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[内藤 昌信](https://orcid.org/0000-0001-7198-819X)

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[サーキュラーエコノミー時代の再生可能なバイオベース接着剤](https://mdr.nims.go.jp/datasets/5eecfee8-dbe8-4b7f-9815-550ea4d32758)

## Fulltext

6-33.indd©2024 JSAE90 自動車技術 ©2024 JSAEはじめに1　循環型社会への意識が高まる中，使い終わった構造部材は原材料ごとに分離・回収され，再生部材としてリユース・リサイクルされることが求められるようになってきた．そのような社会要請に応える接合技術として，「易解体性接着」に注目が高まっている．易解体性接着とは，使用中は十分な接着力を発揮するも，不用になったら外部刺激で簡単に剝離できる接合技術のことである．しかし，そもそも接着と剝離は相反する物理現象であるため，強い接着と容易な剝離を両立させることは難しい技術課題である．とりわけ，易解体性接着剤の用途が広がるにつれ，フッ素樹脂やポリエチレンなど接着性に乏しい難着性プラスチックを被着体とする場合や，湿潤下や水中といった環境因子の影響を受ける場合など，より困難な環境での利用が求められている．　このような易解体性接着剤が抱える問題を解決するため，最近著者らは何度でも繰り返し使用することができ，不要になったときには基板から完全に除去できるRORM（Reset-On demand, Reuse-Many）型接着剤を開発した（1）．RORM型接着剤の特徴は，使用中は非常に高い接着強度を示すが，使用後には溶剤に溶解し，剝離・回収できることである．また，回収したRORM型接着剤は，溶剤を除去すれば性能を落とさずに再利用される．　高強度かつ易解体を兼ね備えたRORM型接着剤を実現するため，著者らは「カフェ酸」に注目した．カフェ酸は，ケイ皮酸のパラ位とメタ位にヒドロキシル基が導入されたフェニルプロパノイドの 1種であり，植物由来の精油の成分として知られている．また，ケイ皮酸に紫外線を照射すると，シクロブタン環の生成を伴う［2+2］付加環化反応が進行する．この特異な光化学反応を高分子材料の機能化に適用した例が報告されているが（2），本稿では高強度かつ易解体を兼ね備えたRORM型接着剤を実現するための分子技術として利用した．カフェ酸を導入したアクリル酸エステルを新規に合成し，メタクリル酸エステルと共重合することで，RORM型接着剤Poly1を得た．Poly1に波長 365 nmに最大強度をもつ紫外線を照射すると，側鎖のカフェ酸の間で光環化反応が起こり，高分子鎖がネットワーク化する．その結果，不溶化したPoly1は初期状態の接着強度を維持したまま溶融接着を繰り返すことができる．実際，この操作を 30 回以上繰り返しても接着強度はほぼ一定に保たれた．ところが，波長 254 nm付近の紫外線を接着層に照射すると，架橋点として機能していたカフェ酸二量体が脱環化することによってカフェ酸単量体に戻る．それに伴い，ネッGrowing awareness of the need to balance environmental considerations and economic growth, there is a growing demand for technol-ogy to separate and recover raw materials from moulded and processed products consisting of multiple components. In this context, new adhesion methods that provide sufficient adhesive strength when in use and can be easily detached at the end of their role are attract-ing attention. In this article, an adhesive that can be bonded and dismantled by light, inspired by marine adherents, is described.Environment・Energy・Resources, Recycle, Reuse, Environment-oriented Production Design/Recycle Design／Adhesive Joint, Bio-based Adhesive, Underwater Adhesive D2KEY WORDSHot Topics 旬な話題を集めました１）物質・材料研究機構 高分子・バイオ材料研究センター　（305―0047　つくば市千現 1―2―1）　E-mail: NAITO.Masanobu@nims.go.jp＊ 2024 年 5 月 5 日受付00000000サーキュラーエコノミー時代の再生可能なバイオベース接着剤＊Recyclable / Reusable Biobased Adhesive in Circular Economy Era内藤　昌信 1）Masanobu Naito6-33.indd   90 24/05/13   9:11©2024 JSAE ©2024 JSAE 91Vol. 78, No. 6, 2024.サーキュラーエコノミー時代の再生可能なバイオベース接着剤トワーク状のPoly1は脱架橋され，再び溶剤に溶解できるようになった．　さらに，カフェ酸に含まれるカテコール基は，ムラサキイガイが分泌する接着性の足糸に偏在していることが知られており，生物模倣接着剤の接着モチーフとして利用されてきた（2）．実際，カフェ酸を含むPoly1はフッ素樹脂やポリオレフィンをはじめとする難被着体との接着や水中接着など，接着が難しい基材や環境下でも，強力な接着力とリサイクル性を発揮することが明らかになった．　本稿では，RORM型接着剤の接着と剝離機構と，その応用事例を紹介するとともに，接着接合を基点とする資源循環社会の実現に向けた取組みを紹介したい．実験2　2. 1　RORM型接着剤の合成　本研究で用いた高分子材料の化学構造と特徴を図 1および表 1にまとめた．Poly1は，カフェ酸を含むアクリル酸エステルモノマー（M1）と 2─エチルヘキシルメタクリレート（EHMA）との共重合体であり，本稿ではRORM型接着剤として用いている（図 1）．また，RORM型接着機構に及ぼすPoly1の分子量の影響を明らかにするため，異なる重量平均分子量（Mw）が 64,000～5,000のサンプル（Poly1a─Poly1h）を用意した（表 1）．ここで，Poly1に含まれるEHMAとM1の組成比は，ドーパミンを含むモノマー（M2）とEHMAの共重合体であるPoly2の引張せん断接着強さが最大化するM2の含有量（8─9 mol％）を参照した（2）．また，カテコール基による接着性能への図 １ 本 実 験 で 用 い た 高 分 子 材 料．Poly1: poly（（E）-2-（（3-（3,4-dihydroxyphenyl）acryloyl）oxy）ethyl a c r y l a t e - c o - 2 - e t h y l h e x y lme t ha c r y l a t e）;  Po l y2 :  p o l y（N -（3 , 4 - d i h y d r o x yphene t h y l）methac ry l am ide -co - 2 -e thy lhexy lme thac ry l a te）;  Po l y3 :  po l y（2-（c innamoy loxy）ethy l  acrylate-co-2-ethylhexylmethacrylate）; Poly4: poly（（E）-2-（（3-（3,4-bis（（tert-butoxycarbonyl）oxy）phenyl）acryloyl）oxy）ethyl acrylate-co-2-ethylhexylmethacrylate）．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）表 1　本研究で使用したポリマーの特性Sample Composition ratio〔mol%〕# Molecular weight（Mw） Polydispersity（Ð） Apparent featurePoly1aPoly1bPoly1cPoly1dPoly1ePoly1fPoly1gPoly1hPoly1iPoly2Poly3Poly49.4（M1）9.3（M1）9.3（M1）9.1（M1）9.3（M1）9.2（M1）8.9（M1）8.8（M1）100.0（M1）9.1（M2）9.2（M3）9.4（M4）90.6（EHMA）90.7（EHMA）90.7（EHMA）90.9（EHMA）90.7（EHMA）90.8（EHMA）91.1（EHMA）91.2（EHMA）0.090.9（EHMA）90.8（EHMA）90.6（EHMA）64,00025,00014,00012,0008,0007,0006,0005,0009,4007,0008,0007,0002.762.011.251.191.311.341.211.193.521.231.321.26SolidSolidSolidStickyViscousViscousViscousViscousPowderViscousViscousViscous#Determined by 1H NMRCC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）6-33.indd   91 24/05/13   9:11©2024 JSAE92 自動車技術 ©2024 JSAE寄与と，シナモイル基の光架橋─脱架橋が接着性能に及ぼす効果を詳細に検討するために，Poly2，Poly3，Poly4を調製した（図 1）．Poly2は光架橋を示すビニレン基を含まないPoly1の類似体である．また，フェノール性水酸基をもたずに光架橋部位を有するPoly3と，Poly1のフェノール性水酸基をBOC保護したPoly4を比較実験に用いた（図 1）．　2. 2　光環化反応に伴ったRORM機構の発現　RORM型接着剤の分子設計では，カフェ酸がもつ二つの化学的特徴に注目した．まず，カフェ酸自体が，ユニークな光化学特性を示す桂皮酸の誘導体とみなせる点である（図 2 A①）．桂皮酸はピーク波長（λP）：365 nm（UVL）の紫外線を照射すると［2+2］光環化付加が進行し，また，254 nm（UVS）の紫外線照射によって脱環化反応が起こることが知られている（4）．この反応は可逆反応のため，照射する紫外線の波長を切り替えることで，M1に導入したカフェ酸間で［2+2］光環化と脱環化反応が起こる．これは，Poly1の高分子鎖の架橋─脱架橋を光で制御することになる．最終的には，架橋点密度をコントロールすることで，接着剤層の凝集力を可逆的に制御することにつながることを期待した（図 2 A）．　もう一つの特徴は，カフェ酸は桂皮酸（シナモイル基）のベンゼン環に二つの水酸基が導入された誘導体（図 2 A②）とみなすことができるという点である．海洋付着生物として有名なムラサキイガイは，粘着性タンパク質からなる足糸と呼ばれる繊維を分泌することで海洋構造物や岩礁に固着しながら群生している．足糸を構成する繊維状タンパク質には，L-DOPA（L-3,4─ジヒドロキシフェニルアラニン）が偏在していることが知られており，L-DOPAに含まれるカテコール基が水中接着など特異な接着機能を発現するための接着分子のモチーフとして，さまざまな生物模倣接着剤が開発されてきた（3）．本研究においても，水中接着やポリオレフィンなどの難被着体との接着を実現するためにカテコール基を含むカフェ酸に注目した（図 2 B）．　次に，Poly1をRORM型接着剤として使用する方法について述べる．Poly1は分子量によって，粘稠体もしくは固体として得られる．Poly1を溶媒に溶解するなどして，被着体に塗布した後，十分に溶剤を揮発除去させた．得られたPoly1層はタック感が残るが（図 2 B（i），図 3 A），365 nmの紫外線（UVL）を所定時間照射すると，Poly1中に含まれるカフェ酸の環化反応に伴いネットワーク化が進行し，最終的にはPoly1のハードコート層が形成された（図 2 B（ii），図 3 B）．図 3で図２（A）カフェ酸の可逆的光二量化を利用した光架橋─脱架橋反応の化学反応機構と（B）RORM型接着剤の調製とリサイクル機構．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）6-33.indd   92 24/05/13   9:11©2024 JSAE ©2024 JSAE 93Vol. 78, No. 6, 2024.サーキュラーエコノミー時代の再生可能なバイオベース接着剤は代表的な例として，アルミニウム合金の結果を例示している．興味深いことに，UVLの照射時間と硬化時間には顕著な分子量依存性がみられた（図 4）．すなわち，Poly1aのように高分子量のサンプルはUVL照射前から固体状態であることから，数分のUVL照射でも強力な接着強度が発現する．しかし，UVL光照射時間が約 5分を過ぎると，接着強度は急激に低下した（図 4 A，Poly1a）．一方，低分子量のPoly1fは，硬化するまでに約 1時間を要したが，接着強度はUVL照射時間に対しシグモイド状に増加し，最終的には一定の接着強度値に収束した（図 4 A，Poly1f）．　この結果は，接着力の発現にはカフェ酸の光架橋反応だけでなく，高分子鎖の絡み合いも接着強度の発現には重要な因子であることを示唆している．すなわち，高分子量体のPoly1では，高分子鎖間の物理的な絡み合いに由来する物理架橋とカフェ酸の光環化反応に伴う化学架橋のバランスによって，接着強度が発現する．その際，化学架橋が進行し過ぎると内部応力の歪みが生じるために，接着強度が急激に減少することが考えられる．これは，Poly1aのガラス転移温度がUVL照射時間に対して，徐々に飽和したことからも明らかである（図 4 B）．また，UVL照射前のPoly1の接着強度が，Mwが数万以上になると上昇する現象がみられたことから，Mw = 7,000 のUVL照射前のPoly1fは，物理的な絡み合いはほぼ生じていないと考えられる（図 4 C）．さらに，Mwが数万を境にして，Poly1が最大接着強度を示すUVLの照射時間に閾値があることからも，分子量に依存した物理架橋と光環化反応に伴う化学架橋のバランスが，接着強度の制御因子として重要であることが明らかになった．　UVL照射後のPoly1はホットメルトのフィルム接着剤にも適用できる．実際，プレコートしたPoly1層を加熱・放冷することで，剝離と接図３ Poly1fを使用したRORMモードのデモンストレーション．テストにはアルミ基板を使用した．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）図４（A）接着強度とUVL 照射時間および分子量との相関，（B）Poly1aのガラス転移温度とUVL 照射時間との相関．（C）Poly1fの分子量と最大接着強度の相関，および分子量とUVL 照射時間の相関．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）6-33.indd   93 24/05/13   9:11©2024 JSAE94 自動車技術 ©2024 JSAE着を何度も繰り返して行うことができる（図 2 B（iii），図 3 C）．そのため，Poly1層が破断しても再加熱すれば，元通りの接着接合に補修することも可能である（図 2 B（iv））．実際，加熱・放冷の繰り返し実験を 30 回以上繰り返しても，最初の接着強度の値からほとんど変化しなかった（図3 C）．また，実用的な観点からすると，解体する際の加熱温度は任意に設定できることが望ましい．Poly1は約 120℃で軟化するが，コモノマーであるメタクリル酸エステルのアルキル鎖長の選択により，軟化温度を調整できる．また，接着接合の役目が終わると，UVS照射によってシクロブテン環部位を脱架橋させることで有機溶剤に溶解・回収し，溶媒除去することで再利用も可能となる（（図 2 B（v）），図 3 D’）．同様に，基板についても被着体に付着した接着剤を完全に除去することで新品と変わらない状態で再利用することができる（図 2 B（vi），図 3 D）．なお，UVL照射後のPoly1層は長期保存性に優れており，暗所室温で約 2年保存しても接着性能に変化はみられなかった．　次にPoly1の接着性と光架橋の効果をPoly2，Poly3，Poly4を用いて検討した（図 5 A）．その際，高分子鎖のトポロジカルな絡み合いなど分子量に依存する物理的・機械的特性の影響を排除するために，Poly1fと同様の低分子量（Mw：7,000─8,000）のサンプルを用いた．図 5 AはUVL照射前後の各種ポリマーの引張せん断接着強度を示している．各種ポリマーはUVL照射前には高粘稠体であるため，数kPa程度の低い接着強度を示した．一方，Poly1fにUVLを照射すると，引張せん断接着強度は 6MPa以上になり，UVL照射前に比べて約 95 倍向上した．同様に，桂皮酸により光架橋が可能なPoly3とPoly4は，UVL照射後に約 7倍の引張せん断接着強度の増加がみられたが，これは架橋構造の形成に伴う凝集力の増加によるものと考えられる．一方，シンナモイル基を含まないPoly2はUV照射に対して不活性であった．以上の結果より，物理的・化学的な絡み合いによる高分子鎖間の凝集力とカテコール基と被着体の相互作用が相乗的に発揮されることで，Poly1fは劇的な可逆接着力が発現したと考えられる（5）（6）．　さらにPoly1は，銅（Cu），ステンレス鋼（Fe），およびアルミニウム合金（Al）），木材，グラファイト，および合成ポリマー（例えば，ポリエチレン（PE），ポリプロピレン（PP），ポリメチルメタクリレート（PMMA），およびポリ塩化ビニル（PVC））に対してRORM型接着剤として機能図５（A）光照射前後の Poly1-4の接着強さ，（B）UVL 処理の有無による引張せん断接着強さの比較，（C）UVLによる Poly1fの接着強さとカテコールなどを含む生体模倣接着剤（文献値）との比較，（D）UVL 処理後の Poly1fと従来の市販接着剤とのPP基材上での接着強さの比較．（PE：ポリエチレン，PMMA：ポリメチルメタクリレート，PP：ポリプロピレン，PVC：ポリ塩化ビニル，Fe：ステンレス鋼，Cu：銅）．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）6-33.indd   94 24/05/13   9:11©2024 JSAE ©2024 JSAE 95Vol. 78, No. 6, 2024.サーキュラーエコノミー時代の再生可能なバイオベース接着剤した（図 5 B）．すなわち，Poly1fはUVL照射することで，金属，木材，グラファイト基材との接着強度がUVL照射前と比べて約 20 倍以上も増加した．同様に，PMMA，PVC，グラファイトに対する接着強度は約 10 倍，難被着体であるPP，PEに対しては，27 倍の 1.5 MPa，18 倍の 2.3 MPaとなり，これまでに報告されているカテコール基を含む生物模倣接着剤と比べても優れた接着能力を示すことが明らかになった（図 5 C）（7）．また，ホットメルト型接着剤の特性を活かして，速硬化性が期待される．市販の接着剤の多くは架橋反応や重合反応を伴うため，完全に硬化反応の終了までに数十時間かかることもある．一方，UVL照射後のPoly1は数分の加熱処理（120℃）で接着強度が最大に達した．また，市販の接着剤は難被着体であるPP基板への低接着性が課題であったが，Poly1は瞬間接着剤であるシアノアクリレートと同等の硬化時間で最大接着強度を示すことが明らかになった（図 5 D）．　2. 3　難被着体への適用　カテコールを含む生体模倣型接着剤は，ポリテトラフルオロエチレン（PTFE）やPPなど，化学反応性に乏しい難被着体に対して高い接着性を示すことが報告されているが（7c）（7d），Poly1は凝集力の制御により，従来のカテコール含有接着剤よりも高い接着強度を示すことを述べた（図 5 C）．そこで，カテコール基を含むカフェ酸を導入したPoly1を用いて，PTFE基板の接着試験を行った．図 6 Aに結果を示すように，Poly1は高い引張せん断応力だけでなく，繰り返し折り曲げ負荷に対して高い耐久性を示すことが明らかになった．また，Poly1は湿潤下での接着性にも優れていることが明らかになった．切れ目の入った柔軟なシリコーンチューブをPoly1で補修したところ，高水圧をかけても漏水はみられなかった（図 6 B（i）（ii）（iii））．　また，光照射によって可逆的に接着─剝離を繰り返すことができるというRORM型接着剤の特徴を利用して，光による接着─剝離を実証した．石英とPPをPoly1を用いて接着させたところ，40 kgの荷重をかけても剝離は起こらなかった（6 C（ii））．一方で，石英表面からUVS照射を行うと，直ちに接着面が破断した（図 6 C（iii））．光を透過する基板に限定されるという課題は残るものの，易解体性と強靭さを異なる 2波長の紫外線照射によって自在に制御できる接着接合は，正確な仮固定が要求される自動車や精密機器の製造現場や半導体工場などでの利用が期待できる．　2. 4　RORM型接着剤による太陽エネルギーから力学エネルギーへの変換　次に，RORM型接着剤を用いた太陽エネルギーから力学エネルギーへの変換を試みた事例を紹介する．まず，AlおよびPP基板にPoly1を塗布したのち，屋外暴露試験を行い，所定時間後の接着図６ ローム型接着剤の用途．（A）PTFE シートの強力接着，（B）シリコーンゴムパイプ（直径12 mm）の補修，（C）石英─PP基板の接着．熱硬化後，40 kg のダンベルを容易に持ち上げることができた（iii）．石英表面へのUVS 照射により，容易に剝離するようになった．（d）屋外暴露による Poly1の接着強度の変化．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）6-33.indd   95 24/05/13   9:11©2024 JSAE96 自動車技術 ©2024 JSAE強度の変化をモニタした．このとき，太陽光下に直接暴露したものと，厚さ約 10 mmのソーダガラス製容器に入れたものを用意した（図 6 D（i）（ii））．ここで，ソーダガラスによってほとんどのUVSは遮断されることを期待した．屋外暴露試験の結果，Al，PP基材ともに太陽光への曝露時間に伴って接着強度は増加し，Alでは約 0.8 MPa，PPでは約 0.6 MPaという接着剤として利用するうえで十分な接着強度を示した（図 6 D（iii）（iv））．また，直接暴露した試料片のほうがソーダガラスを通して暴露した場合に比べて接着強度が増加する傾向がみられた．詳細な検討を継続しているところであるが，適切な波長を通すバンドバスフィルタなどを用いることで太陽光を用いた可逆的な接着─剝離が可能になり，光エネルギーから力学エネルギーへの変換で駆動する自己修復材料や易解体性接着剤など新たな材料開発への展開が期待できる．　2. 5　誘導加熱を用いた遠隔・水中接着　カテコールを含む生物模倣接着剤は，医療用接着剤など水中や湿潤環境下での応用が検討されているが，水中での海洋構造物の建築やインフラ補修のような過酷な作業環境が要求される．この問題を解決するため，RORM型接着剤と誘導加熱を融合させた水中接着の遠隔制御システムを開発した（8）．具体的には，Poly1中にマグネタイト（Fe3O4）ナノ粒子（MNP, Magnetic nanoparticle）を分散させ，UVL照射によるPoly1層の形成と誘導加熱による接着を組み合わせた遠隔操作を提案した（図 7）．まず，MNPを含むPoly1fを水中にてPP基板表面に塗布した後（図 7 A），UVLを照射してPoly1層を形成させた（図 7 B）．次に，この基板をコイル内に設置し交流磁場を発生させた．その結果，Fe3O4 ナノ粒子が 1分以内に約 80℃まで局所加熱されることを確認した（図 7 C）．水中接着の遠隔操作によって得られたPP試験片は，片持ち梁曲げ試験において 60 kPaの負荷をかけても十分な強度を示し（図 7 D），引張せん断接着強度試験では難被着体であるPPに対し 1.2 MPaの接着強度を発現した．　PPのように誘導加熱が用いることができない基板に対してはMNPの添加によって局所加熱を行うことで遠隔操作を実現したが，被着体としてFe，Al，Cuなどの金属や合金，導電性材料の場合には，MNPの添加は必要なく，基板を直接誘導加熱することで水中接着が可能となる．また，透明度が低く，紫外線が吸収・散乱されるような環境下においては，光ファイバを用いてUVL光源を被着体表面のごく近傍に設置するか，あらかじめ大気中でUVL照射を行いPoly1層を形成させてから，誘導加熱することで水中接着が可能となる．実際，ブタ血清のように透明度が低い体液や，さまざまな夾雑物を含む天然海水でも水中接着の遠隔操作を実証している．結論3　本研究では，ムラサキイガイにヒントを得た接着特性と光可逆的な動的架橋機能という二つの図７ UVと誘導加熱の組み合わせによる水中接着の遠隔操作．（A）水に浸した PP基材に磁性粒子を添加した粘性Poly1を塗布，（B）UVL 照射により Poly1層を形成．（C）誘導加熱によりPoly1層を選択的に加熱，（D）室温に戻すことで接着強度が発現する．CC BY4.0 licence のもと，原著から転載した（1）6-33.indd   96 24/05/13   9:11©2024 JSAE ©2024 JSAE 97Vol. 78, No. 6, 2024.サーキュラーエコノミー時代の再生可能なバイオベース接着剤特性をもつカフェ酸を用いて，RORM（Reset-On Demand, Reuse-Many）型接着剤を提案した．カフェ酸を含む接着材料は，PTFE，PP，シリコーンゴムなど，難被着体といわれる基材に対して有効な接着強度を示した．また，照射する紫外線の波長選択によってカフェ酸の環化─脱環化反応を制御することで，接着─剝離の可逆制御に成功した．さらに，RORM型接着剤に磁性ナノ粒子を埋め込むことで，非接触の局所誘導加熱により水中接着の遠隔制御に成功した．何度でも再利用（リユース）でき，必要なときに接着接合の前の状態に戻すことができるRORM型接着剤は，エレクトロニクス，輸送，ロボット工学，インフラ整備など，持続可能な材料に求められるものであり，持続可能な社会におけるものづくりを支える接合技術になると期待している．本稿は，参考文献（1）を自動車技術会向けに翻訳・解説したものである．詳細は原著論文（オープンアクセス）をご参照ください．記事のご感想をお願いいたします  アンケートはこちらから 内藤昌信　ムール貝やフジツボなどの水棲生物が，その進化の過程で獲得した優れた接着機構を，外部刺激で容易に解体できる易解体接着剤や湿潤下でも施工可能な水中接着剤に応用する研究に取組んできました．一方，自動車分野では，欧州委員会の ELV管理規則案における持続可能性要件に関する規則案が打ち出されてから，プラスチックのサーキュラーエコノミーは待ったなしの状況です．今回紹介した RORM型接着剤が自動車のサーキュラーエコノミー問題の解決に貢献できることを目指して研究を進めています．フェイス参　考　文　献（ 1）　S. Wang, W.-H. Hu, Y. Nakamura, N. Fujisawa, A. E. Herlyng, M. Ebara, M. Naito：Adv. Funct. Mater., 33, 2215064（2023）（ 2）　D. Payra, Y. Fujii, S. Das, J. Takaishi, M. Naito：Polym. Chem., 8, 1654（2017）（ 3）　G. P. Maier, M. V. Rapp, J. H. Waite, J. N. Israelachvili, A. Butler：Science, 349, 628（2015）（ 4）　T. Kaneko, T. H. Thi, D. J. Shi, M. Akashi：Nat. Mater., 5, 966（2006）（ 5）　H. J. Meredith, C. L. Jenkins, J. J. Wilker：Adv. Funct. Mater., 24, 3259（2014）（ 6）　C. R.Matos-Perrez, J. D.White, J. J. Wilker：J. Am. Chem. Soc., 134, 9498（2012）（ 7）　（a）L. Han, X. Lu, K. Liu, K. Wang, L. Fang, L. T. Weng, H. Zhang, Y. Tang, F. Ren, C. Zhao, G. Sun, R. Liang, Z. Li：ACS Nano, 11, 2561（2017）, （b）F. Dai, F. Chen, T. Wang, S. Feng, C. Hu, X. Wang, Z. Zheng：J. Mater. Sci., 51, 4320（2016）, （c）C. Y. Cui, C. C. Fan, Y. H. Wu, M. Xiao, T. L. Wu, D. F. Zhang, X. Y. Chen, B. Liu, Z. Y. Xu, B. Qu, W. G. Liu：Adv. Mater., 31, 1905761（2019）, （d）C. L. Jenkins, H. M. Siebert, J. J. 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