# Fileset

[JSA_Vol18_No3_174.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/a29fe16e-0c76-4c90-a35c-be8d3405787d/download)

## Creator

[Tanuma, Shigeo](https://orcid.org/0000-0003-2628-9941), [Ogiwara, Toshiya](https://orcid.org/0000-0002-7376-6571), [Kim, Kyung Joong](https://orcid.org/0000-0001-5559-9784), [Nagatomi, Takaharu](https://orcid.org/0000-0002-3629-638X)

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[High-Sensitivity and High-Depth Resolution Auger Depth Profiling Using an Inclined Holder based on Geometric Characteristics of Auger Electron Spectroscopy Apparatus Equipped with Concentric Hemispherical Analyzer](https://mdr.nims.go.jp/datasets/e1c0d599-5082-4a97-9dff-b17e7504b705)

## Fulltext

半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホリダーを利用した高感度,高深さ分解能オージェ深さ方向分析Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −174− 解説  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを利用した高感度， 高深さ分解能オージェ深さ方向分析  荻原俊弥 a,*，永富隆清 b，金慶中 c，田沼繁夫 a a物質・材料研究機構材料分析ステーション 〒 305-0047 つくば市千現 1-2-1 b大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻 〒 565-0871 吹田市山田丘 2-1 c韓國標準科學硏究院, 産業測定標準本部 〒305-600 大韓民國 大田市 儒城區 道龍洞 1 *OGIWARA.Toshiya@nims.go.jp  (2011年 11月 8日受理 ; 2012年 1月 6日掲載決定)  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置では，傾斜ホルダーを用いると装置のジオメトリー特性との関係からイオン及び一次電子の入射角の自由度が大きくなる．特に試料回転の回転軸が一次電子の入射方向と一致する場合は，傾斜ホルダーの回転角によってイオン入射角を設定でき，電子線の入射角は傾斜ホルダーの傾斜角度を選択することでイオン入射角と独立して任意に決定することができる．そこで，筆者らは電子およびイオンの両方を試料表面から極低角度で入射できる高傾斜ホルダーを試作し，極低角度電子・イオン入射オージェ深さ方向分析法を開発した．この計測法により GaAs/AlAs 多層膜の深さ方向分析を行った結果，Al-LVV(68 eV)を用いた深さ分解能として 1.7 nmを達成した．さらに，Si/Geデルタドープ多層薄膜試料を測定した結果，Geデルタドープ６層すべてを高感度で検出できることがわかった．この報告では計測法の原理ならびに得られた高感度，高深さ分解能データを紹介しながら本計測法について解説する．   High-Sensitivity and High-Depth Resolution Auger Depth Profiling Using an Inclined Holder based on Geometric Characteristics of Auger Electron Spectroscopy Apparatus Equipped with Concentric Hemispherical Analyzer  T. Ogiwara,a* T. Nagatomi,b K. J. KIM,c and S. Tanumaa aMaterial analysis station, National Institute for Material Science,  1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305-0047, Japan bDivision of Advanced Science and Biotechnology, Graduate School of Engineering, Osaka University, 2-1 Yamadaoka, Suita, Osaka 565-0871 cDivision of Industrial Metrology, Korea Research Institute of Standards and Science, 1 Doryong-dong, Yuseong-gu, Daejeon, 305-600, Korea *OGIWARA.Toshiya@nims.go.jp  (Received : November 8, 2011 ; Accepted : January 6, 2012)  Application of an inclined holder based on geometric properties of the Auger electron spectroscopy (AES) apparatus equipped with a concentric hemispherical analyzer to AES sputter depth profiling improves the flexibility in setting of the incidence angles of both electrons and ions. In particular, when the incidence direction of the electron beam coincides with the axis of the specimen azimuthal rotation, the incidence  Copyright (c) 2012 by The Surface Analysis Society of Japan mailto:OGIWARA.Toshiya@nims.go.jpmailto:OGIWARA.Toshiya@nims.go.jpJournal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −175− angle of ions can be obliquely determined by the rotation angle of the inclined holder and the incidence angle of the electron beam can be set independently by choosing the inclination angle of the inclined holder. Basing on this concept, we developed a 85°-high-angle inclined specimen holder which enabled the specimen surface to be irradiated by both the electron and ion beams at the glancing incidence. We have investigated the high-depth resolution AES sputter depth profiling analysis with the inclined specimen holder. In consequence, the resultant depth resolution for the GaAs/AlAs superlattice was found to be independent of the sputtered depth and the highest depth resolution of 1.7 nm was achieved with the Al-LVV Auger peak. The Auger depth profiles of the Si/Ge multiple delta-doped layers revealed that the Ge mono-layer can be in-depth profiled with high sensitivity and high depth resolution using the inclined specimen holder. In this article, we outline the basic comcept of the high-sensitivity and high-depth resolution AES sputter depth profiling using the inclined specimen holder and its application to the AES depth profiling.   1. はじめに イオンスパッタリングを併用したオージェ電子分光法（オージェ深さ方向分析）は深さ分解能に優れており，界面におけるマトリックス効果[1]の影響が小さいことなどから多層薄膜試料の深さ方向組成分布の評価に広く用いられている[2〜4]．ところが，近年の材料評価は厚さ数 nm の極薄膜が積層された極薄膜多層試料が主体であり，一般的な測定条件では深さ分解能，感度ともに不十分なため，積層状態を反映したデプスプロファイルを得ることは非常に難しい．  筆者らは，オージェ深さ方向分析における深さ分解能ならびに感度を向上させる方法として，傾斜ホルダーを用いた極低角度電子・イオン入射オージェ深さ方向分析法を開発した[5]．そして，本計測法を用いてGaAs/AlAs多層膜の深さ方向分析を行い，従来までの測定条件に比べて高感度，高深さ分解能で計測できることを報告した[6]．   本稿では，傾斜ホルダーを用いたオージェ深さ方向分析の原理を一般に用いられているフラットホルダーによる測定法と比較しながら解説する．また，作製した 85°高傾斜ホルダーを用いて極低角度電子・イオン入射の条件で GaAs/AlAs多層膜の深さ方向分析を行い，従来法と深さ分解能ならびに強度を比較した結果を示す．さらに，デルタドープ層を含む多層薄膜試料の測定を行い，本計測法によるモノレイヤーの検出の可能性について検討した結果を紹介する．  2. 計測法の原理  一般に半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置では，Fig.1 (a) に示すように試料をフラットホルダーにセットし，そのホルダーを試料ステージの傾斜機構により電子分光器の方向に傾斜する｛Fig.1 (b)｝参照｝ことで感度良くオージェスペクトルを測定している．この場合，Fig.1が示すように電子線入射角（θelectron ）およびイオン入射角（θion ）は試料傾斜角度に依存して変化する（いずれの入射角も試料法線からの角度を表す）．Fig.2は試料を 45°傾斜ホルダーにセットした状態であり，Fig.2 (a) は試料の測定面が電子分光器側を向いた位置，Fig.2 (b) は Fig.2 (a) の状態から 45°傾斜ホルダーを反時計方向に 70°回転させた位置での写真である．そして，Fig.2 (a) におけるθion はイオン銃の搭載位置から計算すると 39°である．この位置から 45°傾斜ホルダーを反時計方向に回転させるとθion は連続的に大きくなる．そして，Fig.2 (b) の位置でのθion は 83°である．すなわち，Fig.2 (b) の位置では試料表面からおよそ7°の極低角度イオン入射による深さ方向分析が可能である．なお， 45°傾斜ホルダーを試料ステージ上で回転させても試料に対するθelectron は常に一定（この場合は 45°）である．さらに，傾斜ホルダーの傾斜角度が大きい試料ホルダーを使用するとθelectron は試料表面から極低角度での条件に設定できる．Fig.3 (a) は作製した 85°高傾斜ホルダーを試料ステージにセットした状態であり，試料の測定面は電子分光器側を向いている．この位置でのθelectron は 85°，θion は 55°である．そして，85°高傾斜ホルダーを試料ステージ上で反時計方向に 35°回転させた状態が Fig.3 (b) であり，この位置でのθion は 83°である．すなわち，85°高傾斜ホルダーにセットした試料の測定面が電子分光器の方向を向いた状態から反時計方向に 35°回転させた位置では，電子およびイオンの両方を極低角度で入射した深さ方向分析が可能である．  Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −176−              Fig.4. TEM cross sectional images of the Si/Ge multiple delta layer thin film.            3. 実験 3.1. 試料 3.1.1. GaAs/AlAs多層膜  深さ方向分析の検討に用いた試料は，産業技術総合研究所計量標準総合センターより認証標準物質として提供されている GaAs/AlAs 多層膜CRM 5201-aである．この試料は，有機金属気相成長法により GaAs基板上に 200 nmの GaAsバッファー層を堆積した後，AlAs:22.70 nm，GaAs:23.13 nm，AlAs:22.60 nm，GaAs:24.28 nmの順に合計４層を積層した構造となっている（Table 1参照）．  3.1.2. Si/Geデルタドープ積層膜  Si/Geデルタドープ積層膜の断面 TEM像を Fig.4に示す．この試料は，韓国標準科学研究院（KRISS）で作製されたものであり，イオンビームスパッタ堆積法により Si基板上に Geデルタドープ：0.4 nm，Si:37.83 nm，Geデルタドープ：0.4 nm，Si:39.07 nm，Geデルタドープ：0.4 nm，Si:39.04 nm，Geデルタドープ：0.4 nm，Si:39.14 nm，Geデルタドープ：0.4 nm，Si:39.59 nm，Geデルタドープ：0.4 nm，Si:39.45 nm の順に積層された構造となっている．すなわち，厚さ約 40 nmの Si層間に Geデルタドープ：0.4 nmが６層存在する積層膜である．  3.2. 測定条件 3.2.1. GaAs/AlAs多層膜  深さ方向分析は，フラットホルダー，45°傾斜ホルダーおよび 85°高傾斜ホルダーを用いて行った．フラットホルダーを用いた測定は，試料ステージの傾斜機構によりフラットホルダーをCHA側に 45°傾斜させた位置｛Fig.1 (b)｝で行った．この位置でのθionは 39°である．45°傾斜ホルダーを用いた測定は，測定面が CHA 側を向いた状態｛Fig.2 (a)｝から，反時計方向に 35°回転 Fig.1. Pictures of the flat holder set on the stage at different tilt angles of (a) 0°and (b) 45°. (θ ion, θelectron) is (a)(55°,0°) and (b) (39°,45°).   Fig.2. Photographs of the 45°inclined holder set on the stage at different azimuthal angles. (a) The holder faces to the CHA side. (b) The holder is rotated by 70°counter clockwise from (a). (θion, θelectron) is (a)(39°,45°) and (b) (83°,45°).   Fig.3. Outerviews of the 85°-high-angle inclined holder set on the stage at different azimuthal angles. (a) The holder faces to the CHA side. (b) The holder is rotated by 35°counter clockwise from (a). (θ ion, θ electron) is (a) (55°,85°) and (b) (83°,85°).  Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −177− させた位置で行った．この位置でのθionは 63°である．85°高傾斜ホルダーを用いた測定は，測定面がCHA側を向いた状態から，反時計方向に10°および 35°回転させた位置｛Fig.3 (b)｝で行った．これらの位置でのθionは 63°および 83°である．すなわち，フラットホルダーと 45°傾斜ホルダーを用いた測定では，測定条件のうちθionのみが異なっている．そこで，これらの結果よりθionと深さ分解能の関係を調べた．45°傾斜ホルダーと85°高傾斜ホルダー（反時計方向に 10°回転）による測定では，イオンスパッタリング条件は同じであり，θelectronのみが異なっている．そこで，これらの測定結果からはθelectron とオージェピーク強度の関係を調べた．そして，85°高傾斜ホルダーを用いて反時計方向に 35°回転させた位置での測定は，極低角度電子・イオン入射オージェ深さ方向分析に相当する．この測定では，極低角度入射ビームにより深さ分解能および感度がどの程度改善されるかを明らかにするために測定を行った．  これらの測定に用いた装置は，日本電子製オージェマイクロプローブ JAMP-9500Fである．イオンスパッタリング条件は，イオン種はアルゴン，イオン加速電圧は 1.0 kVである．デプスプロファイル測定におけるオージェピークの測定条件は，一次電子線加速電圧は 10 keV，ビーム電流は 30 nA，ビーム径は設定値として約 20 m角である．なお，試料を傾斜した状態で測定していることから実際のビーム径は設定値より長くなっている．測定したオージェピークは，Al-LVV (68 eV), Ga-LMM (1070 eV), As-LMM (1228 eV), Al-KLL (1396 eV) である．そして，各オージェピークのデプスプロファイルは次の手順により求めた．Al-LVV については積分スペクトルを測定し，そのスペクトルの最大強度と最小強度の差を強度としてデプスプロファイルを得た．Ga-LMM, As-LMM および Al-KLLについては，測定した積分スペクトルを数値微分（７点）し，微分ピークの最大強度と最小強度の差を強度としてデプスプロファイルを得た．  3.2.2. Si/Geデルタドープ積層膜   この試料は 85°高傾斜ホルダーにセットし，θelectron = 85°，θion = 55°，イオン加速電圧は 0.5 kVとして測定を行った．試料全体の厚さが約 240 nmと厚いため，イオン加速電圧 0.5 kVのスパッタリングレート（0.049 nm/min：GaAs/AlAs多層膜を測定した時の平均スパッタリングレート）を考慮してθionは 55°とした．また，一次電子線加速電圧は 10 keV，ビーム電流は 30 nA，ビーム径は設定値として約 20 m角，測定したオージェピークは，Si-LVV (92 eV), Si- KLL (1619 eV), Ge-LMM (1147 eV) である．これらのデプスプロファイルは，測定した積分スペクトルを数値微分（７点）し，微分ピークの最大強度と最小強度の差を強度として得た．  3.3. 深さ分解能の定義 深さ分解能は，ロジスティック関数[7]により界面プロファイルのカーブフィッティングを行い，フィッティングパラメータの D0（界面幅）の値を3.32 倍することにより求めた[8]．D0 は界面の広がりを規定するスケーリングパラメータであり，界面プロファイルが対称形である場合，係数を乗じることにより深さ分解能を求めることができる．ここで求めた深さ分解能は 16%-84% (84%-16%) 界面幅であり，この幅は界面の深さ分解能関数が分散σのガウス分布関数で表される場合 2σに相当する． また，深さ分解能（nm）を求める際，スパッタリング時間（min）から厚さ（nm）への変換には，GaAs/AlAs 多層膜を測定した時の平均スパッタリングレート（nm/min）を用いた．  4. 結果と考察 4.1. GaAs/AlAs多層膜の深さ方向分析 フラットホルダー，45°傾斜ホルダー，85°高傾斜ホルダーを用いてGaAs/AlAs多層膜を測定したオージェデプスプロファイルを Fig.5 (a)〜(d)に示す．Fig.6は Fig.5 (a)〜(d)の界面プロファイルから求めた深さ分解能を深さに対してプロットしたものである．Fig.5 (a)のフラットホルダーと Fig.5 (b)の 45°傾斜ホルダーのプロファイル形状を比較すると，前者の方が後者に比べて界面プロファイルの広がりが大きい．そして，Fig.6が示すように同じオージェピーク毎に深さ分解能を比較すると，いずれも 45°傾斜ホルダーで測定した深さ分解能の値が小さい．一方，Fig.5 (b)の 45°傾斜ホルダーと Fig.5 (c)の 85°高傾斜ホルダーの結果を比較すると，後者は強度軸のフルスケールが大きく P/B比に優れており，なめらかなデプスプロファイルが得られている．また，深さ分解能につい Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −178−   ては Fig.6 が示すようにいずれのオージェピークを用いた場合にも両者の深さ分解能には大きな違いは見られない．85°高傾斜ホルダーを用いて極低角度電子・イオン入射の条件で測定した場合，Fig.5 (d) が示すように Al-LVV, Al-KLL, Ga-LMM, As-LMM のいずれのデプスプロファイルも界面が著しく急峻な矩形を示し，P/B 比に優れたなめらかなデプスプロファイルである．そして，Fig.6が示すように，Al-LVV の深さ分解能は試料内部    Fig.5. AES sputter depth profiles of the GaAs/AlAs superlattice reference material obtained using the flat holder (a), 45° -inclined holder (b),and 85° -inclined holder (c) and (d). The incidence angles of ions, θion, and electrons, θelectron, are shown in each figure.    Fig.6. Dependence of the depth resolution obtained in the sputter depth profiling of the GaAs/AlAs superlattice reference material on the sputtered depth from the surface. Open and solid squares represent the depth resolutions obtained using the flat holder. Open and solid triangles represent the depth resolutions obtained using the 45°-inclined holder. Open and solid circles represent the depth resolutions obtained from the depth profiles shown in Fig.5(c). Open and solid diamonds represent the depth resolutions obtained from the depth profiles depicted in Fig.5(d). Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −179− 約 90 nm の深さまでの４つの界面全てにおいて1.7 nmであり，高い深さ分解能を保った状態での分析が可能である．  フラットホルダーと 45°傾斜ホルダーの測定では，測定条件のうちイオン入射角のみが異なっている．そして，フラットホルダーに比べて試料法線からのイオン入射角が大きい 45°傾斜ホルダーの深さ分解能が優れている．GaAs/AlAs 多層膜の深さ分解能を低下させる主な要因はイオンスパッタリングによるアトミックミキシングであり[9]～[12]，その影響を小さくするためには低いイオン加速電圧を試料表面から浅い角度で入射することが有効である[9],[12]．Fig.5 (a)と Fig.5 (b)の結果はこれらを反映したものと考えられる．  85°高傾斜ホルダーで得られたデプスプロファイルは P/B比に優れており，高感度で計測できることがわかった．関根らは 10 keV の電子線を Siおよび Cu に照射した際の後方散乱電子のエネルギー分布を計算し，高傾斜の条件ではエネルギーの小さい後方散乱電子の割合が減ることを示している[13]．これによりオージェ電子が検出されるエネルギー領域のバックグランドが下がり，感度が向上したことが考えられる．また，電子線の入射角度を高角度にすることにより，試料表面に対して５°以下の浅い角度で電子が入射し，これによりオージェ電子の発生領域が電子の IMFP以下に抑えられるため，バックグランド強度が大幅に減少したことも一因と考察される． Fig.5 (d)が示すように，85°高傾斜ホルダーを用いて電子およびイオンの両方を極低角度で入射することにより高感度かつ高深さ分解能での計測が可能であった．これについては，先に述べたように極低角度での電子線入射の効果に加えて，極低角度でのイオンスパッタリングは表面あれやアトミックミキシングの生成を極限的に抑えることができるためであろう．  4.2. Si/Geデルタドープ積層膜の深さ方向分析  85°高傾斜ホルダーを用いて Si/Ge デルタドープ積層膜を測定して得られた Ge-LMM デプスプロファイルを Fig.7に示す．Fig.7が示すように，非常に薄い Ge デルタドープ６層が強度の低下もピーク形状がブロードになることもなく深さ約240 nmにわたって明瞭に検出されている．このデプスプロファイルの深さ分解能を見積もるため，表面から第１層目のプロファイルの半値幅を読み取った結果，3.7 nmであった． この試料については 45°傾斜ホルダーを用いてイオン入射角 83°で測定した場合，Ge デルタドープ層を検出できるがその強度は Fig.7 に比べて約 1/10である[6]．Fig.7のデプスプロファイルはイオン入射角が 55°であるにも関わらず，Geデルタドープ層を高感度で検出できていることから，電子線を試料法線から大きい角度で入射することで P/B比が著しく改善されることの効果により明瞭なデプスプロファイルが得られたと考えられる． 一般には，オージェ深さ方向分析によりモノレイヤーのドープ層を検出することは困難と考えられている．しかしながら，極低角度入射ビームを用いることにより深さ分解能および感度が著しく改善され，その結果，Fig.7が示すようにオージェ深さ方向分析でもモノレイヤーのドープ層を測定できることが明らかになった．  5. まとめ 本解説では，傾斜ホルダーを用いた高感度，高深さ分解能オージェ深さ方向分析の原理を解説するとともに，本計測法により得られたGaAs/AlAs 多層膜および Si/Ge デルタドープ積層膜のデプスプロファイルを掲載し，実際に高感度，高深さ分解能で計測できることを示した． 本計測法は市販装置を利用したものであり，傾  Fig.7. AES depth profile of the Si/Ge multiple delta-layer specimen obtained using the 85° -high-angle inclined holder. The incident angles of electrons and ions are θelectron =85° andθion =55°, respectively. Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −180− 斜ホルダーを用意すればユーザーを問わず同様の計測が可能であると考えられる．なお，本計測においてはスパッタリングに用いるイオンビームのアライメントが非常に重要である．そこで，その調整方法を一般化するための活動が表面分析研究会デプスプロファイルワーキンググループ（DP-WG）で進められている[14]．イオンビームの調整方法は装置メーカー毎に異なる点があるため，お互いが現状の調整方法を把握しながら，調整手順の標準化に向けて活動に取り組んでいる．これ以外にも，スパッタリング中のアルゴンガス圧力を極力一定に保つことが重要であり，日ごろオージェ分析に携わっている方々は，現場で役立つ技術や情報の共有化という観点で，是非DP-WG活動へご参加いただきたい．  6. 参考文献 [1] 関根哲，ユーザーのための実用オージェ電子分光法，志水隆一・吉原一紘共編，第６章，p.122.共立出版（1989）． [2] K. Kajiwara and H. Kawai, Surf. Interface Anal., 15, 433 (1990). [3] M. Tanemura, S. Fujimoto and F. Okuyama, Surface Science, 230, 283 (1990). [4] S. Hofmann, J. Vac. Sci. Technol. A, 9, 1466 (1991). [5] 荻原俊弥，田沼繁夫，日本表面科学会第２９回表面科学学術講演会講演要旨集（1D10），54 (2009). [6] 荻原俊弥，永富隆清，金慶中，田沼繁夫，表面科学，32, 664 (2011). [7] W.H. Kirchhoff, G.P. Chambers and J. Fine, J. Vac. Sci. Technol. A, 4, 1666 (1986). [8] 日本表面科学会編, “オージェ電子分光法”, 5.3, 丸善 (2001). [9] T. Nagatomi, T. Bungo and Y. Takai, Surf. Interface Anal., 41, 581 (2009). [10] 荻原俊弥，田沼繁夫，高草木操, 分析化学, 39,277 (1990). [11] M. Inoue, R. Shimizu, H. I. Lee and H. J. Kang, Surf. Interface Anal., 37, 167 (2005). [12] T. Bungo, T. Nagatomi and Y. Takai, Surf. Interface Anal., 38, 1598 (2006). [13] T. Sekine, T. Sato, Y. Nagasawa and Y. Sakai,  Surf. Interface Anal., 13, 7 (1988). [14] 石津範子，DP-WG，J. Surf. Anal. 18, 85 (2011).   査読コメント 査読者 1. 井上雅彦（摂南大学） 本論文はイオンスパッタ援用オージェ深さ方向分析において，著者の発案による傾斜ホルダーを用いることで検出感度と深さ方向分解能の両者を同時に向上させることが可能であることを実験的に示したもので，実用表面分析の観点から非常に重要な内容を含んでおり，JSAに掲載する 価値があることを認めます．この手法で得られたプロファイルは S/N，分解能ともにすばらしく，長年この分野に携わってきた著者ならではの，まさに芸術的なデータが得られていると思います． 内容をより明瞭に伝えるために修正した方が良いと思われる点を下記に示しますのでご検討ください．  ［査読者 1-1］ 全体的に図面が小さめで，各図面内の文字が読みにくいです．特に Fig.1から Fig.3 の図面中において小さな白い文字が読みにくいです．フォントサイズをもう少し大きくするなどの工夫が必要と思います． ［著者］ 写真およびフォントのサイズを大きくしました．  ［査読者 1-2］ Fig.5 はカラーの図面からモノクロにしたものと思われますが，そのため各データの区別がむずかしくなっています．元のカラー印刷にもどすか，線種を変えるなどの工夫が必要と思います． ［著者］ 図および凡例表示を大きくして，データの区別ができるようにしました．  ［査読者 1-3］ スパッタリング時間から深さへの変換は平均のスパッタ速度を使用されているのではないかと思いますが，そのことを念のため明記しておいた方が良いと思います．将来，Fig.5の結果をより詳しく検討する際にその情報が必要になると思います． Journal of Surface Analysis Vol. 18 No. 3 (2012) pp. 174−181 荻原俊弥  半球型電子分光器を搭載したオージェ電子分光装置のジオメトリー特性に基づいた傾斜ホルダーを… −181− ［著者］ 深さ分解能を求める際，スパッタリング時間から厚さへの換算には平均のスパッタ速度を用いています．そのことを 3.3.項で記述しました．  ［査読者 1-4］ Fig.7 の モノレイヤー Ge のプロファイルもすばらしく，電子ビーム極低角度入射の有効性を端的に示しているデータだと思います．半値幅から深さ分解能を見積もることができると思いますが，如何でしょうか． ［著者］ ご指摘のとおりです．半値幅を読み取り 4.2.項に記述しました．   査読者 2. 柳内克昭（TDK） ［査読者 2-1］ 「傾斜ホルダーを反時計方向に回転させた位置」「イオン入射角は試料法線から」「電子線入射角は試料法線から」など繰り返し使われています． 先に「傾斜ホルダーを反時計方向に回転させた位置」を例えば「α」，「イオン入射角」を「θion」，「電子線入射角」を「θelectron」と初めの方で定義して，α = 10°，θion = 39°などとして説明した方が文章がスッキリすると思います． ［著者］ 電子線入射角（θelectron）およびイオン入射角（θion）を 2.項の初めで定義し，それ以降はθelectronとθionを用いて説明するようにしました．また，“入射角は試料法線からの角度である”ことを 2.項で記述しました． 「傾斜ホルダーを反時計方向に回転させた位置」については，この説明があった方が理解しやすいと考え，現状のままとしました．  ［査読者 2-2］ GaAs/AlAs多層膜，Si/Geデルタドープ積層膜は，文字だけでは理解しにくいのでそれぞれの積層構造を図示してください． ［著者］ Table 1 と Fig.4 を追加し，両方の試料について積層構造を示しました．  ［査読者 2-3］ 3.2.2項に「スパッタレートを考慮して」とありますが，およそのスパッタリングレートを示してください．測定に長い時間を要することが実感できると思います． ［著者］ スパッタリングレートを記述しました．  ［査読者 2-4］ 長時間測定するためには，イオン銃の安定性が重要だと思いますが，アライメント調整以外で注意点や安定に保つ方法があればお示しください．実用の面から書き残して頂きたいと思います． ［著者］ スパッタリング中のアルゴンガス圧力の安定性も重要であり，そのことを 5.項で記述しました．  ［査読者 2-5］ 3.3項で「3.32倍する」とあり，参考文献には載っているかと思いますが，なぜ 3.32倍するのか簡単に述べてください． ［著者］ 3.32倍する説明として，3.3.の項に“D0は界面の広がりを規定するスケーリングパラメーターであり，界面プロファイルが対称形である場合，係数を乗じることにより深さ分解能を求めることができる”を追記しました．  ［査読者 2-6］ 4.1項で「1.7 nmであり」と深さ分解能が示されていますが，Alの IMFPなどから脱出深さを計算し，イオンエッチングの影響がほとんどないことを強調された方がよいと思います． ［著者］ この実験ではイオン加速電圧 1.0kVで測定を行い，深さ分解能 1.7 nm (Al-LVV) が得られました．参考文献[9] で示されているように，1.0 kVよりも低いイオン加速電圧でスパッタリングすることにより，本計測法による深さ分解能はさらに向上することが予想されます．一方，試料法線から大きい角度（試料表面から極低角度）でのイオンスパッタリングは，スパッタリングレートが非常に遅いため，本計測法で 1.0 kV以下のデータを系統的に取得するには長期間を必要とします．これらのデータが取得できた際にご指摘の事項につきまして考察したいと思います．