# Fileset

[59_6_378_安藤様・内田様.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/acc8516b-8bbb-479d-a312-5ed79adbd405/download)

## Creator

[安藤 冬希](https://orcid.org/0009-0003-7789-8170), [内田 健一](https://orcid.org/0000-0001-7680-3051)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

## Other metadata

[熱電永久磁石の創製　―巨大な横型熱電変換を無磁場下で実現―](https://mdr.nims.go.jp/datasets/3dac9231-b989-4edf-aec0-4c3ff28f15e9)

## Fulltext

378 セラミックス　59（2024）No. 61. はじめに　永久磁石はモータや発電機に用いられるなど，我々の生活に無くてはならない材料である．このような身の回りにあふれた磁石を用いて熱電冷却・発電が出来れば，革新的な省エネ・創エネ技術に繋がることが期待される．我々は 2022 年 10 月に発足した JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO「内田磁性熱動体プロジェクト」において，永久磁石でありながら熱電変換機能を兼ね備える多機能材料を熱電永久磁石と定義し，無磁場下で巨大な横型熱電変換を実証すべく，駆動原理実証・材料探索・モジュール開発に取り組んできた．本稿では，異なる原理・材料の複合化により高性能な横型熱電変換を達成した例を紹介する．2. 横型熱電変換の駆動原理　固体中の熱電変換現象は，電流と熱流がそれぞれ平行な方向に変換される縦型熱電効果，それぞれ垂直な方向に変換される横型熱電効果に大別される．最も広く用いられている熱電効果であるゼーベック／ペルチェ効果は，縦型熱電効果に分類される．一般的に，縦型熱電効果に基づく熱電デバイスは，多数の p 型半導体と n 型半導体の対からなる複雑な 3 次元構造を有するため，機械的耐久性・製造コスト・接触抵抗による効率損失などの問題を抱えている．一方で，横型熱電効果の場合は複雑なデバイス構造は不要であり，材料そのものがシンプルで汎用性の高い熱電冷却・発電デバイスとして機能するため，縦型熱電効果の課題を克服できると期待されている（図 1）．しかし，その性能を決定する横型熱電効果による熱電能（横熱電能）がゼーベック／ペルチェ効果に比べて低いことから横型熱電変換の研究は基礎段階に留まってきた．　これまでの研究から，横型熱電変換は大きく分類して 6 種類の原理によって駆動されることが知られている 1）．1886 年に初めて発見された正常ネルンスト／エッチングスハウゼン効果のように，広く知られている横型熱電変換現象は導体に外部磁場を印加する，あるいは正味の自発磁化を有する磁性材料において発現する磁気熱電効果である 2）～4）．しかし，外部磁場の印加必要性が磁気熱電効果の熱電応用への妨げとなっている．一方で，ゴニオ極性材料と呼ばれる異方性単結晶や，2 種の物質を交互に積層させて人工的に傾斜させた多層材料（以下，人工傾斜多層積層体）では，外部磁場や磁気秩序がなくても，縦型熱電輸送物性の異方性により横型熱電変換が現れる5），6）．これは，非対角ゼーベック／ペルチェ効果と呼ばれる．これらの物理現象は同様の機能をもたらすにも関わらず，歴史的に独立に研究されてきた．したがって，これらを融合し，複数の横型熱電効果を単一の材料中で同時に発現させることができれば，ハイブリッド熱電変換により横熱電能の飛躍的改善と技術革新に繋がる可能性がある．　以上の背景を踏まえて，横型熱電材料に永久磁石を利用することには 2 つの利点がある．まず，永久磁石は一度磁化させればその磁化構造を安定的に保持するため，外部磁場を印加しなくても磁気秩序・磁場に起因する多様な磁気熱電効果を活用できる．これにより，ハイブリッド横型熱電変換の駆動原理の選択肢が格段に広がる．実際，広く実用化されている Nd2Fe14B，© 日本セラミックス協会熱電永久磁石の創製─巨大な横型熱電変換を 無磁場下で実現─Creation of Thermoelectric Permanent Magnets ─Realization of Giant and Magnetic-Field-Free Transverse Thermoelectric Conversion─Key-words：Transverse thermoelectric effect, Permanent magnet, Thermo-electric cooling and generation安 藤　冬 希・内 田　健 一Fuyuki ANDO and Ken-ichi UCHIDA（National Institute for Materials Science）特集　熱エネルギー利用に向けた熱電変換材料・デバイス革新図1  縦型熱電効果（左）および横型熱電効果（右）に基づく熱電デバイスの模式図．図 2　熱電永久磁石による熱電変換の概念図．379セラミックス　59（2024）No. 6であり，本試料ではこれら両方の磁気熱電効果が同時に温度変調信号に寄与したため非対称な磁場依存性が発現している．原著論文 9）ではジュール熱を含む定常状態での温度変化も評価しており，定常状態においても室温からの冷却性能が磁場印加によって数 K オーダーで変化することが確認され，磁気熱電効果によるハイブリッド横型熱電変換の有用性が確かめられた．　次に，人工傾斜多層積層構造中に永久磁石を組み込むことで，非対角ペルチェ効果と磁気熱電効果のハイブリッド横型熱電変換を無磁場下で実現することを目指した．図 4に示すように，積層面に対して垂直方向にのみ磁化可能な異方性 Nd2Fe14B 磁石と先述の磁気熱電効果を有する Bi88Sb12 とを交互に積層して SPS 接合し，人工傾斜多層積層体を作製した．Nd2Fe14B 層は Bi88Sb12 層と接合した後でも強い保磁力と残留磁化を示しており，積層体全体が永久磁石として機能することを確認した．このような Bi88Sb12/Nd2Fe14B 人工傾斜多層積層体において，消磁状態と着磁状態とでロックインサーモグラフィ法によって温度変調信号を評価しそれぞれを比較した．その結果，この人工傾斜多層積層体においても横型熱電変換が発現し，着磁状態の方が消磁状態よりも平均温度変調信号が増強されることが明らかになった．これは着磁した Nd2Fe14B 層からの漏れ磁場により Bi88Sb12 層の磁気熱電効果（今回は主に磁気ペルチェ効果）が誘起され，非対角ペルチェ効果による温度変化信号に重畳したことを示している．したがって，永久磁石材料を複合化することで無磁場下でも磁気熱電効果を利用したハイブリッド横型熱電変換が可能であることが実証された．　一方で，Bi88Sb12/Nd2Fe14B 人工傾斜多層積層体にSmCo5 磁石などにおいて，無磁場下で自発磁化に起因する異常ネルンスト／エッチングスハウゼン効果が発現することが報告されている 7），8）．また，永久磁石として磁気吸着可能なあらゆる対象に簡便に熱電デバイスを設置することが可能になる（図 2）．以上のように，熱電永久磁石は熱電能・用途の両面で従来の横型熱電変換とは一線を画する技術革新が期待でき，新しいエネルギーハーベスティングあるいは熱制御の機会をもたらし得る．3. ハイブリッド横型熱電変換の実証　ハイブリッド横型熱電変換のコンセプトを実証すべく，人工傾斜多層積層体における非対角ペルチェ効果に対して外部磁場駆動の磁気熱電効果の重畳を試みた 9）．人工傾斜多層積層体を構成する 2 種の材料のペルチェ係数の差が大きいほど非対角ペルチェ効果が大きくなるため，今回の実証実験では，n 型 Bi88Sb12 と p 型Bi0.2Sb1.8Te3 からなる人工傾斜多層積層体を作製した（図 3）．Bi88Sb12 は，大きな磁気ペルチェ効果（磁場に依存してペルチェ係数が変化する効果）と正常エッチングスハウゼン効果（磁場と電流を印加した際に両者の外積方向に熱流が発生する効果）を示すため 10），外部磁場印加による有意な横型熱電性能の変調が期待できる．Bi88Sb12 と Bi0.2Sb1.8Te3 の多結晶体をそれぞれ放電プラズマ焼結法（以下，SPS 法）によって作製し，1 mm 厚の円盤に切り出して交互に積層し，SPS 法によって焼結接合して Bi88Sb12/Bi0.2Sb1.8Te3 多層積層体を作製した．得られた多層積層体を傾斜角度が付くように切断加工し，直方体形状の試料を作製した．ロックインサーモグラフィ法に基づく熱イメージング技術を利用して，室温下で横型熱電変換による試料表面の温度変調過程を可視化し，さらに外部磁場に依存する温度変調成分の抽出を試みた．誌面の制限のため，試料合成・測定手法の詳細については原著論文 9）を参照されたい．　Bi88Sb12/Bi0.2Sb1.8Te3 人工傾斜多層積層体において，横型熱電変換による試料表面の温度変調が外部磁場を印加することでどのように変化するか測定した結果を図 3 に示す．磁場が 0 T の際に 1 A の電流印加で誘起された温度変調（～2.4 K）は非対角ペルチェ効果のみに起因する．そこに正磁場を印加することで，Bi88Sb12 層の磁気熱電効果が重畳され，温度変調信号が 11-15％程度増強されていた 9）．また，磁場の符号によって温度変調信号の変化が非対称であることが分かる．これは磁場に対して磁気ペルチェ効果は偶，正常エッチングスハウゼン効果は奇の依存性を示すため図 3  Bi88Sb12/Bi0.2Sb1.8Te3 人工傾斜型多層積層体における  磁気熱電効果の重畳による横型熱電冷却性能の変調．380 セラミックス　59（2024）No. 6　SmCo5 と Bi0.2Sb1.8Te3 それぞれの輸送特性を用いて，人工傾斜多層積層体を作製した際の横型熱電性能を計算した（図 5）．構成材料の輸送特性や計算方法については文献番号 11 を参照されたい．非対角ゼーベック係数と電気・熱伝導率が，SmCo5 層と Bi0.2Sb1.8Te3層の厚さ比と傾斜角度に対してそれぞれ異なるふるまいを示すことが分かり，厚さ比 1：1，傾斜角度 25°のときに室温で最大 zT=0.26 という優れた横型熱電性能の発現が期待される．　次に横型熱電発電の実証に向けて，図 6のようにSmCo5/Bi0.2Sb1.8Te3 人工傾斜多層積層体からなるサーモパイル型モジュールを作製した．隣り合う積層体同士の傾斜角度が逆になるように配置し，各積層体の側面を絶縁して端部を電気的に接合することで，接合数に比例して熱起電力を増強させることができる．このようなモジュールは，各積層体における SmCo5 層の磁化ベクトルの和として，熱流方向に正味の磁化ベクトルを有するため，永久磁石としても機能し強力に磁気吸着させることが可能である．　試作した SmCo5/Bi0.2Sb1.8Te3 人工傾斜多層積層体モジュールを用いて，横型熱電発電を実証した．定常的に温度差を印加した状態で，負荷電流を掃引しながら四端子電圧測定を行った．発電出力は負荷電流と電圧の積で表される．図 6 にモジュール内温度差をさまざまに変更して測定した負荷電流 - 電圧および負荷電流 - 発電出力曲線を示す．温度差が大きいほど単調に開放端電圧（負荷電流 0 のときの電圧）が増加し，温度差 135 K のときに 130 mV に達した．発電出力も電圧と同様に温度差に対して単調増加し，最大 55 mW の熱電発電が可能であることが示された．これは単位受熱面積当たり 21 mW/cm2 の発電密度に相当し，これまで報告されてきた数々の横型熱電効果による熱電発電密度の中では最高の値である．さらに現在おいては構成材料のペルチェ係数の差が小さいため，非対角ペルチェ効果自体が小さいという課題がある．熱電永久磁石としての応用を目指すためには，より最適な構成材料の組み合わせを検討する必要がある．以下では，非対角ゼーベック効果のみを活用している（ハイブリッド横型熱電変換ではない）ものの，永久磁石材料と熱電材料の適切な組み合わせによって熱電永久磁石で巨大な横型熱電発電を実証した例を紹介する．4. 熱電永久磁石による巨大横型熱電発電　非対角ゼーベック効果による高い横型熱電性能を得る た め の 構 成 材 料 と し て，SmCo5 磁 石 と p 型Bi0.2Sb1.8Te3 を選択した 11）．人工傾斜多層積層体における非対角ゼーベック効果の無次元性能指数 zT は非対角ゼーベック係数の 2 乗と電流方向の電気伝導率に比例し，熱流方向の熱伝導率に反比例する．人工傾斜積層体の zT を高めるには，非対角ゼーベック係数を増強する必要があるのはもちろんのこと，電気・熱伝導率の差が大きい 2 種の構成材料を組み合わせることで，複合材料化した際に電流方向の電気伝導率を高め，熱流方向の熱伝導率を低くすることも重要である．本実験において永久磁石として選んだのは，積層面に対して垂直方向にのみ磁化可能な異方性 SmCo5 磁石であり，Nd2Fe14B 磁石よりも高い電気・熱伝導率，そして負のゼーベック係数を有する．したがって，大きな正のゼーベック係数と低い電気・熱伝導率を有するBi0.2Sb1.8Te3 と多層積層化した際に優れた zT が得られることが期待される．図 4  Bi88Sb12/Nd2Fe14B 人工傾斜多層積層体における  無磁場下での磁気熱電効果の重畳による冷却性能向上．図 5  SmCo5/Bi0.2Sb1.8Te3 人工傾斜多層積層体における  非対角ゼーベック効果による横型熱電性能．381セラミックス　59（2024）No. 6　謝　辞　本研究は JST ERATO（JPMJER2201）の支援により遂行された．また，研究遂行にあたってお世話になった方々に謝意を表する．文　　献1）  K. Uchida and J. P. Heremans, Joule, 6, 2240-2245（2022）.2）  A. Von Ettingshausen and W. Nernst, Ann. Phys., 265, 343-347（1886）.3）  K. Uchida et al., Nature, 455, 778-781（2008）.4）  W. Zhou et al., Nat. Mater., 20, 463-467（2021）.5）  H. J. Goldsmid, J. Electron. Mater., 40, 1254-1259（2011）.6）  M. R. Scudder et al., Energy Environ. Sci., 14, 4009-4017（2021）.7）  A. Miura et al., Appl. Phys. Lett., 115, 222403（2019）.8）  F. Ando, T. Hirai, and K. Uchida, APL Energy, 2, 016103（2024）.9）  K. Uchida, T. Hirai, F. Ando, and H. Sepehri-Amin, Adv. Energy Mater., 14, 2302375（2023）.10）  T. C. Harman, J. M. Honig, S. Fischler, and A. E. Paladino, Solid State Electron., 7, 505-508（1964）.11）  F. Ando et al., arXiv:2402.18019.では，積層体端部の電気的接合状態の改善により，類似のモジュールにおいて温度差152 K にて204 mW（57 mW/cm2）を達成している 11）．5. まとめ　本稿では，熱電永久磁石によるハイブリッド横型熱電変換および巨大熱電発電の実証実験の結果を紹介した．磁場や磁化に依存した磁気熱電効果の出力は小さく，それ単体では応用には結びついていないが，人工傾斜多層積層体における非対角ペルチェ効果に重畳させることで大きな性能向上を達成できることを示した．このコンセプトは，熱電冷却過程だけでなく熱電発電にも有効である．人工傾斜多層積層体に永久磁石を組み込むことで，無磁場下でも複数現象によるハイブリッド横型熱電変換を実証した．また，非対角ゼーベック効果を最適化することで試作モジュールにて 55 mWもの横型熱電発電を実証し，電気的接合部の改善によりさらなる高性能化を実現できている．これら熱電永久磁石を用いることで，身の回りで磁石が使用されているさまざまな環境下で省エネ・創エネが可能になると期待される．筆 者 紹 介安藤　冬希（あんどう　ふゆき）　国立研究開発法人物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究センター スピンエネルギーグループ 特別研究員．2020 年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了．博士（理学）．同年 パナソニック株式会社入社．2023 年より現職．JST-ERATO「内田磁性熱動体プロジェクト」研究総括補佐 兼務．［連絡先］　〒 305-0047　茨城県つくば市千現1-2-1　物質・材料研究機構E-mail：ANDO.Fuyuki@nims.go.jp内田　健一（うちだ　けんいち）　国立研究開発法人物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究センター スピンエネルギーグループ 上席グループリーダー．2012 年 東北大学大学院理学研究科博士課程修了．博士（理学）．同年 東北大学 金属材料研究所 助教．2014年 准教授．2016 年 国立研究開発法人物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究拠点 スピンエネルギーグループ グループリーダー．2022年よりJST ERATO「内田磁性熱動体プロジェクト」研究総括 兼務．2023 年より現職．2024 年より東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授（クロスアポイントメント）．［連絡先］　〒 305-0047　茨城県つくば市千現1-2-1　物質・材料研究機構E-mail：UCHIDA.Kenichi@nims.go.jp図 6  SmCo5/Bi0.2Sb1.8Te3 人工傾斜多層積層体を用いた  サーモパイル型モジュールの巨大横型熱電発電．