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[mi_mendly.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/863a7ecb-f769-401f-b0fa-d9a2bf72735c/download)

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[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[フリーソフトウエアが学術論文の読者像をあぶり出す](https://mdr.nims.go.jp/datasets/b4bf5da5-25a9-487c-aa11-47ba5d722db8)

## Fulltext

A free software reveals a readership of academic papers◎連載フリーソフトウエアが学術論文の読者像をあぶり出す轟　眞市 物質・材料研究機構光材料センター∗Shin-ichi TODOROKI今年 1月、ネット検索をしているうちに妙なページにたどり着いた。筆者の論文 [1]の書誌情報が表示されているその脇に、図 1に示す「Readership Statis-tics(読者層統計)」と題した欄があるのだ。そこに記されている「Mendeley」とは、フリーで使える文献管理ソフトウエアの名前であり、これを使って筆者の論文を手元に置いている人が 4人いることが読み取れる。たった 4人の読者層ではあるが、彼らの専門分野や職種、国が見えるのは、愉快な気分だ。論文の反響を見積もる尺度といえば「引用数」が真っ先に挙げられるが、それとは別の尺度に成長するような予感を抱いた。このサービスが立ち上がったのは 2008 年のことで、既に 10万人を越えるユーザーが居るらしい。開発元のブログには、2009年に刊行された論文に対する読者層ランキングが掲載されている1。文献管理ソフトウエアの進化学術論文の執筆の際に避けて通れないのは、引用文献リストの作成であり、その手間を省くためのソフトウエアが昔から使われ続けてきた2。現在、一番有名な製品はEndNoteだと思われる。筆者はBIBTEXを 20年近く使っている。この種のソフトウエアで行う仕事とは、パーソナルなデータベースを構築することであるから、ひとたびあるソフトウエアを使い始めると、別なものに乗り換えるには相当のエネルギーが要る。データベースをイチから構築し直すに足るご利益が得られなければ意味が無い。∗〒 305-0044茨城県つくば市並木 1-1fax 029-854-90601http://www.mendeley.com/blog/2010/01/2Wikipedia英語版には、さまざまな reference management soft-ware を比較しているページがある。Readership Statistics4 Readers on Mendeleyby Discipline75% Computer and Information Science25% Biological Sciencesby Academic Status75% Ph.D. Student25% Student (Postgraduate)by Country25% United Kingdom25% Germany図 1: 筆者の論文 [1]をMendeleyに登録してくれた読者の構成。筆者も乗り換える気持ちは無いのだが、それでもMendeleyに注目する理由は次の 3点である。1. 手元の論文 PDFファイルやアクセスしたオンラインジャーナルのページをマウスで操作するだけで、簡単にリンク付き論文リストを作成でき、それを同僚と共有したり、Web公開できる点。2. 論文リストに関連付けられた PDFファイルは、複数の PC間で自動的に同期できる点。3. ユーザが作成した論文リストは集計され、その統計情報が公開される点。思わず遊んでみたくなる手軽さhttp://www.mendeley.com/ を開いて「Get Mende-ley」をクリックし、登録に必要な情報を入力してソフトウエアをダウンロードする。インストールを済ませれば、直感的な操作でいとも簡単にリンク付き118 Materials Integration Vol.23 No.04 (2010)http://www.mendeley.com/blog/2010/01/http://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_reference_management_softwarehttp://www.mendeley.com/http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html◎連載論文リストが出来上がる。書誌情報をイチから打ち直す必要は無い。練習がてら、以前の連載記事 [2]で掲げた図 (シリカガラス製光ファイバの損失低減の歴史)を作るのに参照した論文の一覧を作ってWeb公開した3。それが何の役にたつのか、と問われれば、後輩達へのささやかなプレゼントである、と答えよう。これから光ファイバのことを学ぶ人たちが、そのページを検索エンジンで見つけてくれることもあるはずだ。仮想文献庫を実現する同期機能しかしそれ以上に魅力的なのは、一度論文PDFファイルを登録したら、研究室からでも自宅からでも読み出せる様になっていることである。以前の連載記事 [3] で指摘した、電子ファイルに対する「ポケットひとつの原則4」を自動的に実現してくれる。いわば、インターネット上に個人の文献キャビネットを持つようなものだが、PCがネットに繋がっていない状態でも最低限の機能は使えるようになっている。適度に垣間見えるユーザー層Mendeleyが独自な存在になっているのは、冒頭でも紹介した統計情報であろう。Mendeley へのユーザー登録を済ませると、いろいろな統計情報を見ることができる。今どんな論文が良く読まれているか、誰の仕事に注目が集まっているか、どんな雑誌が読まれているか、がランキングで表示される。ただしこの情報は、ユーザー層の成熟に依存していることに注意しなければならない。ユーザー数の分野別比較を見ると、生物科学や情報科学が抜きん出ており、材料科学は下から数えた方が早い。職位で見れば、学生やポスドクが大半であるように見受けられる。今後のユーザー層の拡大が価値向上の鍵となるだろう。3Milestones after Dr. Charles Kao’s prediction,http://www.mendeley.com/research-papers/collections/1512951/オンラインジャーナルへのリンクを表示させるためには、Mendeleyへのユーザー登録が必要であることに注意。4野口由紀雄氏が著書「『超』整理法」(1993年) で提唱した書類管理の原則。個人で所有する書類は、その検索手段を整備した上で 1 箇所にまとめるべき、とした。省力化は必ずしも善ならず以前、大御所の研究者が文献管理ソフトウエアに関して発したコメントが印象に残っている。便利になると、ひとつひとつの論文に対する執着が薄れてしまう。彼は今でも Excelで手入力して管理しているという。それだけ手と頭を動かして接しているからこそ、他人の仕事に対する印象、評価、敬意が記憶に残るのだろう。筆者が BIBTEXを使い続けているのは、まさにこの理由によるのだが、その一方で、新しい技術に対するワクワク感も味わっていきたいのである。［参考文献］[1] S. Todoroki, T. Konishi and S. Inoue: “Blog-basedresearch notebook: personal informatics work-bench for high-throughput experimentation”, Appl.Surface Sci., 252, 7, pp. 2640–2645 (2006).[2] 轟眞市：“高校生に「光ファイバー通信の父」がノーベル賞を貰った理由を説明するには”,マテリアルインテグレーション, 22, 12, pp. 69–70 (2009).[3] 轟眞市：“研究生活のためのインフォマティクス(1)ポケットひとつの原則―ファイルは手ぶらで運ぶもの”, マテリアルインテグレーション, 21,10, pp. 68–69 (2008).マテリアルインテグレーション Vol.23 No.04 (2010) 119http://www.mendeley.com/research-papers/collections/1512951/http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html