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[木村 勇次](https://orcid.org/0000-0002-8907-0704)

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[低合金鋼の温間テンプフォーミング](https://mdr.nims.go.jp/datasets/1c6b2787-e0ae-463d-bbc9-c5ef572ce51e)

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（ 106 ）熱処理 65巻 2号 2025年 4月技術解説 ―協会賞にちなんだ技術解説・2023 年度学術功績賞（林賞）―低合金鋼の温間テンプフォーミング木村勇次＊Warm Tempforming of Low-Alloy SteelYuuji KIMURAKey words : Low-Alloy Steel, Thermo-Mechanical Treatment, Martensite, Toughness, Delayed Fracture, Bolt1．は じ め に低合金鋼（ここでは炭素（C）以外の合金元素の含有量が10％以下の鋼とする）は，安価で，強度，じん性などの機械的特性に優れる。鉄鋼材料ではマルテンサイト変態をはじめとして種々の固相変態が起こるので，合金成分，熱処理や加工の組み合わせにより多様な性能が導き出せる。物質・材料研究機構（NIMS）では，強度 2倍・寿命 2倍の超鉄鋼の実現を目指して，1997～2005年度まで超鉄鋼プロジェクトが進められた（1）。ここで，著者は，ライフワークとも言える 2000 MPa級超高強度ボルトの研究開発を開始した（2）。1996年に 1400 MPa級超高力ボルト（Super High Strength Bolt , SHTB）（3）が実用化されており，SHTBを超える超高強度ボルトの開発が期待された。なお遅れ破壊のために，SHTBが実用化されるまでの約 30年間，高力ボルトの高強度化は引張強さ，σBが 1000 MPaで頭打ちとなっていた。著者らは，まずプロトタイプ鋼としてリサイクル性に優れた単純組成の 0.6％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼（mass％）を開発し，ついで通常のボルト製造プロセスで超高強度ボルトの試作研究を行った（2）。耐遅れ破壊特性の向上に高温焼戻しとナノサイズの析出物による水素トラップを活用するという点でプロトタイプ鋼の合金設計指針は SHTB用鋼材（3）と同じであった。ただし，550℃以上の高温焼戻しで 1800 MPaのσBを維持するには0.6％までの Cの増量が必要であった。1）焼鈍による軟質化が困難となり JIS B1186で規格される高力六角ボルト（ねじの呼びM16）の頭部を冷間圧造で成形できない，2）通常の油焼入れではねじ谷底で焼割れが生じるという問題が生じた。さらに，これらの問題を解決して試作した 1700 MPa級超高力ボルトの締結体では NIMS構内の大気暴露試験で遅れ破壊が生じた（4）。ボルトのσBが 1700 MPaとなったのは，焼割れ防止のためにマルテンサイト変態温度直上の 300℃まで急冷して数分の保持後に空冷する段階焼入れ（オーステンパ）を採用したためである。したがって，低合金鋼で 2000 MPa級超高強度ボルトを実現するには，材料だけでなく，1）ボルト形状や 2）従来の製造プロセス自体も根本的に見直す必要があるという結論に達した（4）。このような背景のもと，温間テンプフォーミング（Warm Tempforming, TF）という加工熱処理の開発に至った（5）～（16）。温間 TFは，焼入れおよび焼戻し材（QT材）の温間加工・成形で強じんな高強度部品を創製することを目的とした加工熱処理で，軟質化処理を必要としない。しかも焼戻マルテンサイト組織の温間加工により結晶粒組織の超微細化だけでなく異方性も制御することで部材のじん性（5）～（13）（15）や耐遅れ破壊特性（12）～（14）（16）を飛躍的に向上できる。本稿では，焼戻マルテンサイト鋼の加工熱処理の変遷をまとめたうえで低合金鋼の温間 TFによる強じん化と最近の開発動向について，著者らの研究成果（5）～（16）を中心に解説する。2．焼戻マルテンサイト鋼の加工熱処理の変遷1960～1970年代前半は，超強力鋼（σBが 1300 MPa程度以上）の開発を目的として，オースフォーム（Ausform, AF）鋼，TRIP（Transformation Induced Plasticity）鋼などのマルテンサイト組織を対象とした加工熱処理（Thermo-Mechanical Treatment）が全盛期であった（17）。その当時の加工熱処理法の分類（18）（19）では，焼戻マルテンサイト組織の加工は相変態後の加工に分類される。1958年に西岡（20）は，C量が 0.05～0.25％の低炭素鋼を 350℃以上で焼戻ししてσBを 930～1030 MPaに調整した後に冷間伸線加工を施すとσBが 980～1960 MPaの強じんな鋼線が得られることを報告した。一方，低合金鋼を 200℃付近までの低温焼戻し後に加工し，再焼戻しすると強度が著しく上昇する（21）。この加工熱処理はストレインテンパリング（Strain Tempering）と呼称された。 関口ら（22）は，短時間の焼戻しに引き続く温間加工がヘディング加工などの鍛造に適用できることを見出し，これを＊ 国立研究開発法人物質・材料研究機構 （National Institute for Materials Science）住　所：〒305-0047　茨城県つくば市千現1-2-1（1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki, 305-0047）連絡方法：E-mail KIMURA.Yuuji@nims.go.jp（ 107 ） 熱処理 65巻 2号2025年 4月焼戻温間鍛造法（Warm Temper-Forging）と名付けた。JIS-S45C鋼の温間域での圧縮試験とヘディング加工試験から，400～600℃での焼戻温間鍛造が冷間鍛造よりも加工力の低減や塑性加工限界の向上に有利なことを示した。また，焼戻温間鍛造材ではσBが 1000～1300 MPaで QT材よりも高い延性が得られる。大森と山崎（23）は，改良 AF鋼の焼戻し過程での温間成形を目的として，JIS-SNC631と SCM435鋼について改良 AF材の機械的特性に及ぼす焼戻温間加工の影響を調査した。500～700℃の圧延温度で圧下率 50％までの温間加工では，圧下率が高いほど改良AF材の強度は上昇するが延性は低下する。時実ら（24）は，旧オーステナイト（γ）粒の微細化手法として，焼戻マルテンサイト組織の冷間または温間加工後にγ化処理する加工熱処理を開発した。このγ粒微細化法は，マルテンサイトとγ間で変態を数回繰り返す，Grangeの方法（25）よりも効果的に旧γ粒を微細化できる。0.4％C-3％Mn-1％Cr-1％Mo鋼の焼戻マルテンサイト組織に圧下率80％の冷間圧延を施した後に 820℃で 20 sのγ化処理を施すと旧γ粒径は 1μm程度まで超微細化する。最近では，σBが 2.6 GPaで 7％の伸びを示す 0.66％C-1.4％Cr-0.4％Si-0.4％Mn-0.07％V鋼の創製にこのγ粒微細化法が応用されている（26）。また，横田ら（27）は，0.3％C-9％Ni鋼に550℃で加工量が 70％（真ひずみ＝1.2）の 1パス大ひずみ温間加工（ひずみ速度＝10/s）を施すと加工発熱誘起逆変態によって平均粒径が 1μm未満の超微細γ粒組織が得られることを見出した。2000年代には，超鉄鋼（1）やスーパーメタルプロジェクト（28）をはじめとして，低炭素鋼を低温域で強ひずみ加工することでフェライト（α）粒径を 1μm以下に超微細化する研究開発が盛んに行われた。超微細α粒組織を得るための初期組織としてマルテンサイトの微細ヘテロ構造（Fig. 1）が着目され，マルテンサイト組織の冷間圧延・焼鈍（29），焼戻マルテンサイト組織の 2方向圧下温間多パス平ロール圧延（30），温間多パス溝ロール圧延後の焼鈍（31）などの加工熱処理法が開発された。著者らが開発した温間 TFは，超高強度ボルトの温間加工プロセス開発を目的として，時実らが開発したγ粒微細化法（24）を中炭素低合金鋼に適用した際に見出した。後述のように，0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼の焼入れ材を500℃で焼戻した後に多パスの溝ロール圧延で減面率 78％の温間加工を施して得られた棒材のシャルピー衝撃特性が1800 MPaの超高強度で飛躍的に向上した（5）。2009年には，温間 TF材の温間頭部圧造と温間ねじ転造により1800 MPa級超高強度ボルト（ねじの呼びM12）（12）の開発に成功した。なお 1960年代の加工熱処理法の分類（18）（19）で，テンプフォーミングという呼称の記載がすでにあるものの，それが具体的にどのような加工法であったのかは深堀できなかった。著者らは，焼戻マルテンサイト組織の温間加工による鋼材の強じん化からボルトなどの部品に温間成形するまでの加工熱処理を温間 TFと呼ぶこととした。Dolzhenkoら（32）は，平ロール圧延による温間 TFを開発している。最近では，0.15％C-1.4％Cr-0.45％Mo-0.42％Cu-1.3％Mn-0.17％Ti鋼に 600℃で相当ひずみが 1.5の平ロール圧延による温間TFを施して作製した鋼材（σB＝1020 MPa）の摩擦攪拌接合（Fiction Stir Welding, FSW）を行った（33）。1）攪拌部では加工発熱誘起の逆変態が起こり旧γ粒の平均粒径が1.3μmのマルテンサイト組織が形成される，2）接合体の引張試験では母材と攪拌部の間の熱影響部（軟化部）で接合体が破断するがσBは 970 MPaと母材の強度とほぼ同等であることが報告されている。3． 温間テンプフォームで形成される超微細繊維状結晶粒組織C量が 0.6％までのラスマルテンサイト組織は，Fig. 1に0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼の QT材の一例を示すように，旧γ粒→パケット→ブロック→ラスからなる階層的なヘテロ構造組織からなる。ラス境界は結晶方位差が数度以内の小角粒界であるのに対し，ブロックとパケット境界は大角粒界である。ブロックは強度（34）やじん性（34）（35）を支配する有効結晶粒と考えられており，C量が 0.2％以上の中炭素低合金鋼のブロック幅は数μm以下と微細である（36）。例えば，逆極点図方位マップ（Inverse Pole Figure, IPF map）中の結晶方位差が 15°以上の粒界はブロック境界を主に反映し，ブロックの平均切片長さは 0.6μmである。したがって，炭化物が微細に分散した中炭素低合金鋼の焼戻マルテンサイト組織は“超微細複相組織”と見なせる。Fig. 2は，Fig. 1の鋼材に 500℃で多パスの溝ロール圧延（減面率＝78％，相当ひずみ＝1.75）による温間 TF処理を施して得られた超微細繊維状結晶粒組織（Ultrafine Elongated Grain, UFEG structure）の一例である（5）（7）。伸長α粒の短軸の平均切片長さは 0.3μmであり，α（37），パーライト（38）などの冷間伸線材でも観察される強い＜110＞繊維集合組織（温間 TF材では＜110＞ //圧延方向（Rolling Direction, RD））が発達している。QT材よりも炭化物粒子は成長，球状化し，多くの粒界炭化物の長軸が RDに配向している。炭化物の粒子径分布はバイモーダルとなっており，粒内よりも粒界で炭化物の粒子径が大きい。これらの炭化物粒子は，粒界や転位をピン止めして温間 TF中の基地結晶粒の成長を抑制するとともに転位の蓄積を促進するFig. 1 IPF map for 0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo steel that was quenched and tempered at 500℃ for 1 h（a）and schematic illustration of tempered martensite（b）. High angle grain boundaries（HAGBs）with a misorientation angle of 15° or over are indicated by black lines in（a）.（ 108 ）熱処理 65巻 2号 2025年 4月ことでUFEG組織の形成に重要な役割を果たしている（7）（8）。温間 TFでは，炭化物粒子が微細に分散した焼戻マルテンサイト組織の旧γ粒，パケットならびブロックが RDに伸展される過程を通して UFEG組織が形成される。ブロックやパケットの変形挙動は，RDに対するこれらの結晶方位や形態で異なる（Fig. 1）。さらにブロックの形態や結晶方位はパケットごとでも異なることから，UFEG組織の形態や結晶方位も伸長したパケットごとに異なる（7）（9）（10）（13）。したがって，温間 TF材の組織制御には，加工方法，加工温度（6），加工度（7）（10）などの加工条件と初期組織の焼戻マルテンサイト組織のヘテロ構造制御が重要な鍵となる。UFEG組織は主にブロックの RDへの伸展を通して形成され，相当ひずみが大きくかつブロックが微細なほど短軸粒径が小さい UFEG組織が形成される（7）～（10）（13）。また，＜110＞ //RD繊維集合組織の発達の度合いは相当ひずみに比例する（7）（10）。これと同様の傾向は，低炭素鋼の温間圧延でも確認されている（39）。一方，加工温度が高いほど材料の変形抵抗が下がるので温間 TFには有利であるが，短軸粒径，炭化物粒子径は大きくなるとともに転位密度は低下する（6）。その結果，温間 TF材の強度は低下する。なお温間TFでは，降伏強さ，σyの上昇がとくに大きい（7）（10）（13）。4．じ　ん　性Fig. 3は，種々の鋼の室温でのσyとVノッチシャルピー衝撃吸収エネルギー，vEの関係を示す（5）（7）（8）（10）（15）（30）（40）～（49）。550℃以上で高温焼戻しされた構造用低合金鋼は，σyが1000 MPa付近まで優れた強度・じん性バランスを有する（40）。ところがσyが 1400 MPa以上の超高強度低合金鋼では vEが 40 J以下にまで低下する（41）。旧γ粒の微細化は，パケットやブロックを微細化でき（9）（36），焼戻マルテンサイト鋼の強じん化に有効である。例えば，旧γ粒径を 2.5μmまで微細化したHY130鋼（0.1％C-5％Ni-0.6％Cr-0.5％Mo-0.06％V-0.7％Mn鋼）は 1390 MPaのσyで 85 JのvEを示し，延性ぜい性遷移温度（Ducti le-to-Britt le Transition Temperature, DBTT）も低下する（44）。さらに，マルエージング鋼を含む高合金鋼（45）～（49）は，ナノサイズの析出物による粒子分散強化と，1）P，Sなどの不純物元素や介在物の低減，2）C量の低減，3）じん性を高める Niなどの合金元素添加により低合金鋼よりも優れた強度・じん性バランスを示す。しかしながら，マルエージング鋼でもσyが 1800 MPa以上では vEが 40 J程度にまで低下する（49）。以上のことは，等方性の材料で材料固有の破壊に対する抵抗を高める方策のみで超高強度低合金鋼のじん性を大幅に向上させることの難しさを示す。一方，低合金鋼の温間 TF材は，σyが 1700～2000 MPaの超高強度でも高合金鋼よりも高い vEを示す（5）（7）（8）（10）（15）。これは，Fig. 4に示すような衝撃方向（Striking Direction, SD）とはほぼ直角にき裂が伝播する Crack-arrester型の層状破壊の発生による。Fig. 5で示すように，サブゼロ温度域での層状破壊の度合いに応じて vEが室温よりもさらに増大する，じん性の逆温度依存性が発現する（5）（7）（8）（10）（15）。Fig. 2 IPF maps for rolling direction（RD）（a）and striking direction（SD）（b）of impact specimen, TEM bright field images（c, d）and pole figures（e, d）showing ultrafine elongated grain（UFEG）structure for 0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo steel that was tempformed by multi-pass caliber rolling at 500℃ with a rolling reduction of 78％（5）（7）. HAGBs are indicated by black lines in（a, b）.Fig. 3 V-notch Charpy absorbed energies, vE, as a function of yield strength, σy for warm tempfromed（TF）steels with UFEG structure（5）（7）（8）（10）（15）and various steels（30）（40）～（49）.（ 109 ） 熱処理 65巻 2号2025年 4月Crack-arrester型の層状破壊では，主き裂の方向と垂直な面（//RD）にき裂が伝播して主き裂先端がほぼ完全に鈍化されることで，主き裂先端の応力状態が 3軸から 1軸引張状態へと緩和される（50）（51）。つまり，実効的には単純な曲げ変形となり vEが著しく上昇する。1962年にMcEvilyとBush（43）は，0.2％C-3％Ni-3％Mo鋼の AF材で Crack-arrester型の層状破壊が生じ，vEが 300 J程度にまで上昇することを報告した。この場合，層状破壊は伸長した旧γの粒界に沿って発生する。しかしながら，vE上昇のピークは 200℃付近で，室温では vEは 33 Jに低下する。Fig. 6は，＜110＞ //RD繊維集合組織を有する UFEG組織について，ノッチ近傍で発生する引張応力，σtとぜい性破壊応力，σcの関係を Vノッチ衝撃試験温度の関数として模式的に示す。この図は，Yoffee diagramとして知られる（34）。ぜい性破壊はσtがσcを上回ったときに起こる。σtはσyに比例し，σyの 2～3倍である。等方性材料では，結晶粒微細化によりσyとσcが同時に上昇するが，その上昇の度合いはσcの方で大きい。その結果，DBTTが低下する。一方，UFEG組織では，Fig. 2（f）の極点図から，bcc鉄の（100）へき開面が，RDに平行な面および RDと SDに対して 45°方向の面に集積する。伸長粒では，（100）へき開面の大きさ，すなわち有効結晶粒径は 45°方向よりも長軸に平行な RDで大きい。これにより，高温側ではノッチ底近傍で発生するσt//SDがσc//SDを上回ることで RDに沿った層状破壊が生じ，vEが上昇する。低温では，σt//45°＞σc//45°となり 45°方向のぜい性き裂の進展が顕著となり層状破壊が起こりにくくなる。その結果，vEが低下する。以上のように考えると，＜110＞ //RD繊維集合組織を有する UFEG組織で短軸粒径を小さくすることはσyとσcを同時に上昇でき，温間 TF材の強じん化に有効である。なお，前述のように UFEG組織の形態や結晶方位は伸長したパケットごとで異なることから，ぜい性き裂は伸長したパケット境界で分岐する（9）。すなわち，き裂伝播の観点からは伸長したパケットの短軸径が層状破壊を制御するための有効結晶粒径と見なすことができ，γ粒径を小さくしてパケットの短軸径を小さくするほどより低温域で層状破壊を発生できる（9）（13）。0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼について，旧γ粒の平均切片長さを 600μmから 90μmへと小さくして伸長パケットの短軸の平均切片長さを 100μmから 13μmへと小さくした場合では，低温側で層状破壊が起こる温度が20℃から－40℃へと低下する（9）。また最近では，旧γ粒の平均切片長さが 90μmの温間 TF材をさらに 570℃で 1 h焼鈍すると，低温側で層状破壊が起こる温度は Fig. 5で示すように－100℃へと低下することもわかってきた（15）。炭化物粒子については，炭化物による粒子分散強化はσyの上昇に有効であるものの，炭化物分散量の増加は温間 TF材のじん性を低下させる（8）。よって，炭化物粒子の粒子径を小さくして分散量をできるだけ少なくするのが有効である。JIS-SCM440鋼の 500℃温間 TF材ではσyが低く層状Fig. 4 Fracture appearances of V-notch Charpy impact specimens for 0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo steel that was tempformed by multi-pass caliber rolling at 500℃ with a rolling reduction of 78％（8）. β indicates crack branching angle between the crack path and the longitudinal direction of impact bar（//RD）. Fig. 6 Modified Yoffee diagram showing the relationship between tensile stress, σt and cleavage fracture stress, σc near the notch root for UFEG structure with a strong ＜110＞//RD fiber texture. Fig. 5 vE as a function testing temperature for TF steel（15）and high-purity maraging steel（47）. 0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo steel was tempformed by multi-pass caliber rolling at 500℃ with a rolling reduction of 78％ and annealed at 570℃ for 1 h.“＋”indicates the specimen that did not separate into two pieces.（ 110 ）熱処理 65巻 2号 2025年 4月破壊が起こりにくいが，粒界脆化元素の Pを 0.09％添加して UFEG組織の粒界に偏析させる（16）と低温域で層状破壊の発生を促進できる（11）。これは，UFEG組織の粒界組織制御とスクラップ鉄中の不純物元素である Pを高強度鋼の強じん化に有効に活用するという観点で注目される。層状破壊は，温間圧延鋼板（30）（39），積層鋼板（50）（51），AF鋼（43）（52）などで金属組織の異方性に起因して発生する。層状破壊をじん性向上に活用した近年の事例では，5％Mn- 3％Al低炭素鋼の（α＋γ）2相域圧延を通して創製した DP（Dual Phase）鋼では，伸長したαとマルテンサイト（α’）の界面で Crack-arrester型の層状破壊が生じ，1000～1200 MPaのσBで vEが 400～450 Jに増大する（53）。10％Mn-0.1％C鋼では，γ相の未再結晶域圧延で伸長したγ粒の粒界に沿って層状破壊が発生して低温じん性が向上する（54）。（γ＋α’）層状組織を有する 10％Mn-0.4％C-1.9％Al-0.7％V鋼では，TRIP効果と層状破壊の組み合わせにより 2000 MPaのσyでマルエージング鋼の約 2倍に相当する破壊靭性値（Kc≒100 MPa m1/2）が得られている（55）。この場合，伸長したγ粒の粒界にMnを偏析させて層状破壊を誘発している。最近，研究開発が盛んに行われている積層造形では，様々な層状組織を創製することが可能（56）であり，層状破壊をじん性の向上に活用した材料の開発が今後期待される。5．耐遅れ破壊特性ボルトの遅れ破壊は製造工程や使用環境で発生した水素が首下アール部やねじ谷底の応力集中部へ拡散集積することで発生すると考えられている。その発生は，材料が遅れ破壊を引き起こさない上限の拡散性水素量（限界拡散性水素量）と環境から材料中に侵入する侵入水素量との関係でしばしば議論される（57）。応力集中部での局所的な水素濃度分布を考慮すると，応力集中部での局所限界拡散性水素濃度，HC*を局所侵入水素濃度，HE*が上回ったときに遅れ破壊が発生すると判定できる（58）。Fig. 7は，σBが 1600～1850 MPaの超高強度鋼のHC*/HE*と負荷応力，σaの関係を示す（12）（14）（59）。なお HC*は，応力集中係数が 4.9の環状切欠き試験片を用いた低歪速度引張試験（Slow Strain Rate Testing, SSRT），HE*は沖縄本島の大気腐食環境を模擬した浸漬試験または複合サイクル腐食試験から求めた。0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼の500℃焼戻し材（QT）では，0.7～1.0σBのσaで HC*/HE*は 1未満であり，大気腐食環境で遅れ破壊の発生が懸念される（12）。SSRT試験片の起点部には旧γ粒界に沿った粒界割れが観察された。冒頭でも述べた超高強度ボルト用プロトタイプ鋼の 0.6％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼では 570℃での高温焼戻しとMoが濃化した析出物に関連した水素トラップサイトの活用により 0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼のQT材よりも耐遅れ破壊特性が向上する（59）。その起点部の破面形態は擬へき開破壊となるものの，HC*/HE*は 1未満である。一方，0.4％C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼の温間 TFでは，σaが 1660 MPa（≒ 0.9σB）以下でHC*/HE*が 1を上回り，σBが 1800 MPaの超高強度で QT材よりも耐遅れ破壊特性が大幅に向上する（12）。実際に 0.4％C-2％Si- 1％Cr-1％Mo鋼を用いて作製した TFボルト（σ0.2＝ 1700 MPa，σB＝1800 MPa）と QTボルト（σ0.2＝1500 MPa，σB＝1700 MPa）の締付体の大気暴露試験では，QTボルトは 1050 MPaのσaで遅れ破壊したのに対して，TFボルトは，QTボルトの約 1.4倍の 1460 MPaのσaでも遅れ破壊しなかった（12）。また 0.4％C-2％Cr-2％Ni-1％Mo鋼について，850℃でγ化した後に減面率 78％の溝ロール圧延による温間 TFとAFをそれぞれ 500℃と 600℃で施した後に 570℃で焼戻した材料のデータを示す（14）。なお TFと AF材では，570℃で焼戻すことで，プロトタイプ鋼と同様に Fig. 8で示すようなMoが濃化したナノ析出物が水素トラップサイトとして基地中に分散する（14）。AF材のσBは 1600 MPaでプロトタイプ鋼のσBより低いものの，σaが 1500 MPa付近まで HC*/HE*が 1を上回る。さらに TF材では，σaがσBと同程度の 1660 MPaでも HC*/HE*は 1.9であり，0.4％C-2Fig. 7 HC*/HE* as a function of applied stress, σa for ultra-high-strength steels（12）（14）（59）. HC* is the critical diffusible hydrogen concentration for hydrogen embrittlement, and HE* is the maximum concentration of diffusible hydrogen that accumulates locally in the stress concentration region near the notch root from an atmospheric corrosive environment.Fig. 8 High-resolution image（a）and EDS map of Mo（b）showing a Mo-rich precipitate（14）. 0.4％C-2％Cr-2％Ni-1％Mo steel was tempformed by multi-pass caliber rolling at 500℃ with a rolling reduction of 78％ and annealed at 570℃ for 1 h. （ 111 ） 熱処理 65巻 2号2025年 4月％Si-1％Cr-1％Mo鋼の TF材よりもさらに優れた耐遅れ破壊特性が得られる。QT材と比べて AFと TF材で耐遅れ破壊特性が大幅に向上する要因としては，1）加工によって旧γ粒が RDに沿って伸長することで短軸方向（⊥RD）の旧γ粒界に沿った粒界割れが抑制されること，2）組織の異方性に起因した層状破壊の発生によって材料の破断につながる主き裂の進展が抑制されることが挙げられる（14）。さらに AF材よりも TF材で耐遅れ破壊特性が優れる要因として，同じ初期γ粒径かつ減面率で AF材と TF材を比較した場合，TF材の方で短軸粒径が小さく，かつ＜110＞//RD繊維集合組織の強い超微細結晶粒組織が形成しており，伸長粒の短軸方向にき裂が進展しにくいことが挙げられる（14）。TFボルト（ねじの呼びM12）の断面組織と硬さ分布をFig. 9に示す（12）（13）。JIS六角ボルトではねじ部有効断面積よりも軸部断面積が大きいことに着目して，成形が困難な頭部は温間 TF材の端を 700～730℃に高周波加熱して圧造した後に，ねじ部を 500℃で温間転造して TFボルトを作製している。首下アール部付近から頭部にかけて軟化部が形成されるが，鍛流線は連続しており，ボルト製品としては 1800 MPaのσBを実現している。ねじ部では UFEG組織が維持されるされるだけでなく，ねじ谷底の UFEG組織はさらに微細化する。また，軟化部の首下アール部でも超微細結晶粒組織が維持されることで遅れ破壊は起こりにくい。このように，温間 TFでは，部品の形状・寸法や要求性能に応じて TF材の鍛造温度を部品の部位で変えることでその適材適所に超微細結晶粒組織を配置できる点も大きな利点である。6．お わ り に温間 TFは，1800 MPa級超高強度ボルトの創製に有効な加工熱処理法の一つであることを紹介した。しかしながら，量産性，大型化，そしてコストまでを考えると超高強度ボルト実用化までの道のりは遠い。また温間 TF鋼では遅れ破壊をはじめとした力学特性発現の機構やデメリットについても未解明の部分が多く残されている。加工・熱処理分野の発展に少しでも貢献できるように，今後も夢をもって粘り強く挑戦を続けたい。ここで紹介した研究は，共研究者をはじめ多くの方々の協力と支援によりなされたものである。この場を借りてお礼を申し上げる。 （2025年 2月 14日受理）参　考　文　献（1） 片田康行：まてりあ 45（2006）425-428.（2） 木村勇次, 秋山英二, 津﨑兼彰：鋼構造論文集 14（2007）121-127.（3） 宇野暢芳, 久保田　学, 永田匡宏, 樽井敏三, 蟹澤秀雄, 山﨑真吾, 東清三郎, 宮川敏夫: 新日鉄技報 387（2007）85-93.（4） 木村勇次：工業材料 57（2009）34-35.（5） Y. 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Tsuzaki: ISIJ Int. 65Fig. 9 Hardness change as a function of distance from bolt head（a）, and optical micrographs（a, b, d）and IPF maps for RD（c, e）showing microstructure of a 1800 MPa-class bolt that was fabricated through warm tempforming of 0.4％C-2％Si-1％Cr-1％ Mo steel（12）（13）. HAGBs are indicated by black lines in（c, e）.（ 112 ）熱処理 65巻 2号 2025年 4月（2025）20-25.（17） 牧　正志, 古原　忠, 辻　伸泰, 森戸茂一, 宮本吾郎, 柴田曉伸：鉄と鋼 100（2014）1062-1075. （18） 田村今男：日本金属学会会報 2（1963）426-440.（19） S. V. Radclifee and E. B. Kula: Fundamentals of Deformation Processing,（eds by W. A. Backofen, J. J. Burke, L. F. Coffin, Jr., N. L. Reed and V. Weiss, Syracuse University Press, New York, USA, 1964）pp.321-363.（20） 西岡多三郎：鉄と鋼 44（1958）151-157.（21） D. Kalish and M. Cohen: Mater. Sci. Eng. 6（1970）156-166.（22） 関口秀夫, 小畠耕二, 小坂田宏造, 久保勝司：塑性と加工 24（1983）873-879.（23） 大森宮次郎, 山崎　明：茨城大学工学部研究集報 31（1983）171-178.（24） M. Tokizane, K. Ameyama and K. Takao: Scr. Metall. 22（1988）697-701.（25） R. A. Grange: ASM Trans. Quart 59（1966）26-48.（26） Y. 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Mater. 11（2010）025005.（ 113 ） 熱処理 65巻 2号2025年 4月木　村　勇　次　プロフィール1968年 5月 10日に広島県に生まれ，1991年 3月に九州大学工学部鉄鋼冶金学科を卒業，1993年 3月に同大学院工学研究科鉄鋼冶金学専攻修士課程を修了し，同年 4月より九州大学工学部助手に採用され，1998年 12月に「メカニカルミリングによる超強加工法を利用した鉄の結晶粒超微細化に関する研究」で九州大学より博士（工学）の学位を取得した。1999年 4月に旧金属材料技術研究所，現在の物質・材料研究機構に研究員として転じ，2001年 4月に主任研究員，2009年 4月に主幹研究員，2016年 4月に主席研究員に昇任し，現在に至っている。一貫して加工熱処理による鉄鋼材料の強じん化に関する研究開発に取り組み，平均結晶粒径が 1μm以下の結晶粒超微細化を組織制御の基軸として，開発材の部品化までを見据えた加工熱処理技術の開発研究を行ってきた。その主な成果として，九州大学在籍中は，熱力学的に安定な酸化物が鉄粉末のボールミリングによる超強加工ではナノフェライト粒組織の形成とともに分解・非晶質化してその後の熱処理ではナノメータスケールで再析出するという現象を解明し，この現象を応用した超微細結晶粒鋼の創製技術を開発した。平均フェライト粒径が 0.2μmの超微細結晶粒鋼のバルク体を創製して超微細結晶粒鋼の力学特性を示した。物質・材料研究機構では，中炭素低合金鋼のマルテンサイト組織が超微細なヘテロ構造であることに着目し，焼戻マルテンサイト鋼の温間加工（温間テンプフォーミング）を応用した超高強度鋼の創製技術を開発した。温間テンプフォーミング材では超微細繊維状結晶粒組織が形成され，従来の超高強度鋼が延性ぜい性遷移を示すサブゼロ温度域でシャルピー衝撃吸収エネルギーが著しく増大するという“じん性の逆温度依存性”を見出した。さらにボルトメーカーとの共同で，超微細繊維状結晶粒組織を有する温間テンプフォーミング材の温間鍛造成形技術を開発して 1800 MPa級超高強度ボルトを実現した。ボルト部位の適材適所に超微細結晶粒組織を配置するという部品の組織設計思想を提案し , 大気腐食環境下での超高強度ボルトの耐遅れ破壊性能を大幅に向上させることに成功した。本協会では，学術研究委員会委員（2013～2014年度），学術研究委員会副委員長（2015～2022年度），理事（2017～2022年度）を務め，2023年度からは学術研究委員会委員として活動している。