# Fileset

[電子別刷_34-3_01_巻頭言_今井先生.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/acd81b27-5b07-49b6-9118-f8f20a3bf765/download)

## Creator

[今井 基晴](https://orcid.org/0000-0002-5848-113X)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[試料合成のすゝめ](https://mdr.nims.go.jp/datasets/a3911fc3-7008-4047-8673-503bed9be756)

## Fulltext

1 高圧力の科学と技術 Vol.34, No.3, (2024) 巻頭言  試料合成のすゝめ  （国研）物質・材料研究機構 電子・光機能材料研究センター 今井 基晴   先日，当機構の図書室で「物質・材料研究機構 クリスタルキング」と見出しに書いてある新聞記事のコピーを見かけた。私の世代でクリスタルキングというと1970－80年代に「大都会」，「愛を取り戻せ！！」（アニメ「北斗の拳」のオープニング曲）をヒットさせ活躍していたバンドを思い出す。何かと思って記事を読んでみると，元高圧力学会会長谷口尚氏に関するものであった。谷口氏は，ベルト型高圧発生装置を用いて高品質単結晶六方晶窒化ホウ素（h-BN）を育成し，グラフェンを載せる絶縁基板としてそれを全世界に提供することにより，2次元電子系の研究を牽引している。共著論文は約2千報にのぼるそうである。この業績により谷口氏と共著者の渡辺氏がnature誌で“Crystal Kings”と称賛されたというものであった。すごい話である。 試料合成がこのようなレベルに達することは稀であると思うが，試料合成をしている身として最近思っていることを述べさせていただく。試料を自分で合成したいと思ったのは博士課程の学生の時であった。大学院修士課程から高圧物性を研究している慶應義塾大学辻和彦先生のご指導を受けた。この頃，辻研究室では，ダイヤモンドアンビルセル（DAC）を使った電気伝導度測定，高エネルギー研究所（KEK）でのDACを用いた低温高圧下でのX線回折測定，KEKでのマルチアンビル型高圧発生装置MAX80を使った高温高圧下でのX線回折実験を行っており，私は前の2つを主に担当していた。試料は購入したものか，提供されたものを使用していた。研究を進めていくうちに，組成の違う試料の測定もしたくなったが，試料を手に入れることができなかった。これがきっかけで試料を自分で作れるようになろうと思い，高圧合成ではなかったが試料合成ができるところに就職した。就職した当初は，上司に指示された既知の物質を合成していた。世の中には結晶構造は報告されていても物性が報告されていない物質も多くあるので，それはそれで仕事になる。物質を合成していると，目標としている化合物と異なる化合物ができることがある。その化合物は報告例がなく，そちらの方が本来合成しようと思っていたものよりも興味深い物性を示すこともある。セレンディピティ（Serendipity）である。1998年，筆者は超伝導を示す(Ca, Sr, Ba)-(Al, Ga)-Si系クラスレート化合物を探索していた。この中で，Sr-Ga-Si化合物試料で超伝導を観測した。この試料はSiクラスレートSr8Ga12Si34を含む4相からなっていた。最初にSr8Ga12Si34単相試料を合成し電気抵抗率，磁化率を測定したが超伝導は観測されなかった。次に  SrGaxSi2-x単相試料の合成に成功し超伝導を観測することができた。この化合物は新物質であったため結晶構造を決定しなくてはいけなかった。1年間くらい格闘した結果，AlB2型構造であることが分かった。この過程はパズルを解いているようでいるようで楽しかった。更にSrをCa，Baに，GaをAlに置換し，BaAlxSi2-xを除く5種類の超伝導物質を発見した。SrGaxSi2-xの論文を執筆している間に，AlB2型構造を持つMgB2の超伝導（超伝導臨界温度39 K）が青山学院大学秋光先生より報告され，日本中大騒ぎになっ───────────────────────────────────────────────────────────────────────────  〒305-0047 つくば市千現1-2-1 （国研）物質・材料研究機構 電子・光機能材料研究センター Research Center for Electronic and Optical Materials, National Institute for Materials Science, 1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305-0047 Email: IMAI.Motoharu(at)nims.go.jp ※(at)は@に置き換えてください。 111高圧力の科学と技術 Vol. 34, No. 3 (2024)このファイルの頒布は著者およびその所属機関に限って許諾されています。2 高圧力の科学と技術 Vol.34, No.3, (2024) た。SrGaxSi2-xはMgB2と同じ結晶構造を持つということで注目された。このような経験から世の中で報告されていない化合物を合成すること，すなわち新物質探索に興味を持ち始めた。私の中では，新物質探索というのは，真っ白い紙の上に地図を書いていくようなものだと思っている。そこでは，与えられた緯度と経度の位置が，先ず，海であるか，川であるか，平地であるか，山であるかを探索していく。本人は緯度経度で表された場所は何であるかを予想しているので，実際に予想があったっているか調べるのはワクワクする。特に自分の予想が当たったときは嬉しい。物質探索では，緯度と経度は化学組成，陸，川，海はそれぞれ金属，半導体，絶縁体に相当している。物質探索では，自分が意図する化学組成を持つように出発物質を調整し物質を合成し，単相であるか否か，結晶構造，物性（金属，半導体，絶縁体）を調べていく。あまり応用に結びつかない物質の探索ばかりをしていると，研究所や業界から冷たく扱われるので，発見すれば世間が注目する新超伝導物質とか高性能を持つ新機能性材料を探しに行く。最近，データ駆動型物質探索という言葉が聞かれるが，私の解釈としては，これは地図上で山であるとわかっている場所でデータを使って一番高い頂の場所とその高さを効率よく探しているのと同じだと思っている（もし違っていたらごめんなさい）。新物質探索を行う際，本人はある程度論理に沿ってその物質を狙うのだが，他人にその論理を説明しても理解されず，直感なのねと言われてしまう。そうならないために最近第一原理計算を覚えた。同じことを説明しても，計算結果があると人は妙に納得してくれる。物質合成，化学組成決定，結晶構造決定，物性評価を行うためには，それなりの幅広い知識，技術が必要である。化学組成決定，結晶構造決定では，しばしば，いろいろな方の力をお借りした。特に，合成した物質の結晶構造が既知の結晶構造で説明できなかったときは，当時ポスドク研究員であった井深壮士氏，産総研藤久裕司氏に結晶構造を決定していただいた。お陰様で，新しい結晶構造型を発見することができた。 高圧合成は新物質合成にとって強力な方法の一つであろう。私が就職して2，3年たったころ，私が高温高圧下でのその場観察で観測した相が既知の報告結果と異なり悩んでいたとき，KEK（当時）の下村理氏が無機材質研究所（当時）の谷口尚氏に高圧合成を依頼してくれた。この高圧合成試料を解析することで自分の結果が正しいことが証明できた。これが高圧合成との出会いである。その後，自分も当機構超高圧グループ（当時）で充填スクッテルダイト等の高圧合成をさせていただく機会を得た。比較的柔らかい化合物（体積弾性率が大体70 GPa以下）であれば，7 GPa程度で圧力誘起構造相転移を起こし，これが大気圧中で準安定相としてクエンチされれば新物質として大気圧下で研究できる。このあたりの圧力は比較的初心者が合成を始めやすい圧力だと思う。合成圧力が10 GPaを超えると，圧力誘起相転移を起こす物質は圧倒的に増えることが期待される。ただし，マルチアンビルで10 GPaを超えようとすると，それなりの技術が必要となる。 高圧合成過程を高温高圧下のX線回折等を使ってその場観察すると，より研究に広がりが出てくる。化合物が合成されるにしたがって，X線回折パターンが時々刻々と変化していく様を見るのは楽しい。高温高圧下のX線回折は，学生時代に他の人の手伝いで行っていたものの，就職して初めて一人で行うようになった。できるようになるまで，内海渉氏（当時東大物性研究所），草場啓二氏（当時東北大学），浦川啓氏（岡山大学），亀卦川卓美氏（KEK）には大変お世話になった。また，西山宜正氏（当時愛媛大学），山田明寛氏（当時愛媛大学）には，私を含むKEKマルチアンビルユーザーに6－6システムの使い方をご指導していただき，お世話になった。地球物理，固体物理の方々に気持ちよく助けていただけるのが，日本の高圧業界の素晴らしいところだと思う。 自分で自分が測定したい試料を合成できることは楽しい。皆さん，トライしてみてはいかがだろうか？今後，試料合成をする若手研究者が増えて，第2，第3のクリスタルキングが日本から出てくることを期待している。    112高圧力の科学と技術 Vol. 34, No. 3 (2024)