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[mi_rice.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/98926b60-42a1-4e56-83f6-4469656bb3b1/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[一合めし小鍋炊きの熱工学](https://mdr.nims.go.jp/datasets/66c50323-d5d6-4dac-ac54-19a3c8487253)

## Fulltext

Thermal engineering for cooking a bowl of steaming rice◎連載一合めし小鍋炊きの熱工学轟　眞市 物質・材料研究機構光材料センター∗Shin-ichi TODOROKI食べたい量だけそのつど炊きたてご飯を作る。不況の中、ひとりで食事をする機会が多くなった現代日本人にとって、役に立つ技術だと思う。ご飯が美味しければ元気が出る。一合炊き機能を有する調理器具を買ってくる手もあるが、手元の普通の小鍋を使ってでも、火に掛けてから 25分弱でふっくらご飯が出来上がることを、知っておいて損は無い。この手のノウハウなら、検索を掛けてみれば沢山のページが引っかかる。しかし、それらのレシピの表現は、材料科学を学んだ人間から見ると、少々モノ足りなさを感じてしまう。確かに、書かれている通りの時間で火加減を変えていけば、ご飯は炊けると思う。しかしそこには、米がご飯に変化するプロセスのイメージが抜け落ちているのだ。鍋の中で何が起きているのか？それが想像できれば、炊く量や調理器具が異なっていても、望ましい方向に条件を微調整できる。筆者の僅かな経験の範囲で知り得た、少々理屈っぽいレシピを書き留めてみよう。火力の切り替え時をどう知るか？1. 米はあらかじめ 1.1倍量の水に少なくとも 30分浸しておく。これを省略すると、炊き上がった米に芯が残る。2. 小鍋を強火に掛ける。鍋の底から炎がはみ出さない程度にすれば、エネルギーを無駄に消費しない。その後、火力を切り替える場面は 2回ある。(a) まず湯が沸いて吹きこぼれた時、弱めの中火に落とす。弱すぎると沸騰を維持できないし、強すぎると米に火を通す時間が不足∗〒 305-0044茨城県つくば市並木 1-1fax 029-854-9060火力余剰水量(%)温度(℃)1000強中弱 保温(I) (II) (III)火力余剰水量(%)温度(℃)1000強中弱(I) (II) (III)一合三合(a) (b)図 1: 炊飯時の火力の調整手順例と、それから予想される温度変化と水量変化。する。その後しばらくは、鍋と蓋の隙間から泡が吹き出る。(b) 発泡が収まってほどなく、鍋の底の方からピリピリと音がする様になる。 湯の蒸発が進み、僅かに底に残った湯が沸騰して破裂する時に出す音なのであろう。残り湯を完全に蒸発させるため、5秒ほど強火であぶってから火を落とす。火を止める機を逸すると、飯が焦げるが、それは匂いで分かるはずだ。3. 15分ほど小鍋を保温してご飯を蒸らす。この間に鍋を冷ましてしまうと、ご飯に芯が残る。この工程を、図 1の上半分にまとめた。最後の保温をするために、筆者は、小鍋 (14cmのミルクパン)78 Materials Integration Vol.23 No.07 (2010)http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html◎連載がすっぽりと入るステンレス容器 (アイスペール)を利用している [1]。小鍋の周囲を空気層で覆って保温するのである。多合炊きとの違いは何か？昔から伝わる飯炊きのコツ、「はじめチョロチョロ、中パッパ」とは、手順 (a)に至るまでに火加減を、最初は弱火で次第に強火に、という意味である。これは、核家族化が進行する以前の、一度に 5合、あるいはそれ以上炊く時代のノウハウである。炊く量が多いのに最初から強火にすると、鍋の底は焦げ、上は半煮えになってしまう。鍋の上下で極端な温度差を生じさせないためには、米の熱伝導速度に合わせてゆっくり熱を供給しなければならない1。図 1の下半分は、手元の料理本に書かれていた 3合のご飯を鍋で炊くレシピを図示したものである。「中パッパ」に反して、火力をずっと弱い中火に保っているのは、上下の温度差をできるだけ生じさせないことを意図しているのであろう。しかし、炊き上がりまでの時間はゆうに 40 分を越えてしまう。一方、一合程度を炊くのであれば火の回りは早いので、最初から強火にできる分、時間が短くて済む。さて、熱し易いということは、冷め易いことを意味する。よって、一合炊きでご飯を蒸らすときには、なにか保温する手段を講ずる必要がある。昔、かまどで煮炊きしていた頃ならば、火を落としても炭火が残るので、特に何もしなくても保温できたのだ。お釜に分厚い木の蓋を使っていたのは、上方への放熱を防ぐ意味があったのであろう。鍋の材質を金属から陶器に代えれば保温性は高まるけれども、前半の加熱時に鍋内の温度差を大きくしない工夫が必要となる。最適化への道ここに示した手順は、誰がやってもそこそこの結果が出せる最大公約数的な例に過ぎない。使う鍋の大きさや形、加熱手段 (ガス、電気)は人により異なるし、米の種類 (無洗米か否か)や食感の好みも様々1多量の米を炊く時には、煮立った湯に米を入れる「湯炊き」という方法があるそうだ。上下の温度差を小さくする工夫のひとつであろう。であるから、それに応じた細かな条件の調整は必要であろう。また、米を水に浸しておく時間は、後工程を工夫すれば短縮できる可能性があると思う。実際、前回の連載で紹介した「はかせ鍋」を使えば、水を浸すプロセスを省略しても、おいしいご飯が炊けるという [2]。その理由を推察するに、オプション部品である金網を鍋内部に装着することで、米の温度をできる限り高く保っているから [3]だと思う。一合だけ小鍋で炊く場合に、どのようにして鍋内部を高温に保つか？常識や習慣にとらわれず、起こっている現象を正しく把握すれば、打つ手が見えてくるのは、研究開発も一緒である。工夫する楽しみを見出し、ついでにうまいご飯で元気になる人が増えることになれば幸いである。［参考文献］[1] 轟眞市：“博士が愛した鍋”,マテリアルインテグレーション, 23, 6, pp. 91–92 (2010).[2] 澤口春江：“はかせなべで作る美味しいレシピばるえさんのキッチンより”,文芸社 (2009).[3] 小林寛,小林正恵：“元気がよみがえる適温クッキング”,窓社 (1998).マテリアルインテグレーション Vol.23 No.07 (2010) 79http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html