# Fileset

[車テク202411-13 結晶の異方性を利用した酸化ガリウム半導体の微細加工技術.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/a580d486-9daf-4362-abe5-1a56262d7543/download)

## Creator

[大島 孝仁](https://orcid.org/0000-0001-8550-9735)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[結晶の異方性を利用した酸化ガリウム半導体の微細加工技術](https://mdr.nims.go.jp/datasets/3d2f2535-9b89-4fb5-9826-cbee425e7635)

## Fulltext

68　 車載テクノロジー   Vol.12,  No.2  2024◆ テクノロジー最前線 ◆結晶の異方性を利用した酸化ガリウム半導体の微細加工技術大島 孝仁　　(国研 ) 物質・材料研究機構　電子・光機能材料研究センター　主任研究員1.　はじめに　β型酸化ガリウム （β-Ga2O3） は，パワー半導体として優れた物性を有し 1），量産プロセス装置に適合した大口径 6インチウェハも生産性の高い融液成長法で製造されていることから 2），次世代パワーデバイスを担う中核材料として近年注目されている。2024年現在は，主にウェハビジネスが主であり，デバイスとしてはショットキーバリアダイオードがサンプル出荷されたばかりで，市場規模としてはわずか 6億円 （見込） ほどである。しかしながら，順調に開発が進捗すれば，2035年には市場は 385億円に急拡大すると見込まれており，β-Ga2O3パワー半導体にかかる期待は大きい 3）。　しかしながら，β-Ga2O3には，n型ユニポーラ半導体であり，pnホモ接合を利用できないという大きな制限がある。そのため，n型半導体だけで，高耐圧やノーマリーオフ動作デバイスを実現するために特別な工夫が必要である。その一つが，微細構造の利用である。β-Ga2O3表面にフィン （凸） やトレンチ （凹） などの高アスペクト構造を形成し，それら構造側面から電界を印加して構造内を空乏化させることで，電流のオフ制御性を向上させることができる。このフィンやトレンチを利用した FinFETs4）や Trench SBD5）では，耐圧の向上やノーマリーオフ動作が報告されており，β-Ga2O3デバイス開発のトレンドの一つになっている。　このような半導体微細加工には，プラズマを利用した異方性ドライエッチングが利用される。しかしながら，加工面は反応性イオンによりダメージを受け，オン抵抗の増大 6）やゲートヒステリシス 7）などの問題が生じる。そのため，ウェットまたはアニールによる後工程でプラズマダメージを除去する必要がある。　一方，このような問題が生じないプラズマ非使用の微細加工方法も探索されている。これまでに，フッ酸溶液中での光電気化学反応を利用した MacEtch （metal-assisted chemical etching） 8）， 高真空中で Ga照射還元を利用した Ga flux etching9）， 高真空中での水素ガス還元を利用した HEATE （hydrogen environment anisotropic thermal etching） 10） などが探索されてきた。また，ゲートヒステリシスが抑えられたデバイス特性も報告されており 11），プラズマフリー加工の重要性が示されている。　そのような状況で，我々は，β-Ga2O3の厚膜成長に利用されているハライド気相成長（halide vapor phase epitaxy： HVPE）装置を用いて，SiO2をマスク材として選択成長や HClガスを用いた選択エッチングを大気圧下で試み，これらが新しいプラズマダメージレス微細加工技術になりえることを示してきた 12-16）。　それらの手法では，成長やエッチングを 2次元マスクの開口 （窓） 部に制限して結晶のファセット形成を促すことで，3次元形状を得ることができる。特に， （100） 面が構造側壁となるように窓パターンを設計することで，マスク部の横方向成長やマスク下のアンダーエッチングが抑制された高アスペクト構造が作製できる。本報告では，選択成長，選択エッチングで得られた知見を紹介する。車載テクノロジー   Vol.12,  No.2  2024     69テクノロジー最前線2.　β -Ga2O3 結晶について　まず β-Ga2O3の結晶ついて簡単に紹介する。図 1に，β-Ga2O3単位格子を示す。その構造は単斜晶系に属し，a ＝ 12.23 Å， b ＝ 3.04 Å， c ＝ 5.80 Å， α ＝ γ ＝ 90°， β ＝ 103.7°である 17）。そのため， （hkl) と ［hkl］ は必ずしも直交しない。たとえば， （100）面は ［201］方向と直交し， （ － 102）面は ［001］方向と直交する。対称性としては， （010)面を介した鏡面対称性と ［010］ 軸を回転軸とした 2回回転対称性がある。表面エネルギー密度という観点では， （100）面が最小となる 18）。実際， （100） 面は，主劈開面である。市販されているパワーデバイス開発で主に選択されている基板面方位は， （001）と （010）面である。ただし， （010）面基板は， ［010］ 方向に伸びた結晶中の多くの転位や空隙が表面に現れることから 19,20），縦型デバイスではなく横型デバイス開発に用いられている。一方 （001） 面基板は，縦型デバイス開発に主に用いられている。　　3.　ファセット形成を利用した　　異方性加工実験　図 2は，本実験に用いた HVPE装置である。この装置は，成長前駆体となる Gaと HClの反応で生成したGaClと O2ガス供給ラインがあるだけでなく，エッチングガスである HClガスの供給ラインもあるため，成長とエッチング両方を実施できる。　サンプルは，各種窓パターンのある 0.1 μm厚の SiO2マスクが表面に形成された β-Ga2O3基板である。なお，現在市販され入手容易な （001）， （010）面基板だけでなく，垂直加工に適しかつ ［010］ 方向に伸びる転位の影響を受けにくい （ － 102） 面も使用した。このマスク付きサンプルをホルダにセットし，HVPE装置内で成長やガスエッチングを行うことで，選択成長や選択ガスエッチングを実施した。それぞれの詳細な実験条件は，論文 12-16）を参照いただきたい。なお，これらは大気圧プロセスであり，先に紹介したプラズマフリー加工が真空プロセスであることと対比される。　形状評価には，走査型電子顕微鏡（SEM）を用いた。表面形状観察だけでなく，断面を集束イオンビーム顕微鏡（FIB）により削り出して，断面 SEM観察も行った。4.　選択成長による加工　まず，選択成長性について調べた。図 3は成長前駆体のみ供給したサンプルと成長前駆体と同時にエッチングガス HClも供給したサンプルの SiO2マスク上の表面SEM像の比較である。前駆体のみのサンプルでは，マスク上に多結晶が堆積し，選択性は無かった。一方，同時にエッチングガスも供給したサンプルでは，マスク上に堆積物は無く，左上の窓部からのみ結晶が成長した。すなわち，選択成長が確認できた。この結果は，エッチングガスでマスク上の核形成が抑制できることを示唆しており，成長とエッチングが競合した環境が選択成長の実現に必要であることを意味している。図 1　β -Ga2O3 の単位格子。VESTA で描画 21）abc図 2　実験で用いたHVPE 装置の模式図図は， 選択成長時の様子。 エッチング時は， エッチングガスライン （Etching line） のみ使用し， 成長前駆体ライン （Precursor lines） には N2ガスのみ流す。70　 車載テクノロジー   Vol.12,  No.2  2024　次に，面内異方性について調べた。図 4は， （010） 面基板上の放射状の窓パターンに対する選択成長の結果である。線状の窓が特定方位 ［ 001］ に向いたときのみ結晶の側壁面が平坦化し，その方位からずれると選択成長結晶の側壁面の凹凸が大きくなった。 ［001］ 窓方位の結晶側面は，表面エネルギー密度最小の （100） 面に対応しているため，そのファセット形成を反映した構造となったと考えられる。なお，この （100） 面が支配的なファセットとなる傾向は， （001） ， （－ 102） 面基板上の選択成長でも確認された。　この （100） 面が側壁となるように窓方位を選択すれば，横方向成長が最小化されて微細構造が形成できると予想される。具体的には，基板面と （100） 面の交線に平行に線状の窓パターンを描けば，高アスペクト構造を選択成長で作製できるはずである。図 5は，そのような方針で作製した （001） ， （010）， （－ 102） 面基板上の選択成長フィン列の表面，断面傾斜観察 SEM像である。いずれの面方位基板上においても， （100） ファセット形成によりフィ図 3　成長後の SiO2 マスク上表面の様子図 4　放射状窓パターン上に成長した選択成長結晶フィン図 5　（001） , （010） , （－ 102） 面基板上で， （100） 面が側壁となるように窓方位を設定し，選択成長して形成したフィン列On （010 ）On （001 ）On （－ 102 ）車載テクノロジー   Vol.12,  No.2  2024     71テクノロジー最前線ン側壁面は平坦であった。結晶構造を反映して， （010） と （－ 102） 面基板上ではフィンが垂直， （001） 面基板上ではフィンが傾斜した。結晶構造から垂直から 13.7°つまりβ － 90°傾斜したと考えられる。そのため， （001） 面基板はこのファセット形成を利用した加工に適していないと言える。一方， （010） と （－ 102） 面基板は本プロセスに適しており，プラズマダメージの無い，垂直で，平坦なフィンが形成できるため，デバイス応用が期待される。5.　選択ガスエッチングによる加工　選択ガスエッチングでは，まずサイドエッチングの面内異方性を確認した。図 6は， （010） 面基板上の放射状の窓パターンに対する選択エッチングの表面 SEM像である。SiO2マスクが 0.1 μmと薄いため，そのマスクを透過してサイドエッチングの形状が観察された。サイドエッチングには方位依存性があり，窓が特定方位 ［001］ のときに最も小さくなった。これは，選択成長の結果と同じで，エッチングで形成された側壁面が （100） 面で構成されたためであると考えられる。なお，この (100） 面が支配的なファセットとなる傾向は， （001） ， （－ 102） 面基板上の選択ガスエッチングでも確認された。図 6　放射状窓パターン下に形成された選択ガスエッチングトレンチ　さらに （100）  面が側壁面となるように，窓方位を設定し，エッチングによりトレンチを形成した。図 7は， （001） ， (010），  （－ 102） 面基板上の選択ガスエッチングで形成されたトレンチ列の表面，断面傾斜観察 SEM像図 7　（001） , （010） , （－ 102） 面基板上で， （100） 面が側壁となるように窓方位を設定し，選択ガスエッチングして形成したトレンチ列。On （010 ）On （001 ）On （－ 102 ）72　 車載テクノロジー   Vol.12,  No.2  2024である。いずれの基板上でも，エッチングで形成された側壁面は平坦であった。結晶構造を反映して， （010） と （－ 102） 面基板上ではトレンチが垂直， （001） 面基板上ではトレンチが傾斜した。そして，選択成長と同様に， （010） と （－ 102） 面基板であれば，垂直で平坦かつプラズマダメージの無い理想的なトレンチが形成できることを示しており，デバイス応用が期待される。6.　おわりに　β-Ga2O3半導体に対して，その結晶構造の異方性を加工に利用するため，そのファセット面が顕在化できる選択成長，選択ガスエッチングを試みた。その結果，特に表面エネルギー最小の （100） 面ファセットに形状が支配されることが分かった。そして，それを側壁面に設定することで，微細な形状を持つフィンやトレンチが形成できることを示した。この方法で作製した構造は，プラズマダメージが無く，従来のプラズマプロセスで作製される構造とは異なり，特に現在研究開発が進められているFinFETsや Trench SBDデバイス応用に適していると考えられる。謝辞　本実験は，共同研究者の物質・材料研究機構 主幹研究員 大島 祐一氏が管理する HVPE装置で行われた。本研究は，東電記念財団，村田学術振興財団の助成を受けた。また，物質・材料研究機構の微細加工ユニット，電子顕微鏡ユニットの共用設備を利用し，文科省の ARIM事業（JPMXP1223NM5073，JPMXP1224NM5062）の支援を受けた。文献1）A.J. Green, J. Speck, G. Xing et al., APL Mater. 10, 029201 (2022)2）ノベルクリスタルテクノロジー プレスリリース (2023)3）富士経済，次世代パワーデバイス＆パワエレ関連機器市場の現状と将来展望 （2024）4）W. Li, K. Nomoto, Z. Hu et al., IEEE Int. Electron Devices Meet., pp. 12.4.1-12.4.4 (2019)5）F. Otsuka, H. Miyamoto, A. Takatsuka et al., Appl. Phys. Express 15, 016501 (2022)6）W. Li, K. Nomoto, Z. Hu et al., IEEE Trans. Electron Devices 68, 2420 (2021)7）K.D. Chabak, N. Moser, A.J. Green et al., Appl. Phys. Lett. 109, 213501 (2016)8）H. Huang, M. Kim, X. Zhan et al., ACS Nano 13, 8784 (2019)9）N.K. Kalarickal, A. Fiedler, S. Dhara et al., Appl. Phys. Lett. 119, 123503 (2021)10）Y. Yamazaki, M. Tomoaki, A. Takeki et al., The 4th International Workshop on Gallium Oxide and Related Materials, (2022)11）H.-C. Huang, Z. Ren, A.F.M. Anhar Uddin Bhuiyan et al., Appl. Phys. Lett. 121, 052102 (2022)12）T. Oshima and Y. Oshima, Appl. Phys. Express 15, 075503 (2022)13）T. Oshima and Y. Oshima, Appl. Phys. Lett. 122, 162102 (2023)14）T. Oshima and Y. Oshima, Appl. Phys. Express 16, 066501 (2023)15）Y. Oshima and T. Oshima, Jpn. J. Appl. Phys. 62, 080901 (2023)16）T. Oshima and Y. Oshima, Appl. Phys. Lett. 124, 042110 (2024)17）S. Geller, J. Chem. Phys. 33, 676 (1960)18）S. Mu, M. Wang, H. Peelaers et al., APL Mater. 8, 091105 (2020)19）T. Nishikawa, K. Goto, H. Murakami et al., Jpn. J. Appl. Phys. 62, SF1015 (2023)20）Y. Yao, Y. Tsusaka, K. Sasaki et al., Appl. Phys. Lett. 121, 012105 (2022)21）K. Momma and F. Izumi, J. Appl. Crystallogr., 44, 1272 (2011)