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[提出版MDR.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/96e87223-5a2e-488c-ae59-7fd970031ffd/download)

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桜井　裕也, [高野　義彦](https://orcid.org/0000-0002-1541-6928)

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[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[La3Ni2O7およびLa4Ni3O10の結晶構造、合成、巨視的物性](https://mdr.nims.go.jp/datasets/a264c987-710a-4e37-b064-47f337b4a950)

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提出版MDRLa3Ni2O7 及び La4Ni3O10 の結晶構造、合成、巨視的物性  桜井裕也、⾼野義彦 物質・材料研究機構  １．はじめに 2023 年 5 ⽉にオンラインアーカイブ上にて La3Ni2O7 が超伝導を⽰すと報告された 1)。約14 GPa 以上の⾼圧下で約 Tc = 80 K もの⾼い超伝導転移温度である。この物質は銅酸化物⾼温超伝導体の⺟相 La2CuO4 でお馴染みのいわゆる Ruddlesden̶Popper 相（RP 相）の酸化物であり NiO6 ⼋⾯体が頂点共有で繋がり２層重なった NiO2 ⾯をもつ。これらの特徴により⾼い関⼼を集めている。実際、La3Ni2O7 の超伝導発⾒のすぐ後に、RP 相で NiO2 ⾯が３層重なった La4Ni3O10 もまた超伝導を⽰す 2)ことが明らかになるなど、世界各地でこれらNi 酸化物に関して精⼒的な研究が⾏われている。La3Ni2O7 は理論計算により具体的に予想して⾒つかった超伝導物質であるという点でも特異である。そのあたりの事情は⿊⽊⽒らによる別稿に詳しい。著者は⿊⽊⽒らが 20 年以上前に⾮連結フェルミ⾯による⾼温超伝導の可能性があるとして、⽇本物理学会等で２重正⽅格⼦を精⼒的に取り上げていたことを覚えている。その際にこの Ni 酸化物を研究しておけばと思わないこともないが、当時は 10 GPa 以上の物性測定はおいそれと出来るものではなかった。実験技術の進歩とともに現れるべきときに現れた超伝導なのだろう。  いくつかの Ni 酸化物を代表例に Ni 酸化物の⼀般的な特徴を⽰そう。最も有名な Ni 酸化物は NiO である。モット絶縁体の説明には必ずと⾔って良いほど現れる。ここで Ni は+２価である。+2価の Ni 酸化物は Ni イオン内のクーロン相互作⽤が⾮常に⼤きく通常は銅酸化物同様に電荷移動型の絶縁体である。3d電⼦数は 8個であり、酸素には平⾯４配位、ピラミッド配位、⼋⾯体配位のいずれかの形で配位されることがほとんどである。平⾯４配位では低スピン配置で⾮磁性になるが、その他の配位ではスピンが 1 となる。そのためY2BaNiO6などハルデン状態を実現する物質の研究が多くある 3)。⼀⽅、⾼圧下で合成した酸化物では+3価となることも⼀般的である。ペロフスカイト型構造をもつ RNiO3（R：希⼟類等）の⼀連の研究は⼤変よく知られている 4)。R イオンのイオン半径が⼩さくなるにしたがって、Ni̶O̶Ni の⾓度が⼩さくなる。それによりバンド幅が狭くなって⾦属から絶縁体に変化する。⼀部の R においては温度による⾦属̶絶縁体転移が⾒られ、絶縁体相ではその転移とは独⽴に反強磁性秩序が⽣じるため⾦属̶絶縁体転移温度直下ですでに⼤きな副格⼦磁化をもつ反強磁性状態が現れる。また、K2NiF4型構造をもつ La2NiO4 では電荷とスピンのストライプ構造が現れ、銅酸化物における電荷ストライプとの関係性から強い関⼼を集めた5)ことも印象的である。後述するようにこれら RNiO3、La2NiO4 は、本稿でとりあげるLa3Ni2O7、La4Ni3O10 と同じく RP 相の酸化物である。  このように Ni 酸化物は多彩な物性により強相関電⼦物性の研究に多⼤な貢献をしているわけだが、最近その多様性に超伝導が加わった。2019年に薄膜の Nd0.8Sr0.2NiO2 が約 15 K で超伝導を⽰すと報告された 6)。続いて(Pr, Sr)NiO2薄膜などいくつかの超伝導薄膜が⾒つかった。これらの物質はペロフスカイト型構造の RNiO3 から酸素を規則的に抜いたものでNiO2 ⾯をもっている。過去に本誌からも解説記事が出ているのでそちらを参照されたい 7, 8)。この薄膜の Ni の価数は＋１価から+２価の間にあり+2価から電⼦をドープした状態になっている。⼀⽅、今回解説する La3Ni2O7, La4Ni3O10 では形式的には+2価からホールをドープした状態になっていることが特徴である。  ２．結晶構造 ２．１ Ruddlesden̶Popper 相 La3Ni2O7, La4Ni3O10 の結晶構造を LaNiO3 の構造とともに図１に⽰す。RP 相の結晶構造やその特徴はよく知られているが、ここでは余談を混えながら少し詳しく説明したい。RP 相は⼀般式 An+1MnX3n+1 で表される物質である。Xには酸素の他に Cl などが⼊る。Mイオンの価数の都合により、X が酸素の場合は A にはアルカリ⼟類⾦属元素が⼊ることが最も⼀般的で、Xがハロゲン元素の場合はアルカリ⾦属元素が⼊ることが多い。どのようなMイオンが知られているかについてはあとで⽰す。  RP 相の結晶構造は AMX3 のペロフスカイト型構造と AXの岩塩型構造の積層構造とみなせる。⼀般式中の n は AX 層に挟まれる AMX3 層の数に対応しており、それを強調する形で化学式は AX(AMX3)n とも書ける。n = 1 でいわゆる K2NiF4型構造、n = ∞でペロフスカイト型構造となる。  ペロフスカイト構造は AX3 が最密充填に並んだ層が⽴⽅最密充填の並びで積層して出来る間隙のうち、⼋⾯体間隙で Aイオンに接しない間隙をMイオンが占有した構造である。そのため⾼密度な構造である。⼀⽅、岩塩型構造は A イオン、X イオンがそれぞれ最密充填層をつくり、それらが交互に⽴⽅最密充填の並びで積層している。したがって岩塩型構造も⾼密度である。しかし、RP 層においては AMX3 と AXの最密充填層の積層⽅向が⼀致しないため、⾼密度ではあるものの最密充填構造とならない。このことは例えば⾼圧合成法を⽤いても必ずしも仕込み組成通りの RP 相が安定に出来るとは限らないことを意味している。密度の観点からは岩塩型の AX とペロフスカイト型の AMX3 に分解する⽅が有利であるからである。  酸化物においてペロフスカイト型構造は元素の組み合わせに関して最も多様性があるといえる。多種の元素がこの構造を取り得る理由としては A が希⼟類やアルカリ⼟類元素の時にMの価数がそれぞれ 3価、４価と、多くの遷移⾦属元素や P ブロック元素が好む価数となることなどのいくつかの理由が考えられる。中でも受け⼊れられる元素のイオン半径に⼤きな幅があることが重要な理由となっている。イオン半径のミスマッチは MX6 ⼋⾯体が相対的に若⼲回転することで調整できる。このことは定量的に評価されていて許容因⼦（tolerance factor）としてよく知られている。許容因⼦は、各元素のイオン半径を r として𝑡 = (𝑟! + 𝑟") √2(𝑟# + 𝑟")⁄ で計算されるものである。ペロフスカイト構造は t がおよそ 0.75程度から 1 までの範囲で実現し、約 0.9 以上で理想構造である⽴⽅晶（空間群 Pm3m）になるとされている。  イオンのサイズミスマッチが⼤きい場合、すなわち t < 0.9の場合にどのようにMX6 ⼋⾯体が回転し得るかは Glazer によってまとめられている 9)。実際の結晶構造は Jahn̶Teller効果などの影響もありケースバイケースであるが、⼤半のものが斜⽅晶の GdFeO3型構造（空間群 Pbnm）か三⽅晶の LaAlO3型（空間群 R-3c）のどちらかになる。tが⼤きいと後者になるとされており LaNiO3 はこの構造である。⼀⽅、La より⼩さな希⼟類の ANiO3 ではGdFeO3型となる。なお、Glazer は理想構造からのMX6 ⼋⾯体の傾きを tiltingと呼び、その tiltingを各軸周りの回転（rotation）で表現したのだが、tiltingと rotation を別のものかのように取り扱うこともあるように思う。特に理想構造が正⽅晶である n ≠∞の場合には、AMX3 と AX の積層構造の⽅向に垂直な回転のみを rotation と呼び、その⽅向から MX6 の軸がずれている分を tiltingと⾔うような使われ⽅をする場合がある。  ⼀⽅の岩塩型構造は概ね𝑟! 𝑟"⁄ = 0.73~0.41の範囲で実現されるとされている 10)。この範囲は Xがつくる⽴⽅最密充填構造の⼋⾯体間隙を Aイオンが占めうる条件として計算されるのだが例外も多い。例えば CsFでは 1.26、BaO では 0.96となる 10)。このように𝑟! 𝑟"⁄ が１に近い場合は陽イオンが⼋⾯体間隙に位置するというより、先に述べたように A イオンとX イオンが合わせて⽴⽅最密充填構造を作っているとみなすのが妥当だと思われる。イオン半径が近い La と O の場合もそうであろう。実際、La̶Ni̶O の RP 相の格⼦定数は岩塩層の O̶O が直接接していると考えるよりも La と O が並んでいると考えた⽅が良い値となっている。  ２．２ Lan+1NinO3n+1 (n = 2, 3)の結晶構造 La3Ni2O7 の結晶構造を詳しくみてみよう。常温常圧下の構造として主に次の３種類が報告されてる。空間群はそれぞれ正⽅晶 I4/mmm（#139）11)、斜⽅晶 Fmmm（#69）11, 12, 13, 14,15)、斜⽅晶 Amam（#63）16,17,18,19)である(例えば#63 の標準的な軸の取り⽅では CmcmとなるがI4/mmmからの変形を考えるために Amamとする）。Fmmmと Amamが混ざるという報告もある 20)。そのほかの空間群も報告されているが広く受け⼊れられてはいない 21,22)。これら空間群の違いが何によって⽣じるのかは分かっていないが、I4/mmm であるとされている試料の具体的な組成は La3Ni2O6.35 とされており酸素量が 7からかなりずれている。この試料は常圧で絶縁体である。Fmmm、Amamの結晶構造では図 1d に⽰した通り、a, b 軸⽅向が I4/mmm の結晶構造における対⾓線⽅向になっている。そのため格⼦定数 a, b はI4/mmmの a軸の約√2倍となる。その他の特徴としては Fmmmでは NiO6 ⼋⾯体が斜⽅晶としての a, b 軸⽅向に歪んでいるものの c 軸⽅向からは傾いてはいない。したがって上下の NiO2 ⾯を繋ぐ内側頂点酸素を渡る Ni̶O̶Ni⾓は 180°である。⼀⽅、Amamでは NiO6⼋⾯体の傾きがありその Ni̶O̶Ni の⾓度は 180°より⼩さくなっている。⿊⽊らの別稿にある通り、この⾓度が 180°になることが超伝導発現のきっかけになっていると広く考えられており、⾼圧下で超伝導を⽰す La3Ni2O7 の常圧、室温での結晶構造は空間群Amamであるとの認識が⼀般的だと思われる。  空間群Amamの結晶構造をもつ La3Ni2O7 は常温で約 10 GPa 以上の⾼圧下で不安定になり15GPa 以上で Fmmmに構造相転移する 1)。また約 15GPa 以下の圧⼒下では低温にすることでもAmamからFmmmへ構造相転移すると報告されている 23)。この相転移温度は 15GPaで約 170 K だったものが、4 GPa では約 80 K にまで下がるとのことである 23)。常圧で 60 K 程度となると⾒込まれるが、常圧下では Amam から Fmmm への構造相転移は確認されていない。Amamから Fmmmへの構造相転移温度は減圧とともに上昇するという報告もあり 24)低圧領域での Amam と Fmmm の相関係がどのようになっているかは未だはっきりとしていない。なお常圧下、約 450 ℃以上では斜⽅晶から正⽅晶 I4/mmmに転移するとされている 22)。⼀⽅、約 19 GPa程度以上では少なくとも 40 K 以下での空間群は I4/mmmとされている 23)。すなわち正⽅晶 I4/mmmは常圧下の⾼温と、⾼圧下の低温で現れる。超伝導は正⽅晶 I4/mmmで⽣じていることになる。圧⼒を加えると陰イオンである酸素が最も縮むと考えられるので、⾼圧下では酸素が縮んでペロフスカイト層の許容因⼦が⼤きくなりFmmmないしは I4/mmm構造となっているものと考えられる。許容因⼦の𝑟"依存性を考えると𝜕𝑡 𝜕𝑟"⁄ = (𝑟# − 𝑟!) √2(𝑟# + 𝑟")$⁄ となる。𝑟%&、𝑟'(は前者の⽅が⼤きくこれらの圧⼒変化が極端に⼤きくなければ、酸素のイオン半径が⼤きく縮むことで許容因⼦が⼤きくなることが分かる。  少々込み⼊った話になったが、要するに超伝導は RP 相の理想構造である正⽅晶 I4/mmmの時に⽣じ、それより対称性が下がった結晶構造の場合には起きていない。⿊⽊⽒ら、椋⽥⽒の別稿にある通り低対称な構造では密度波転移が⽣じ、それが超伝導の発現を妨げている可能性がある。この事実から、常圧下で超伝導を発現させるには常圧の結晶構造を正⽅晶I4/mmm となすれば良いのではないかと期待できる。その⽅法として化学圧⼒効果を考える⽅もいるだろう。残念ながら化学圧⼒効果で正⽅晶 I4/mmmにすることは単純に考えると無理ではないかと思われる。化学圧⼒効果のためには La に変えてイオン半径の⼩さな Rにすることになるが、⼩さな R にすると許容因⼦が⼩さくなって NiO6 の傾きがより⼤きくなると考えられる。図 2a に RNiO3 の Ni̶O̶Ni ⾓の平均値を R の Shannon のイオン半径（９配位の場合）に対してプロットしたものを⽰す。R = La で 164°程度であるものがR = Lu の 145°まで約 20°も下がる。ペロフスカイト構造の柔軟性には驚くが La3Ni2O7で単純に La を他の R で置換してもより歪みが⼤きくなることが容易に想像できる。実際、他の R に置換することで I4/mmmに構造相転移する圧⼒がどんどん⾼くなることが計算で⽰されている 25)。むしろ La より⼤きなイオンで置換できれば常圧で正⽅晶 I4/mmmとなる可能性があるが、そのようなイオンは存在しない。  そもそも RP 相の n = 2や 3 となる構造はそこまで構成元素、特に Aイオンのイオン半径に対して柔軟ではない。ペロフスカイト層で Aイオンのサイズミスマッチを tiltingによって解消しようとしても、ペロフスカイト層の外側頂点位置の酸素は岩塩層の⼀部でもあるため⾃由に位置を調整できない。そのため n = 2, 3 構造にはペロフスカイト構造ほどの柔軟性が期待できない。図 2bに RNiO3 における Ni̶Ni間の平均距離（n = 2 の理想構造の場合の a軸⻑に相当）と√2(𝑟) + 𝑟*)（岩塩層の a軸⽅向を想定した⻑さ）が𝑟)に対してどのように変化するかを⽰した。R = La からイオン半径が⼩さくなるにしたがってこれらの２つの距離の乖離が⼤きくなるのが分かる。Ni 酸化物 RP 相の n = 2 として知られている三元系酸化物は R = La しか知られていないのだが、それはこの乖離のためではないかと考えられる。なお、n = 3 の三元系 Ni 酸化物では R = Pr, Nd26)の場合が知られているが、それだけである。参考に A = Ca, Sr, Ba, La の酸化物の場合にMを遷移⾦属元素としてどのような RP 相が知られているかを表１に⽰した。A = Ca, Ba, La では n≠∞の RP 相があまり存在しない。これらの A イオンでもペロフスカイト構造の酸化物は⼀般的に⾒られるので意外かもしれない。特に興味深いのは A = La の場合に n = 2, 3 が存在するのはM = Ni の時だけであることである。これらの超伝導体が結晶構造の上でも珍しいことが分かる。  La3Ni2O7や La4Ni3O10 に化学圧⼒効果を⽤いるにはちょっとした⼯夫が必要である。すなわち岩塩層にのみ⼩さな R を導⼊すればペロフスカイト層には ab⾯⽅向には物理圧⼒と同様のペロフスカイト層を圧縮する⼒が働くかもしれない。元素を複数ある結晶学的サイトのどれかに選択的に導⼊させる⽅法を思いつかないので⼯夫というより偶然と⾔った⽅が良いかもしれない。このような意図があったのか単純に化学圧⼒を期待したのかは分からないが、La2PrNi2O7 では I4/mmmへの転移が La3Ni2O7 より少し低圧の 10 GPa で起こることが分かっており超伝導転移も⾒られている 27)。この物質の La と Pr の分布はまだ分かっていないため Pr が実際に岩塩層に多く存在するのかは不明である。化学圧⼒効果ではなくPr が酸素の軌道を通して Ni 3d軌道の状態に影響を与えた結果なのかもしれない。La3Ni2O7の La を置換できる３価のイオンとしては今のところ Pr の他に Nd, Yが知られている 28,29)。これより⼩さなイオン半径をもつ３価イオンへの置換は常圧合成では困難かもしれない。  La4Ni3O10 は約 750℃以上では RP 相の理想構造である空間群 I4/mmmの結晶構造となるが22,30)、常圧下常温での結晶構造は理想構造から歪んでおり斜⽅晶 Fmmm（#69）26)、斜⽅晶Bmab （#64）16,17,18,19,31,32)ないしは単斜晶 P21/a（#14）30,31,32)と報告されている。Bmabは準安定相であるとしている場合もあるが 31)、酸素量次第なのかもしれない。Bmab, P21/a では上下の NiO2 ⾯を繋ぐ内側頂点酸素を渡る Ni̶O̶Ni⾓は 180°より⼩さくなっている。この物質も⾼圧下で超伝導を発現することが分かっているが 2)、その発⾒の後に超伝導はやはり I4/mmmの結晶構造で起こることが判明した 33,34,35)。  ２．３ 酸素⽋損と過剰酸素 これまでに⽰したように La3Ni2O7、La4Ni3O10 ともに常圧常温下で複数の結晶構造が報告されている。後に⽰すように報告されている物性もばらついている。このような時に真っ先に考えるのは酸素不定⽐性であろう。実際、合成雰囲気を変化させることで様々な酸素量の試料が得られることが分かっている。具体的な酸素量については合成の説明に合わせて述べるが、ここで酸素不定⽐性がどこにどのように⽣じるかを説明しておく。  酸素⽋損は主にペロフスカイト層から⽣じると考えられる。ペロフスカイト構造をもつ酸化物 AMO3 の酸素⽋損は⾮常に⼀般的に⾒られるものである。秩序的に酸素が 0.5抜ければ brownmillerite型構造になるし、１抜ければ先に紹介した(Nd, Sr)NiO2 のようないわゆる無限層構造となる。La3Ni2O7, La4Ni3O10 から酸素を最⼤量抜くと NiO2 ⾯を保持したまま La3Ni2O6、La4Ni3O8 となることが知られている 36,37,38)。したがって La3Ni2O7, La4Ni3O10 で酸素⽋損を⽣じる場合も NiO2 ⾯は保持したまま頂点位置の酸素が抜けると考えられる 11)。実際に中性⼦回折測定やX線タイコグラフィーにより内側頂点酸素が抜けるとされている 39,40)。それにより NiO5ピラミッドが底⾯を向かい合わせた構造となるが、この部分構造は YBa2Cu3O7-δでも⾒られることから⼀般的な酸素⽋損の⼊り⽅だと思われる。La4Ni3O10 から酸素を抜いた La4Ni3O9 でもやはり NiO2 ⾯に挟まれた内側頂点酸素が抜けると予想されている 36,41)。なお、酸素を引き抜くことで得られる La3Ni2O6、La4Ni3O8においては岩塩層の構造はもはや保たれておらず、岩塩層だった部分は Nd2CuO4 で⾒られるような蛍⽯型構造の配列となるため RP 相とは別の構造となる。どこまで RP 相の構造を保ったまま酸素を減らせるかは分かっていないが、蛍⽯型の層をもつ La4Ni3O8 を 21 GPa 以上の⾼圧にすることで蛍⽯型構造の部分が岩塩型に構造相転移するくらいなので 42)岩塩型の配列が極めて不都合というわけではないようである。  ⼀⽅、過剰酸素が La3Ni2O7や La4Ni3O10 にどのように⼊るかは分かっていない。La2NiO4+δでは岩塩層の隙間に⼊っていることが分かっている 43,44)。La2CuO4 においても過剰酸素が岩塩層の隙間にあることから 45)、RP 相の岩塩層は過剰酸素を取り込み得ると分かる。La3Ni2O7、La4Ni3O10 においても過剰酸素は岩塩層にあると推測できる。La2NiO4+δでは電⼦線回折測定の結果から過剰酸素量δ= 1/8 (0.13), 1/6 (0.17)、1/4 (0.25)に対して元の結晶構造に対して整合な⻑周期構造があるとされており 44,46)、La2NiO4.25 に対しては結晶構造解析も⾏われている 47)。それによると斜⽅晶 Bmab からさらに歪んで単斜晶 C2 となる。La̶Ni̶O の RP 相は燃料電池の正極材の候補物質 48)とされるほど酸素が動きやすいので、低温では秩序無秩序転移により異なる酸素量をもつ相に相分離することが想定され実際にLa2NiO4+δで相分離が観測されている 43,49,50,51)。この相分離は NiO6 ⼋⾯体の tiltingにも影響する 49)ことから物性への影響は⼤きいと考えられる。過剰酸素の秩序無秩序転移は 300 K より低い温度で起こることがあるというだけではなく転移の速度が遅い 50,51)ので、過剰酸素を含む試料を⽤いて実験する際には注意が必要である。単結晶でも酸素量が特定の値ではない場合には低温で相分離する可能性があることを理解されたい 50,51)。  このように La3Ni2O7, La4Ni3O10 は酸素⽋損も過剰酸素も受け⼊れられる。そのため内側頂点酸素に⽋損を⽣じると同時に岩塩層に過剰酸素を⽣じるということも⼗分想定できる。要はフランケル⽋陥を⽣じやすいということである。同じ酸素量の試料に対してもフランケル⽋陥の量が異なる可能性があり結晶構造や物性に試料依存性が⽣じる可能性がある。さらに岩塩層の過剰酸素は上述の通り相分離を⽣じる。⼀般に⽋陥は⾼温にするほど⽣じやすいので、⾼温で作成する単結晶の⽅が粉末試料に⽐べて⽋陥が多いと思われる。同じ酸素量に対して⽋陥量の違いが物性にどう影響するかについては調べられていない。⽋陥を定量的に評価する⽅法が確⽴していないことが⼀因だと思われる。核四重極共鳴などの微視的な測定に期待している。  ２．４ 積層不整 格⼦⽋陥としてフランケル⽋陥より注⽬されているのは積層不整である。RP 相の結晶構造から予期される通り、異なる積層枚数 n を持つペロフスカイト層が混ざり込むことが容易に起こる。こちらも定量的な評価には⾄っていないが、⾼分解能の電⼦顕微鏡像を観察することにより⽐較的簡単に検出できる 13,52,53,54)。積層不整は RP 相に⼀般的に⾒られる⽋陥であるが、これが注⽬されるに⾄ったのには理由がある。超伝導の体積分率が⼩さかったことなどから La3Ni2O7 の超伝導が実は試料中の積層不整により⽣じた La3Ni2O7 の部分とLa4Ni3O10 の部分の界⾯で起こっている部分的な（filamentaryな）ものではないかという提案があったからである 55)。Wang ⽒の別稿にある通り、試料によっては 50%前後以上 27,56)と酸化物の超伝導にしては⼗分⼤きな体積分率をもつことがはっきりした現状ではLa3Ni2O7 の超伝導が filamentaryであるという説には説得⼒がないように思われる。  積層不整に関係して興味深いのは La3Ni2O7 の多形が⾒つかったことである 57,58,59)。これまで説明した通り La3Ni2O7 は RP 相の n = 2 でペロフスカイト層には c 軸⽅向に２つの NiO6⼋⾯体が頂点共有で繋がっている。⼀⽅新たに⾒つかった La3Ni2O7 は NiO6 ⼋⾯体が c 軸⽅向に１つの層と３つ繋がった層が交互に積層する構造となっている。RP 相の n = 1 と 3が混ざった構造である。このような構造は今まで知られておらず、⻑い歴史と膨⼤な研究がある RP 相に関して多形が新たに⾒つかったのは驚きである。しかもそれが 2023 年 12 ⽉の 2 ⽇、12 ⽇、17⽇（投稿⽇）とわずか半⽉でのうちに相次いで報告されるところにこのNi 酸化物超伝導への関⼼の⾼さが端的に現れている。余談はさておき、この新しい相は1313 相と名付けられ RP 相の 2222 相と区別されている。1313 相の空間群は常圧では斜⽅晶 Fmmm（#69）57)もしくは Cmmm（#65）58,59)とされておりいずれの場合でも n = 3 に相当する層での NiO2 ⾯を挟む内側頂点酸素を渡る Ni̶O̶Ni の⾓度は 180°より⼩さくなっている。⾼圧下で構造相転移を起こし 12.3 GPa 以上でその⾓度が 180°となる 57)。約 6 GPa から徐々に 180°に近づくが、8 GPa付近から超伝導の兆候が現れ 12.3GPa 以上で明確な超伝導転移となる 57)。Tc は 2222 相とほぼ同じである。⼀⽅で、同じ Cmmm構造の試料でも⾦属的な試料と半導体的な試料に分かれている 58,59)など物性に試料依存性があるのは確かである。1313 相でも当然酸素量の違い、フレンケル⽋陥の量の違い、積層不整などがあると⾒込まれるため詳細な研究が望まれる。また、n = 1 と 2 が交互に積層した結晶構造を持つ物質（上記の命名に習えば 1212 相となる）も合成されている 60)。空間群は Immm（#71）とされ n = 2 の層で内側頂点酸素を渡る Ni̶O̶Ni⾓は 180°とされている。常圧での電気抵抗と磁化の温度変化が合わせて報告されているが超伝導は起こってない。このように+2 価以上の価数をもつ Ni の NiO2 ⾯をもつ物質の開発も進んでおり常圧での超伝導発現が期待される。なお本稿においては指定がない限り La3Ni2O7 とは 2222 相のこととする。  ３．合成 ３．１ ⼀般的な合成⽅法 多少酸化物の合成経験のある⼈なら La3Ni2O7 という組成をみて合成が難しそうだと思うのではないだろうか。その理由は主に次の２つであろう。Ni は通常の２価より⾼酸化数なので常圧で合成できるのか分からない。原料としてもっとも単純なものは La2O3 と NiO であるがどちらも反応性が⾼いとは⾔い難い。したがって常圧で合成できるのなら恐らくゾルゲル法等の溶液プロセスか、せめて反応性の⾼い硝酸塩を原料にする必要があるだろうというところまですぐに頭によぎる。また、RP 相なので積層不整が問題になりそうな点も⼼配になるところである。強相関系、特に超伝導の研究においては試料の良し悪しが極めて重要となることが多くいい加減な試料合成は許されない。このように合成に困難が予想されるが、何しろ転移温度 80 K もの⾼温超伝導である。また我々のグループがこれまで開発してきたホウ素ドープダイヤモンドで配線したダイヤモンドアンビルセル（DAC）61)が活躍すること間違いなしの研究である。挑戦しない⼿はなかった。  我々が合成に着⼿した段階では La4Ni3O10 が超伝導になるとは⼀般には考えられていなかった。２重正⽅格⼦が超伝導の鍵だと思われていたので La4Ni3O10 では超伝導は起こらないだろうとすら思われていたように思う。実際、合成着⼿後のことだが、La4Ni3O10 では超伝導が発現しなかったという報告がオンライン上に現れた 29)。しかし La3Ni2O7 に隣接する相である La4Ni3O10を合わせて合成してみることは La3Ni2O7の純良化にも役⽴つであろうし、加えて測定する La4Ni3O10 の物性は La3Ni2O7 との⽐較で何かしらの役割を果たすかもしれない。⾼圧下での抵抗測定は我々の DAC を⽤いれば⼤した⼿間ではない。もちろんLa3Ni2O7 で２重正⽅格⼦の上下の Ni がペアとなることが超伝導に効くというのなら、３重正⽅格⼦でも c 軸⽅向に並んだ３つの Ni のうち２つがペアになれば超伝導になっても良いのではないかというくらいの認識はあった。La4Ni3O10 の Ni の価数からはそうなり得る。ほとんどが外れとなる超伝導探索を⾏ってきた固体化学者にとっては、これくらいいい加減な期待でも合成・測定してみる動機には⼗分になる。そのようなわけで La3Ni2O7 に加えて La4Ni3O10 も同時に合成することとした。  合成を始めるにあたって⽂献を調べてみると常圧で合成できることは分かった。燃料電池の正極材として期待されているようである。それだけに多くの報告があったがやはりほとんどの場合で溶液を介して原⼦を拡散する⽅法を⽤いていた。溶液を介する⽅法は Pechini法と呼ばれ特許になっているものを含め⾊々あるのだがその紹介は割愛する。中には La2O3と NiO からでは単相はできないと明⾔している報告も数件あった 13,16,17,26)。他には硝酸ランタンと硝酸ニッケルを原料に⽤いている場合もいくつかある。その場合、単相の試料ができる場合もあるにはある 36)ようだが、単相には⾄らなかったり積層不整が多量に含まれたりする場合が多いようである 52,53,62)。La2O3 と NiO を原料とする⽅法では、ボールミルで微粉化し冷間等⽅圧加圧（CIP）により⾼密度に成形した試料を焼成することでかなり単相に近い試料が得られている 63)。このように通常の固相合成より⼿間の掛かる合成⽅法に傾倒するのは原料、特に NiO の反応性の悪さを考えると⾃然なように思われる。例えばBiNiO3 の合成では、原料の Bi2O3 の反応性は良好であり、粒間の接触が密なため反応時間が短くて済むことの多い⾼圧合成を⽤いているにもかかわらず、単純に市販の Bi2O3 と NiO（これらに加え酸化剤も必要）を原料とはせずに⼀度硝酸に溶かしたあと硝酸ガスを焼き⾶ばすことで得た微粉末を⾼圧合成に⽤いている 64)。  ゾルゲル法は原料を原⼦レベルで拡散させることにより低温でも反応が起こるという特徴がある。硝酸塩は不安定で分解しやすいことに加え⽐較的細かい粒⼦であるため低温でも⼗分な反応速度を持ち得ることが特徴である。ところが報告されている合成では 1000 度程度の⾼い温度で、場合によっては繰り返し焼成することで合成している。ゾルゲル法や硝酸塩の使⽤が本来の効果を発揮しているのか疑問である。実際、最近になってからだが、硝酸に溶かした原料を⽤いても繰り返し焼成するうちに粒成⻑してしまって均⼀な組成の試料が得られ難いと聞いた 65)。また、溶液を介するプロセスでは原料の全量を回収することが難しい場合がある上、上⼿く調整しないと溶解度の低い原料が先に沈殿してむしろ不均⼀になってしまう場合がある。そのような⽅法で La3Ni2O7、La4Ni3O10 の合成が出来たとしても、超伝導研究においては必ず⾏うであろう La や Ni を微量の別の元素で置換するという研究へ展開した際に相当不便になるのは明らかであった。そこで我々は La2O3 と NiO を原料に伝統的な固相反応により純良試料を作成するプロセスを開発することにした。  ３．２ ⽔素還元を⽤いた均質化 La2O3 と NiO をモル⽐ 3：4 で混合したものを原料として酸素流中 1000℃、1200℃、1400℃と順次温度を上げた場合の X 線回折測定の結果を図３に⽰す。保持時間は 12 時間である。1000℃では原料に加え La2NiO4, La3Ni2O7, La4Ni3O10 が現れる。仕込みの La/Ni ⽐に対してその⽐率より⼤きい La2NiO4 と⼩さい La4Ni3O10 が同時に現れているのが既に雲⾏きの悪さを⽰唆している。1000℃で再度焼成すると残存している原料の量は減り、La3Ni2O7 の量が増えはするものの依然 La2NiO4、La4Ni3O10 も残っている。経験的に同じ温度で２回焼成してこの程度の改善では合成温度をそのままで単相にするのは⼤変困難である。仮に相当数繰り返し焼成してようやく単相らしき状態になったとしても強相関研究に⽤いて満⾜できる試料には中々ならないと思われる。X 線回折測定は不純物の量に対して決して感度が⾼い測定ではないし（しかも安直な定量解析では不純物の量を過⼩評価する傾向がある）、不純物の結晶性や結晶⼦サイズが⼗分でないとそもそも⾒えもしないのである。温度を上げて 1200℃にすると原料はほとんど消えるが依然３相共存である。1400℃では La4Ni3O10は消えるものの La2NiO4 が⼤幅に増え新たに NiO が⽣じる。NiO が⽣じることは La3Ni2O7がすでに安定相ではないことを⽰唆している。実際 La3Ni2O7 は 1 bar の酸素中で 1366℃でLa2NiO4 と NiO に分解することが知られている 66)。原料の混合⽐を２：３（La4Ni3O10 の陽イオン⽐）とした場合も強度⽐に違いがあるものの 3：4 と同じ傾向である。  このように複数の RP 相が混ざるのは明らかに反応速度論的な理由による。La2NiO4, La3Ni2O7, La4Ni3O10 でほとんどエネルギー差がないため、⼀旦いずれかの相が出来てしまうとなかなか別の相に変化しようとしないのだろうと考えられる。このような場合は粒径が⼤きな原料を⽤いると元素の拡散が途中で実質的に⽌まってしまう。拡散の駆動⼒がほとんどなくなるからである。やはり La2O3 と NiO からでは合成出来ないのかと⾏き詰まった時に、著者が学⽣の時に所属の研究室で Y2Ba4Cu7O15-δ（Y247）を⽔素還元を利⽤して単相化していたことをふと思い出した。Y247は YBa2Cu3O7-δ（Y123）と YBa2Cu4O8（Y124）が交互に積層した構造であるが、Y123部分とY124部分が集まった積層不整を⽣じやすい。そのため原⼦レベルで拡散できるはずの縮重合成を⽤いてすら超伝導転移は Y123 と Y124の超伝導転移温度での２段転移となる。ところが、Y2O3, BaCO3, CuO から通常の固相反応で⼀旦合成した試料を⽔素で還元して分解した後に再度酸化すると、Y123 や Y124 とは別の温度で綺麗に１段の超伝導転移を⽰すようになる 67)。Ni 酸化物は⽔素で Ni ⾦属まで還元できるので、この⽔素還元による均質化が利⽤できないかと試してみた。図４に上記の1200℃で反応させた試料を 10% H2/Ar 雰囲気下 800℃で還元した試料の X 線回折パターン、⾛査電⼦顕微鏡像及びエネルギー分散型 X 線分光法により⾏った元素マッピングの結果を⽰す。X線パターンは試料が La2O3 と Ni⾦属に分解したことを⽰している。Ni⾦属由来のピークの線幅は広がっており Ni⾦属粒⼦が⾮常に細かいことを⽰している。実際、元素マッピングをみると２、３ミクロン程度の粒⼦の中に無数の Ni⾦属微粒⼦が分散していることが分かる。  このように還元した試料を酸素流中で焼成した時の X 線回折パターンを図５に⽰す。焼成温度は La3Ni2O7 では 1300℃、La4Ni3O10 では 1200℃であるが、途中の温度で⽌めずに⼀気に昇温した（昇温速度は 100℃/h 程度と特段速くはない）。それぞれ単相であることが分かる。800℃で集まれる範囲から凝集した Ni 原⼦にとって 1200℃/1300℃の熱エネルギーは均質に拡散するの⼗分であったのであろう。  さらに実験を進めたところ La2O3 と NiO から酸素流中で⼀気に 1300℃/1200℃にすることで還元せずともほぼ単相の試料が得られることが分かった。特に La3Ni2O7 は繰り返し焼成することで X 線回折パターンとしては単相と⾒做せる状態になる。結局のところ⽐較的低温で出来る La2NiO4 相を出さないということが⼀番重要なのであろう。とはいえ、⽔素還元を経た試料の⽅が均質で積層不整が少ないであろうことは明らかである。  ３．３ 酸素量の定量 ⽔素還元は試料中の酸素量の定量にも使える。還元により軽くなった分から元々の酸素量を計算するものである。詳しくは次章で⽰すが La3Ni2O7、La4Ni3O10 の物性は酸素量に敏感である。酸素量は 1/100 の精度で求めたい。式量はそれぞれ約 646、892 であり酸素の原⼦量が 16なので、⽤いた試料の重量の約 0.02%程度の差が区別できるような⾼精度の測定が必要となる。とてもそのような精度がないにも関わらず La3Ni2O6.93 のように酸素量を記載している⽂献が多数⾒られるので注意が必要である。  重量変化を調べるには熱重量分析装置を使うのが⼀般的であろう。重量変化の具体的な様⼦（多段階で変化するのかなど）や変化が起こる温度が分かるので便利である。⼀⽅、昇温による浮⼒の変化や対流があるなどの理由で⾒かけの重量のドリフトが避けられない。当然それは参照物質を⽤いたり、場合によってはソフトウェア上でバッサリと補正するのであるが、0.02%程度の精度で測定するのは相当困難だと思われる。⽤いることの出来る試料の容積に制限もある。我々はグローブボックス中で内径 6.4mφ、⾼さ約 7mm の⾦の坩堝に 300 mg以上の試料を秤量し、そのグローブボックスに連結した炉で⽔素還元を⾏うことで酸素量の定量を⾏った。このサイズの坩堝は⼀般的な熱重量分析装置には⼊らない。グローブボックスに連結した炉を⽤いることで還元後の La2O3 が重量測定までの間に吸⽔することを防いでいる。吸⽔すれば重量が増えるので酸素量としては少なく⾒えてしまう。天秤にはMettler Toledo社製 XP205DR を⽤いた。1/100 mgを表⽰でき繰返性が 1.5/100 mg（10 g）である。汎⽤の分析天秤の多くはこれより⼀桁程度精度が悪い。このような対応をすることで概ね 1/100 の精度で酸素量を決定できる。我々は酸素流中で徐冷した試料の酸素量を La3Ni2O7.01、La4Ni3O9.90 と決定した。  酸化物の酸素量の定量⽅法は他にもいくつかあるが、1/100程度の精度で決定できる可能性がある⼀般的な⽅法に酸化還元滴定がある。実際、本物質に対してヨードメトリー（酸化還元滴定の⼀種）により酸素量を定量している報告がいくつもある。中には還元による熱重量分析の結果と⼀致したとしている報告もある。しかし、La3Ni2O7、La4Ni3O10 ともに酸に溶かした瞬間に細かい泡を発⽣しながら溶解する。酸により還元され酸素を発⽣していると思われる。その反応は即座に起こるためヨードメトリーでは⼗分な精度で酸素量を定量するのは困難ではないかと思われる。ヨウ素に関係なく還元される部分があるとヨードメトリーで求めた酸素量は少なく⾒積もられるはずである。実際酸素量が⽐較的少ない報告が多い。  ⾼酸素圧をかけずに⼤気中あるいは酸素流中で合成した La3Ni2O7、La4Ni3O10 の酸素量として 報 告 さ れ て い る 値 は 、 そ れ ぞ れ 6.92 〜 7.1511,14,15,16,39,68,69,70,71,72,73) 、9.54~10.2613,14,15,16,26,68,69,70,74)である。不純物を含むため試料の平均値になっているものもある。どの報告にも特段に精度について気を付けたという記述はない。興味があれば個別の論⽂の熱重量分析のデータ⾒てみると良い。酸素量をこの精度で決めるのはそう簡単ではないことが分かるだろう。  ３．４ 過剰酸素の導⼊ 酸化物では酸素が動ける温度で酸素分圧を制御すれば多かれ少なかれ酸素量を調整できる。La3Ni2O7, La4Ni3O10 も例外ではない。我々は 20%O2/Ar で熱間等⽅圧加圧（HIP）処理を（１）1500 kgf/cm2（酸素分圧 300気圧）、600℃、2 時間と（２）2000 kgf/cm2（酸素分圧400気圧）、1200℃、１時間の２種類の条件で⾏った。（１）では La3Ni2O7.12、La4Ni3O9.99、（２）では La3Ni2O7.17、La4Ni3O10.04 となる。興味深いのは La3Ni2O7 の場合である。図６にそれぞれの条件で HIP 処理した試料の X 線回折パターンを⽰す。HIP 処理前の試料では020, 200 のピーク強度はほぼ同じであるのに対し、（１）の条件で得た試料では前者が⼤幅に⼤きくなり後者は⼩さくなっている。また 0,0,10 のピークは⼩さくなって約 0.8°⾼⾓に新たにピークが出現している。これはこの試料が元々の構造である斜⽅晶の構造を持つ部分と正⽅晶の構造の部分の２相に分かれたことを⽰している。RIR 法によりその量⽐を⾒積もると斜⽅晶が約 35%、正⽅晶が 65%となる。斜⽅晶の部分の酸素量が元の 7.01 のままだとすると正⽅晶の部分は 7.17 となる。この過剰酸素の量は、La2NiO4+δで過剰酸素が⻑周期構造をもつ時のδの最低値 0.17と⼀致する。過剰酸素は岩塩層に⼊るため、それを強調した組成式の表記にするとそれぞれ(LaO1.17)(LaNiO3)2、(LaO1.17)(LaNiO3)となり岩塩層部分の組成が⼀致することがはっきりとする。過剰酸素が低温まで動けることからこのように岩塩層にとって都合の良い酸素量に相分離するのであろう。⾯⽩いのは La2NiO4.25 が単斜晶と過剰酸素が⼊ることで低対称となるのに対し、La3Ni2O7.17 は正⽅晶と⾼対称になることである。この違いの原因は分かっていない。  （２）の条件で HIP 処理した La3Ni2O7 は図６の X 線回折パターンから分かる通り、部分的に La2O3 と La4Ni3O10 に分解している。⼀⽅、元々の斜⽅晶の La3Ni2O7 も少し残っているようである。La3Ni2O7 は 1200℃では約 10 気圧以上の酸素分圧で La4Ni3O10 と La2O3 に分解することが既に知られており 66)そのことと⽭盾しない。このように⾼酸素圧下ではLa3Ni2O7 に対して La4Ni3O10（+ La2O3）が安定になり析出することには注意しなければならない。La3Ni2O7 の単結晶は浮遊帯域溶融法（FZ法）を⽤いて⾼酸素分圧下で作られている。融点付近の⾼温で La3Ni2O7 が安定となるよう酸素分圧を調整しても、融液部分から外れていく過程でその⾼酸素分圧がかかった状態で冷めていくのである。部分的に La4Ni3O10となるような積層不整が混在しても不思議はない。FZ法で作った単結晶は⼀般的にはアニールなどの後処理で格⼦⽋陥を除き純良化することが可能な場合が多いが、La3Ni2O7、La4Ni3O10 に関しては⼀旦できた RP 相の異相はなかなか消えないので単結晶試料の合成にはより慎重さが求められる。  単結晶というと純良なはずと思い込んでいる⼈が少なからずいるようなので注意しておこう。単結晶は⼀般に合成条件が過酷になりがちで必ずしも純良とは限らない。フラックス法ではインクルージョンが問題になるし、FZ法では激しい熱勾配で歪みを⽣じる場合が多々ある。⾼温で育成するので⽋陥が多くなる。また、作成後に酸素出し⼊れなどをする場合は均質性に問題が⽣じやすい。原⼦の出⼊りは外部との化学ポテンシャルの差を駆動⼒として⽣じるが、化学ポテンシャルの差が⼀定のまま原⼦の移動距離が伸びると駆動⼒は減少する。そのため格⼦⽋陥等のわずかなポテンシャルに囚われ拡散が進⾏しなくなる可能性がある。単結晶はそこから得られる情報が多いので当然重要であるが、丁寧に調整された粉末試料での結果と⽐較をすることが時として⼤切である。  ３．５ 酸素⽋損の導⼊ 酸素量は減らすことも可能である。減らしすぎると岩塩層が蛍⽯型構造に変わった RP 相とは異なる物質になることは既に述べた。我々の結果によると、⼤気中（酸素分圧 0.2 気圧）やAr中 500℃でアニールしても酸素量はほとんど減らない。0.01程度少なくなるかどうかという程度である。⽔素などで積極的に還元することで酸素量を減らせる。La3Ni2O7 に関しては、11%H2/Ar 雰囲気 450℃で還元した場合は 6.35 だが、11%H2/N2雰囲気 450℃で還元すると 6.84 になるというかなり疑わしい結果 11)が報告されている。10%H2/Ar雰囲気400℃（12 時間）での還元では 6.35 だが 60 時間だと La2O3 と Ni に分解してしまうという報告 39)があることから、少なくとも 400℃以上の⾼温では時間経過とともに La2O3 と Niへと完全に分解していくため、時間や粒径の違いにより再現性や均質性が確保出来ないように思われる。⼀⽅、La4Ni3O10 に関しては例えば⽔素流中 250℃で 120~360 時間保持することで La4Ni3O9 になるなどの報告がある 36,41)。⽔素ガスではなく NaH などの⽔素化物を⽤いて酸素を抜くことも⾏われている。  5%H2/Ar を⽤いて 300℃以下の低温で還元すると温度に応じて酸素量が異なる試料が得られる。例えば、200℃、250℃、300℃では La3Ni2O7 ではそれぞれ 6.96、6.84、6.50、La4Ni3O10では 9.88、9.58、8.95 となった。どちらの物質においても 200℃で還元した後の X線回折パターンは元のものとほとんど変わらないが、300℃で還元した試料では正⽅晶になっている。250℃では酸素量の多い部分と 300℃の相に僅かに相分離するように⾒える。酸素⽋損は酸素が動きやすい岩塩層ではなくペロフスカイト層の内側頂点位置にあるので低酸素量側では酸素量を連続的に変化させることが出来るかもしれないと期待したのだが、酸素量6.84 以下で相分離するなら Ni が+2価となる酸素量 6.50 までの範囲で酸素量が均⼀な試料を得ることは困難となる。なお、この相分離とは別に部分的に Ni⾦属まで還元してしまう。特に 250℃以上での還元の場合にその傾向が顕著となる。顕著とはいっても X 線回折測定で検出できるほど Ni が現れるのは 400℃近くになってからである。低温で還元した際に Niが⾒られるのは X線回折測定ではなく磁化測定による。Ni⾦属は強磁性体で磁化測定に対する感度が⾼いため 1%未満でも⼗分に検出されるのである。焼結体のまま還元すると Niの量が少ない傾向があるので表⾯などの結晶構造が乱れている部分から Ni⾦属が⽣じているのではないかと思っている。  ３．６ La置換 酸素量を離散的にしか変化させられないとするとなおのこと La を異なる価数のイオンで置換して Ni の形式価数をより詳細かつ幅広く変化させてみたいという欲求が当然出てくる。加えて酸素を抜いて Ni の価数を下げようとする場合には、抜ける酸素が超伝導発現の鍵になる内側頂点酸素になってしまうという問題がある。そのため置換によるバンド構造への影響が少なさそうな La を４価のイオンで置換したいと思うだろう。残念ながらそれに適した元素はない。La3Ni2O7、La4Ni3O10 に対してに限らず La サイトを４価のイオンにしたいというニーズは潜在的にかなり多いと思われるが、４価になりうるイオンは軒並みイオン半径が⼩さく La を置換できてかつ４価になるということはあまり起こらない。  ２価のイオンである Ca, Sr, Ba については La を置換したという報告がいくつかある 75,76,77)。置換量が少ない時には X 線回折測定で不純物がないからといって置換できているかは不明である。また置換できていたとしても酸素量を決めないことには Ni の価数としてどの程度変化するのか分からない。これらのことに注意が必要ではあるが、La3-xAxNi2O7 として A = Ca は x =0.8 まで 75,76)、A = Sr は x = 0.1 まで 75,77)、A = Ba は x = 0.075 まで 75)置換できると報告されている。A = Ca では置換が進むと電気抵抗が⼤きくなる 76)のに対して、A = Srでは置換により電気抵抗が下がるとされている 75,77)。La2.8Sr0.2Ni2O7 は⾼圧下での抵抗測定もなされているが、10 GPa 以上になると Sr を置換しない場合より抵抗が上がりだして超伝導は発現しないようである 78)。   ４．巨視的物性 La3Ni2O7、La4Ni3O10 の物性は似ている。ともに常圧では⾼温で構造相転移があり、低温で密度波転移を⽣じる。⾼圧にすると密度波転移が抑えられ、構造相転移を経て超伝導を発現する。超伝導、密度波に関する実験結果はそれぞれ本⼩特集のWang⽒、椋⽥⽒の別稿に詳しいので、本稿では試料依存性と関係する部分を中⼼にごく簡単に紹介するに⽌める。  La3Ni2O7、La4Ni3O10 の常圧における磁化率と電気抵抗の温度変化 RFR77)を図７に⽰した。これらは⼤気中もしくは酸素中 500℃でアニールした試料を⽤いて測定されている。どちらの試料においても電気抵抗は 550~600 K 以下で上昇し RFR77,RFR78)400 K 以下では⾦属的な温度変化となる。⼀⽅、磁化率の温度変化は La3Ni2O7 では 550 K付近以下で明確に上昇するが、La4Ni3O10 ではわずかに折れ曲がる程度である。室温付近で斜⽅晶の La3Ni2O7 は約 550 Kからの２相共存領域を経て約 700 K で正⽅晶に構造相転移すると報告されている 22)。550 K付近の抵抗と磁化率の異常はこの相転移と関係しているものと思われる。⾼温ではパウリ常磁性の普通の⾦属であったものが低温で結晶構造が歪み、悪い⾦属となったように⾒える。ただしこの変化が２相共存領域では⾒られず、全てが斜⽅晶になった温度以下で⾒られる理由は分からない。抵抗の温度履歴や磁化率の形からは 300 K〜550 K において２相共存があるようにも⾒えるため素性のしっかりした試料での測定が必要だと思われる。⼀⽅、La4Ni3O10 については単斜晶から正⽅晶への構造相転移温度は約 873 K30)あるいは約 1000 K22)とより⾼温で起こるとされている。これが 1000 K 以下の磁化率に La3Ni2O7 で 550 K に⾒られたような急激な⽴ち上がりが⾒られない理由ではないかと考えられる。⾼温のために⽴ち上がりが鈍ったか、より⾼温で⽴ち上がるのかもしれない。電気抵抗や磁化率の 550 K で⼩さく⾒えている異常は、報告によっては⾒られてない場合もあり 14)積層不整で⽣じた La3Ni2O7 によるものなのかもしれない。  300 K 以下を詳しく⾒てみよう。La3Ni2O7 では試料によって電気抵抗の温度変化が 300 K以下半導体的になっている場合もある 13,16,20,54,71,75)。140 K 以下で少し⽴ち上がってそれ以下で半導体的になる場合もある 16,68,RFR79)。酸素量が少ないと半導体的になるようである77,RFR81,RFR82)。抵抗が半導体的になると 140 K 以下の磁化率が⽴ち上がる傾向がある 16,20,68,75)。格⼦⽋陥の周りに局在モーメントを⽣じやすいのかと思われるがその確証はない。酸素量が⼗分な場合には 153 K と約 110 K に２段の相転移が⾒られるようである RFR83)。153 K で電気抵抗の温度変化は微分に異常が現れ、磁化率は c ⾯に垂直、平⾏ともに少し折れ曲がる。この温度以下で電荷とスピンの秩序を⽣じていると考えられているが具体的に秩序形成が確認されているわけではない。La4Ni3O10 が密度波転移を⽣じる温度に近いのが気になるが、その温度付近で反射率に異常が現れ始めることから La3Ni2O7 に本質的な異常なのだろう RFR85)。⼀⽅、約 110 K では電気抵抗の温度変化がより明瞭に現れる。その温度以下で⼀旦⼩さく上昇したあと再び⾦属的になるという典型的な密度波転移の振る舞いとなる58,RFR83)。この温度でも反射率に異常が⾒られる RFR84)。  反射率（光学伝導度）から密度波形成のエネルギーギャップが 2Δ = 100.5 meVと求められている RFR84)。典型的な弱相関の密度波転移の場合は転移温度を T*として Δ(0 K)/kBT* = 1.76となる RFR86)。このとき T* ~ 580 K となり、斜⽅晶が正⽅晶に代わり始める温度と同程度のかなりの⾼温となる。実際、実験から⾒積もられたΔは 110 K 付近までほぼ⼀定であり RFR84)、弱相関の密度波転移の場合にはΔを秩序変数とした２次転移になるという典型的な描像とは異なる。密度波の揺らぎが⾼温から発達している場合にはこのように密度波形成の転移温度と T*がずれる。実際 K0.3MoO3 などその様⼦が⾒られるので、La3Ni2O7においても T*~ 580 K程度から密度波形成のゆらぎが⽣じているのかもしれない。構造相転移の温度と T*の⼀致が偶然なのか気になるところである。  この密度波転移は以前から注⽬されていて圧⼒下で密度波がどうなるかは調べられていた68,RFR79)。有機超伝導の例を引くまでもなく密度波転移が消失して超伝導が発現することを期待していたのであろうが、以前は超伝導発現に⼗分な圧⼒まで加圧しなかったようである。現在では密度波転移温度以下で抵抗が上がる試料 73)でも、⼀旦上がったあと⾦属的になる試料 RFR87)でも、どちらでも⾼圧下で超伝導となることが確認されている。また超伝導が発現する圧⼒領域にも別の密度波相があることが⽰唆されている RFR88)。  密度波の現れる温度や現れ⽅に試料依存性があることを述べた。試料の酸素量を精密に決めた系統的な実験が必要である。そのような背景の元で我々は最近 La3Ni2O7+δについて圧⼒、温度にδを加えた相図を報告した RFR82)。図８にその相図を⽰す。先に述べた通りδは連続的に制御できないためδ= −0.50, −0.16, 0.00, +0.01, +0.12 の試料を⽤いた。超伝導はδ≧0.00 で起こる。δが⼤きいと圧⼒による Tc の減少が⼤きくなる。δ= +0.12 の組成では相分離している。実際、δ=+0.01 と同じ Tc付近で抵抗の減少が⾒られるが、図で⽰したのはより明確に抵抗が減少する温度の⽅でホール量としてはδ=+0.17程度となっている部分の超伝導転移だと考えている。⼀⽅、酸素が⽋損するとすぐにアンダーソン局在が⽣じ絶縁体化する。Ni が２価となるδ= −0.50 では抵抗が⼤きく、バンド計算 RFR89)で予想されている通りモット絶縁体になっていると考えられる。そのことは構造の異なる RP 相 Ni酸化物を Ni の 3d電⼦数でまとめた概念的な相図で 3d8 がモット絶縁体とされている RFR90)こととも⽭盾しない。  La4Ni3O10 の常圧低温の電気抵抗の振る舞いは La3Ni2O7ほどは試料依存性がない。やはり酸素量が⾜りないと低温で半導体的になるようだが RFR93)、ほとんどの試料において 300 K以下⾦属的な振る舞いであり 135 K 付近に密度波転移に伴う⼀時的な上昇がある13,16,26,31,58,68,RFR91,RFR93,RFR94,RFR96)。格⼦定数や熱膨張係数の温度変化がこの密度波転移温度で異常をしめす 31,RFR92,RFR95)。このことは密度波が電荷密度波であることを⽰唆し、少なくとも単純なスピン密度波ではないことを意味している。⼀⽅、磁化率は c⾯に平⾏に磁場をかけると密度波転移により低温側で減少するが、垂直に磁場をかけた時は少し上昇する31,RFR90)。典型的な電荷密度波の場合には状態密度が減少することで磁化率が⼩さくなるだけなので、この異⽅性は説明し難いため、スピン密度波であることを⽰唆しているように思える。このように電荷密度波かスピン密度波かはっきりしない。電荷とスピンの密度波が複雑に相関した状態が提案されている RFR96)。転移温度は 130〜148 K と報告ごとに多少ばらついている 26,58,68,RFR91,RFR92,RFR93,RFR94,RFR95,RFR96,RFR97)。このばらつきは酸素量の違いによるせいもあるが RFR93)、結晶構造の違いにもよるようである。空間群 P21/a では 138.6 K であるが Bmabでは 147.5 K となると報告されいている 31)。また La をイオン半径の⼩さな Pr, Ndに置換すると転移点は 160 K まで上昇する RFR91)。この密度波転移温度は圧⼒印加によって減少する 68,RFR93)ことが知られているので、Pr, Nd置換では化学圧⼒効果で期待される⽅向とは逆の⽅向に転移点が動くということになる。  La3Ni2O7 では反射率から密度波形成によるエネルギーギャップが求められていたが、La4Ni3O10 では⾓度分解光電⼦分光により 2Δ= 12 meV と求まっている RFR97)。これはLa3Ni2O7 のエネルギーギャップより格段に⼩さい。ギャップの温度変化に対応するバンド端の位置の温度変化も⾒積もられているが、その位置は密度波の転移温度に向けてエネルギーギャップが 0 になるよう温度変化している RFR97)。反射率も La4Ni3O10 では転移温度で鋭く変化する RFR85)。La3Ni2O7 とはかなり様相が異なる。なお原因がはっきりしないが P21/aか Bmabかに関わらず約 50 K 以下で⼩さな強磁性成分が現れている 31,RFR94)。  我々は La4Ni3O10 についても圧⼒、温度、酸素量をパラメータとした相図を作成しつつあるRFR98)。酸素量 9.99 と 10.04 の試料の Tc の圧⼒依存性を図９に⽰す。La3Ni2O7 の場合とは対照的で、100 GPa 以上ではどちらの試料の Tcもほとんど変わらないが、30~80 GPa では⼤きく異なる。これまで報告されてきた La4Ni3O10 の Tc 33,34,RFR93)がこの２つの試料の Tc の間に⼊っていることが興味深い。  あとがき 銅酸化物⾼温超伝導体が⾒つかったのは 1986年で桜井が中学⽣の頃、⾼野が⼤学で研究を開始した頃である。当時は銅酸化物以外の遷移⾦属酸化物でも超伝導が発現するのではないかと様々な酸化物が随分研究されたと聞いている。以後 1990 年代に Ru 酸化物 RFR105)やNb酸化物 RFR101)で超伝導が⾒つかったが、バルクの 3d遷移⾦属酸化物に限れば 2002 年にようやく V酸化物において 8 GPa で約 8 K の超伝導が⾒つかり RFR104)、続く 2003 年に Co酸化物で常圧で 4.6 K の超伝導が⾒つかった RFR102)。今回はそれ以来約 20 年ぶりの新たな3d遷移⾦属元素のバルク酸化物超伝導である。しかも 80 K と⾼温超伝導と⾔って良い。これまでの酸化物超伝導体は銅酸化物を除いてバラエティに乏しかったが今回はどうであろうか。銅酸化物では無限層構造の CaCuO2 が基本となり物質設計がなされたが、Ni 酸化物では今のところ実際の物質を元にした物質設計の指針がない。とはいえ、本⽂中で述べたように 1313 構造や 1212 構造など新たな Ni 酸化物が開発されていて⼀⼤分野となる可能性を秘めた楽しみな段階だと⾔える。我々もできれば常圧で超伝導となる新たな Ni 酸化物を開発しようと努⼒している最中である。また 3d遷移⾦属元素でバルクの酸化物が超伝導となるものは銅酸化物超伝導体発⾒以前にしられていた SrTiO3-δRFR103)を含めても Ti, V, Co, Ni, Cu 酸化物のみである。いまだ Cr, Mn, Fe 酸化物が残っている。ここでまた 20 年掛かるようだと筆者は引退しているのであろうが、その前に Cr, Mn, Fe 酸化物で超伝導を発⾒したいものである。  さて、４つの記事での⼩特集ということで誌⾯に余裕があったこともあり、結晶構造を中⼼に少し細かい内容まで書いた。RP 相に限らずもう少し幅広く結晶構造やそれに関連することを知りたい⽅には第 4 版実験化学講座 16 無機化合物（丸善）をお勧めしたい。とうに廃版だが⼊⼿できなくはないようだ。こういう事典を⾒ていると⾊々想像が膨らんで楽しいものだが、教科書の⽅が良ければ⼀般的な無機化学ではなく結晶化学寄りのもの RFR99)をお勧めする。  謝辞 ６⽉ 14 ⽇から 16⽇にかけて超伝導サマーセミナーSSS2024 を我々のグループ主催で⾏った。そこでは様々な議論を⾏った。参加者各位にはお礼申し上げたい。なかでも別稿を担当している⿊⽊⽒、榊原⽒、越智⽒、椋⽥⽒とはそれ以前から現在にわたるまで継続して議論を⾏っていただいており⼤変感謝している。同志社⼤の加藤⽒、太⽥⽒、廣瀬⽒には HIPでお世話になっている。図１の結晶構造は VESTARFR100)を⽤いて描いた。図 4 の⾛査電⼦顕微鏡像と元素マッピングの写真は本稿のために⾼野グループの⼭根⽒に撮っていただいた。本記事に関わる研究の⼀部は⽇本国⽂部科学省による世界トップレベル研究拠点プログラム（WPI）、科研費基盤 B（JP20H05644, JP 24K01333）のサポートの元に⾏った。  1) H. 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Crystallogr., 44 (2011) 1272.   図１ LaNiO3 (a)、La3Ni2O7 (空間群Amam) (b,d)、La4Ni3O10（空間群 P21/a）(c)の結晶構造。全て a ⾯への射影 d 上下が c 軸⽅向。d の⿊実線は実際の単位胞を、点線は理想構造（空間群 I4/mmm）の場合の単位胞を表す。    図２ RNiO3 における平均の Ni̶O̶Ni⾓度(a)と Ni̶Ni間距離及び√2(𝑟) + 𝑟*)。RNiO3の結晶構造は空間群 Pbnmと P21/n1 の場合がある。   (a) R̶P 相 A+,-M(IV)+O.+,-(A =  Ca,  Sr,  Ba)の既知物質   (b) R̶P 相 LaA+M(III)+O.+,-(A =  Ca,  Sr,  Ba)の既知物質   (c) R̶P 相 LaA+M(III)+O.+,-(A =  Ca,  Sr,  Ba)の既知物質   表１ 既知の RP 相 An+1MnO3n+1（A = Ca, Sr, Ba, La：Mは d ブロック元素）。PR 相が存在する場合はその A が⽰されており、存在しない場合は空欄としている。A = La が存在する場合には丸が記されている。d 電⼦数が 0 の場合は表の枠内を灰⾊とし、t2g電⼦のみであることが判明している場合にはオレンジとした。(a) Mが４価のもの。(b) Mが３価のもの。(c) A = La のもの。  図３ La2O3 と NiO を原料に酸素流中 1000℃（２回）、1200℃、1400℃で合成した試料La3Ni2O7 (a)、La4Ni3O10 (b)の X線回折パターン。   図 4 La2O3 と NiO を原料にして酸素流中 1200℃で焼成後、⽔素流中 800℃で還元した資料の X線回折パターン（a）、⾛査電⼦顕微鏡像（b）、エネルギー分散型 X線分光法により求めた La元素の分布（c）、Ni元素の分布（d）。   図 5 ⽔素還元後に酸素流中 1300℃で酸化した La3Ni2O7 と 1200℃で酸化した La4Nis3O10の X線回折パターン。それぞれ空間群Amam、Bmabを仮定して指数を付けた。   図６ HIP処理後の La3Ni2O7の X線回折パターン。⿊点線の⽮印はHIP処理でほとんど位置が変わらないことを、灰⽮印は HIP 処理でピークの位置が変わっていることを表している。   図７ La3Ni2O7+δ、La4Ni3O10 の⽐抵抗(a)と磁化率(b)の温度変化 RFR77)。δは約−0.08 とされている。   図８ La3Ni2O7+δの Tc の圧⼒依存性(a)RFR82)と電⼦状態の酸素量依存性の概念図(b)。実線はガイド線。   図９ La4Ni3O10+δの Tc の圧⼒依存性 RFR98)。酸素量は不明だが報告されている Tcに関しても合わせて載せた RFR28,RFR29,RFR93)。実線はガイド線。