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[間野 高明](https://orcid.org/0000-0002-6955-260X), [大竹 晃浩](https://orcid.org/0000-0002-3519-4613)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[液滴エピタキシー法による量子ドットの作製技術](https://mdr.nims.go.jp/datasets/22aabce3-1c58-41ca-8ae9-52707e07b31f)

## Fulltext

液滴エピタキシー法による量子ドットの作製技術 国立研究開発法人 物質・材料研究機構  間野 高明、大竹 晃浩   １. はじめに  自己形成による半導体量子ドット作製は、リソグラフィー等を必要としない比較的簡便な手法で高品質なナノメータースケールの構造作製が可能なことから、1990 年頃から世界中の多くのグループにより活発な研究が行われてきた 1)。基板材料と量子ドット材料の格子定数が異なる場合に生じる格子不整合歪を利用した Stranski-Krastanov（SK）成長による作製が InAs/GaAs、SiGe/Si 系などを中心に数多く報告されていた一方で 2)、物質・材料研究機構（NIMS）の前身である金属材料技術研究所（NRIM）では、1990 年に小口信行氏が液滴エピタキシー法（ドロップレットエピタキシー）と命名した独自の量子ドットの自己形成手法を提案した 3)。液滴エピタキシー法では、III-V族化合物半導体の結晶成長の際に、V 族元素の供給を完全に停止した後に III 族元素のみを基板表面に供給すると、表面で過剰になった III 族元素が表面エネルギーを最小化するために半球状の液滴（ドロップレット）を形成することを利用する 4)。この液滴に V 族元素を供給して、半球状の形状を大きく崩すことなく III-V族化合物半導体に結晶化できれば量子ドットが自己形成できると言うのが基本原理となる（図１)。量子ドットの形成機構に格子不整合歪を用いていないために、格子整合・格子不整合系どちらにも適用できるという特徴がある。液滴の結晶化の際に液滴から III族元素が流れ出すことによる二次元的な成長が起こりやすいため、研究開発当初はそれを抑制するための硫黄終端の適用なども試みられていた 5)。しかし、埋め込み後の界面に取り残される硫黄原子の影響などもあり、高強度の発光をする高品質な量子ドットの形成は困難であった。その後、硫黄終端を用いなくても、低い基板温度で高強度の砒素分子線を照射して結晶化すれば形状が保たれることが明らかとなるなど 6)、作製法の最適化が進み、量子ドットの発光特性の改善が実証されていった。近年では液滴エピタキシー法の独自性を生かした高い機能性を持つ量子ドットの自己形成も可能となっている 7)。本稿では、筆者らが進めてきた結晶成長条件の最適化による量子ドットの高品質化に向けた取り組み及び量子光源応用に向けた最近の成果を中心に解説する。 量⼦ドット技術の最前線（監修 荒川 泰彦、エヌ・ティー・エス出版、2025 年 9⽉）第 1 章、第 2 節 24-36 ページ   ２. GaAs/AlGaAs 格子整合系量子ドットの自己形成  2-1 はじめに 液滴エピタキシー法は、格子整合系である AlGaAs/GaAs(100)上のGaAs量子ドット形成を中心に研究が進められてきた。本項では、この系の量子ドット自己形成とその高品質化に向けた取り組みについて解説する。実験には、標準的な固体ソース分子線エピタキシー(MBE)装置を用いている。砒素源に関しては、通常のクヌーセンセルによる成長も可能ではあるが、砒素供給の際のフラックス量をゼロから所望の強度までの範囲で再現性良く急峻に変化させることが必要であるため、バルブ付きの砒素セルを使用する事が望ましい。  2-２ 量子ドット形成 GaAs(100)基板上に、GaAs バッファー層及び AlGaAs バリア層を成長して平坦な表面を形成した後に、基板温度を低下させてガリウム液滴の形成を行う。この時、砒素分子線を完全に止めて、成長室内の残留砒素分圧が低下するまで待機する。液滴は、基板表面が最もガリウムリッチな表面再構成となった後に形成し始めるため、砒素リッチな c(4×4)表面を初期表面として用いた場合 8)、最初の 1～2 原子層に相当するガリウムは表面の砒素と結合して二次元的な GaAs 層（濡れ層）を形成し、その後余剰となったガリウム原子が液滴となる6)9)。図 2(a-d)は、基板温度 200～350oC で 5.75ML 相当の Gaを供給した後の原子間力顕微鏡（AFM）像である。半球状のガリウム液滴が形成されており、基板温度を低下させるほど高密度・小サイズとなっている。液滴密度は 1×109/cm2から 2×1010/cm3と一桁以上の範囲で制御することができるが（図２(e)）、液滴密度を低下させるとその分サイズは増大する。単一量子ドット分光などの目的で、低密度で小サイズの量子ドットを作製する場合には、ガリウム照射量を極限まで少なくすることが必要となる。液滴密度は、基板表面再構成やガリウムの照射速度によっても変化する。たとえば、ガリウムリッチな(4×6)再構成表面を初期表面として用いると、ほぼ同条件において、液滴密度が一桁増加することも明らかになっており 9)、表面構造の違いにより表面のガリウム原子の拡散距離が大きく異なることが示唆図 1 液滴エピタキシー法による量子ドット形成の模式図 されている。   続いて、ガリウム液滴に強度を制御した砒素分子線を照射することにより、GaAsへと結晶化して量子ドットを形成する 6)。結晶化に用いたのは、図２(a)に示す液滴である。基板温度 200℃で強度の異なる砒素分子線を照射した後に、基板温度 350℃で熱処理を行った試料の AFM 像を図３(a-c)に示す。結晶化後の 350℃の熱処理は、後述のように、量子ドットの発光特性を向上させるために必要不可欠な過程であるが、結晶化後の構造の形状に大きな変化はないことが明らかになっている。2×10-4 Torr という極めて高強度の砒素分子線を照射すると液滴からのガリウムの流れ出しが抑制されて、図 3(a)に示すように量子ドットへと結晶化される。量子ドットはきれいな半球状やピラミッド構造ではなく、複雑な形状をしており、一部の量子ドットでは上部に髭状の突起が形成される。これは高強度の砒素照射により、Vaper Liquid Solid (VLS)成長 10)のような機構が進行している可能性が示唆される。この傾向は、サイズの大きな液滴を結晶化した場合にさらに顕著になり、突起が伸びることに加えてガリウム液滴が内部に取り残されたような構造が出来ることがあることもわかっている 11)。一方、低強度の砒素分子線を照射すると、液滴中心部の結晶化が殆ど起こらず図 2 (a)-(d) AlGaAs/GaAs(100)上に異なる基板温度で形成したガリウム液滴の原子間力顕微鏡像、(e) 液滴密度の基板温度依存性。  リング状の構造が形成される。1×10-5 Torr の砒素分子線照射では、もとの液滴の底面サイズに相当する大きさの一重の量子リングとなる（図 3(b)）12)。200 ℃程度の低温ではガリウム液滴中の砒素の固溶度・拡散速度ともに非常に低いために 13)14)、液滴の下部ではなく底面の縁での結晶化が促進されていることに起因すると考えられる。さらに砒素分子線強度を 2×10-6 Torr に低下させると、外側にもう一つ別のリングが現れ、同心二重リング構造となる（図３(c)）15)。この外側のリングは、もともとの液滴の外側に位置しており、液滴から外に流れ出したガリウムが結晶化したものである。砒素分子線強度を下げるほどその直径が大きくなることから、基板表面の砒素とガリウムの拡散のバランスによってその径が変化していることが分かる。結晶化に用いる液滴のサイズを大きくすると図 3(d)に示すように、より明確な同心二重リング構造となる。この構造は近接形成された量子ドットとみなすこともできる興味深い構造である。さらに、砒素照射過程を工夫することにより、多重の量子リング構造や、量子ディスクと量子ドットの複合体なども形成できることも報告されている 16)17)。  3-2 量子ドットの発光特性 結晶化した量子ドット構造（及びその他のナノ構造）は AlGaAs キャップ層を成長して埋め込むことにより、光学特性を評価することが可能となる。ここで二つの熱処理過程を導入することが良好な特性を得るために必要となる。当初は結晶化した構造を維持することを目的として結晶化温度と同じ200℃程度の低温でキャップ層成長を実施していた 6)。しかし、300℃以下の成長条件では過剰砒素がキャップ層中に取り込まれ 18)，それにより量子ドットの発光特性が大幅に低下する。特に、量子光源応用を見据えた際に重要となる単一量子ドットの発光線幅が非常に広くなる 19）。この過剰砒素は一度取り込まれると、成長後に高温熱処理を行っても除去するのが困難であることから 20)，より高温（300℃以上）でのキャップ層成長が望ましい。図４に示すように，キャップ層成長前の量子ドットは 350～400℃程度の熱処理では大きな構造変化が起こらないことから、350℃でのキャップ層成長を試みた 19)。図 3 ガリウム液滴を異なる分子線強度の砒素照射により結晶化後の表面の原子間力顕微鏡像。結晶化後は 300～350℃で熱処理している。  その結果，量子ドット自身の熱処理による結晶品質の改善とともに、成長温度の上昇によってキャップ層の結晶性が大幅に向上したことで、発光強度が改善し、さらに、単一量子ドットの発光線幅が大幅に低減した 19)21）。熱処理温度を更に上昇させると量子ドット構造が崩れ始める 22)23)。(100)基板表面における拡散の異方性により 500℃の熱処理後には、[0-11]方向に延びた量子ダッシュが形成され(c)、さらに 580℃まで上昇させると量子ドットはほとんど消失する(d)。量子ダッシュ構造は、大きな直線偏光度が必要な応用などに対して有用である。  図 4 結晶化後の量子ドットを異なる温度で熱処理した後の原子間力顕微鏡像。  さらに量子ドットの光学特性を向上させるために、量子ドットを埋め込んだ試料を MBE装置から取り出した後、750～800℃で急速熱処理（4 分程度）を行う 24)25)。図 5 は一重量子リング構造を埋め込んだ試料の取り出し直後(a)と、800℃での急速熱処理後(b)の断面透過型電子顕微観察の結果である。熱処理により界面付近に数原子層程度のわずかな変化はあるものの形状変化はほとんどが起きていない 24)。このことは、GaAs-AlGaAs ヘテロ界面における相互拡散係数が 800℃程度の温度領域では充分に低いことと一致する 26)。発光特性の比較を行ったところ、図 5(c)示すように、アニールの前後において、発光波長（739→738 nm）と半値幅（38 meV→43 meV）にはわずかな変化しか観察されてないが、発光強度は 50 倍と大幅に増強されている。このように、成長後の急速熱処理により、点欠陥の修復などを通して結晶性のみを回復させることが可能である。  図 5 (a), (b)埋め込まれた GaAs 量子リング構造を急速熱処理する前及び後の断面透過型原子顕微像と(c)その低温における発光特性 24)。   ガリウム液滴を高強度の砒素照射により結晶化すると、図 3(a)に示したように不安定な結晶化によりイレギュラーな形状の量子ドットが形成される。その結果、この量子ドット集団からの発光は、図 6 に示すように、きわめて広い半値幅(>100meV)となる。これは液滴サイズの揺らぎから予想されるサイズの揺らぎよりはるかに大きい。先に述べた髭状の構造が形成されるために、量子ドットの高さに大きな揺らぎが生じていることが主な要因として考えられる。実際に、低砒素圧により結晶化した量子リング構造では、図 5(c)に示すように、不安定な結晶化過程が回避されて、半値幅は挟線幅化する 24)27)。高強度の砒素分子線により結晶化した場合でも、図 7に示すように、量子ドットを 4 nm程度の薄い AlGaAs でキャップした後に 640℃の高温で熱処理をして上部を完全に平坦化させた後にさらにキャップ層を成長させるダブルキャップ法を用いることにより、高さの揺らぎを強制的に抑制することが可能となる。高さの均一性が向上したことにより、半値幅 28 meV という狭線幅発光が実現された 23)。さらに、この均一性の向上した量子ドットを用いることにより、量子ドットレーザーの発振にも成功している 28)。  図 6 埋め込まれたGaAs 量子ドット構造の低温における発光特性。   図 7 (a-d)ダブルキャップ法の模式図。(e)ダブルキャップ法により埋め込みを行った量子ドットの低温発光特性 23)。  3  AlGaAs/GaAs(111)A 上のGaAs 量子ドット形成  3-1 はじめに  前項では、AlGaAs/GaAs(100)上の格子整合系GaAs 量子ドット形成について、高品質な量子ドットを自己形成するために必要な成長過程について記述した。高輝度な発光が得られるようになったが、(100)基板上の量子ドットは基板表面の異方性により、本質的に[0-11]方向に延びた構造になりやすく、発光特性もその形状を反映したものとなる。一方で、例えば量子もつれ光子源当への応用を見据えた場合には、完全な面内対称性を有する量子ドットの作製することが必要不可欠である 29)。そこで我々は、基板表面が C3v の対称性を持つ(111)A 基板上を用いた量子ドット形成に取り組んでいる 30)。C2vの対称性を持つ(100)表面では、一方向に量子ドットが伸びやすいのに対して、C3vの対称性を持つ表面では、120 度ごとに等価な方位が現れるために、面内対称性の高い構造の実現が期待される。(111)A 基板上では、格子不整合系の結晶成長（例えば GaAs 上の InAs）を行うと、界面で転位ネットワークが形成されることにより格子緩和した二次元的な結晶成長が継続して SK 成長による量子ドット自己形成は実現できないため 31)32)、液滴エピタキシー法の独自性が生かされる。 本項では、液滴エピタキシー法による(111)A 上の格子整合系 GaAs 量子ドットの自己形成に関して解説し、最後に光通信波長帯への適用を見据えた格子不整合系 InAs 量子ドットへの展開についても紹介する。  3-2 量子ドット形成 (100)面と同様に、GaAs バッファー層及び AlGaAs バリア層を成長させた後にガリウム液滴を形成する。(111)A面上の成長では成長中に砒素が不足しやすいため、GaAsやAlGaAsを成長する際は、通常より低い基板温度（500～520℃）で、さらに高 V/III 比の条件下で成長を行うことが必要であることを注記しておく 30)。基板温度 200℃~500℃で 2 原子層相当のガリウムを供給した際の液滴密度の変化を図 8(a)に示す。それぞれの温度で、前項に示した(100)-c(4×4)上の場合と比較して一桁程度液滴密度は高くなっている。基板温度 200℃では 2×1011/cm2 という高密度液滴が形成されている（図８(c)）。これは、ガリウム極性面上でのガリウムの拡散距離が短いことに起因すると考えられる 33)34)。高密度量子ドットはレーザーへの応用には有用であるが、単一量子ドットの分光測定を行うためには、低密度化も必要となる。高い基板温度で液滴形成を行い、さらに、ガリウムの照射量を減らすと液滴密度が連続的に減ることが明らかになっている（図 8(b)）。ガリウムの供給量を 0.05 原子層相当まで減らすことにより、図に示すように、4×108/cm2の液滴が形成された。(111)A 表面は、常にガリウムリッチな(2×2)表面再構成となるため、ガリウム照射と同時に液滴形成が開始する。そのため、わずか 0.05 原子層というようなごく少量のガリウム照射により、再現性良く低密度と小サイズを両立した液滴を形成することができる 30)34)35)。  図 8 AlGaAs/GaAs(111)A 上に形成した液滴密度の(a)基板温度依存性及び（b）ガリウム照射量依存性。(c)高密度及び(d)低密度ガリウム液滴の原子間力顕微鏡像。  続いて砒素を照射してガリウム液滴を結晶化したのちに、基板温度を上げて熱処理を行う。(111)A 表面では表面のガリウムの拡散距離が(100)と比較して短いために、低強度の砒素照射でも量子リングにはならず量子ドット形状が実現できる。図９(a)に結晶化後 400℃で 10 分間熱処理した後の量子ドットの AFM 像を示す。量子ドットの断面プロファイルからも明らかなように、熱処理後も C3vの表面対称性によりほぼすべての量子ドットが等方性の高い形状となっていることが確認できる。さらに 500℃まで熱処理温度を上げた場合でも、対称性に大きな変化は起こらない。  図 9 (a) GaAs(111)A 基板上に形成した量子ドットの原子間力顕微鏡像と(b)量子ドットの断面プロファイル。  3-3 (111)A上量子ドットの発光特性 AlGaAs により埋め込んだ構造の発光特性を図 10 に示す 30）。特徴的なマルチピーク構造が観察される。これらのピークは量子ドットの励起準位からの発光ではなく、扁平な形状の量子ドットの高さが原子層単位で異なる集団の発光であることが断面透過型電子顕微鏡観察及び発光の励起強度依存性の結果から明らかになっている。図 10 の内部に示すような円錐台構造を仮定した簡単な有効質量近似を用いた有限要素法による計算で発光エネルギーを計算すると、上部に示すようにマルチピークの発光エネルギーとエネルギーの計算結果は非常に良い一致をしめす。このように、簡単な計算でも、発光エネルギーを精度良く再現できるのは、格子歪がなく、さらに界面拡散による合金化もほとんど起こらない GaAs-AlGaAs 系の大きな利点である。  図 10  GaAs(111)A 基板上に形成した GaAs 量子ドットの発光特性と有限要素法により計算した発光エネルギー（上部）30）。  次に、典型的な単一の量子ドットの発光特性を図 11(a)に示す。単一量子ドットのからの先鋭な発光輝線が観測され、励起強度依存性などから、エキシトンと及びバイエキシトン発光であることが確認されている 35）。多数の量子ドットに対して、直線偏光依存性を測定した結果、発光の微細構造分裂幅（ファインストラクチャースプリット）は、図 11(b)に示すように量子ドットの発光エネルギー（サイズに相当）に依らず、極めて小さい値（測定限界値）となっていることが確認され、この量子ドットが量子もつれ光の発生に適していることが分かる。一方(100)上の量子ドットでは、サイズが大きく発光エネルギーが低エネルギーになるほど、微細構造分裂幅が大きくなる明確な傾向が観測されている。実際に、これら(111)A 基板上の量子ドットを用いて、量子もつれ度の測定を行ったところ極めて忠実度の高いもつれ光を発生可能であることが実証された 35)。更にさらに我々は、よりコンパクトな量子もつれ光発生源の実現を目的として、電流注入型の発光ダイオードも作製し、電流注入による量子もつれ光の発生のみならず、65K という高温動作にも成功している 36）。  図 11  GaAs(111)A基板上に形成した単一GaAs量子ドットの(a)発光特性と(b)その微細構造分裂幅（(111)A と(100)基板上に形成した GaAs 量子ドットの比較）30)。  3-4 InP(111)A 基板上 InAs 量子ドットを用いた通信波長帯への展開  (111)A 基板の特徴を利用することにより、面内対称性に優れた GaAs 量子ドットを作製し、高品質な量子もつれ発生が実現可能であることが明らかとなった。一方、量子情報通信への応用には、光通信波長帯の量子もつれ光子対を生成することが望まれる。本節の最後に近年我々が取り組んでいる、光通信波長帯の量子もつれ光子対発生を目的とした、(111)A上の格子不整合系 InAs量子ドットの形成について簡単に紹介する。 InAsをGaAsや InP(111)A 面上に通常の条件で結晶成長すると前述のように転位ネットワーク形成により格子緩和が起こり、二次元成長が継続するため、SK 成長による量子ドット形成は困難である。一方、液滴エピタキシー法を用いて In 液滴を形成した後、砒素照射により結晶化すると、量子ドット構造を自己形成することが可能となる。しかし、InAs/GaAs系の格子不整合は 7％と大きく、それに起因した転位が界面に形成されるため、高強度の発光を示す高品質な InAs量子ドットを作製することは困難であった 37)38)。そこで、格子不整合が約半分(3.4%)の InAs/InP 系での液滴エピタキシー法を試みたところ、光通信波長帯で発光する量子ドットを自己形成できることが明らかとなった 39)。  InP(111)A 基板上の InAs 量子ドットの形成過程は、前述の GaAs/AlGaAs 系とほぼ同様の手順となるが、基板表面で拡散しやすい In を用いていることや格子不整合系であることにより異なる現象が起きる。InP と格子整合する InAlAs バッファー層を成長した後に、基板温度 270℃で、0.4～1.6 原子層相当の In を供給して液滴を形成し、そこに同じ温度で3×10-5 Torr の砒素分子線を照射した後、及び、それを 370℃で熱処理した後の原子間力顕微鏡像を図 12 に示す。GaAs 量子ドットの場合と異なり、270℃の結晶化により形成された量子ドットの密度やサイズが熱処理により大きく変化していることがわかる。さらに興味深いのは、ある程度の流れ出しが起こって二次元層(アイランド)が量子ドット周りに形成されると、それ以上の流れ出しが抑制されることである。それにより、一定サイズ以上の量子ドットはアニール後もサイズは小さくなるが残り、それ以下の量子ドットは二次元アイランドとなって消失してしまう。結果的に形成される構造は二次元層+量子ドットと、SK 成長により形成されたものと類似の構造となっており、このような構造を形成することで、歪エネルギーと表面エネルギーを最小化していると考えられる 40)。あらかじめ液滴エピタキシー法により量子ドットを形成することで、SK 成長と同じような量子ドット構造を形成できる。  図 12 InAlAs/InP(111)A 上に形成した InAs 量子ドットの原子間力顕微鏡像。(a) 270℃で結晶化後、及び(b) 370℃で熱処理後 39)。  このような量子ドットを埋め込んだ構造の低温及び室温の発光特性を図 13 に示す。GaAs量子ドットと同様に、量子ドットが扁平な円錐台的な構造をしていることによる、特徴的なマルチピーク構造を示している。通信波長帯である 1.3 及び 1.5ミクロン帯をカバーする高強度な発光が室温まで得られていることから、転位などのない高品質な量子ドットが実現されていることが分かる。断面透過型電子顕微鏡観察でも、界面に格子不整合転位が無いことが確認されている。また、低密度量子ドットを用いた単一量子ドット分光では、通信波長帯の単一光子の発生が確認されている 41)42)。  図 13 InAlAs/InP(111)A 上に形成した InAs 量子ドットの(a) 低温及び、(b)室温の発光特性 39)。  4 まとめ 本節では、液滴エピタキシー法を用いた量子ドットの自己形成に関して、その高品質化の実現に向けた取り組みと、(111)A 面を用いた量子ドットの形成について紹介した。基板温度 300℃以下という、一般的に高品質結晶の実現は困難と思われている条件を用いても、基板表面や結晶内部で起こる現象を理解した適切な熱処理を組み合わせた成長過程を構築することにより、高い光学的品質を示す量子ドットを実現することができる。また、(111)A面を用いることにより、極めて高い面内対称性を持つ量子ドットを形成し、高品質の量子もつれ光発生を実証した。 液滴エピタキシー法は、今回紹介した以外にも、液滴形成後に比較的高温で保持すると、ナノメートルスケールの穴が開くドロップレットエッチングという現象が起き、この穴を埋め込むことによる量子ドットの形成も報告されており 43)44)45)、ナノ構造の自己形成の多様な可能性を切り拓くことのできる手法である。量子光源などへの応用を見据えた手法の高度化だけでなく、新しい結晶成長技術の開拓に関しても進めていく事が重要である。  5 謝辞   本節の成果は、定昌史氏、黒田隆氏、迫田和彰氏、小口信行氏、渡邉克之氏、立野高広氏、山際正和氏、野田武司氏、三石和貴氏、落合哲行氏、Marco Abbarchi 氏、Stefano Sanguinetti氏、Neul Ha氏らとの共同研究によるものである。この場を借りて深く感謝します。    6 引用文献 1) 荒川泰彦, 塚本史郎 : 応用物理, 74(3), 293 (2005). 2) L. 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