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[無機材研ニュース第143号](https://mdr.nims.go.jp/datasets/3143bf39-9ce4-4168-a23f-78c0647ee498)

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無機材研ニュース第143号七〇一土Eoo一一〇E蜆E0io］一〇〇〇一〇〕0＝あ○餉oo一］o－E0ooo］101E呵f0咀○蜆o〇一一〇〇〕｝〇一ωo㎝ωE○土≧豊皇oo…Z－oo〕ω］0f←〃．．、1」■　　　　　　　！飢43与新年のごあいさつ　一～’§⑧・・η　平成6年の新春を迎えるにあたり一言御挨拶を申し上げます。昨年は新しく策定した長期計画の実現に向けて全所員気持を新たにして努力を開始した年でありました。そのなかで、新設した「先端機能性材料研究センター」が中核となり、「機能性スーパーダイヤモンドの研究」がスタートしました。これはダイヤモンド及びcBNの単結晶膜合成牛その半導体化を目標にして夢の材料創製へ挑戦するもので内外から大きな反響を呼び、21世紀への先導的材料研究として期待されております。この研究を強力に推進するために「先端機能性材料研究センター棟」も今年は建設致しま九床面積！800㎡で3階建の予定です。その上に昨年は年度途中で大きな朗報がありました。　　　　　　　　　　　　　所長藤材拠　それはセンターオブエクスレンス（COEと略す）の育成　機関として全国研の中から選定された3機関の一つに選　ぱれたことです。これは当所が世界の中核的研究拠点と　して活躍できる基盤と実力を有していることで評価されたものであり、誠に喜ばしく大変名誉なことであります。当所の創立以来努力された諸先輩をはじめ研究者及び所員皆様の大きな成果と言えます。当所では「超常環境を利用した先端材料の研究」をCOEの研究対象領域として、超高圧、超高温の環境を利用した材料の創製研究と超微細構造解析で評価研究を三位一体としてそれぞれ一層高度化し、精密化し、さらに新しい手法を開発して世界最先端の研究を行います。前述のスーパーダイヤモンド研究は超高混に関す研究の中心課題となります。そして開放型の研究体制とし、一層の国際研究交流を図り、3月には早速当所主催の国際シンポジウムも開催する予定で九世界に向けて新しい研究情報の発振基地としてこの研究分野で貢献して行く所存であります。　今年は上述のCOE化研究も長期計画実行も共に2年目に入りますgで研究の内容、組織の充実、研究の活性化において大きな飛躍を図りたいと考えております。また、3つの研究グループが所期の目的を達成し、新規課題で再編成を行い4月より新しい材料研究に挑戦します。　所員一丸となって頑張り皆様の御期待に答えて行きたいと念じておりますので関係各位のご理解とご指導・ご支援をお願い申し上げます。（工）アルカリ土類金属イオンの新しい分離法第7研究グループ主任研究官　小松　　優はじめに　近年、わが国では物質の分離に関する研究が盛んに行われるようになり、約10年前にr日本溶媒摘出学会」円本イオン交換学会」「日本吸着学会」が相次いで設立された。いずれの学会も煩調に成長しており、本年度は「E1本イオン交換学会」と「日本吸着学会」の合同学会が盛大に開催されるに至った。目的物質分離に関する研究における媒体は、固体・液体・気体の3つの状態のそれぞれの組み合わせについて行われている。このうち目的物質の固体一固体間分離は、①サイズの違いを利周したもの、②溶融温度の違いを利用したもの、③磁気を利用したもの等がある。固体一液体問では①イオン交換法、②イオン置換法、③吸着法等があり、液体一液体間では溶媒抽出法により研究が行われている。　この中で溶液中に溶存する複数の金属イオンから目的の金属イオンを分離する方法としては、無機イオン交換体による分離およびキレート抽出剤による溶媒抽出の2つの方法による研究が多く行われている。しかし、いずれの方法もあらゆる種類の金属イオンを分離するには至っておらず、貿的に応じて方法を選ぶ必要がある。例えぱ希土類金属イオンの分離に適したイオン交換体は未だに見つけだされておらず、全てのアルカリ金属イオンの抽出に利用できる抽出剤は合成されていない。従って同族イオン間の分離においては、複数の分離方法を併用する必要がある。　本研究においては、対象金属としてアルカリ土類金属イオンを選び、新しい分離法の開発を行った。アルカリ土類金属イオンは、Be，Mg，Ca，Sr，BaおよびRaの6種類の金属イオンからなる第m族の元素である。これらの元素の地殻中の火成岩における存在比は、Ca＞Mg＞Sr＞Ba＞Be＞Raの順である。BeとRaは存在量が少ないので、通常不純物としての混入の危険性が少ないため除き、Mg，Ca，SrおよびBaに関して、溶媒抽出法とイオン交換法を併用しての分離を試みた。アルカリ土類金属イオン分離の困難さ　同族イオン間の分離が困難である主な原因として、最外核電子配置が同じである事を挙げる事が出来る。アルカリ土類金属イオンでは最外核電子配置がいずれもnS2である。このためイオン半径が非常に小さいBe2＋以外性質が非常に似かよっている。従って、反応に関与するイオン種との反応次数が同じ場合が多く、同じ抽出剤（またはイオン交換体）では、全ての元素の組み合わせでの良い分離結果は、得られていない。例えぱ、アルカリ土類金属イオン問の分離においては、Ba－SrおよびCa一Mg閲の分離には結晶質四チタン酸繊維によるイオン交換法、Sr－Ca間の分離においては錨出剤TTA（セノイルトリフロロアセトン）と協同抽出剤TOPO（トリオクチルリン酸エステル）による溶媒抽出法で良い結果が得られた。このように4種類のアルカリ土類金属イオンの分離には、複数の分離法の長所を生かした分離が有効であると思われる。即ち、まずイオン交換挙動および溶媒抽出挙動をそれぞれの金属イオンに関して調べ、これらの値より溶媒抽出法とイオン交換法を併用した遂種類の金属イオンの完全分離を試みる新たな方法に関して紹介する。溶媒摘出逮によるアルカり土類金属イオンの抽出　溶媒抽出法による金属イオンの抽出剤は種々検討されており、燐酸系、ピラゾロン系およびオキシン系に大別する事が出来る。今回はこれらの申、アルカリ土類金属イオンに比較的高い摘出能を持っキレート剤TTAを閑いた。さらにこの系に協同摘出剤TOPOを加え、抽出能カを高める工夫を行った。水溶液中にアルカリ土類金属イオン1種類とpH緩衝剤である酢酸を含み、塩酸により水素イオン濃度を調整した適当なpHの水溶液を作成し、それぞれの溶液8㎜1と摘出剤TTAと協同抽出剤TOPOを含む四塩化炭索溶液8m1を、25℃恒温室で種々の時間液一液接触させた後分離した。反応後の水溶液は、直接pHメーターでpH測定を行い、併せて水溶液中に含まれる金属イオン濃度をICP分光光度計で測定した。また有機相はO．1M塩酸溶液と接触させ、有機相中に含まれる金属イオンを逆抽出した後、塩酸溶液申の金属イオン濃度を測定しれこれらの操作を4種類のアルカリ土類金属について行った。各反応時問による抽出量の変化から平衡到達時間は2日以内と定め、以後の平衡実験は安全を見積もって全て3日間行った。次に適当なpHの水溶液とTTA濃度を変化させた四塩化炭素溶液を接触させる事により、反応に及ぼす抽出剤濃度依存性を調べた。この結果、一定のpH溶液からの金属イオン王個の撞出に抽出剤2個が必要である事が分かった。同様に協同抽出剤濃度依存性も合せて検討した結果、同じく金属イオン1個の抽出に協同抽出剤2個が関与している事が分かった。上記予備実験の結果から、抽出剤としてO．王MのTTA、協同抽出剤として0．互MTOPOを含む四塩化炭素溶液8mlと、1×10凹4Mのアルカリ土類金属イオンと緩衝剤である酢酸5×10凹2Mを含む塩酸溶液8㎜1を液一液接触させ、水溶液中のpH変化の抽出に及ぼす影響を調べた。結果を図1に示す。　この結果、この系におけるアルカリ土類金属イオンの（2）図1 図23．5≡＝　3【o≡1．51．00．5O．00　・015◎・10　　　　　　　　　Sr　　　Mg　声 Ba2　　　　　3　　　　　4　　　　　5　　　　　　　　　pH6水溶液中のpHに対する依存性（グラフ中の直線の傾き）はいずれの金属イオンに対しても十2であり、このpH依存性に関する結果と上記予備実験による抽出剤および協同抽出剤への依存性に関する結果から、この溶媒抽出反応は下記の式に従って反応している事が分かる。　M2＋＋2（HL）‘o〕十2（TOPO）〔。〕　→ML2｛。〕（TOPO）2｛。〕十2H■　　　　　　　　（1）またこの系において、同じpHでの遂つのアルカリ土類金属イオンの撞出量は、原子番号の小さい順、即ちMg＞Ca＞Sr＞Baの順を示した。また2種類の金属イオン間の分離に関しては、Ca－Sr聞で優れているが、Mg－Ca間とSr－Ba闇では十分とは言えない。従って、4種類のアルカリ土類金属イオンの問の分離において、TTA－TOPOによる溶媒抽出分離は、Ca－Sr間でのみ有効であると結論出来る。無機イ才ン交換体によるアルカリ土類金属イオンのイオン交換反応　TTA－TOPOによる溶媒抽出法では分離が不十分であったMg－Ca間およびSr－Ba間の分離を目的に種々の溶媒抽出系及びイオン交換体に関する研究を行ってきた。この中で、結晶質四チタン酸水和物繊維がMg－Ca間及びSr－Ba間の分離能に優れたイオン交換体である事を見いだしたのでここに紹介する。　イオン交換体である結晶質四チタン酸水和物繊維は、次のように作成した。まず二酸化チタン、炭酸カリウムにフラックスとしてモリブデン酸カリウムをカロえu5ぴCに加熱し、徐冷法により結晶質四チタン酸カリウム繊維を合成した。この繊維を1M塩酸で処理する事により、下記の式に従って無機イオン交換体である結晶質四チタン酸繊維に組成変換した。　Kd＝（［Mコsol．／g）／（［M］aq．／c㎡）　K2Ti40g＋nH20＋2H＋　→H2Ti40g・nH20＋2K＋　　　　　　　　　　　　（2）この結晶質四チタン酸繊維を無機イオン交換体として、アルカリ土類金属イオンを含む種々のpHの水溶液と反応させた結果を図2に示す。　　　　　　　　　Ba　Sr3・0　　　　　　　　戸　　2．5℃y02，0◎1－5110　　　〆⑫　　／口　　　　　　岩　　　0．5　　　　1　　　　2　　　　3　　　　4　　　　5　　　　　　　　　　　　　pH　この反応系における金属イオンのイオン交換量は、いずれのpH領域においても、Ba＞Sr＞Ca＞Mgの順であり、溶媒抽出法による結果と反対の順序を示した。これは、溶媒抽出法による抽出能は金属イオンに対する溶媒和に依存し、イオン交換法による結果は金属イオンの水和力の影響であるものと判断できる。また分離に関しては、Mg－CaおよびSr－Ba間で優れている。　表1に溶媒抽出法およびイオン交換法によるアルカリ土類金属イオン間の分離定数を示す。分離定数は、おなじpHにおける2種類の金属イオンの抽出比またはイオン交換比を示すものであり、一般的にこの数値が30以上のものが分離可能といわれている。この結果、溶媒抽出法によるCa－Sr聞およびイオン交換法によるMg－Ca間とSr－Ba間で30以上の値を示し、両手法を併用する事により、分離可能と推測できる。表1　アルカリ土類金属聞の分離係数値Mg－Ca Ca－Sr Sr－Ba溶媒摘出法 6，61 52．2 22．9イオン交換法 174 5．25 174アルカり土類金属イオンの新しい分離法　上記溶媒撞出実験により得られた結果から適当なpHを選び、まず溶媒抽出法でアルカリ土類金属イオンの2群分離を試みた。即ち4種類のアルカリ土類金属イオンを含む高いpHの水溶液とTTAおよびTOPOを含む四塩化炭素溶液を液一液接触させ全ての金属イオンを有機相中に抽出した。次に両相の液一液分離を行い、分離した有機相と少しpHを下げた新しい水相と液一液接触させ、この操作を煩次繰り返す事により金属イオンの分離を試みた。最も良い分離値が得られたpH3．85における結果を表2に示す。この結果、Ca－Sr間の分離が良くMg－Ca群とSr－Ba群に分離可能な事が分かる。また抽出操作を反復するか、pHの微調整を行う事によりさらに分離能を（3）上げる事が出来る。表2　溶媒鏑出法によるアルカリ土類金属イオンの　　分離（pH3．85）Mg Ca Sr Ba有機相 4．62％ 12．78％ 98．62％ 100％水　　相 95．38％ 87．22％ 至、38％ 0％　次に溶媒摘出法では良い分離値が得られなかったMgとCaおよびSrとBaの分離を、イオン交換カラム法で試みた。一例としてSrとBaの分離に関して述べる。まず結晶質四チタン酸繊維3gを直径約5mのカラム中に充填し、中性溶液中のSrとBaをこのカラムに流入する。金属イオンは繊維中の水素イオンとイオン交換反応を行い、繊維中にとどまる。次に弱酸性（pH2．8）の塩酸溶液をカラム中に流入する事により、繊維中のSrイオンのみが塩酸中の水素イオンと置き変わり流出液中に移動する。流出液はマイクロチューブポンプで流速を制御し、フラクションコレクターで会別採取した。流出液中の金属イオン濃度測定は、ICP分光光度計で行った。この操作により流出した両金属イオンを回収量を表3に示す。　この条件ではBaは全く流出せず、カラム中のほとんどのSrを流出させる事が出来る。さらに分離能を上げる必要がある場合は、pH2．8の塩酸溶液をさらに流入すれば表3　イオン交換法によるSrとBaの分離（pH2，8の　　塩酸を！25㎜至カラムに通した時点での金属イオ　　ンの流出％）よい。　次にカラム中に残存するBaを流出させるため、流入液をpH2．8の塩酸から1M塩酸に換えた。この操作によりわずかに残存するSrおよび全てのBaを回収する事が出来た。また結晶質四チタン酸繊維によるアルカリ土類金属イオンのイオン交換反応実験の結果から、Mg－Ca間の分離係数の億はSr－Ba聞と同じ王74（表至）であり、同様の操作で分離が可能である。まとめ　本研究は、溶媒撞出法とイオン交換法という2種類の手法を併用した新しい「分離法」である。現在得られている結果で、4種類のアルカリ土類金属イオンをほぽ完全に分離する事が出来る。また反応時のpH領域の微調整、イオン交換カラム通過時間の設定、反復分離等の工夫により、さらに舅的に応じた純度までの分離が可能である。　最後に、この研究推進に当たりご協力頂いた多方面の方々に、ここに深く感謝の意を表します。低速イオン散乱を用いた新しい表面結合状態解析法第12研究グループ主任研究官　左右田龍太郎1．はじめに　低速イオンと固体表面との相互作用はイオン種や表面の電子状態によって全く異なった様相を呈し、見かけ上極めて複雑な現象である。これはイオンが点電荷ではなく内都電子構造を有する複合粒子であるという事と、衝突の際に表面原子との間で形成される（準）分子状態を媒介として表面の電子系と多彩な相互作用をするためである。この現象は、特に運動エネルギーが100eV以下の超低エネルギー領域においては、反応や触媒等、表面化学の諸問題とも密接に関係しており、輿味深い研究対象である。しかし、このように粒子の運動と電子状態の変化が複雑に絡み合った表面の動的量子遇程は、研究がまだ緒についた段階であり、現象の解明や実験手法の開発等、解決すべき問題が数多く残されている。筆者らはこの研究の過程でごく最近、超低エネルギーの重水素イオンの中性化と非弾性散乱が固体最表面原子の電子状態と密接に関係している事を見いだし、この原理に基づく新しい表面解析手法を提案しているI■3〕。　H＋あるいはD＋は最も単純なイオンでありながら、表面との相互作用のメカニズムについてはごく最近になるまで未解決の問題として残されてきた。筆者らは電子状態の異なる種々の固体表面でD＋イオンの中性化の実験を系統的に行ってきた1〕。その結果、ほぽ完全なイオン結合を有すると思われるアルカリハライドやアルカリ土類ハライド（例えぱNaC1，NaI，KF，KI，Rbα、Csα、BaF。等）の表面では中性化を免れて散乱されたD＋がかなりの割合で存在するのに対し、金属［例えば、Ag，Ta（111）、W（110）、Pt（至11）、TiC（u1）等］あるいは共有結合性を有する物質［例えば、ダイアモンド、グラファイト、Si（100）、Ge（100）、SiO。、MnCl。、CoCl。等］から散乱されたD＋はほぽ完全に申性化されることを見いだした。このようなD＋の中性化のメカニズムに関してここで詳述する事は避けるが、単純には、D＋がイオン化した棲的原子から敵乱される場合には電子を捕獲することがで（4〕きないのに対し、中性の標的原子からは容易に電子を捕獲してD＋の申性化がおこるためであると考えてよい。次節でこの手法の実際の適用例について述べる。2，D＋散乱による表面原子の結合状態の解析2〕　固体表面における異種原子の吸着には電子の移動が伴い、結合にイオン性が生ずることは周知の事実である。ところがこの種の問題は多くの場合、現在でも議論が混沌としている。その典型例がアルカリ吸着の問題であろう。アルカリ原子はイオン化エネルギーが小さいため、特に低被覆率では固体表面でほぼ完全にイオン化して吸着していると考えられてきた｛）。ところがごく最近になって、電子相関が強い場合にはs準位がFerm嘩位にピン止めされるため、アルカリ吸着子は中性で分極した共有結合状態をとりうるという計算結果が示されている5〕。この問題に対する実験的なアプローチは現在までに数多く行われているが、多くの場合、結果に著しい食い違いが存在する6…m〕。このような混沌は結局のところ、吸着子と下地表面との結合のイオン性あるいは共有結合性が従来の手法では明確には定義できなかったためである11〕。これに対し、D＋の中性化はま’さに標的となる原子のイオン性の実験的な定義を与えるものであり1刈、筆者らはこの観点からアルカリ吸着の問題を論じている。　Si（100）2×1清浄表面にO．2モノレイヤー（1．4xlO14個／cmヨ）のCsを吸着した場合に得られたD＋（E。＝100eV）のエネルギースペクトルを図1（・）に実線で示す。また、Pt（111）1x1清浄表面に同量のCsを吸着して得られた結粟（入射イオン強度で規格化してある）が図1（b）に実線で示されている。ここで図の横軸上の矢印は、D寺と個々の標的原子との二体衝突の結果として期待されるエネルギー位置を示す。Si（100）及びPt（111）清浄表面ではD＋はほぼ完全に中性化されてイオンとしては何も観測されなかったが、Cs吸着子の存在によりD＋収率は著しく増大する。このときSi（100）表面ではCs吸着子からの散乱に基ずく表面ピークA，B，Cとともに、低エネルギー領域にブロードな分布を持つバックグランドが現れる。一方、Pt（u1）表面ではCsの表面ピークは現れず、スペクトルはバックグランドのみから構成される。バックグランドはここで間題にしている、中性化を免れて生き残ったDヰによるものではなく、挿入図に示したように、下地表面での多重散乱の結果、一度中性化された重水素（D＋→D。）が出射軌道でアルカリ吸着子と衝突する際に再びイオン化された（ぴ→D＋）ものに帰着される。　図1（a）のCs表面ピークには弾性散乱によるピークAと低エネルギー側に二本のロスピークBとCが現れる。このうちピークCは再イオン化に帰着することが可能である。一方、ピークBはD＋がCsと衝突する際、配位子であるS1の価電子（sp3）をCsの空準位（6s）に励起した事による非弾性散乱（電子一正孔対励起）によるものであ蟄額十ρ記轟（o）CslSi（100）バックグランドw。片1Si　　　　　　　　Cs（b）Cs／Pt（111）バックグランドノ　　　　　　　　　　x2C5Pt　　　　50　　　　60　　　　70　　　　80　　　　90　　　　100　　　　　　　　　エネルギー（eV）　　　　　　　　　　　図1　Csを同量（0．2モノレイヤー）吸着した（・）Si（互00）表面と（b）Pt（u1）表繭から散乱されたEo＝100eVのD＋イオンのエネルギースペクトル。この表面に酸索を共吸着したときのエネルギースペクトルの変化を破線で示す。る。このように、ピークAとBは基本的に申性化を免れて生き残ったD＋に帰着される。一方、Pt（11！）表面ではこのような生き残りイオンに基づく表面ピークは現れず、Csから散舌LされたD＋はほぽ完全に中性化されている。この結果は、Si（100）表面上のCsはイオン化して吸着しているのに対し、Pt（111）表面上のそれは中性の吸着状態にあることを示している。　筆者らは、下地表面とアルカリ吸着子のいくつかの組み合わせに対して同様な測定を行っている3〕。表1に低被覆率（～O．2モノレイヤー）での測定結果がまとめてある。ここで図1（・）と同程度に吸着アルカリ原子の表面ピークが現れた場合をOで、図1（b）のように表面ピークが顕著に現れなかった場合を×で示す。この表から、金属表面上のアルカリ吸着子は中性の共有結合状態をとりやすいのに対し、半導体表面でのそれはイオン化しやすい傾向のあることがわかる。半導体表面でもNa吸着の場合はやや例外的であるが、これは他のアルカリ（E1＝3．9～4．3eV）と比較してNa（EF5．至eV）のイオン化エネルギーが若干大きいためである。このように、アルカリ吸着子の結合状態が下地表面の電子状態によって顕著に異なる事が本研究により初めて明かとなった。　固体表面上にアルカリ原子と電気的により陰性な原子｛5）表1Na K Rb CsW（uO） X XPt（11至） X × XSi（100） × O ○ OGe（100） X ○ ○SiO。 △ O ○TiO。（！！0） O ○ ○　金属および半導体表面にアルカリ金属をO，2モノレイヤー吸着したとき、D＋のエネルギースペクトルにアルカリ吸着子による表面ピークが現れるかどうかを示したもの。が共吸着した場合の吸着子間あるいは吸着子と下地表面聞の相互作用は、反応や触媒等表面化学の観点から輿味深い問題である。Cs吸着したS1（王OO）表面に酸素を露出すると、図三（・）に破線で示したようにピークBの強度が減少し、ロスピークの位置が低エネルギー側にシフトする。ピークBはCsとSiがイオン的に緕合しているために生ずる電子一正孔対励起（S1sp茗→Cs6s）によるものであることをさきに述べたが、酸索吸着によりCs－O結合が形成されると、より結合エネルギーの大きい02p電子が励起されるため、ピーク位置が低エネルギー側ヘシフトする。Pt（111）表面でCsとOが共吸着した場合の結果を図1（b）に破線で示す。酸素吸着によりバックグランドが若干増大するものの、Csの表面ピークは現れない。この結果は、低被覆率では吸着したアルカリと酸素とのイオン的な結合が弱く、吸着子は下地のPtとより強く結合していることを示している。Pt（11互）表面でもアルカリの被覆率が増大し、表面上でアルカリ金属の単原子層パッチが形成される場合には、アルカリと酸索とが直接イオン的に結合することがD＋散乱の実験から確かめられる。　同様の実験をアルカリとハロゲンの共吸着系についても行っている。図2は（a）Si（100）清浄表面と（b）水素終端したSi（100）表面に約O．4モノレイヤーのCsClを吸着した場合に得られた散乱D＋（E。＝100eV）のエネルギースペクトルである。水素終端した表面ではCsとClに対応する表面ピークAがロスピークBを伴ってはっきりと現れる。このスペクトルはCsC康面に固有のもので、ロスピークBは電子一正孔対励起（C13p→Cs6s）によるものである。一方、Si（100）清浄表面にCsClを吸着した場合には、Csの表面ピークは顕著に現れるものの、Clのピークはほぼ完全に消失する。従って、Cs（Cl）はイオン的な（中性の）結合状態にあることがわかる。さらに、このスペクトルとCs吸着表面で得られた図1（a）の実線のスペクトルを比較すると、両者は殆ど同一であることがわかる。これは、CsがClとではなくSiと結合していることを示し魁縄十Q扁轟｛α）CsC）Si｛100）　　　　　　　　　　　　　C　8　A　　　　　　　　　　　　　↓　4　“パッククーランドS1　Cl　　　　　　Cs｛b）CsCIlH：Si｛100）　　　　　　　　　　　　　　B　　A　　　　　　　　　　　　　　壬　　4B　　A↓　　斗　Si　Cl　　　　　Cs　　　50　　　　60　　　　70　　　　B0　　　　90　　　　100　　　　　　　　　エネルギー（eV）　　　　　　　　　　　図2　0．4モノレイヤーのCsClを（・）Si（100）清浄表面と（b）水素終端したSi（100）表醐こ吸着したときに得られたD＋散乱（E。竺100eV）のエネルギースペクトル。ている。このようなCsαの解離吸着は水素終端したSi（100）表面では起こらなかったことから、Si表面のダングリングボンドの存在と関係している。実際、図2（a）の表面に原子状水素を吸着すると、Clがダングリングボンドから追い出されて、CsとClのイオン的な結合が圓復することがD＋スペクトルの変化から確認できる。3．おわりに　粒子一表面間の相互作用は電子状態の変化と粒子の運動とが複雑に絡み合った動的最子過程である。本稿ではその一例として趨低速イオン散乱における中性化と再イオン化、および電子一正孔対励起について述べた。従来、イオン散乱は表面の組成分析や構造解析に用いられてきたが12〕、本研究の結果、表面電子状態の解析手法としての全く新しい可能性が見いだされた。このような表面の動的過程に関する知見をさらに深める事により、新しい表面科学や極限物性学等の学際分野が開拓されることが期待される。参考文献！）R．S㎝da，W．Hayami，T．Aizawa，S．Otani，　　and　Y．Ishizawa，Phys．Rev．B42，776王（1990）；　　43．　10062　（1991）；45．　！4358　（1992）；S甘rf．　Sci．　　241，190（1991）．（6）2）R．Souda，W．Hayami，T．Aizawa，S．Otani，　　and　Y．Ishizawa，Phys．Rev．Lett．69，192　　（1992）；Phys．Rev．　B　47．4092　（1993）；6651　　（1993）；9917　（1993）；Surf．Sci．283，　36　（1993）；　　285，265（1993）；290，245（1993）．3）左右田龍太郎，表面科学14，410（1993）；固体物理　　29，47（1994）．4）R．W．Gumey，Phys．Rev．47，479（1935）；S．　　Ciraci　and　I．P　I　Batra，Phys．Rev．Lett．56，877　　（！986）；60，547（1988）．5）H．IshidaandK．Terakura，Phys．Rev．B38．　　5752（1988）；40，1ユ519（1989）．6）B．Boratschek，W．Sesselman，J．Kuppers，G．　　Ert1，andH．Haberland，Phys．Rev．Lett．55，　　1231（1985）．7）K．Horn，A，Hoh1feld，J．Somers，Th．Lindner，　　P．Hollins，andA．M．Bradshaw，Phys．Rev．　　Lett．61．2488（1988）．8）Y．Enta，T．Kinoshita，S．Suzuki，and　S．Kono，　　Phys．Rev．B39．1125（1989）．9）L．S．O．Johansson　and　B．Reihl，Phys．Rev．　　Lett．67．2191（1991）．！0）D．M．Riffe，G．K．Wertheim，and　P．H．Citrin，　　Phys．Rev．Lett．64，571（1990）．！1）L　P．Batra，Phys．Rev．B43．12322（1991）．！2）M．AonoandR．Souda，Jpn，J．App1．Phys．24．　　1249（1985）．外部発表投稿登録番号 題 目 発　　表 者 掲　載 誌 等3175 Phase　equi1ibria　in　the　system　In．O罧一M2Zn04 中村真佐樹・君塚 昇 Jouma1 of Alloysand一ZnO　at1350℃（M≡Fe，Ga，Al）and　crystal 毛利　尚彦・磯部 光正 CompoundsChemical consideration of InMO茗（ZnO）珊 192，105～107．1993phases　with　LuFeO。（ZnO）閉一type　Structures3176 The　growth　of　NdA1O宮Sing1e　crystals　by　Czo一 宮沢靖人・戸嶋〕凸二一博昭 Journa1 of Crysta1chraIski　method 森田 早一Growth128，668～67ユ，！9933！77 Optical　Constants　of　TiCo．g5，VCo．86and　NbCo．g富 小出 常晴・設楽哲夫　、⊥ JPn．J．ApPl．Phys．from　O．8to80eV 福谷 博仁・藤森 浮 32．1130～1134．1993大谷 茂樹・吉沢 芳夫3178 RELAXATION　PROCESSES　OF　PHOTOEX一 和田 芳樹・松下 信久 Mo1，Cryst．Liq．Cryst．CITED STATES IN HALOGEN－BRIDGED 山下 正廣 216，！75～180．1992MIXED－VALENCE　METAL　COMPLEXES3179 Crysta1growth　and　properties　of　Ag7一、TaSe6＿、 和田 弘昭・佐藤 晃 Journa1 of CrystalIx（Oくxく1） GrowthCrystal　Structure　of　SrTxV6．、O、、（T＝Ti，Cr，128．1109～1！12．19933ユ80 菅家 康・泉 富士夫 KENS　REPORT－IXFe） 室町 英治・加藤 克夫 43．1993神山 崇・浅野 肇318ユ MICROSTRUCTURAL　DESIGN　BY　SELEC一 広崎 尚登・秋宗 淑雄 Mat． Res． Soc． Symp．TIVE　GRAIN　GROWTH　OFβ一Si．N。 三友 護 Proc、287，405～410．1993　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ㌔運営会議　10月18日、第126回運営会議が、1）科学技術振興調整費による中核的研究拠点（COE）　　育成施策にっいて2）平成6年度概算要求について3）平成6年度再編成研究グループの研究課題にっいての議題で開催された。研究会　10月26日、第2回微細構造研究会が「物質構造の高分解能電子顕微鏡による解析」の議題で開催された。　1ユ月2日、第8回マルチコアプロジェクト新物質探索研究会が「電気化学的酸化による超電導体の合成」の演題で開催された。　11月8日、第8回ダイヤモンド研究会が「サンディァ国立研究所におけるCVDダイヤモンド研究」の演題で開　一し催された。　11月16日、第14回マルチコアプロジェクト結晶構造解析研究会が「酸化物超電導体の元素置換効果の高分解能電顕観察」の議題で開催された。　11月18日、第3回化学結合・反応予測研究会が「ErFe．O・及び関連物質の磁性及び結晶構造」の議題で開催された。　12月13日、第6回ガリウム酸塩研究会が「レーザーフラッシュ法と熱測定・課題と今後の展望」の議題で開催された。　12月15日、第61回結晶成長研究会が「結晶欠陥の評価と欠陥構造モデル」の議題で開催された。　12月17日、第5回焼結研究会が「イットリアの研究計画他」の議題で開催された。（7〕外国人の来所1．来訪日時　平成5年10月27日　　来訪者名　Prof．F．Ingman他2名　　　　　　　スゥェーデン王立工科大学副学長海外出張　第10研究グループ総合研究官門間英毅は二「第1回極束生体材料シンポジウム出席・講演」のため平成5年10月5日から平成5年10月9日まで中華人民共和国へ出張した。　第11研究グループ主任研究官内田吉茂は、「高圧低温下における核磁気共鳴測定に関する研究」のため平成5年10月18日から平成5年11月17日まで連合王国へ出張した。　第9研究グループ総合研究官貫井昭彦は、「非晶質材料研究に関する指導及びセミナー出席・講演」のため平成5年10月18日から平成5年10月23日まで大韓民国へ出張した。　第12研究グループ主任研究官大谷茂樹は、「1993パシフィックリム会議出席・発表」のため平成5年11月6日から平成5年11月12日までアメリカ合衆国へ出張した。　先端機能性材料研究センター総合研究官守吉佑介は、「第1回材料合成国際会議出席・講演」のため平成5年11月6日から平成5年11月12日までアメリカ合衆国へ出張した。　先端機能性材料研究センター主任研究官小松正二郎は、「第1回材料合成国際会議に出席し最新の材料合成に関する情報を得る」ため平成5年1！月6日から平成5年11月12日までアメリカ合衆国へ出張した。　第4研究グループ総合研究官高橋紘一郎は、「1993パシフィックリム会議出席・発表」のため平成5年1！月6日から平成5年11月12日までアメリカ合衆国へ出張した。　第1研究グループ主任研究官羽田肇は、「第6回日米誘電体・強誘電体材料に関するセミナー参加・発表」のため平成5年11月！0日から平成5年11月14日までアメリカ合衆国へ出張した。　第7研究グループ総合研究官三橋武文は、「工業材料の酎環境性能評価に関するアジア太平洋ワークショップに出席」のため平成5年11月15日から平成5年1！月21日までインドネシア共和国へ出張した。　第13研究グループ主任研究官北村健二は、「ナノスペース新材料創製研究のヨーロッパにおける動向調査」のため平成5年11月27日から平成5年12月10日までフランス共和国及びスイス連邦へ出張した。　超高圧カステーション主任研究官竹村謙一は、「DAC／レーザー加熱装置の設計に関する討論」のため平成5年11月28日から平成5年12月5日までドイツ連邦共和国へ出張した。　第12研究グループ総合研究官石沢芳夫は、「ブラジル材料技術開発プロジェクトの打ち合わせ及び調査」のため平成5年！2月2日から平成5年12月12日までブラジル連邦共和国へ出張した。研究発表会第21回無機材質研究所研究発表会開催される。　第21回無機材質研究所研究発表会は、11月25日㈱筑波研究学園都市・研究交流センターにおいて、外部研究機関、大学及び民間企業等から146名の参加者を得て開催された。　まず、藤木所長の挨拶の後、「複合ジルコニウム酸化物に関する研究」及び「ビスマス基オキシ弗化物に関する研究」の発表が行われ、次いで午後には、「銅ペロブスカイトに関する研究」、「希土類ガーネットに関する研究」、「超高温技術に関する研究」及び「cBNオプトエレクトロニクス材料化に関する研究」の発表が行われ、活発な質疑応答が行われた。最近の刊行物○無機材質研究所年報（平成4年度）○無機材質研究所研究報告書第73号第74号第75号第76号第77号第78号主21催回二緬複合ジルコニウム酸化物に関する研究ビスマス基オキシ弗化物に関する研究銅ペロブスカイトに関する研究希土類ガーネットに関する研究超高温技術に関する研究（第2報）cBNオプトエレクトロニクス材料化に関する研究発　行　1r編集・発行平成6年1月1日第143号科学技術庁無機材質研究所NATIONAL　INSTITUTE　FOR　RESEARCIHN　INOI｛GAN1C　MATERIALS〒305　茨城県つくば’巾並木丁丁□／番電話029S－5ユー・3351FAX　　02壬＝18－52－749（8〕