分岐させたものを作り、ファイバフューズを発生させた後、分岐の片方から、こちらに向かってくるファイバフューズからの光を測定したのです。その結果、数Wのレーザーで発生させた場合数千℃のオーダーであることがわかりました。(33秒)図 2 ファイバフューズからの発光を観測して、その温度を推定する実験の説明に用いた動画の一部と、その部分のナレーション (和訳)。QRコードは、そのシーンから再生するための URLをエンコードしたもの (https://youtu.be/NZkaTU-G4 o&t=121 動画再生時には日本語字幕を表示させることができる。以下同様)。ればガラスはさらに光を吸収する。このスパイラルによって、光ファイバの中心部分の温度がどんどん上昇していき、数千℃に達する。そのサイズは最初に確認した通り、直径 0.01mmである、と進めていく。大きさが限定された領域の温度が上がれば、膨張できない分圧力が上昇する。数千℃の高圧状態となれば、ガラスは融解・気化を通り越して、原子と電子がバラバラとなったプラズマのような状態になる。これが溶融ガラスに包まれて [6]、熱と光を放射しながら強い光がやってくる方向に移動を始める。これがファイバフューズである、と説明する。これと似た現象に、山の表面を覆う草を舐めるように焼き尽くす野火がある [7]、と指摘する。あとは全員で輪になって、手のひらの上に１本の光ファイバを張り巡らし、照明を暗くして走り回る光の球を観察して終わる。質問が色々飛び出すことになれば成功である。3. YouTube動画向けの説明の工夫筆者は 2013年にファイバフューズを紹介する短い動画を制作し、所属組織の公式 YouTube チャンネル上で公開したところ2、現在までに 12万回を超える視聴数を記録するに至っている。この動画は研究発表や見学者への説明でも重宝した。話の冒頭で上映すると、聴衆は即座にこの現象への興味を持ってくれるからである。2023年には、これだけは知っておいてほしいと筆者が考える（注2）：https://youtu.be/dhtbErmbhWwInfraredlaser beamTemperature> 1000 °CTemperature>> 1000 °CTemperature>>>>> 1000 °Cextremelytransparentextremelytransparent図 3 ファイバフューズが発生する仕組みの説明に用いたアニメーションの一部。https://youtu.be/UiTHCUjfqv0&t=41内容を、短い 3本の動画にまとめてみた [5]。視聴者を飽きさせずに、込み入った内容を伝えるには工夫が必要であった。動画で取り上げたトピックの中から三つを選んで、その製作において考慮したことを以下にまとめる。3. 1 温 度 推 定第 2. 3節でファイバフューズの温度を数千℃と述べたのは、Dianovらの研究成果 [8]を根拠にしている。彼らは図 2に示すような実験系においてファイバフューズを発生させ、その発光を分光測定した。それを黒体輻射と仮定して温度を推定したのである。まず、この実験を説明するアニメーションを作成した。図 2には示されていないが、実際にファイバフューズを発生させる手順を盛り込んだ。すなわち、レーザー光の注入、光ファイバの加熱、ファイバフューズの発生と移動、レーザー光の停止とファイバフューズの消滅である。さらに、3つの実験条件の違いに合わせてファイバフューズの移動速度や色を変化させた。たとえ略図であっても相対的な挙動の差が正しく表現されていれば、リアリティが醸し出されるものである。その一方で、このシーンに向けて興味を持続させるような仕込みをする必要が有る。まずビデオの冒頭で、ファイバフューズのデモンストレーションをしていてよく受ける質問は「この光を発しているものの温度はどれくらいなのですか?」である、と述べた。これを受けて、「走り回る小さなものの温度を測るのはかなり難しい」、「測定対象が静止していれば、それが放射する光の色で温度を推定することができる」と述べて、図 2の— 3 —- 126 -https://youtu.be/NZkaTU-G4_o&t=121https://youtu.be/dhtbErmbhWwhttps://youtu.be/UiTHCUjfqv0&t=41Constant?Not constant!ある日彼は気が付きます。先頭の空洞と弾丸状の空洞の距離は一定なのだろうか? そこで彼は、一定の条件で発生させたファイバヒューズを停止させて先頭部分の写真を撮ることを繰り返し、得られた写真を並べてみました。すると、両者の距離はまちまちであることがわかりました。そこで、背後の弾丸の位置を固定して、先端の位置が大きくなる順に並べ替えてみました。これは、時間順に並べ替えることを意味します。すると、まるでパラパラマンガのように興味深い現象が現れたのです。それは、先頭の空洞が尻尾を切り離し、押しつぶされて弾丸状に変化しているかのような変化です。(46秒)図 4 ファイバフューズが通過した後に残される空孔列の形が弾丸状になる理由を見つけた経緯を説明する動画の一部と、その部分のナレーション (和訳)。https://youtu.be/z6kk6iqwj0o&t=100ナレーションにつなげた。この前置きの部分でも視聴者が飽きないよう、アニメーションや実写映像を流してナレーションの内容を具体的にイメージできるようにした。3. 2 発生のしくみこれは既に文章の形で第 2. 3節の第 2, 第 3パラグラフに記述したが、短時間のうちに具体的にイメージしやすいようにアニメーションを作成した。図 3にその一部を示す。コアの一部分の温度が上昇するにつれ、そこを通過する光が弱くなっていき、その代わりにコアからの発熱が増える様子を描いた。温度が千℃を大きく超えた時点で外部からの加熱は必要なくなることも盛り込んだ。このシーンの後、ファイバフューズ発生のその場観察動画をはめ込んだアニメーションを 3種類示して、このメカニズムの妥当性を補強した。すなわち、(1)光ファイバを融着接続する際に強い光を注入しておく場合、(2)強い光が出射している光ファイバの先端を光吸収体に押し当てる場合 [9]、そして、(3)その配置を超高速ビデオカメラで撮影した場合である [10]。ミクロな視野での動画とマクロな視野でのアニメーションをタイミングを同期させて再生すれば、現象の全体像が把握しやすくなる。3. 3 空孔生成モデル1987年にファイバフューズ現象が発見されて以来 [1]、通過したあとに残される空孔列の形が弾丸状になる理由は謎であっ(a)(b)(c)(d)(e)図 5 1480nmの光を供給して発生させたファイバフューズが残した損傷列の写真。供給光強度: (a) 1.33 W, (b) 1.36 W, (c) 1.54 W, (d)2.82W, (e) 7Wた。筆者は 2005年、空孔列の先頭部分の写真から、その理由を説明できるモデルを提案した [11, 12]。これを説明するアニメーションを図 4 のように作成した。茶色い背景のシーンでは、ファイバフューズを発生・停止させて写真を 1枚づつ撮る手順を再現した。一番下のシーンの直後には、撮影した写真をパラパラマンガのように再生して、空孔が弾丸状に変形する様子をひと目で把握できるようにした。さらに、超高速カメラを使って撮影したファイバフューズの先頭部分が移動するビデオ映像と対比させ、(1)パラパラマンガによる再現は、レーザー光を遮断した後に冷えて固まったものを見ているにすぎないこと、および (2)それでも冷却前の何らかの特徴を保持していると考えるのが自然であることを指摘した。モデル映像と実写映像を直に対比させて説明できるのが、ビデオ作品の強みである。4. 筆者がたどった好奇心の遍歴このように、研究から手を引いてもなお、その面白さを人に伝えたくなるのは、初めてこの現象を見る人の好奇心がワシ掴みされるのを見続けてきたからである。それでは筆者自身の好奇心が、どのようにこの現象に引き寄せられて行ったのか? それをまとめてみる。4. 1 伝搬モードの発見飛び込みの営業マンからの提案で超高速ビデオカメラを借りることになり、手探りの状態からファイバフューズ発生のノウハウを習得し、その成果が国際会議で認められたことは [3, 13]、いままでに何度か紹介してきた [14, 15, 16, 17]。それがきっか— 4 —- 127 -https://youtu.be/z6kk6iqwj0o&t=100(a)(b)図 6 ファイバフューズに供給する光を 0.2 msの間に急変させたときに現れる変調構造の例。進行方向は右から左。(a) 6.13 W← 7.2W (b) 5.34 W← 5.04 W.けとなって翌年、別の国際会議に招待されたのだが、借りたカメラの手柄話をしに行くのも不甲斐ない、と思ってひねり出したのが、第 3. 3節で述べた空孔生成モデルの話だった。会議に先立って予稿を執筆しなければならない。これを機会に、と思って当時入手できたすべてのファイバフューズ文献をリストにまとめて提出した [18]。そのリストを個人のホームページにも掲載して、新着論文を入手するたびにアップデートするようになった。これが後に、筆者がファイバフューズに関する問い合わせをよく受けるようになるきっかけとなった。研究の方向性は、空孔列の形状を条件を変えて丹念に見ていくことに定まった。デジタル光学顕微鏡さえあれば評価できるので財布に優しかったからである。すると、ファイバフューズにも伝搬モードが有ることがわかってきた [19]。ガラス融液に包まれたプラズマ状のガスの専有形状が、光ファイバのコア径に対して小さいか (不安定モード,図 5 (a), (b))、同等で横長の球状となっているか (単峰モード,図 5 (c))、光ファイバの長さ方向に広がっているか (円筒状モード,図 5 (d), (e))、で空孔列の形状が異なっていたのである。それを決めるのは、ファイバフューズに供給する光の強度であり、弾丸状の空孔は円筒状モードの時に現れた。しかし、これがわかって何の役に立つのか、当時は何も見えていなかった。4. 2 空孔列の変調ファイバフューズは光通信業界にとって忌み嫌うべき現象であったから、ファイバフューズが持続的に伝搬できなくなる条件は広く興味を持たれていた。伝搬を持続できる最小の供給光強度は伝搬しきい値と呼ばれ、その場合は不安定モードで伝搬し、残される空孔列は非常に小さなものがほぼ等間隔に並んでいるものだった (図 5(b)参照)。筆者もこれに関する実験をしていた時のこと、不安定モードで伝搬させたファイバフューズへの供給光をさらに絞って消滅させ、そこに至るまでの空孔列を観察して驚いた。等間隔に並んだ空孔列に、無空孔区間と弾丸状の空孔一つのペアが割り込むようになり (図 5 (a)の右半分参照)、その出現頻度が増えていったのである [20, 21]。このペアの出現頻度が供給光強度と対応するのなら、空孔列には閉じ込められた高温高圧状態のガスのエネルギー状態の変化が記録されているのではなかろうか? この予想は当たり、光ファイバの透明被覆を一部分だけ剥いて白色塗料を塗っておき、不安定モードのファイバフューズを通過させると、この区間だけこのペアの出現頻度が減少した。白色塗料がファイバフューズの発光を散乱させ、その一部が再吸収されてガスが保持するエネルギーが増大したからである [21]。ということは、円筒状モードでも供給光の変化に応じた空孔形状の変化が観測されるのではないか? 供給光を 0.2 ms の間に急変させる実験を行うと、細長い空孔や無空孔区間が残ることがわかった (図 6参照)。これは、供給光強度の急変にガスを包む溶融ガラスが追随できずに遅れて変形することに着目すると、きれいに説明できることがわかった [6, 22]。筆者はもともとガラス材料を専門とする研究者としてキャリアをスタートさせたので、この分野に独特の視点を持ち込めたのは嬉しいことであった。4. 3 ポリマー系研究への参加2013年 6月のこと、論文の査読の依頼を受け取った筆者は原稿に目を通して驚いた。ポリマー系のマルチモード光ファイバにおいてファイバフューズが観測されたという報告で、見かけはシリカガラス系と同様に輝点が移動していくのだが、その速度は遅く、供給光強度も小さい、とのことだった (表 1参照)。通過した後の損傷は空孔列ではなく、一見炭化したかのような黒くてゆるく波打つ曲線であった。筆頭著者は日本人の若手研究者だった。この論文は早く世に出さねばなるまい。表 1 シリカ系とポリマー系のファイバフューズ伝搬条件の例。https://youtu.be/UiTHCUjfqv0&t=171シリカ系 [12] ポリマー系 [23]コア径 10 𝜇m 50 𝜇m供給光波長 1.48 𝜇m 1.55 𝜇m供給光強度 7 W 0.1 W速度 1 m/s 2 cm/sひとつ嬉しいことがあった。ファイバフューズの伝搬経路の写真が、筆者が過去に投稿した論文 [12]のものと同じ配置にしてあって、あきらかに敬意を感じられるのだ。原稿を丁寧に読み込んで、ここを直してほしいという願いを込めた査読結果を返送した。すると程なく、筆頭著者本人からのメールを受け取った。査読に対応するために力を貸してほしい、とのことだった。喜んで協力すると返答し、それから一ヶ月間、メールでの討論を重ねて、査読への返答内容を練り上げていった。ポイントは、シリカファイバ系との違いをわかる範囲で明らかにすることだっ— 5 —- 128 -https://youtu.be/UiTHCUjfqv0&t=171た。共著にしていただけることになったので、査読の続行は辞退した。結局その雑誌への掲載はかなわなかったが、年明けには別雑誌での公開が決まった [23]。シリカガラス系とポリマー系ではメカニズムが違うことは明らかだが、物理現象として抽象化して捉えれば、どちらも散逸ソリトン [7, 24, 25]として取り扱うことができる。外部からエネルギーを吸収して熱と光を放射する反応領域があって、入出力のバランスが取れている状態を保ちつつ、エネルギーが供給される方向に移動していくのだ。これは、材料、供給エネルギー、反応の三者が絶妙なバランスを保って初めて実現できる現象である。シリカガラス系において、輝点がまるで蛍が飛んでいくような速度で移動するのはそのバランスのなせる技だが、それが見る人の心に強烈な印象を残すことに繋がっている。この現象に長く関わって理解を深めることができたのは、ありがたいことだ。5. お わ り に筆者は材料科学の立場からこの現象を見つめてきたが、光ファイバ通信システムにおける回避方法の開発という点では、材料科学が提案できる妙案は無い。シリカガラス製光ファイバの開発の長い歴史を考えれば、これに勝る性能を有する材料は無いと断言できるからである。そうであれば、ファイバフューズを別の分野で活かす方法を探すことに興味が向く。それが広報での活用であった。拙稿が読者の方々に何らかの形で刺激になることがあれば幸いである。6. 謝 辞本稿をまとめる機会を提案してくださった、横浜国立大学の水野洋輔准教授に深く謝意を表します。文 献[1] R. Kashyap and K.J. Blow, “Observation of catastrophic self-propelled self-focusing in optical fibres,” Electron. Lett., vol.24, no.1,pp.47–49, Jan. 1988. https://doi.org/10.1049/el:19880032[2] D.P. Hand and P. St. J. Russell, “Solitary thermal shock waves andoptical damage in optical fibers: the fiber fuse,” Opt. Lett., vol.13,no.9, pp.767–769, Sept. 1988. https://doi.org/10.1364/OL.13.000767[3] S. Todoroki, “In-situ observation of fiber-fuse propagation,” Proc.30th European Conf. Optical Communication Post-deadline papers,pp.32–33, Kista Photonics Research Center, Stockholm, Sweden,Sept. 2004. (Th4.3.3).[4] 轟 眞市，“高校生に「光ファイバー通信の父」がノーベル賞を貰った理由を説明するには,”マテリアルインテグレーション，vol.22，no.12，pp.69–70，Dec. 2009．https://doi.org/10.46297/nims.1411[5] 轟眞市，“新・偶然を呼び寄せてセレンディピティを発揮するには (第 3 回) YouTube ビデオ作成事例紹介,” Feb. 2025．https://mdr.nims.go.jp/datasets/37c5f8ea-e561-4ebd-a291-0990a5295d71[6] 轟 眞市，“研究者の目をくらまし続けてきたファイバフューズ,”電子情報通信学会誌，vol.96，no.6，pp.441–443，June 2013．https://mdr.nims.go.jp/datasets/ab2d2eac-b3a2-4c35-837d-84f940507275[7] 轟 眞市，“野焼きの炎とファイバフューズの共通点,” マテリアルインテグレーション，vol.23，no.3，pp.74–75，March 2010．https://doi.org/10.46297/nims.1413[8] E.M. Dianov, V.E. Fortov, I.A. Bufetov, V.P. Efremov, A.E. Rak-itin, M.A. Melkumov, M.I. Kulish, and A.A. Frolov, “High-speedphotography, spectra, and temperature of optical discharge in silica-based fibers,” IEEE Photon. Technol. Lett., vol.18, no.6, pp.752–754,March 2006. https://doi.org/10.1109/LPT.2006.871110[9] S. 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