# Fileset

[ja.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/d4d7b474-36f0-4877-9a05-5357523dd863/download)

## Creator

[Ryota TAMATE](https://orcid.org/0000-0002-1704-1058)

## Rights

© 2024 日本材料学会[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

## Other metadata

[Polymer Gels from Physical Entanglements of Ultrahigh–Molecular Weight Polymers in Ionic Liquids](https://mdr.nims.go.jp/datasets/750cf5d9-4ec2-47c2-a5a4-4d5294db47f1)

## Fulltext

解解  説説  イオン液体中の超高分子量ポリマーの絡み合いによって形成される高分子ゲル 玉手亮多＊,＊＊ Polymer Gels from Physical Entanglements of Ultrahigh–Molecular Weight Polymers in Ionic Liquids by Ryota TAMATE＊,＊＊    Key words: Ionic liquid, Ultrahigh-molecular weight, Polymer gel, Ion gel, Self-healing   1  緒緒      言言 さきがけ「ナノ力学」領域において, 筆者は 100万を超えるような非常に長い分子量の高分子(ここでは超高分子量ポリマーと呼称する)の新しい機能開拓およびナノスケールからの機能発現メカニズムの解明を目的としている.  本稿では, 本研究課題の発端となったイオン液体と呼ばれるユニークな溶媒と超高分子量ポリマーの絡み合いからなる高分子ゲルの合成手法・力学物性に関する詳細を含め, 現在までに実施してきた検討内容に関して簡単に紹介し, 今後目指すナノ力学に関して述べる.   1.1 イイオオンン液液体体 イオン液体は, 広義には 100 °C 以下に融点を示す, カチオンとアニオンのみから構成される常温溶融塩と定義される. イオン液体は水・有機溶媒などの分子性液体にない特異な性質を示し, 基礎・応用両面において活発な研究が行われてきた. イオン液体はカチオン・アニオン構造から, プロトン性イオン液体, 非プロトン性イオン液体, 無機系イオン液体, 溶媒和イオン液体といったいくつかのカテゴリに分類できる(図 1) 1).プロトン性イオン液体は主にカチオン構造に活性プロトンを持ち, ブレンステッド酸・塩基の中和反応により合成できる. 非プロトン性イオン液体は活性プロトンを持たず, 典型的にはルイス酸性およびルイス塩基性の低いカチオンとアニオンから構成される. 無機系イオン液体は無機カチオン・アニオンで構成され, 無機塩の共晶を利用したイオン液体などが知られている. また塩とそのカチオンまたはアニオンに強く配位する配位子からなる常温液体が溶媒和イオン液体として提唱されている.    図１ イオン液体の分類. Tm: 融点, Tg: ガラス転移温度, Teu: 共晶温度.  無数のカチオンとアニオンの組合せによって様々な特性を持ったイオン液体を作り出すことができるため, イオン液体は「デザイナーズソルベント」とも呼ばれる(図 2). イオン液体はその構造の多彩さ, 分子性液体にない特異な性質から, 様々な方面への応用が期待されている. 特にイオン液体の示す不揮発性・不燃性および高いイオン伝導性に着目した, リチウム二次電池, 燃料電池, 電気二重層トランジスタなどの電気化学デバイスの電＋ 原稿受理 令和 6 年 2 月 9 日 Received Feb. 9, 2024 ©2024 The Society of Materials Science, Japan *  国立研究開発法人物質・材料研究機構 〒305-0047 つくば市千現, Research Center for Macromolecules & Biomaterials, National Institute for Materials Science, Sengen, Tsukuba, 305-0047 **  JSTさきがけ 〒606-8301 川口市本町, PRESTO, Japan Science and Technology Agency (JST), Honcho, Kawaguchi, 332-0012 ｢材料｣ (Journal of the Society of Materials Science, Japan), Vol. 73, No. 9, pp. 725-730, Sep. 2024解　　説07-2024-0006-(p.725-730).indd   72507-2024-0006-(p.725-730).indd   725 2024/08/08   9:50:062024/08/08   9:50:06モノマーのラジカル重合において, 通常の有機溶媒と比べて分子量が大きくなることが以前から知られていたものの 14), イオン液体を溶媒とするラジカル重合はこれまで大きな注目を集めていなかった. 我々は, 重合溶液において開始剤濃度を極端に小さくした場合, イオン液体中ではモノマー転化率が減少せず超高分子量ポリマーがワンポットで得られることを明らかにした. 図 4 に代表的な非プロトン性イオン液体である[C2mim][TFSI]およびトルエン中の methyl methacrylate (MMA)のラジ カ ル 重 合 に お け る , 熱 開 始 剤 2, 2’-azobis(isobutyronitrile) (AIBN)濃度と生成したpoly(methyl methacrylate) (PMMA)の分子量・モノマー転化率の関係を示す. トルエン中では開始剤濃度を下げるにしたがってモノマー転化率が大きく低下し, 得られる高分子の分子量も 10 万程度にとどまる. 一方, [C2mim][TFSI]中では開始剤濃度を非常に低濃度(< 1 mM)としてもモノマー転化率はほぼ 100%を維持する. その結果, 極低濃度領域において超高分子量体(> 106 g mol−1)が生成する.    図 4 イオン液体/有機溶媒中のラジカル重合における分子量・モノマー転化率の開始剤濃度依存性. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.   その結果, 極低濃度の開始剤を用いたワンポットの in situ ラジカル重合により, 化学架橋剤フリーで超高分子量体の絡み合いによって形成されるイオンゲルゲル(超高分子量ゲル)が得られた(図 5). なお, このゲルは永年的な架橋点を利用していない有限の緩和時間を持つ物理ゲルに分類される. 年単位を越えるような長時間スケールにおいては液体的に振る舞うことが予測される. ここでは数週間程度のスケールで見たときに固体的に振る舞うことからゲルと呼称していることをご留意頂きたい.  実際に , PMMA/[C2mim][TFSI]超高分子量ゲル(PMMA 分子量: 1,740 kDa)は, 化学架橋剤を含まないにもかかわらず広い温度範囲にわたってゲル状態（貯蔵弾性率 G'＞損失弾性率 G"）を維持し, 優れた形状安定性を示す(図 6a). さらに, 超高分子量イオンゲルは従来の化学架橋ゲルと比較して優れた伸縮性と強靭性を持つ(図 6b). またゲルネットワーク中に永年架橋点が存在せず, 溶媒のイオン液体が高い熱安定性を持つため, 熱成型によるイオンゲルのリサイクルが可能であり, 再成型後のイオンゲルは初期のイオンゲルと同等の力学特性を示す.    図 5 超高分子量ゲルの外観および概念図. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.   図 6 (a)分子量の異なる PMMA と[C2mim][TFSI]からなるコンポジットの温度分散測定. (b)PMMA/[C2mim][TFSI]からなる化学架橋イオンゲルと超高分子量イオンゲル, および再成型後の超高分子量イオンゲルの応力-ひずみ曲線. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.  2.2 超超高高分分子子量量イイオオンンゲゲルルがが示示すす自自己己修修復復挙挙動動 さらに, 非常に長い緩和時間を持つ超高分子量ポリマーの絡み合いによって形成されているにもかかわらず, 超高分子量ゲルは室温で自己修復挙動を示す(図 7a). 切断したイオンゲル片を再接着して引張試験を実施したところ, 6 時間(切断後直ちに再接着した後の保持時間)で未切断のサンプル解質への適用は最も盛んに研究されている 2).  図 2 非プロトン性イオン液体を構成するカチオン・アニオンの例  1.2 イイオオンンゲゲルル デバイス応用を考えたとき , 液体の漏出の抑制・力学的強度といった観点からイオン液体の固体薄膜化が望まれる. イオン液体を溶媒として含有する擬固体(ゲル)はイオンゲルと呼ばれ, イオン液体中での化学架橋や無機粒子の物理凝集など, 様々な手法を用いたイオンゲルが提案されてきた 3). 渡邉らは, イオン液体中でのビニルモノマーのin situ ラジカル重合により, 化学架橋されたイオンゲルを初めて報告した 4). 一方, Lodge らはイオン液体中におけるブロック共重合体の自己集合を利用することで, 物理架橋されたイオンゲルを創製した 5).また, 高分子材料を用いたイオンゲルのみならず, イオン液体中でのシリカ粒子の物理凝集を利用したイオンゲルなど, 無機材料を用いたイオンゲルもこれまでに報告されている 6). 近年では，デジタル・AI 社会の到来により，ウェアラブル/ストレッチャブルな電気化学デバイスへの注目が，特に健康・医療の世界で高まっている. 一般に高い液相の質量分率のためにゲル材料は機械的強度が低いという欠点を持つ. イオンゲルにおいても, 電気化学特性を維持しながら機械的強度を向上させることは, ウェアラブル/ストレッチャブルデバイスへの応用を考えた際の大きな課題である. ゲル材料の機械的特性を向上するために, これまでに多くの戦略が提案されてきた. 特に近年の超分子化学や動的共有結合化学などの発展に立脚した, 可逆な架橋点の導入による高強度性の発現や自己修復性の発現が活発に研究されてきた 7), 8). 筆者らも, イオン液体中の水素結合とブロック共重合体のナノ相分離構造を利用した, 力学強度と自己修復性をある程度両立できる機能性イオンゲルを報告している(図 3) 9, 10).   図 3 (a)ブロック共重合体ミセル間の多点水素結合により形成されるイオンゲルの化学構造および模式図. (b)イオンゲルの自己修復挙動. 文献 9 よりWiley から許可を得て転載.  2. 超超高高分分子子量量イイオオンンゲゲルル 2.1 イイオオンン液液体体中中のの in situ 重重合合かからら形形成成さされれるる超超高高分分子子量量ゲゲルル  超分子結合や動的共有結合などの非共有結合点の導入という化学的なアプローチによる高分子材料の機能化が活発に研究される一方で, 高分子のトポロジカルな構造の制御を利用した, 物理的なアプローチによる高分子ゲルの高強度化にも注目が集まっている. 代表的な例として, スライドリングゲルはポリロタキサンの環状分子を共有結合で繋ぐことで, 高分子ネットワークの架橋点となる環状分子が伸長時にスライドして応力集中を抑制し, 高い力学強度を示す 11). また, ゲル中における高分子間の絡み合い密度を化学架橋点密度に対して大きく増加することで, 豊富な物理的絡み合いにより高強度なハイドロゲルが創製できることが報告されている 12). 最近我々は, 物理的なアプローチによる新しい自己修復イオンゲルとして, イオン液体中の in situ重合を利用した, 超高分子量ポリマーの物理的な絡み合いのみで形成される自己修復イオンゲルを報告した 13). ゲル創製の重要な点として, イオン液体中で非常に低い開始剤濃度でメタクリレートモノマーのラジカル重合を実施すると, 100％に近いモノマー転化率(モノマーが最終物質のポリマーの重合に使用された割合)で超高分子量ポリマーが生成することを見出した. イオン液体中のビニル726 玉　　手　　亮　　多07-2024-0006-(p.725-730).indd   72607-2024-0006-(p.725-730).indd   726 2024/08/08   9:50:072024/08/08   9:50:07モノマーのラジカル重合において, 通常の有機溶媒と比べて分子量が大きくなることが以前から知られていたものの 14), イオン液体を溶媒とするラジカル重合はこれまで大きな注目を集めていなかった. 我々は, 重合溶液において開始剤濃度を極端に小さくした場合, イオン液体中ではモノマー転化率が減少せず超高分子量ポリマーがワンポットで得られることを明らかにした. 図 4 に代表的な非プロトン性イオン液体である[C2mim][TFSI]およびトルエン中の methyl methacrylate (MMA)のラジ カ ル 重 合 に お け る , 熱 開 始 剤 2, 2’-azobis(isobutyronitrile) (AIBN)濃度と生成したpoly(methyl methacrylate) (PMMA)の分子量・モノマー転化率の関係を示す. トルエン中では開始剤濃度を下げるにしたがってモノマー転化率が大きく低下し, 得られる高分子の分子量も 10 万程度にとどまる. 一方, [C2mim][TFSI]中では開始剤濃度を非常に低濃度(< 1 mM)としてもモノマー転化率はほぼ 100%を維持する. その結果, 極低濃度領域において超高分子量体(> 106 g mol−1)が生成する.    図 4 イオン液体/有機溶媒中のラジカル重合における分子量・モノマー転化率の開始剤濃度依存性. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.   その結果, 極低濃度の開始剤を用いたワンポットの in situ ラジカル重合により, 化学架橋剤フリーで超高分子量体の絡み合いによって形成されるイオンゲルゲル(超高分子量ゲル)が得られた(図 5). なお, このゲルは永年的な架橋点を利用していない有限の緩和時間を持つ物理ゲルに分類される. 年単位を越えるような長時間スケールにおいては液体的に振る舞うことが予測される. ここでは数週間程度のスケールで見たときに固体的に振る舞うことからゲルと呼称していることをご留意頂きたい.  実際に , PMMA/[C2mim][TFSI]超高分子量ゲル(PMMA 分子量: 1,740 kDa)は, 化学架橋剤を含まないにもかかわらず広い温度範囲にわたってゲル状態（貯蔵弾性率 G'＞損失弾性率 G"）を維持し, 優れた形状安定性を示す(図 6a). さらに, 超高分子量イオンゲルは従来の化学架橋ゲルと比較して優れた伸縮性と強靭性を持つ(図 6b). またゲルネットワーク中に永年架橋点が存在せず, 溶媒のイオン液体が高い熱安定性を持つため, 熱成型によるイオンゲルのリサイクルが可能であり, 再成型後のイオンゲルは初期のイオンゲルと同等の力学特性を示す.    図 5 超高分子量ゲルの外観および概念図. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.   図 6 (a)分子量の異なる PMMA と[C2mim][TFSI]からなるコンポジットの温度分散測定. (b)PMMA/[C2mim][TFSI]からなる化学架橋イオンゲルと超高分子量イオンゲル, および再成型後の超高分子量イオンゲルの応力-ひずみ曲線. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.  2.2 超超高高分分子子量量イイオオンンゲゲルルがが示示すす自自己己修修復復挙挙動動 さらに, 非常に長い緩和時間を持つ超高分子量ポリマーの絡み合いによって形成されているにもかかわらず, 超高分子量ゲルは室温で自己修復挙動を示す(図 7a). 切断したイオンゲル片を再接着して引張試験を実施したところ, 6 時間(切断後直ちに再接着した後の保持時間)で未切断のサンプル解質への適用は最も盛んに研究されている 2).  図 2 非プロトン性イオン液体を構成するカチオン・アニオンの例  1.2 イイオオンンゲゲルル デバイス応用を考えたとき , 液体の漏出の抑制・力学的強度といった観点からイオン液体の固体薄膜化が望まれる. イオン液体を溶媒として含有する擬固体(ゲル)はイオンゲルと呼ばれ, イオン液体中での化学架橋や無機粒子の物理凝集など, 様々な手法を用いたイオンゲルが提案されてきた 3). 渡邉らは, イオン液体中でのビニルモノマーのin situ ラジカル重合により, 化学架橋されたイオンゲルを初めて報告した 4). 一方, Lodge らはイオン液体中におけるブロック共重合体の自己集合を利用することで, 物理架橋されたイオンゲルを創製した 5).また, 高分子材料を用いたイオンゲルのみならず, イオン液体中でのシリカ粒子の物理凝集を利用したイオンゲルなど, 無機材料を用いたイオンゲルもこれまでに報告されている 6). 近年では，デジタル・AI 社会の到来により，ウェアラブル/ストレッチャブルな電気化学デバイスへの注目が，特に健康・医療の世界で高まっている. 一般に高い液相の質量分率のためにゲル材料は機械的強度が低いという欠点を持つ. イオンゲルにおいても, 電気化学特性を維持しながら機械的強度を向上させることは, ウェアラブル/ストレッチャブルデバイスへの応用を考えた際の大きな課題である. ゲル材料の機械的特性を向上するために, これまでに多くの戦略が提案されてきた. 特に近年の超分子化学や動的共有結合化学などの発展に立脚した, 可逆な架橋点の導入による高強度性の発現や自己修復性の発現が活発に研究されてきた 7), 8). 筆者らも, イオン液体中の水素結合とブロック共重合体のナノ相分離構造を利用した, 力学強度と自己修復性をある程度両立できる機能性イオンゲルを報告している(図 3) 9, 10).   図 3 (a)ブロック共重合体ミセル間の多点水素結合により形成されるイオンゲルの化学構造および模式図. (b)イオンゲルの自己修復挙動. 文献 9 よりWiley から許可を得て転載.  2. 超超高高分分子子量量イイオオンンゲゲルル 2.1 イイオオンン液液体体中中のの in situ 重重合合かからら形形成成さされれるる超超高高分分子子量量ゲゲルル  超分子結合や動的共有結合などの非共有結合点の導入という化学的なアプローチによる高分子材料の機能化が活発に研究される一方で, 高分子のトポロジカルな構造の制御を利用した, 物理的なアプローチによる高分子ゲルの高強度化にも注目が集まっている. 代表的な例として, スライドリングゲルはポリロタキサンの環状分子を共有結合で繋ぐことで, 高分子ネットワークの架橋点となる環状分子が伸長時にスライドして応力集中を抑制し, 高い力学強度を示す 11). また, ゲル中における高分子間の絡み合い密度を化学架橋点密度に対して大きく増加することで, 豊富な物理的絡み合いにより高強度なハイドロゲルが創製できることが報告されている 12). 最近我々は, 物理的なアプローチによる新しい自己修復イオンゲルとして, イオン液体中の in situ重合を利用した, 超高分子量ポリマーの物理的な絡み合いのみで形成される自己修復イオンゲルを報告した 13). ゲル創製の重要な点として, イオン液体中で非常に低い開始剤濃度でメタクリレートモノマーのラジカル重合を実施すると, 100％に近いモノマー転化率(モノマーが最終物質のポリマーの重合に使用された割合)で超高分子量ポリマーが生成することを見出した. イオン液体中のビニル727イオン液体中の超高分子量ポリマーの絡み合いによって形成される高分子ゲル07-2024-0006-(p.725-730).indd   72707-2024-0006-(p.725-730).indd   727 2024/08/08   9:50:132024/08/08   9:50:13250200150100500Stress / kPa150010005000Strain / %Healing ratio≈100%40%30% PMMA/[C2mIm][TFSI] PMMA/[C12mIm][TFSI] PEMA/[C2mIm][TFSI]PMMA/[C2mim][TFSI]PMMA/[C12mim][TFSI]PEMA/[C2mim][TFSI] 図 9 異なる 3 つの高分子/イオン液体の組合せからなる超高分子量ゲルの未切断(実線)および修復時間 24時間後(点線)の応力-ひずみ曲線. 文献 17より英国王立化学会の許可を得て転載.  図 10 (a) 3 つの高分子/イオン液体の組合せにおける動径分布関数の高分子内相関成分, および高分子の慣性半径と代表的な高分子形態のスナップショット. (b)動径分布関数の高分子間相関成分および代表的な近接する 2 つの高分子のスナップショット. 文献 17 より英国王立化学会の許可を得て転載.  3．．おおわわりりにに 本稿では, イオン液体中の in situ ラジカル重合によって形成される超高分子量ポリマーの絡み合いからなるイオンゲルの合成, および力学物性に関して簡単に紹介した. イオンゲルのユニークな点の一つは, カチオン-アニオン相互作用がカチオン-高分子およびアニオン-高分子相互作用と競合することである. 今回の研究においても, イオン液体と高分子間の相互作用および高分子のイオン液体中における溶媒和構造がイオンゲルの自己修復性に大きな影響を与えることが示唆されている. 自己修復プロセスにおける界面ダイナミクスに関しては待機時間依存性・引張速度の影響などから徐々に明らかになってきたが, ナノスケールの高分子ダイナミクスからの現象解明という観点からはほとんど手付かずである. また実用面からは, 化学架橋を利用しない自己修復ゲルにおいてはクリープ挙動の抑制も社会実装に向けた大きな課題の一つと考えられる 18).   また, 本稿の後半では主に自己修復性に焦点を当てて紹介したが, 最近は形状記憶特性や耐疲労性などの新しい機能を持った超高分子量ゲルに関しても検討を進めている.  最後に, さきがけナノ力学における研究課題としてはイオン液体という特殊な溶媒を用いた高分子ゲルだけではなく, ハイドロゲルなどの他のゲル材料およびエラストマー・プラスチックなどの広範な材料における超高分子量ポリマーを用いた機能開拓と機能発現メカニズムのナノスケールからの解明を進めることを目標としている. この点では現状まだ目標にはほど遠く, 多くの検討課題が山積している.   本稿で述べた内容は多くの共同研究者の多大な協力により遂行されたものであり, 関係の皆様に厚く御礼を申し上げます. 特に北海道大学博士課程の上山祐史さん, そして物質・材料研究機構主任研究員・北海道大学准教授の上木岳士さんに深く感謝いたします. 最後に本研究課題は JST さきがけ(JPMJPR2196)のご支援を得て実施しております. 関係各位の皆様に感謝の意を表します.   参参考考文文献献 1) C.A. Angell, Y. Ansari and Z. Zhao, “Ionic liquids: past, present and future”, Faraday Discuss, Vol.154, pp.9-27 (2012). 2) D.R. MacFarlane, N. Tachikawa, M. Forsyth, J.M. Pringle, P.C. Howlett, G.D. Elliott, J.H. Davis, M. Watanabe, P. Simon and C.A. Angell, “Energy applications of ionic liquids”, Energy Environ Sci, Vol.7, No.1, pp.232-250 (2014). 3) T. Ueki and M. Watanabe, “Macromolecules in ionic liquids: progress, challenges, and と同等の応力-ひずみ曲線まで回復した(図 7b). 高分子鎖の絡み合いの代表的なモデルであるレプテーションモデルでは, 高分子鎖の緩和時間は分子量の 3 乗に比例する. 超高分子量イオンゲルの粘弾性マスターカーブからも最長緩和時間は１日以上のタイムスケールであると予測される. このため, このように数時間で超高分子量ゲルが自己修復を発現するのは非自明な現象であると考えており, 自己修復性を発現するメカニズム解明を進めている.     図 7 (a)修復 6 時間後の超高分子量ゲルの伸長写真. (b)修復時間の異なる超高分子量イオンゲルの応力-ひずみ曲線. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13より転載.  自己修復性の発現に関する重要な因子の一つは界面の非平衡性と考えている. 修復試験の際に, ゲルを切断して再接着する間に待機時間を設けると, 待機時間の増加に伴って自己修復性は低下する(図 8). 待機時間の自己修復性への影響は, 超分子結合を利用した自己修復高分子でも観察されている 15). 超高分子量ゲルにおいては, 切断直後の切断界面に非平衡で絡み合っていない高分子鎖が豊富に存在することが, 迅速な自己修復性に寄与していると考えられる. 加えて検証段階ではあるが, ガラス状高分子の熱溶着過程に関する研究との類推や 16), 引張試験速度を変えた自己修復試験の結果から, 切断界面で構造的な絡み合いの緩和(平衡化による界面の消失)が完全に起こっているわけではなく, その試験条件における力学強度を担保する絡み合い密度の回復が起こることで自己修復性を発現していると推察している. なお, この実験は室温・大気下で実施しているが、周囲の環境によって界面の高分子形態は変化すると推測される. このため湿度の違い, 真空下や不活性雰囲気下での待機時間と修復挙動の関係など, 環境条件に関しても今後考慮していく必要があると考えている.   図 8 切断後の待機時間が異なる超高分子量イオンゲルの応力-ひずみ曲線. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.  また, 高分子の化学構造およびイオン液体のカチオン・アニオン構造の微細な違いが超高分子量イオンゲルの自己修復性能に大きく影響を与えることも興味深い点である(図 9) 17). モデルオリゴマーとイオン液体の全原子分子動力学(MD)シミュレーションから, 自己修復性の高い高分子-イオン液体構造の組合せでは高分子の慣性半径が大きく, 異なる高分子鎖が近傍に存在する確率が高いことが示唆された. この結果から, ミクロな溶媒和構造や高分子形態も自己修復プロセスに大きな影響を与えていると考えられる. しかしながら, 計算された溶媒和構造や高分子形態はあくまで平衡状態におけるものであり, 引張試験のような伸長下での超高分子量ポリマーのダイナミクスを直接予見するものではないことには注意が必要であり, 今後別のアプローチで更なる検証を実施していく必要があると考えている.   728 玉　　手　　亮　　多07-2024-0006-(p.725-730).indd   72807-2024-0006-(p.725-730).indd   728 2024/08/08   9:50:162024/08/08   9:50:16250200150100500Stress / kPa150010005000Strain / %Healing ratio≈100%40%30% PMMA/[C2mIm][TFSI] PMMA/[C12mIm][TFSI] PEMA/[C2mIm][TFSI]PMMA/[C2mim][TFSI]PMMA/[C12mim][TFSI]PEMA/[C2mim][TFSI] 図 9 異なる 3 つの高分子/イオン液体の組合せからなる超高分子量ゲルの未切断(実線)および修復時間 24時間後(点線)の応力-ひずみ曲線. 文献 17より英国王立化学会の許可を得て転載.  図 10 (a) 3 つの高分子/イオン液体の組合せにおける動径分布関数の高分子内相関成分, および高分子の慣性半径と代表的な高分子形態のスナップショット. (b)動径分布関数の高分子間相関成分および代表的な近接する 2 つの高分子のスナップショット. 文献 17 より英国王立化学会の許可を得て転載.  3．．おおわわりりにに 本稿では, イオン液体中の in situ ラジカル重合によって形成される超高分子量ポリマーの絡み合いからなるイオンゲルの合成, および力学物性に関して簡単に紹介した. イオンゲルのユニークな点の一つは, カチオン-アニオン相互作用がカチオン-高分子およびアニオン-高分子相互作用と競合することである. 今回の研究においても, イオン液体と高分子間の相互作用および高分子のイオン液体中における溶媒和構造がイオンゲルの自己修復性に大きな影響を与えることが示唆されている. 自己修復プロセスにおける界面ダイナミクスに関しては待機時間依存性・引張速度の影響などから徐々に明らかになってきたが, ナノスケールの高分子ダイナミクスからの現象解明という観点からはほとんど手付かずである. また実用面からは, 化学架橋を利用しない自己修復ゲルにおいてはクリープ挙動の抑制も社会実装に向けた大きな課題の一つと考えられる 18).   また, 本稿の後半では主に自己修復性に焦点を当てて紹介したが, 最近は形状記憶特性や耐疲労性などの新しい機能を持った超高分子量ゲルに関しても検討を進めている.  最後に, さきがけナノ力学における研究課題としてはイオン液体という特殊な溶媒を用いた高分子ゲルだけではなく, ハイドロゲルなどの他のゲル材料およびエラストマー・プラスチックなどの広範な材料における超高分子量ポリマーを用いた機能開拓と機能発現メカニズムのナノスケールからの解明を進めることを目標としている. この点では現状まだ目標にはほど遠く, 多くの検討課題が山積している.   本稿で述べた内容は多くの共同研究者の多大な協力により遂行されたものであり, 関係の皆様に厚く御礼を申し上げます. 特に北海道大学博士課程の上山祐史さん, そして物質・材料研究機構主任研究員・北海道大学准教授の上木岳士さんに深く感謝いたします. 最後に本研究課題は JST さきがけ(JPMJPR2196)のご支援を得て実施しております. 関係各位の皆様に感謝の意を表します.   参参考考文文献献 1) C.A. Angell, Y. Ansari and Z. Zhao, “Ionic liquids: past, present and future”, Faraday Discuss, Vol.154, pp.9-27 (2012). 2) D.R. MacFarlane, N. Tachikawa, M. Forsyth, J.M. Pringle, P.C. Howlett, G.D. Elliott, J.H. Davis, M. Watanabe, P. Simon and C.A. Angell, “Energy applications of ionic liquids”, Energy Environ Sci, Vol.7, No.1, pp.232-250 (2014). 3) T. Ueki and M. Watanabe, “Macromolecules in ionic liquids: progress, challenges, and と同等の応力-ひずみ曲線まで回復した(図 7b). 高分子鎖の絡み合いの代表的なモデルであるレプテーションモデルでは, 高分子鎖の緩和時間は分子量の 3 乗に比例する. 超高分子量イオンゲルの粘弾性マスターカーブからも最長緩和時間は１日以上のタイムスケールであると予測される. このため, このように数時間で超高分子量ゲルが自己修復を発現するのは非自明な現象であると考えており, 自己修復性を発現するメカニズム解明を進めている.     図 7 (a)修復 6 時間後の超高分子量ゲルの伸長写真. (b)修復時間の異なる超高分子量イオンゲルの応力-ひずみ曲線. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13より転載.  自己修復性の発現に関する重要な因子の一つは界面の非平衡性と考えている. 修復試験の際に, ゲルを切断して再接着する間に待機時間を設けると, 待機時間の増加に伴って自己修復性は低下する(図 8). 待機時間の自己修復性への影響は, 超分子結合を利用した自己修復高分子でも観察されている 15). 超高分子量ゲルにおいては, 切断直後の切断界面に非平衡で絡み合っていない高分子鎖が豊富に存在することが, 迅速な自己修復性に寄与していると考えられる. 加えて検証段階ではあるが, ガラス状高分子の熱溶着過程に関する研究との類推や 16), 引張試験速度を変えた自己修復試験の結果から, 切断界面で構造的な絡み合いの緩和(平衡化による界面の消失)が完全に起こっているわけではなく, その試験条件における力学強度を担保する絡み合い密度の回復が起こることで自己修復性を発現していると推察している. なお, この実験は室温・大気下で実施しているが、周囲の環境によって界面の高分子形態は変化すると推測される. このため湿度の違い, 真空下や不活性雰囲気下での待機時間と修復挙動の関係など, 環境条件に関しても今後考慮していく必要があると考えている.   図 8 切断後の待機時間が異なる超高分子量イオンゲルの応力-ひずみ曲線. CC BY-NC ライセンスの下, 文献 13 より転載.  また, 高分子の化学構造およびイオン液体のカチオン・アニオン構造の微細な違いが超高分子量イオンゲルの自己修復性能に大きく影響を与えることも興味深い点である(図 9) 17). モデルオリゴマーとイオン液体の全原子分子動力学(MD)シミュレーションから, 自己修復性の高い高分子-イオン液体構造の組合せでは高分子の慣性半径が大きく, 異なる高分子鎖が近傍に存在する確率が高いことが示唆された. この結果から, ミクロな溶媒和構造や高分子形態も自己修復プロセスに大きな影響を与えていると考えられる. しかしながら, 計算された溶媒和構造や高分子形態はあくまで平衡状態におけるものであり, 引張試験のような伸長下での超高分子量ポリマーのダイナミクスを直接予見するものではないことには注意が必要であり, 今後別のアプローチで更なる検証を実施していく必要があると考えている.   729イオン液体中の超高分子量ポリマーの絡み合いによって形成される高分子ゲル07-2024-0006-(p.725-730).indd   72907-2024-0006-(p.725-730).indd   729 2024/08/08   9:50:162024/08/08   9:50:16opportunities”, Macromolecules, Vol.41, No.11, pp.3739-3749 (2008). 4) M.A.B.H. Susan, T. Kaneko, A. Noda and M. Watanabe, “Ion gels prepared by in situ radical polymerization of vinyl monomers in an ionic liquid and their characterization as polymer electrolytes”, Journal of the American Chemical Society, Vol.127, No.13, pp.4976-4983 (2005). 5) Y. He, P.G. Boswell, P. Bühlmann and T.P. Lodge, “Ion gels by self-assembly of a triblock copolymer in an ionic liquid”, The Journal of Physical Chemistry B, Vol.111, No.18, pp.4645-4652 (2007). 6) K. Ueno, K. Hata, T. Katakabe, M. Kondoh and M. Watanabe, “Nanocomposite ion gels based on silica Nnanoparticles and an ionic liquid: ionic transport, viscoelastic properties, and microstructure”, The Journal of Physical Chemistry B, Vol.112, No.30, pp.9013-9019 (2008). 7) R. Tamate and T. Ueki, “Adaptive ion-gel: stimuli-responsive, and self-healing ion gels”, Chem Rec, Vol.23, No.8, pp.e202300043 (2023). 8) R. Tamate and M. Watanabe, “Recent progress in self-healable ion gels”, Science and Technology of Advanced Materials, Vol.21, No.1, pp.388-401 (2020). 9) R. Tamate, K. Hashimoto, T. Horii, M. Hirasawa, X. Li, M. Shibayama and M. Watanabe, “Self-healing micellar ion gels based on multiple hydrogen bonding”, Advanced Materials, Vol.30, No.36, pp.1802792 (2018). 10) R. Tamate, K. Hashimoto, X. Li, M. Shibayama and M. Watanabe, “Effect of ionic liquid structure on viscoelastic behavior of hydrogen-bonded micellar ion gels”, Polymer, Vol.178, pp.121694 (2019). 11) C. Liu, N. Morimoto, L. Jiang, S. Kawahara, T. Noritomi, H. Yokoyama, K. Mayumi and K. Ito, “Tough hydrogels with rapid self-reinforcement”, Science, Vol.372, No.6546, pp.1078-1081 (2021). 12) C. Norioka, Y. Inamoto, C. Hajime, A. Kawamura and T. Miyata, “A universal method to easily design tough and stretchable hydrogels”, NPG Asia Materials, Vol.13, No.1, pp.34 (2021). 13) Y. Kamiyama, R. Tamate, T. Hiroi, S. Samitsu, K. Fujii and T. Ueki, “Highly stretchable and self-healable polymer gels from physical entanglements of ultrahigh–molecular weight polymers”, Science Advances, Vol.8, No.42, pp.eadd0226 (2022). 14) K. Hong, H. Zhang, J.W. Mays, A.E. Visser, C.S. Brazel, J.D. Holbrey, W.M. Reichert and R.D. Rogers, “Conventional free radical polymerization in room temperature ionic liquids: A green approach to commodity polymers with practical advantages”, Chemical Communications, Vol.13, pp.1368-1369 (2002). 15) P. Cordier, F. Tournilhac, C. Soulié-Ziakovic and L. Leibler, “Self-healing and thermoreversible rubber from supramolecular assembly”, Nature, Vol.451, No.7181, pp.977-980 (2008). 16) T. Ge, G.S. Grest and M.O. Robbins, “Tensile fracture of welded polymer interfaces: miscibility, entanglements, and crazing”, Macromolecules, Vol.47, No.19, pp.6982-6989 (2014). 17) Y. Kamiyama, R. Tamate, K. Fujii and T. Ueki, “Controlling mechanical properties of ultrahigh molecular weight ion gels by chemical structure of ionic liquids and monomers”, Soft Matter, Vol.18, No.45, pp.8582-8590 (2022). 18) C. Creton, “50th anniversary perspective: networks and gels: soft but dynamic and tough”, Macromolecules, Vol.50, No.21, pp.8297-8316 (2017).  730 玉　　手　　亮　　多07-2024-0006-(p.725-730).indd   73007-2024-0006-(p.725-730).indd   730 2024/08/08   9:50:172024/08/08   9:50:17