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[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[光ヒューズの開発―偶然は手を動かして掴むもの](https://mdr.nims.go.jp/datasets/b2a5c689-7559-43e4-9920-4c6ed15665ae)

## Fulltext

Three serendipitous episodes (1) development of optical fuse工業材料 ’07/2月号 p.92～95 1セレンディピティの磨き方—ファイバフューズ研究に至った縁と偶然—【第1回】光ヒューズの開発—偶然は手を動かして掴むもの物質・材料研究機構 轟眞市∗連載開始にあたってセレンディピティの本来の意味は「当てにしていないものを偶然にうまく発見する才能」である [1]。これに対し、「想定外」の要素が外れたもの、すなわち「追い求めていた目的への道を偶然に発見する才能」を擬セレンディピティとする提案がある [2]。さらに意味を拡大し、「発見」の要素を外した「偶然をとらえて幸運に変える力」[3]とする解釈もある。本誌 2006年 12月号でその一端を紹介した筆者の光ヒューズおよびファイバフューズに関する研究 [4]は、これらのセレンディピティが絶えず働いて到達したものであった。この内幕を掘り下げて、筆者がセレンディピティを発揮できた理由を考えてみたい。よく目にするセレンディピティ論は、時を経た有名な事例で語られることが多いが、本稿は、現役プレーヤーの声で、マイナーではあるが新鮮な事例で語ってみたい。読者の方々が何らかの偶然をとらえられることに繋がれば幸いである。3回の連載を通じて研究の進展を追いつつ、セレンディピティに結び付いた 3種類の偶然をひとつづつ取り上げていく。その 3種類とは、偶然をもたらす主体で分けたものである。すなわち、偶然を引き起こしたのが、自分なのか、自分以外の人間なのか、人間以外のなにかなのか、で分類する。今回は、筆者がファイバフューズの世界に足を踏み入れるきっかけになった、光ヒューズの発明に関するエピソードの中から、自分自身がもたらした偶然に注目する。光ヒューズの開発たいていの電気製品に装着されている「ヒューズ」は、電気回線に挿入して過電流注入から機器を守る素子であるが、「光ヒューズ」はその光(a)(b) 光吸収体低軟化点ガラス(c)(d)光ファイバ図 1: 光ファイバ回線に低軟化点ガラス層を導入した構造 (a) と光ヒューズの動作の仕組み (b～d)。ガラス層は透明であるが光閉じ込め構造が存在しないので、そこを通過する光の一部が洩れて外側の光吸収体に到達する (b)。通過する光が弱いうちは、光吸収体に達した光によって発生する熱は小さい。強い光が通過すると発熱も大きくなり (c)、その熱で低軟化点ガラス層が変形することで回線が切断される (d)。実際の動作を撮影したビデオ映像を、http://www.geocities.jp/tokyo 1406/node7.htmlで公開している。回線版に相当する。筆者が光ヒューズに使える現象に出会ったのは、研究がゆき詰まって捻り出した、苦し紛れのアイデアを試していた時であった。その状況は、3重の意味でのゆき詰まりであった [5]。ひとつ目は転職して 5年が過ぎ、前の会社でお取り潰しになった研究テーマを仕切り直してのゆき詰まり。ふたつ目は、その流れで立案しては失敗してきた光デバイス構造の第三の提案のゆき詰まり。みっつ目は、その提案の再起をかけた光ヒューズ実現の試みのゆき詰まりである。その第三の提案とは、図1(a)に示す構造を作って光デバイスを作ろうというものであった。シリカガラス製光ファイバを途中で切断し、その隙間に低軟化点ガラスを挿入するハイブリッド構造をつくれば、光ファイバに何か新しい機能を付加することができる、という目論見であった。http://pub.nikkan.co.jp/mgz/kozai/http://www.geocities.jp/tokyo_1406/node7.html工業材料 ’07/2月号 p.92～95 2しかしこの青写真、分かる人から見れば相当怪しいのである。まず、熱膨張係数が 1桁違う材料を加熱急冷して張り付けたら、残留応力で壊れ易くなる。また、挿入ガラス層には光閉じ込め構造を導入できないので伝搬光が洩れる。その洩れを抑制するためにガラス層を薄くすれば、ガラス層が光と相互作用する区間が短くなり機能が発現しにくくなる、と分が悪いことが容易に想像がつく。それでもこの提案にしがみついていたのは、長年のテーマを諦めたくない意地と、「手を動かしていたら何かが引っかかってくるはず」という楽観からであった。実際、この構造を再現性良く作製する装置を手作りで完成させ、出来た素子は恐れていたほど脆くなく、光損失もそこそこ小さいものを作れるまでにはなっていた。しかし、肝心の光機能を付与する良いアイデアがなかなか見つからない、という情けない状況に陥っていた。丁度その頃、光ファイバ通信に関する国際会議に参加した。時差の影響で早朝に目が醒めたので、その日の聴く講演の予稿を読んでいた。印を付けておいたものの一つに、高強度光による光部品の損傷に関する講演があった。読み進むうちに、ふと気がついた。皆、素子が壊れることを避けたがっているが、壊すことが目的の素子があっても良い。光ヒューズだ。それには私のハイブリッド構造が役に立つ。帰国後、たまたま研究所内での研究課題募集があり、渡りに船とばかりに提案したところ、すんなり認められた。獲得した資金でレーザーを購入し、早速素子に高強度光を注入してみた。しかし、期待した変化は何も起こらなかった。さてどうする？挿入ガラス層を破壊するのに必要なエネルギーをどうやって通過する光から取り出すか？せっかく光が洩れているのだから、使わない手は無い。捻り出した答えは、ホームセンターで買ってきた黒い水彩絵の具だった。融着点に塗り付けて (図 2(b)参照)、強い光を注入すると、素子は一瞬赤く光って (c)焼き切れてしまった (d)。ようやく尻尾を捕まえた瞬間だった。成し遂げてしまえば、当初の青写真は光ヒューズにとって全てプラスに働いた。壊れ易いということは、破壊に至るエネルギーが小さくて済む。光が洩れるから、破壊に至るエネルギーを供給できる。光との相互作用長が小さいから、エネルギーを集中させることができる。頭だけで考えて手を動かさずに撤退していれば、たどり着けなかった成果である。偶然は手を動かして掴むものこのエピソードでのセレンディピティの働きは、永続的に使う機能を探していて、使い捨ての機能に気づいたことである。きっかけとなった偶然は、自分が予稿集を読んでいる時に、光損傷の論文に出会ったことである。この偶然を拾えたのは、例のハイブリッド構造への固執があったためだが、固執し続けた理由は、先に述べた意地と楽観の他にもう一つある。ハイブリッド構造を作製する装置を手作りで組み上げることが、単純に楽しかったからである。図 2は、図 1(a)に示す構造を作るために組み立てた装置の略図である。市販の光ファイバ調芯装置に、秋葉原で売っている一番小さなセラミックヒータを取り付けたのだが、ただ取り付けただけでは目的は達成できない。2本の光ファイバの端面を向かい合わせに配置し、高温のガラス融液を間に挟んだ後に (図 2 (a),(b))、光ファイバの軸合わせを済ませて冷却する (c)、というガラス細工のような工程で作製する。このプロセスが実現出来る様に、ハードウエアを改造し、それを制御するソフトウエアを書かなければならない。そこで、土台となる光ファイバ調芯装置は、ハードウエアからソフトウエアまで、全てを自分の手で管理できるものを選んだ。その装置を構成する部品は全て規格化され、個別に供給されているので、部品の交換や追加によってその場で改造していくことができる。いわゆる「ブロック遊び」の感覚であり、図面を引いて外部に改造作業を依頼する必要は無い。制御ソフトウエアは、標準添付品では役不足であることが分かっていたので、自作した。せっかく自作するのだから、プログラミング言語は、自分にとって最もストレスを感じさせないものを選んだ。Rubyと呼ばれるフリーソフトウエアhttp://pub.nikkan.co.jp/mgz/kozai/工業材料 ’07/2月号 p.92～95 3金板＋加熱器ファイバ調芯機CCD カメラ(a)(b)(c)図 2: 一対の光ファイバを低軟化点ガラスで融着する装置の構成図。ヒーターで温めた金の板上に一滴だけガラスを融かし、その両脇から光ファイバを挿入する(a)。続いてガラス融液を板ごと下降させて、光ファイバ対の間に少量の融液を残す (b)。融液を所定の形状になる様にまとめ、光ファイバ対の軸合わせを済ませてから冷却する。実際の動作を撮影したビデオ映像を、http://www.geocities.jp/tokyo 1406/node7.htmlで公開している。図 3: 図 2の装置を使ってガラス細工をした結果。溶融温度やタイミングを調整して形を整えていく。TeO2ZnO Na2O806040202040608020406080ファイバ化    可能領域→US Pat. 5,251,062Snitzer et al. (1992)←本方法ガラス形成←領域図 4: TeO2-ZnO-Na2O三成分系におけるガラス形成領域とファイバ化可能領域。[6]であり、若い日本人技術者が開発し、今世紀に入って世界的に使われるようになった言語である。ストレスを感じさせない理由を一言で言えば、プログラムが「書き易く読み易い」ことに尽きる。別の言い方をすれば、ソフトウエアを部品化する技術 (オブジェクト指向)が徹底されているので、これも「ブロック遊び」の感覚で組んでいくことができる。最初のうちは、光ファイバにガラス融液を絡め取っても、すぐに泣き別れてしまい (図 3(a))、安定に保持できる条件を決めるのに苦労した。改造を重ねるうちに、望みの構造を安定して作製できるようになった (図 3(b),(c))。ここでもセレンディピティが働いた。一般にガラス製光ファイバを作製するには、融液を冷却する時に結晶が析出し難い組成を選ぶ必要がある。しかし、この方法で融液を冷却すると、結晶化し易い組成の融液でも、ガラス状態を保ったまま光ファイバに挿入できることが分かった。その理由は、光ファイバに絡めとられたガラス融液の体積は極めて小さいので、ヒーターを遠ざけると、すぐに芯まで冷却され、結晶が析出する暇を与えないからである。図 4に示す様に、TeO2系のガラスやファイバを得るには、別の成分を加える必要があが、この方法を用いれば TeO2単成分でもガラス化する。あらかじめ多成分のガラスを準備しておく手間が不要になり、融着工程数を削減することができた。http://pub.nikkan.co.jp/mgz/kozai/http://www.geocities.jp/tokyo_1406/node7.html工業材料 ’07/2月号 p.92～95 4おわりにセレンディピティを発揮するには、偶然が起きなければ始まらない。そのためにはまず自分の手を動かして偶然を拾うことである。自分の苦にならない領域で人並以上に手を動かすことがポイントになろう。好きこそものの上手なれ、である。加えて研究開発においては、手を動かす対象にオリジナリティが必要である。さしあたっては、異質なものの組合せを取り扱うことが手っ取り早い。上述した筆者の経験から拾うなら、(1)工業製品として信頼性を確立したシリカガラス製光ファイバと、実験室から外に出たことのない低軟化点ガラスの組合せ、(2)静的な光デバイス組み立て工程に、動的なガラス細工を組み込むこと、(3)材料研究者のスキルとプログラマーのスキルの同居、などが挙げられる。連載第 1回は、セレンディピティを磨く方法として、自分が苦にならない領域で人並以上に手を動かし、異なる 2つのものを結びつけること、を引き出した。次回は他人の行動がもたらす偶然に、最終回は人の関与が及び難い偶然に注目する。参考文献[1] 沢泉重一：“偶然からモノを見つけだす能力—「セレンディピティ」の活かし方”,角川書店 (2002).ISBN 4-04-704095-9[2] ロイストン M. ロバーツ：“セレンディピティー — 思いがけない発見・発明のドラマ”, 化学同人(1993). ISBN 4-7598-0249-5[3] 宮永博史：“成功者の絶対法則　セレンディピティ”,祥伝社 (2006). ISBN 4-396-68112-7[4] 轟眞市：“光ファイバの “路芯”溶融伝播—ファイバヒューズ現象とその対策”,工業材料, 54, 12,pp. 48–51 (2006). http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33144[5] 轟眞市：“窮すれば光ヒューズ―綱渡りを支えたのは、こだわり、手作り、Linux”,未来材料, 4, 11,pp. 71–74 (2004). http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28485[6] Rubyホームページ: http://www.ruby-lang.org∗とどろきしんいち: 光材料センター主幹研究員〒 305-0044茨城県つくば市並木 1-1URL: http://www.geocities.jp/tokyo 1406/http://pub.nikkan.co.jp/mgz/kozai/http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047040959/http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4759802495/http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396681127/http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33144http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28485http://www.ruby-lang.orghttp://www.geocities.jp/tokyo_1406/