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[nwg_fuse.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/c475c3b0-528b-48fe-87c7-de533946f4c5/download)

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[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[ファイバフューズ―その危うさと怪しさ](https://mdr.nims.go.jp/datasets/e2fb625a-3dd9-4ea8-afd4-6d858aaf2c45)

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Fiber fuse --- fatal and unusualファイバフューズ—その危うさと怪しさFiber fuse — fatal and unusual物質・材料研究機構光材料センター轟眞市Shin-ichi TODOROKIOptronic Materials Center National Institute for Materials Science〒 305-0044茨城県つくば市並木 1-1FAX: 029-854-9060E-mail: TODOROKI.Shin-ichi(at)nims.go.jpHomepage: http://www.geocities.com/Tokyo/1406/光ファイバが長距離に渡って破壊される現象であるファイバフューズに関して、現在までに分っていることをまとめたのち、筆者の研究を紹介する。毎秒約 1mで動くファイバフューズを超高速カメラで撮影し、また残された損傷の光学顕微鏡映像を統計処理することで、損傷発生のメカニズムについて推理する。1 はじめに光で光ファイバが壊れてしまう現象であるファイバフューズは、本誌読者のほとんどの方にとっては馴染みの無いものであろう。まぶしい輝点が光ファイバに沿って音もなく移動していく様子1を間のあたりにすると、誰もが驚きの声を上げる (図 1参照)。しかし、現 図 1実はそんなのん気なものではない。輝点の軌跡には空孔が等間隔に並んでおり、その光ファイバはもはや光を通すことができない。21世紀になって、我々が取り扱えるレーザー光の強度は飛躍的に増大している (>2 kW[2])。高強度光と光導波路を用いる全てのアプリケーションにとって、ファイバフューズは現実的な脅威となっている。図 1: NGF若手懇談会 (第 80回、2005年 7月、つくば市)で行なったファイバフューズのデモ。光ファイバを手に並んだ面々の視線の先に、白くまぶしく光るファイバフューズが音もなく走っている。1そのビデオ映像は、文献 [1]オンライン版の Fig. 1で見ることができる。New Glass 81号原稿 (Vol.21 No.2 pp.45–52, 2006) 2筆者は 2年前 (2004年)の今頃、ひょんなことからファイバフューズの研究に手を染めることになった2。本稿では、その仕事の中から 2つの話題を提供し、なぜ周期的空孔が生成するのか (怪しさ)を推理するが、その前にファイバフューズについて知られていること (危うさ)をまとめておきたい。2 2004年までに知られていたことファイバフューズの報告が最初に現れるのは 1987年のことである [4]。その後複数のグループが研究に取り組み、併せて 30報弱の報告がなされていた3。1990年代までの研究は、そのショッキングな現象に対する学問的興味が原動力となり、生成した損傷パターンの収集が中心であった。その現象に理論的枠組を与えようとするあまり、「自己推進自己収束損傷」や「熱衝撃孤立波」というモデルが提案されたが、その明確な裏付けまでには至っていない。各モデルの問題点は、首藤らによって指摘されている [5]。2000年以降、より現実的なアプローチが増え、光コネクタや光伝送路における現象の検討 [6, 7]、発生したファイバフューズを停止させるデバイスの提案 [8, 9]、計算機シミュレーションに基づくモデルの構築 [5, 10]などがなされている。ファイバフューズが発生するきっかけは、数Wの光 (連続光でもパルス光でも良い)が伝搬している区間への局所的加熱である (図 2参照)。それは外部からの加熱でも、伝搬光を 図 2熱へ変換させるのでも良い。シリカガラス製光ファイバ (マルチモード [11]及び単一モード)だけでなく、フッ化物ガラスファイバやカルコゲナイドファイバ [12]、フォトニック結晶ファイバ [13]でも報告例があり、光導波構造を持つものであれば、物質の種類に寄らず発生すると考えられる。筆者は、半導体レーザーの故障品においても周期的損傷が残されていた、という話を聞いたことがある。本稿では、単一モードシリカガラス製光ファイバの例に限って話を進める。そもそも光を遠くまで送り届けることのできる光ファイバが、伝搬光のエネルギーを喰われて破壊される、というのは妙な話に聞こえる。これは、加熱によって光吸収が誘起されることを考慮すれば、納得が行く。Kashyapらは、Nd3+:YAGレーザー光 (波長: 1064nm)を伝搬させた光ファイバの一部区間 (1m)を 1100◦Cまで昇温させて、光吸収の温度依存性を測定したところ、1050◦Cから急激に増大したことを報告している [14]。首藤らは、光吸収の原因として次の 3つを考慮すると、一連の実験データをうまく説明できるとしている~WHeat~1m/s図 2: ファイバフューズが発生する条件。数Wの光が伝搬されている光導波路の一点を局所的に加熱すると、輝点が現れ、光源に向かって毎秒 1m位の速度で移動を始める。輝点の通った跡には、弾丸形状の空孔が周期的に並んでいる。2その子細は別の雑誌に寄稿したので、併せてご覧いただきたい [3]。3筆者のホームページに現在までの論文リストがまとめてある。http://www.geocities.com/Tokyo/1406/node6.htmlNew Glass 81号原稿 (Vol.21 No.2 pp.45–52, 2006) 3[15]。すなわち、1)点欠陥の生成 (Ge E′ 中心)、2) Ge添加シリカガラスの熱イオン化に伴う電子伝導、および 3)シリカガラスから解離した SiOである。それぞれの波長依存性の重ね合わせを考えれば、ファイバフューズが発生しうる波長域は相当広いと考えられる。現在までにファイバフューズの発生が報告されている波長は、0.5 µm から 1.5µm に渡っている。生成する輝点は、コア領域に閉じ込められたプラズマと考えられる。ひとたび発生すれば、伝搬光のエネルギーを使って光が入射する方向のコア領域を溶かしながら移動を始める。これを止めるには、光源を切り離すか、その出力をファイバフューズの伝搬限界閾値以下にまで落とさねばならない。さもなければ、光閉じ込め構造が物理的に途切れるところまで進み続ける。ファイバフューズの伝搬速度は毎秒 1m前後で伝搬光強度を大きくすると増加する。その温度は、黒体輻射の測定に基づけば数千Kから 104Kに達するとの報告がある [16]。輝点が通った跡には、一般に弾丸形状の空孔 (光源とは反対の方向を向いている)が周期的に並んでいる。空孔の間隔も伝搬光強度とともに増加する [17]。空孔の内部に対する顕微ラマン測定から、酸素の存在を指摘する報告がある [18]。輝点通過後のコア領域は屈折率分布でみる限り拡大しており [19]、着色しているという報告もある [18]。この様に、ファイバフューズがどの様に発生・伝搬し、何を残すかに関しては、一通りの知識が蓄積されていた。しかしながら、なぜファイバフューズが周期的空孔を残すのか、そして、その形状がなぜ弾丸型なのかについて、説得力のある説明はなされないままであった。円筒状流体の表面に現れるレイリー不均一性に着目した説明が試みられた [17]が、後に示す筆者の実験結果やYakovlenkoによる理論的考察 [20]には馴染まない内容であった。3 ファイバフューズの直接観察これまでの一連の研究に一石を投じたのが、2004年 9月に相次いで発表された、走っているファイバフューズを直接捉えようとする試みである [?, 21]。筆者は超高速カメラでファイバフューズを撮影し、輝点の強度分布を得ることに成功した。カメラの露光時間 (4 µs)内に移動する距離は輝点の大きさより小さく、ほぼ静止画とみなすことができる映像を得た。(図 1では露光時間が長いので、白い線になってしまっていることにご注目頂きたい。)伝搬光強度の異なる条件で比べると、輝点が「火の玉」の様な尾をひく形状をしている場合に、弾丸状の空孔が残されることが分かった [22](図 3参照)。一方、Bufetovらは、輝点 図 3の背後のガラスの状態に着目した高速度撮影 (露光時間: 10 µs)を行ない、輝点の先頭が通過してから 20–70 µs後には、空孔の生成が確認できることを明らかにした [16]。しかし、この手法をもってしても、先に述べた 2つの謎を解くのには無力であった。輝点の中で起こっていることを把握しない限り、その本質に迫れないのは明らかである。その話題に移る前に、輝点の直接観察によって分かることをまとめておく。図 4は、伝搬光強度を 7.0 Wとした時に発生したファイバフューズを連続撮影した結果 図 4をまとめたものである。ここから、ファイバフューズの伝搬速度は 1 m/sとわかる。この時発生した空孔列の間隔は 20 µmであったので、空孔が 1個生成するのに要する時間は 20µsであり、その間に 5枚の写真を撮っていることになる。輝点の強度分布曲線は、ほぼ形を保ったまま等速移動していることがわかる。New Glass 81号原稿 (Vol.21 No.2 pp.45–52, 2006) 4(1)(2)(3)図 3: 超高速度カメラ (露光時間: 1 µs[1])で捉えた単一モード光ファイバ中を伝搬するファイバフューズの強度分布 (左)と跡に残された空孔列の光学顕微鏡写真 (右)。伝搬光は左から入射し、波長は 1480nm、強度は (1) 9.0 W、(2) 3.5 Wおよび (3) 1.5 W。写真 (1)の上下に見える線は光ファイバの外周であり、その間隔は 125 µm。写真とグラフの縮尺は同じ。図 4: (上)単一モードシリカガラスファイバ中を 7.0 W 1480 nmの伝搬光を受けながら進むファイバフューズを超高速度カメラで撮影した写真とその強度マッピング。(下)写真上に引かれた点線に沿った強度分布曲線を、4 µ秒毎に重ねたもの。4 周期的空孔生成プロセスの推理輝点の中で起こっていることを直接観察できないにしても、ファイバフューズを止めた時に、その先頭部分に残されるものは確認することができる。図 5(1)にご注目いただきた 図 5い。細長い空孔が残されており、その長さは図 4に示した強度分布曲線の幅にほぼ一致している。ただしこの構造は、20 µs間の空孔生成周期の中の一瞬を反映しているに過ぎない。他の瞬間を反映した構造を収集するために、同じ条件でファイバフューズを停止させた試料を多数作製した。それらの写真を図 5に示すが、その並べ方は次の規則に従っている。すなわち、右端の周期的空孔の位置を揃え、そこから左端の空孔先端までの距離が長くなる順序である。一番下の写真は一番上の写真と同じものであるが、空孔 1個分左にずらしてある。前節で述べたように、ファイバフューズは等速移動しているのであるから、この組写真は時間順に空孔生成周期を一順していることになる。この組写真を眺めていると、面白いことに気が付く。先頭の細長い空孔の中程にくびれた部分が現れ (2)、それがファイバフューズの進行方向とは逆の方向に移動し (3,4)、遂にはその細長い空孔の末尾を切り離すに至る (5)。切り離された空孔は更に縮んでいき (6=1,2,3,4)、New Glass 81号原稿 (Vol.21 No.2 pp.45–52, 2006) 5(1)(2)(3)(4)(5)(6)図 5: 7.0 W 1480nmの伝搬光により発生したファイバフューズが残した損傷の光学顕微鏡写真。縦線の間隔は 20 µm。一番下の写真は一番上のものと同じだが、左に 20 µmずらしてある。弾丸形状になって変化が止まる (5)。伝搬光強度を変えても、この構造変化の傾向は観察される [23]。この様子をビデオ映像として再構成したものがあるので、併せてご覧いただきたい (文献 [1]オンライン版の Fig. 7)。ここで注意しなければならないのは、この組写真は「その場観察」ではないという点である。すなわち、ファイバフューズの定常状態から伝搬光を切って冷却されるまでの間4に構造が変化している可能性は否定できない。しかし、空孔の切り離しが行なわれる部分の温度は、最も高温となる空孔先頭から離れていること、および液体シリカの粘度は温度の下降とともに急速に上昇することを考えれば、この組写真における弾丸形状の空孔が生成される部分の構造は、ファイバフューズの定常状態における構造の特徴を残していると考えられる。図 6は、この組写真から空孔が切り離されるプロセスを抜き出して単純化したものであ 図 6る。切り離しの際に現れるガラスの壁は、(a)→ (b)→ (c)の様に変形している。切り離された空孔の立場から見ると、(3)→ (4)→ (5)→ (6)の様になる。系の温度は左から右に下がっていくことを考えれば、切り離された空孔の右側が先に固まることが理解できる。一方、図の左方向の先には、高温高圧のプラズマが存在しているので、空孔とガラスの界面は左側から圧力を受けている。この圧力に応じて界面が移動するわけだが、その移動距離はガラスの粘度上昇とともに小さくなる (図中の横向き矢印参照)。よって、弾丸形状が作られる原因は、切り離された空孔がプラズマの内圧を受けて変形する際に、空孔の前面と背面4伝搬光遮断から輝点の消滅までに要する時間は 7 µs以下であった [24]。New Glass 81号原稿 (Vol.21 No.2 pp.45–52, 2006) 6図 6: ファイバフューズの背後に存在する尾状の空孔から切り離される空孔の形状変化。で固まるタイミングがずれるためであることが分かる。プラズマの内圧が低い場合、すなわち伝搬光の強度が小さい場合には、弾丸形状が甘くなり丸みを帯びてくることも、このメカニズムから理解できる (図 3の写真 (1)(2)参照)。それでは、なぜ空孔が切り離されるのであろうか？理論的に厳密な説明は筆者の手に余るが、定性的には次のように考えている。プラズマの先頭では常にエネルギーの供給を受けており、新しい界面を「背後に尾状の空孔を従える」という形で作り続けている5。しかし、その尾状の空孔の末尾では、系の温度の低下ととも系のエネルギーを小さくする方向、すなわち界面の面積を小さくする方向に移行し始める。この時、尾の末尾で高い粘度に抗して連続的に界面を消滅させていくよりもむしろ、尾の中程の低い粘度の部分で壁面を形成する方が容易なのではなかろうか？この他にも、プラズマ－液体界面に誘起された同符号電荷の反発で説明する試みも出てきており [25]、いずれ明確に説明される時が来るであろう。5 おわりにファイバフューズのことを深く知るにつけ、この興味深い現象をなにか役に立つことに使えないか、という思いが強くなる。それは、1987年にこの現象が発見されて以来、これに関わった人は皆、同じ思いであると思う。答えは常識から外れた処から現れる様な気がしている。この仕事のもう一つのポイントは超高速度カメラの利用にある。このカメラを使ったビデオ映像はテレビを通じて目にする機会が多いが、自分の研究に使うことになるとは予想もしていなかった。今回紹介した仕事では脇役に過ぎないけれども、空孔生成プロセスを再現する組写真を得るアイデアは、マイクロ秒単位での撮影を行なっていたからこそ、思いついたことである。また今回触れることのできなかった、ファイバフューズの発生・消滅プロセスの研究では、主役として活躍してくれている [26, 27, 28, 29]。このカメラはこれからも、いろいろな分野で我々の常識を覆す働きをしていくと確信している。末筆となってしまったが、超高速ビデオ撮影 (図 3および 4)にご協力頂いた、株式会社フォトロンの花香和秀氏、坂巻顯氏、桑原譲二氏、相澤啓助氏に深く謝意を表したい。5プラズマの先頭の状態がどうなっているのかは良く分からない。すなわち、ガラス融液とガスの界面が存在するのか、あるいは超臨界流体となって界面が存在しないのかは、現段階では判断できない。New Glass 81号原稿 (Vol.21 No.2 pp.45–52, 2006) 7参考文献[1] S. 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