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林 弘

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[金材技研ニュース 1972 No.1](https://mdr.nims.go.jp/datasets/7ca7c2cc-dd24-4f22-a37f-2f55757a4bb5)

## Fulltext

金材技研ニュース　1972　No.1i①一．ゼEoo一一0EωE0．oo］100．o0＝あ○蜆oo．］o－Eo一垣oo］10’0E0f000眈o〇一10－〇一眈○眈餉Eo．但≧里三…ω…Z－o○餉］○工←一0．一金属材料技術研究所新年のごあいさつ　謹んで新年のおよろこびを申し上げます。　科学技術の進歩は経済杜会の発展の原動力とたり，終局的には国民に豊かな生活をもたらすものでなけれぱならない。しかしたがら最近は一方では環境汚染，各種の公害間題カミおこり，他方ではいわゆるドルショックを契機として経済の発展の様相も変り，また国際的にみても科学技術の研究の方向が変りつつあるようにみえる。ここで本年にたいする私共の研究計画を述べよう。　当研究所の研究の対象は大きく二つの分野に分けられる。第一は材料の性質を調べて品質の向上をはかり，更に進んで新しい材料を開発する材料科学・技術の分野で，第二は材料の新しい製造・加工方法を研究する冶金技術の分野である。　第一の分野においては，まず安全性という立場から材料の破壊や破損の原因を確かめ，安全性の高い材料やその使い方を求めようとして材料の破壊，疲れ，クリープ等の研究が行たわれる部門がある。そして昭和39年度から進められていたこれら材料の強さに関する研究の施設・設備の整備計画も47年度で完成させたいと思っている。　原子力，航空宇宙，海洋等の技術の研究開発は科学技術庁が積極的に進めているが，当研究所も当然これらのために必要な材料の研究を推進Lている。すなわち原子炉用としては熱交換器用としての耐熱材料，燃料被覆材料とその放射線損傷，原子炉内の配管材としてのジルコニウム合金の開所長理博河田和美発研究が，また航空宇宙関係としては超耐熱材料や強カチタニウム合金の研究が行なわれている。一方技術の進歩は極限条件に向かって進み超強力鋼や複合材料のように強さの非常に高い材料や超電導材料のように低温において電気抵抗が極めて小さい材料が求められ，当研究所ではこれらの材料の開発に向かって強力に研究を進めている。　冶金技術の分野としては原子力製鉄に関する研究の一環として粉鉄鉱石の高温水素による流動遠元設備を試f乍して研究を進めると共にこれまで進めてきた連続製鋼の研究については制御の研究を進める段階にきた。新しい溶凄技術に関する研究は従来から強力に進めてきたが今年度は更に水中溶接法の開発を本格的に進めようとしている。　昭和48年度から筑波学園都市に本研究所の一部が移転することが予定されており，今年はこの準備も進めなけれぼたらない。　年のはじめにあたり所員一同は研究に対して最善の努力をつくす決意をいたしておりますが各位の一層の御指導御鞭捷をお願いいたす次第です。一1一オースフォーム鋼の機械的性質　オースフォーム鋼の機械的性質は主として加工度に依存するが，そのほか合金成分によっても影響を受ける。一般に強炭化物形成元素を添加することの有効性が認められ，その説明として，加工によりマトリクス中に微細な合金炭化物が全面析出するためとする考え方がある。しかし，この説は強度上昇と良好な靱性とが両立する事実を説明するうえで難点がある。　製造冶金研究部では，オースフォーム鋼のマルテソサイトに特有のセル組織が存在することを見出し，この組織が強化に寄与する主たる原因であることを結論した。この場合，セルは独立した結晶粒と類似の挙動を示し，従ってオースフォームは一種の結品粒微細化効果とみなすことができる。　図は，0．2％C－5％Cr－2％Mo鋼と0．2％C－5％Ni－2％Mo鋼を600．Cにおいて20％から75％まで種々の加工度で圧延した後，200℃で焼もどした場合の0．2％降伏強さをセルサイズゐの一％乗に対してプロットした結果である。両老の間には比較的良好な直線関係が存在し，強化がセル組織に基づくものであることを示している。しかし同じゐに対して，Cr鋼とNi鋼では強さが異なっている。この事実は，強化が単にゐのみでたく，セル粒界の強度白身にも依存することを示唆している。粒界強度はPetchの関係式における幻値によって代表されるが，この値はCr鋼では1．89kg／mm％，Ni鋼では1．62kg／mm％であつE∈杣韻川O幸錐“1宮oO．2％C－5％Cr－2％Mo（Kジ1．89㎏／mm享つ160■川O O．2％C－5％Ni－2％Mo（Kソ：1，62㎏ノmm≡｛）120Oolooつn　　　　　　　　　？∩　　　　　　　　　’n　　　　　　　　　円n　　　　　　　　　Rn20　　　　　　　　　　30　　　　　　　　　　40　　　　　　　　　　50　　　　　　　ds」｛（mm帖〕　　図　オースフォーム鋼の降伏強さと　　　　セルサイズゐとの関係60た。　セル粒界の強度を支配する主要因子はオースフォームの問にセル壁上に形成される合金炭化物と考えられ，その析出状況は含有合金元素の種類によって変化するものと推定される。オーステナイト中で炭素の活量係数を下げるCrのような元素はセル壁上への合金炭化物の析出を促進するのに対し，Niのように活量係数を上げる元素はむしろセル内部における析出を助長する傾向を有する。これらの傾向をオースフォームしたままの試料について直接検証することは困難であるが，500℃以上で焼もどせぽ，両鋼におげる炭化物分布の差は極めて明瞭になる。直接観察および抽出レプリカの結果によれぼ，Cr鋼の炭化物は主としてセル壁上で成長するのに対し，Ni鋼では全面析出を起す傾向が認められた。　写真に5Cr鋼を600℃で75％圧延した場合のセル組織を示す。セルの最小単位は0．2μ以下であるが，一見大きくみえるセル内部にも細かいセルが存在している。5Ni鋼で得られる組織もその基本的特徴は変らたいが，低加工度側ではセル組織が明瞭でなく，それに応じて強化に停滞がみられた。オースフォームの加工度と絞りの関係は両鋼において相反する傾向を有し，5Cr鋼では加工度と共に増加するのに対し，5Ni鋼では低下した。これらの挙動の差も，炭化物の析出形態の相違によって合理的に説明することができた。写真　0．2％C－5％Cr－2％Mo鋼のオースフォーム　　組織600．C，75％加工後空冷（薄膜）x5，OOO2一溶着金属へのガス吸収　アーク溶接の場禽，溶着金属は極めて短時闘（数秒）に「溶融一凝剛の過程を通る。この溶融状態で溶接雰鰯気ガス，溶接スラグおよび溶融金属閥に化学反応が進行し，さらに次の急速な凝騒1によって反応は終結する。この！分足らずの短時間に］種の製錬反応が行たわれ，理想的には母材金属と近似的のものが得られねぱならない。しかし実際には成分的に母材と近似のものが得られても溶着金属の熱履歴まで変えることはできない。溶着金属の生成反応を分けて考えると（1）ガスー金属，12〕スラグー金属，／3）金属の凝固反応となる。（！）の反応ではアーク気相111コ高温ガスと金属の反応が関与しており，一般の製錬反応と異る点である。12）の反応は製錬反応的手法で処理できるであろう。（3〕の反応は普通の鋳造の場合よりも凝固逮度が著しく速く溶接金属独得のものである。溶接研究部溶接冶金研究室では（1）の反応を取上げ，アーク溶接時における溶融金属中へのガス吸収について研究を行たっている。　アーク溶接時には溶接雰鰯気111コに微量混入した窒素，酸素および水分がしばしぱ溶着金属の気孔，欠陥および脆化などの原困とたることが知られている。この溶瀞金属中のガス含有量は，例えぼ，互00％窒素雰魍気中で非アーク溶解したときの溶解最に匹敵することがある。このような異常なガス溶解量は製鋼反応の熱力学的データから説明することができない。図に当研究室で得られた結果の一例を示す。アーク溶解時における窒素溶解量は表了節活性成分，酸素（または硫黄）の念有　1500E十5％Nゴ＾r＋君O％Nパ＾r富0％糺・＾rにより非アーク溶解（図中破線）より著しく増大しており，窒素分圧および表面活性成分の璃カ邊とともに増大する。　とくに酸素濃度200pPm付近を境にしてそれ以上600ppmまで窒素溶解量が急激に増大していることは注周すべきである。Kozakevitchらの表面張力（溶鉄）測定の実験で溶鉄のbu重k濃度が200～400ppm酸素に達すると，表面過剰濃度の値がほぽFeOの組成に近づくことが指摘された。この酸素濃度範魍はまた図で窒素溶解量が急激に増大する範囲と一致している。このことは，溶鉄表耐こFeO組成層の形成前後で窒素の溶解機構が変化したものと推定される。アーク溶解時の溶鉄中への窒素溶解最は真の平衡に対する値ではなく，溶鉄へのガス溶解と逃敵がつり含っている一種の定常状態濃度とみるべきと考えられる。この概念を中心にしてアーク溶解時のガス吸収機構のモデル（紙而の関係で省略）を立てると上記現象をよく説明できる。アーク溶解脚こおける純鉄およびアルミニウム中への水素溶解最についても測定した。水素の場合，純鉄に対して，水素分圧0．3気圧までは製鋼反応の平衡論的溶解度曲線（S呈evertの法則）を与えるが，0．3気圧以．ヒからは逆に水素溶解最が減少する現象がみられた。アルミュウムの場合，高水索分圧（0．3気圧以上）では純鉄の場合と同様であるが0．3気圧以下では窒素と同じような現象すなわち非アーク溶解の溶解量よりも大きい値が得られた。このようなアーク溶解にのみみられるガス溶解現象はアーク溶解　　　　　　時のガス吸収機構のモデルに一よってl　O昌55冒竈へ…空一・。よく説明することができる。上述のようにアーク溶解時におけるガス溶解量は表面の状態に著しく影響されることがわかった。したがって実際のアーク溶接の場合にも，鋼材中に含有される酸素，硫黄などの徴量成分をも十分に考慮したけれぱならないと考えられる。5％N，’＾r（非アーク溶解，ほ00℃〕軸冊e一：j＝・一〇．■4500　　　　　　　　　　　1000　　　　　　　　　　　　1500　　　　　　　　，PPm　　　in　F是2000 25003一特許紹介低硫黄強靱鋳鉄　　この発則1は，硫黄量を0．0030％以下，燐量を0，02～O．1％とすることによって引張強さ，流動性および耐成長性を著しく向ユ．／二させた強靱鋳鉄に関するものである。　　一般に鋳鉄は，その1二1－1に含有する硫黄，燐等の微量允素により，その機械的性質，流動性およびi鮒成一長性響の諸性質に大きな影響を受ける。すなわち硫黄は，（1〕鋳鉄の向銑化を助長する。（2暢流れを悪くする。（3）引張強さを減じる等の弊害を及ぼし，また燐は，高い流動性を必要とする場合にユ％までの範囲で鋳鉄中に添加されるが，鋳鉄中の燐の含有量の増カ1］はまた靱性の劣化を招くものでもある。公　　告公告番号昭不口遂6年5月3互日同召　46一互9426　　この発明は，鋳鉄中の硫黄量を一定隈度以下に減少せしめることにより上記硫黄による害を除去し強靱鋳鉄の諸1性質を向上せしめたもので，従来良い湯流れを得るため添加した燐をむしろ0．02～0．ユ％という値に減少させても高い流動性が得られ，靱性が向減する等の特徴を有するものである。　　C4．ユ3％，S　j．84％，Mn　O．19％，P0．08％を禽有する鋳鉄を用い，Sの含有量を0．00ユ2～0，042％の範囲で変化させる実験緒果から硫黄含有量0．0030％以下で引張強さ30kg／m狐2以上の強靱鋳鉄が得られることが発蠣者によって確認されてL・る。　　　　　　　　　　　　　　外国人訪間者　11帥！遁6年1月からユ2月までに些所を訪れた液1外関係者は王2か頭102名（団体を含む）をかぞえ，年を遭って増力糺てきている。研究施設，設備の視察屍学とともに，これら謝濁老と当所破究員の間で，併究課魑を中心に各分野における専11■］的な討議などが活発になされた。　次にヨ三なる訪闘塞’を…Fに掲げる。46．凄．10Prof．Dr．W．KOster（Max－Planck玉nst．紺　　　　　　　Met盆11forschung　「前所長、西ドイツ）　　　4，10Prof．R．Kiess工i㎎（S註ndvik　Steel　Works　Ltd。　　　　　　　スユーデソ）　　遅．26　Prof．R．Maddin（Director，Schoo1of　Meta1三u－　　　　　　　rgica1Engineering．University　of　PennsyIvania，　　　　　　　アメリカ）　　　5．21Mr．K．Beckerほか16名（鋼機造産業視察1…罰，西　　　　　　　ギイツ）　　5．26Prof．S．EketorPほか9名（Roy纈I玉nstituteof　　　　　　　ユ’ochno1ogy，スェーデソ）　　　6．2附．W．N．K三sse1三，JRほか2名（E．I．du　Pont　de　　　　　　　Nemours　and　ComPany，アメリカ）　　　8．4　Dr．R．▽．Tamhank纈r（Director，Defence　Metal－　　　　　　　lurg三ca1Research　L邊boratory，イソド）　　8．5　Dr．K．J．MiHer　（Engineering　Department，　　　　　　　University　of　Cambridge、イギリス）　　8，9　Dr．Jarmolowほか1名（Director，Research玉n－　　　　　　　sti士ute童or　Advanced　Study，アメリカ）　　8．！2　Dr．Coffin　ほか2名　（Research　纈nd　Deve1op－　　　　　　　ment　Center，Genera工Electric　Company，アメ　　　　　　　リカ）　　8．23　Prof，Hu1t（Roya1至nst．Technoiogy，スユーデ’ソ）　　8．26Dr．U．WoHstieg（Max－p三anck－Inst．地r　E三sen一8．268．279．39．221C．181玉．211．4ヱ！．411．51ユ．511．1！11．工311，22！2．7forschung、玉独ドイツ）Dr．T．Ericssonほか1名（Central　Research　andDeveIopment　AB　Vo1vo，スエーデソ）M1r－K．Sacks（G．K．N．Group，Techno】ogicaiCenter，イギリス）Prof．J．Philibertほか1名（Centre　N就iona1deIa　Recherche　Scient三fique，Laboratoires　de　Be－HeVue、フラソス）Mr．D．M．KohIerほか7名（ARMCO　SteeI　Co－rpOration，アメリカ）Dr一夏．Ketterほか3名（Cold　RoI1ing　Committ・ee，脳ドイツ）Dr－K．ZoItan（Chief　oチResearch　Division　Me－talOteChniCa．ルー叩ニア）Dr．Lange　（Nationa1　Research　Laboratory．Chief　of　Low　Cyc1e　Fatigue］〕ivision一アメリカ）Dr．H．N．Lauderほか5名　（αimax　Mlo王yb－denum　ComPany，アメリカ）Dr．M．Korchynsky（Jo舵s　and　Laugh1in　SteeICorporation　Graham　Research　Laboratory，アメリカ）Dr．M．3．May　（British　SteeI　CorporationCorpor目te　Laboratories，Head　of　MetailurgyDepartment，イギリス）Mr．H．Wintemarkほか10名（The　First　In－ternationa1SymPosium　of　Japan　Welding　So・C三ety見学鐵，数か鰯）Mr．I．P，Kazanets。ほか7名（ソ速芋1敏府鉄鋼省一千予，　ソビェト）Dr．J．E．Roberts　（British　Stee二CorporationGenera1Steeis　Division，イギリス）Dr－V．B．Zenkevitch（Institute　for副gh　Te－mperature，Academy　of　Sciences、ソビュト）弄漏婁…妻起多畜矛了ノ、日］　　　　　　稲1j通巻　第ユ57号林　　　　　　　　　　弘奥村印刷株式会杜東京都千代剛理榊柵1－1＿4発行蕨　科学技術庁金属材料技術研究所　　　　　　　　　　　　東京都目黒区弓二1層黒2丁目3番12号　　　　　　　　　　　　電誘　東京（03）719－2271（代表）　　　　　　　　　　　　郵便番一審・（153）