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[rdl_srdp.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/a4342cd7-102a-444a-a801-f32d1f29689a/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[試論: 偶然を呼び寄せる技術](https://mdr.nims.go.jp/datasets/6ec46579-b6fb-45b5-9433-541575bd4876)

## Fulltext

Art of making a chain reaction of chances【特集】セレンディピティ～幸運の女神は何故微笑んだか～試論: 偶然を呼び寄せる技術独立行政法人物質・材料研究機構光材料センター主幹研究員〒 305-0044つくば市並木 1-1 URI: http://www.geocities.jp/tokyo 1406/概要セレンディピティを発揮するには偶然が起きなければ始まらない。偶然は、それをもたらした主体によって三種類に分類できる (己、人、天)。自ら積極的に手を動かし、人を動かすプレゼンテーションを常に心掛けることで、偶然を捉え続けていけば、天をも味方に付けることができるのではないか。1 はじめにこの試論を展開するに至ったきっかけは、ある学会でのセレンディピティを主題にしたシンポジウムへの登壇要請であった。それまで断片的にエッセイとして発表していた研究開発の裏話 [1, 2]を、統一した視点でまとめる良い機会と捉え、引き受けた。視野を広げるために、セレンディピティに関する本やノーベル賞受賞者の回想録をまとめて読み始めた。講演の構成を考える段になって、これらの本には見あたらなかった独自の視点があることに気がついた。筆者が経験した数々の偶然は、次の三種類に分類できるのである。偶然をもたらした主体が、自分なのか、自分以外の人間なのか、人間以外の何かなのか、である。この考えに基づけば、あらゆる偶然は、これら三つの主体を頂点とする三角形の中のどこかにプロットできる。それらの頂点を「己の采配」、「人の采配」、「天の采配」と呼ぶことにする (図 1参照)。筆者が語ろうとしていた一連の裏話では、これら三種類の偶然が、まさにこの順番で起こっていたのである。そして、それぞれの偶然を呼び寄せる方法を筆者なりに一般化できそうな気がしたのであった。2 己の采配話は「光ヒューズ」というデバイスの発明から始まる。たいていの電気製品に内蔵されているヒューズの働きと己の采配天の采配人の采配偶然は手を動かして掴むもの図 1: 采配の三角形。同様に、過大な光入力に応じて自ら光回線を切断するデバイスのことを「光ヒューズ」という。筆者は始めからこのデバイスを開発しようとしていた訳では無い。転職前に取り組んでいた研究テーマへの未練が、新しい職場での仕事の原動力となり、一対のガラス製光ファイバを、それより軟らかいガラスで繋ぐ技術を完成させた。当時、これが何の役に立つのかは分からなかった。他人が見れば、とてもスジの悪い研究に見えただろう。かつて取り潰された研究テーマへの執念をベースに、部品をかき集めて独自の装置を組み上げる楽しさでつっ走った結果であった。転機は 2003年春。イラク戦争開戦直後の米国アトランタで開催された国際会議のことであった。レーザー光10 研究開発リーダー Vol.5, No.3 2008http://www.geocities.jp/tokyo_1406/http://www.gijutu.co.jp/doc/magazine_research.htm【特集】セレンディピティ～幸運の女神は何故微笑んだか～源の高出力化の波が押し寄せると共に、高強度光で光部品が壊れることが問題視されていた。それがひらめきのきっかけだった。壊れることを目的にする光ヒューズなら、筆者の技術で実現できる！その後、開発に至るまでに、もうひと波乱あったのだが、これも自ら手を動かすことで乗り切った [1]。時間を忘れて取り組める自分の好きな作業を突き詰めることで、独自の技術を手にした訳である。後から分かったことだが、その国際会議で光ヒューズを初めて商品化する、と宣言していたベンチャー企業があった。その特許出願を調べてみると、筆者の技術とは原理も性能も異なることが分かり、安堵した [3]。3 人の采配ある日、研究室の廊下に張り出してあった光ヒューズのポスターに触発された超高速カメラメーカーの営業マンが、新製品のデモを提案してきた。どうせ試すなら、撮影対象はもっとインパクトのあるものが良い。前から興味を持っていたファイバフューズを撮ることに決めた。約 20年前に発見されたこの現象は、数Wの光を伝送している光ファイバのどこか一ヶ所を加熱すると、そこにプラズマが発生し、光源に向かって走り始めるという、とても派手な現象である。まぶしい火の玉が通り過ぎた後の光ファイバには、不思議な形の空孔列が残されており、もはや光を通すことはできない。レーザー光源の高出力化の波とともに、危険視され始めた現象である。苦労の末に得た珍しい映像を急いで論文にまとめ、2004年秋の国際会議にダメ元で応募したところ、あっさり採択されてしまった。ちょうどその頃同じ現象を追いかけていたロシアの大物教授が、その選考委員会のメンバーに名を連ねており、彼が強行に筆者の論文を推してくれたのだそうだ。この嬉しい偶然が連なったエピソードを軽い読みものにまとめて [2]ある機関誌に発表したところ、例の営業マンを通じてそのメーカーの社長の目に止まり、鶴の一声で、その後も継続的に撮影に協力してもらえることになった。筆者の知らなかった三人の人物が、筆者のために動いてくれたその原因は、筆者の書き物を読み、その価値を己の采配天の采配人の采配�　　人を動かすプレゼンテーション図 2: 他人が引き起こす偶然を呼び寄せるには？汲んでくれたからである。筆者とて、漫然と書き物をしたためていた訳では無い。年に数回、プレゼンテーション技術の講師を勤めている身としては、口頭発表であろうと、書き物であろうと、いい加減なものは表に出さない様にしている。情報の受け手に自分の考えを印象付ける技術の本質は、どの様な形態であれ変わるものではない [4]。受け手の心に働きかけることが出来れば、受け手はおのずと動いてくれる (図 2参照)。そこに偶然を呼び寄せる場が生じる。4 天の采配先の国際会議に採択されたことが縁で、翌年にサンクトペテルブルグで招待講演を行うこととなった。新たに発表するネタを求めてファイバフューズの実験を続けていくうちに、興味深い発見をした。生成される空孔列が不思議な形になる原因を説明できるのだ。これをまとめて学術雑誌に投稿したところ、厳しい査読結果が返ってきたのは、ロシアに出かける直前であった。求められた実験データを得る方法に気がついたのは、帰国する日の朝だった。そのデータを得るまでの道のりは、まさに綱渡りであった。回答の提出期限の直前に、あの超高速カメラを二時間だけ借りることができた。例の火の玉がカメラの狭い視野に入った瞬間にレーザー光を止め、光が減衰する時間を割り出すのである。スイッチを切る指先の動きに、1/100秒の精度はとうてい期待できない。気休めにすぎ研究開発リーダー Vol.5, No.3 2008 11http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html【特集】セレンディピティ～幸運の女神は何故微笑んだか～己の采配天の采配人の采配��(1)偶然を捉え続ける(2)幸運の女神の微笑み図 3:人間以外の何かが引き起こす偶然を呼び寄せるには？ない練習を繰り返し、当日に臨んだ。11回分だけ試料を用意しておいたのだが、7回目にしてあっさり成功したのは、気負いの無い平静な心を保てたからだと思う。こればっかりは、「自分が手を動かした結果」と言い切ることはできない。それに至るまでに呼び寄せてきた、さまざまな偶然の流れに乗っていた、としか言いようがない。かくして必要なデータを手にすることができ、無事論文は採択された。5 おわりにこんな風に講演の構想を練っていた折に、かつて記事を寄稿したことのある業界誌の編集者から、何か連載記事を書いてくれないか、との話が舞い込んだ。この構想を文字に残せる願ってもない機会だ。渡りに船で引き受けて、講演当日にその連載の別刷りを配る算段までつけてしまった。偶然は呼び寄せることができる。研究開発リーダーを勤めたこともない若輩者が、この場に発表する機会を得たのは、その連載記事 [5]が本誌の編集者の目に留まったからである。この記事を読んでくださった方々の中に、どんなに些細なことでも、何か動いてくださる人が出てきて欲しい。そういう緊張感をもって執筆するよう、常に心がけている。それが次の偶然を呼び寄せてくれる。参考文献[1] 轟 眞市：“窮すれば光ヒューズ ―綱渡りを支えたのは、こだわり、手作り、Linux”, 未来材料, 4, 11, pp.71–74 (2004).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28485[2] 轟 眞市：“先んずれば人を制す、写真撮らばファイバヒューズ”,電気ガラス, 35, pp. 14–18 (2006).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33126[3] 轟 眞市：“光ヒューズ特許査定顛末記―初めて特許を書く人のために (上)発明から出願公開まで”,工業材料, 56, 5, pp. 80–83 (2008).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33098[4] 轟 眞市：“セレンディピティを高めるプレゼンテーション技術 (連載全 6 回)”, 工業材料, 55, 8～翌 3 月号 (2007～2008).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28426[5] 轟 眞市：“セレンディピティの磨き方―ファイバヒューズ研究に至った縁と偶然 (連載全 3回)”, 工業材料, 55, 2～4月号 (2007).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28460P R O F I L E轟眞市 (とどろきしんいち)略歴:1993 京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了日本電信電話株式会社入社1993–1997 同社光エレクトロニクス研究所1997.3 同社知的財産部1998.4 科学技術庁無機材質研究所入所2001.4 独立行政法人物質・材料研究機構に改組この間1999 日本セラミックス協会進歩賞受賞2002 日豪合同セラミックス賞受賞現在、高強度光を伝搬する光ファイバにおける損傷現象の研究に従事.12 研究開発リーダー Vol.5, No.3 2008http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28485http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33126http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33098http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28426http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:28460http://www.gijutu.co.jp/doc/magazine_research.htm