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[杉本_鋼構造工学_2025‗71A_489.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/828b80ea-5b59-491f-a652-7d2cf5032480/download)

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杉本 悠真, 森山 仁志, [木村 勇次](https://orcid.org/0000-0002-8907-0704), [津﨑 兼彰](https://orcid.org/0000-0003-2400-7605), 山口 隆司

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[1700 MPa級軸先行型降伏ボルトを用いた引張接合継手の数値解析的研究](https://mdr.nims.go.jp/datasets/6647eed8-d6fe-4e94-85f7-1a28e5e79e93)

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土木学会構造工学論文集(2025.3)  構造工学論文集 Vol. 71A (2025 年 3 月) 土木学会  1700MPa 級軸先行降伏型超高力ボルトを用いた 引張接合継手の数値解析的研究  Numerical study on tensile type bolted joints using 1700MPa class  ultra-high strength bolts exciting yield at the thin shank part  杉本悠真†，森山仁志*，木村勇次**，津﨑兼彰**，山口隆司*** Yuma Sugimoto, Hitoshi Moriyama, Yuuji Kimura, Kaneaki Tsuzaki, Takashi Yamaguchi  †博（工），岩手大学助教，理工学部社会基盤・環境コース（〒020-8551 岩手県盛岡市上田 4-3-5） *博（工），徳島大学講師，大学院社会産業理工学研究部（〒770-8506 徳島市南常三島町 2-1） **博（工），国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究センター （〒305-0047 茨城県つくば市千現 1-2-1） ****博（工），大阪公立大学教授，大学院工学研究科（〒558-8585 大阪府大阪市住吉区杉本 3-3-138）  In this study, FEM was conducted to clarify the mechanical behavior and applicability of conventional design formulas for tensile type bolted joint using 1700MPa-class ultra-high-strength bolts. The 1700MPa-class bolts significantly improve the initial stiffness, the yield strength, the maximum strength and the deformation performance of tensile type joints compared to conventional high-strength bolts. Additionally, the conventional design formulas conservatively estimate the yield and maximum strength and bolt axial force of the joints using 1700MPa-class bolts. Keywords: ultra-high -strength bolts, tensile type bolted joints, SBHS, FEM キーワード：超高力ボルト，引張接合継手，橋梁用高降伏点鋼，FEM   1. 序論  ボルト本数削減のメリットから，仮設構造物をはじめとして高力ボルト引張接合継手（以下，引張接合）の需要が高まっている 1)~3)．しかし，引張接合は図－1 (b)のように継手ウェブから離れる方向にボルトを複数配置しても，ボルト本数分の強度は得られない 4)．また，引張接合は被接合部の構造諸元により作用力に抵抗するための必要ボルト本数を配置できないケースも少なくはない．これらの課題から，引張接合は図－1 (a)のように少ないボルト本数で大断面力に抵抗できることが望ましく，ボルト自体の高強度化はこの課題へのブレークスルーに貢献できる．本研究では，近年開発された 1700MPa 級軸先行降伏型超高力ボルト 5), 6)を用いた引張接合に着目する．  1.1 1700MPa級軸先行降伏型超高力ボルトの開発経緯 土木・建築構造物の鋼構造のボルト接合部では引張強さが 1000MPa 級の高力ボルト（F10T・S10T）が一般的に用いられている．1996 年には，引張強さ 1400MPa 級の超高力ボルト（S14T）も実用化され 7)，適用構造は限定されているものの設計指針類 8), 9)への反映が進み，近年ではその利用実績が増えている．さらに，（国研）物質・材料研究機構（以下，NIMS）が開発した水素感受性の低い超高強度鋼材を用いた軸先行降伏型の 1700MPa 級超高力ボルト 5), 6)が開発されている．本節ではこのボルトの開発経緯を紹介する． 文献 10), 11)では，開発した 0.6%C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼材（mass%)について，JIS B 1186-199512)に従う形状・寸 図－1 高力ボルトが多列配置された引張接合継手の例 継手ウェブ継手フランジ高力ボルト(a) 単列配置継手 (b) 多列配置継手 † 連絡著者 / Corresponding author E-mail: ysugimot@iwate-u.ac.jp -489-  法の超高力ボルト（呼び径M16 ）の試作品を用いた大気暴露試験と摩擦接合継手のすべり試験を実施し，超高力ボルトの実現には，応力集中緩和のためのねじ形状の開発，素材の冷間成形性と強度の両立，ボルトの引張変形能の改善が必要であることを示している． 文献 13)では，ねじ転造工具への負荷を考慮しつつ，ねじ部の応力集中を緩和した新たなねじ形状を FEM により開発した．開発したねじ形状は有効断面積が JIS ねじ形状 14)よりも大きく，最大荷重を 20%大きくできることを示した． さらに文献5)では，開発した0.5%C-2％Si-1％Cr-1％Mo鋼材を用いてボルト軸部がねじ部よりも先行して降伏する寸法形状（M22 ボルトで軸平行部径を 19.5mm 以下）を提案し，ボルトの引張変形能の大幅な改善に成功している．文献 6)では製品化に向けた品質評価と継手構造の性能評価の一環として，写真－1 の 1700MPa 級軸先行降伏型超高力ボルトの量産試作を行い，ボルトの寸法形状および引張耐荷特性，およびこのボルトを用いた摩擦接合継手のすべり挙動を調査している．結果，量産試作された超高力ボルトは安定した引張耐力を期待できるとともに，摩擦接合継手としての性能も問題なく発揮できることが示された．  1.2 引張接合への超高力ボルトの適用メリットと関連する過去の研究 高木ら 15)は，15T 級超高力ボルトを用いた引張接合の載荷実験を行い，ボルト破断先行の実験結果と鋼構造接合部設計指針 9)（以下，AIJ 指針）の継手耐力式とを比較し，15T ボルトにより継手強度が向上すること，AIJ 指針の継手耐力式が適用できることを明らかにしている．さらに，継手フランジの材料強度が大きくなると，継手の最大荷重が向上することも明らかにされている． 鈴木ら 16)は，開発段階の 18T 級超高力ボルト 10), 11), 13)を対象に，引張接合のパラメトリック解析を行っており，F10T高力ボルトと比較して継手の最大荷重が1.6倍向上することを明らかにしている．また，継手フランジ材をSM490 から HT70 に変更することで最大荷重が上昇し，超高力ボルトの強度性能を活かすためには継手フランジ材の高強度化も重要と結論付けている． さらに引張接合は変形性能においても留意すべき点がある．ひとつは継手フランジ間が離間すると接合部剛性が低下することで，これは構造物全体の変形挙動に影響する可能性がある．もうひとつは終局時の変形能で，ボルト破断で終局を迎えても十分な変形能を確保できることが望ましい．文献 16)では 18T 超高力ボルトの適用により，使用状態で想定される荷重が小さい範囲では接合部の離間剛性が高く，終局状態では変形量が大きくなり，剛性とエネルギー吸収能の観点からも優れた継手を実現できることが示されている．本研究で着目する 1700MPa級軸先行降伏型超高力ボルトに使用される鋼材は，引張強さ σbu に対する 0.2%オフセット耐力 σy0.2の比 (降伏比YR = σy0.2 / σbu)が 0.84~0.96)と高力ボルト S10T-M22 ボルトの降伏比の平均値 0.95717)と比べて小さい．加えて，ねじ部よりも軸部の降伏が先行するためボルト自体の変形能が大きい．これらの特性を生かすことで，ボルト破断先行となる引張接合の終局時の変形能向上が期待できる．  1.3 本研究の目的 本研究は量産手法が確立しつつある，1700MPa 級軸先行降伏型超高力ボルトを使用した引張接合（以下，17T 継手）のFEM解析によるパラメトリックスタディを行い，従来の F10T ボルトを使用した引張接合（以下，10T 継手）と継手耐力，初期剛性，最大耐力時の離間量などの力学的性能の比較を行う．また，17T 継手の強度性能や変形性能を発揮させやすい継手フランジの材質や板厚について考察を行う．さらに，17T 継手の実用化を見据えて，現行の国内設計指針で 17T 継手の耐力やボルト軸力増分が適用可能であるかを確認する． なお，以降は 1700MPa 級軸先行降伏型超高力ボルトを「17T ボルト」，F10T ボルトを「10T ボルト」，両者を指す場合は「高力ボルト」と呼称する．  2. 引張接合の国内設計指針  AIJ 指針 9)と橋梁用高力ボルト引張接合設計指針 18)(以下，JSSC 指針)に着目する．AIJ 指針は引張接合の降伏，最大耐力式，JSSC 指針はボルト降伏までのボルト軸力推定式がそれぞれ提示されている．なお，本研究では図－2 の引張接合を対象とし，JSSC 指針の継手の適用範囲をもとに，継手長w は 100mm，はしあき距離 a と継手ウェブからボルト中心までの距離 bはそれぞれ 50mmとした．  2.1 AIJ指針の降伏耐力式と最大耐力式 9) AIJ 指針では，3 つの降伏・崩壊モードに基づいた降伏耐力式と最大耐力式が示されており，高力ボルト降伏先行型 Pdy1, 複合降伏型 Pdy2, 継手フランジ降伏先行型 Pdy3の最小値で降伏耐力Pdyが決まる．   写真－1 1700MPa 軸先行降伏型超高力ボルト 6)  R319.520.71755 35 17単位：mm -490-   Pdy = min�Pdy1, Pdy2, Pdy3� (1) ただし  Pdy1 = n ∙ Bds (2)  Pdy2 =w ∙ M0 + a ∙ n ∙ Bdsa + b' (3)  Pdy3 =2w ∙ M0b' (4) ここで，  n : ボルト本数  Bds : 離間耐力で，式(5)で定義される．  Bds = 0.9Bd0 (5)  Bd0 : 設計ボルト軸力  a : はしあき距離  b’ : 継手ウェブからボルト中心までの距離bから，溶接サイズの 1 / 2 を差し引いた長さ  w : 継手フランジ幅  𝑀𝑀0 : 継手フランジ単位幅あたりの全塑性曲げ耐力で，式(6)で表される．  M0 =tf2 ∙ σfy4 (6)  tf : 継手フランジ板厚  σfy : 継手フランジの降伏応力 最大耐力 Pduは高力ボルト崩壊先行型 Pdu1, 複合崩壊型Pdu2, 継手フランジ降伏崩壊型Pdu3の最小値で決まる．  Pdu = min{Pdu1, Pdu2, Pdu3} (7) ただし  Pdu1 = n ∙ Bdu (8)  Pdu2 =w ∙ Mu + 𝑎𝑎 ∙ n ∙ Bdua + b' (9)  Pdu3 =2w ∙ Mub' (10) ここで，  Bdu : 最大軸力で，式(11)で定義される．  Bdu = Abe ∙ σbu (11)   Abe : 高力ボルトねじ部有効断面積または軸部断面積のいずれか小さい方  σbu : 高力ボルトの引張強さ  Mu : 継手フランジの単位幅あたりの最大曲げ耐力で，式(12)で表される．  Mu =tf2 ∙ σfu4 (12)  σfu : 継手フランジの引張強さ  これらの耐力式で使用する継手フランジの降伏応力と引張強さを表－1に示す．表－1 の鋼材はいずれもAIJ 指針に記載が無いため，SM490Y, SM570 は JIS G 310619)，SBHS500, 700 は JIS G 314020)に記載の降伏点（または耐力）と引張強さの下限値を示している．本研究で使用する高力ボルトの降伏応力と引張強さおよび M22 の設計ボルト軸力を表－2 に示す．17T は既往の研究実績 6)に基づきそれぞれの値を決定した．  2.2 JSSC指針のボルト軸力推定式 18) JSSC 指針ではボルトが降伏軸力Bdyに到達するまでの任意荷重に対する軸力推定式が示されている．ここで，降伏ボルト軸力 Bdy は表－2 の Abe と σby の積で求まり，10T で 272.7kN，17T で 447.9kN となる．ボルト 1本あたりの継手に働く作用力をP とすると，ボルト軸力推定式 図－2 本研究で対象とする引張接合と各種変数  表－1 耐力式に用いる継手フランジ材の 降伏応力と引張強さ 材質 板厚 範囲 降伏応力 σfy (MPa) 引張強さ σfu (MPa) SM490Y 16mmを超え 40mm以下 355 490  40mmを超え 75mm以下 335 490 SM570 40mmを超え 75mm以下 450 570  40mmを超え 75mm以下 430 570 SBHS500 - 500 570 SBHS700 - 700 780  表－2  耐力式に用いる高力ボルトの 設計ボルト軸力，耐力および引張強さ 材質 設計ボルト軸力  Bd0 (kN) ねじ部有効断面積または軸部断面積の小さい方 Abe (mm2) 降伏 応力  σby (MPa) 引張 強さ  σbu (MPa) 10T 205.0 303.0 900 1000 17T 354.6 298.6 1500 1700  wa abbtftfd  : ボルト呼び径 (mm)w  : ボルト1本あたりの継手長 (mm)tw : 継手ウェブ板厚 (mm)tf : 継手フランジ板厚 (mm)a : はしあき距離 (mm)b : 継手ウェブ面からボルト中心までの距離 (mm)b’ : bから溶接サイズの1/2を差し引いた長さ (mm)d twb’b’-491-  は式(13)または式(14)より求まる． Bd0 > P のとき   B = Bd0(1 + p) (13) Bd0 ≦ P のとき   B = P(1 + p) (14) ここで，  p : てこ反力係数，算出方法は紙面の都合により JSSC 指針を参照されたい． 式(13), (14)中のてこ反力係数 p は，2 次元 FEM 解析の結果を基にした重回帰式で，ボルト径，継手フランジ板厚，継手フランジ幅，設計ボルト軸力，ボルト 1 本あたりの作用力を変数に含む 21)．式(13), (14)で求まるボルト軸力は誤差10%以内で実際のボルト軸力を推定できる 22)．  3. FEMの概要  3.1 解析モデル 図－3 に解析モデルを示す．材料，境界，幾何学的非線形性を考慮し，高力ボルトセット，継手フランジ，継手ウェブ，溶接余盛部で構成した継手の 1 / 4 範囲をAbaqusでモデル化した．継手ウェブは SM570 とし，17Tボルト2 本が最大軸力(1015.2kN)に達する前に降伏しないようその板厚を 26mm とした．この板厚より決まる管理許容値 23)に収まるように完全溶け込み溶接の余盛サイズを8mm とし，余盛形状は簡易的に直角二等辺三角形とした． 10T と 17T ボルトの形状を図－4 に示す．いずれもボルト頭，ナット，軸部を一体化している．10T ボルトは軸部を呼び径 22mm，ねじ部を JIS の有効径 19.64mm，不完全ねじ部の軸方向長さをねじ山 2 ピッチ分の 5mmとし，17T ボルトは軸部を 19.5mm とし，不完全ねじ部の軸方向長さは 10T ボルトと同じ 5mm，ナットの高さは26.4mm でモデル化した．ねじ部の螺旋形状が初期剛性や最大耐力に与える影響は小さい 24)ことから，ねじ部は単純な円筒形状でモデル化している．10T ボルトの軸部長さについて，まず，M22 の 10T ボルトの首下長さは5mm ピッチで用意されていることが一般的であるため，締付け長さ 2tfに 40mm を加算した値を 2 捨 3 入 (7 捨 8入)し，ボルトの首下長さを求める．M22 のねじ部長さは40mm，不完全ねじ部長さを 5mm として，首下長さからねじ部長さと不完全ねじ部長さを差し引くことで軸部長さを決定した．17T ボルトの軸部長さは，2tfに 45mm を加算した値を 10T ボルトと同様に 2 捨 3 入 (7 捨 8 入)しボルトの首下長さを求め，首下長さからねじ部長さ35mm, 不完全ねじ部長さ 5mm，頭部R 部長さ 3mm を差し引くことで決定した．17T ボルトの頭部はトルシア形状であり，首下長さを決める際に締付け長さに加算する値は通常 35mm となる．しかし，引張接合にトルシアボルトを使用する場合は，頭部側にも座金を入れる必要がある 18)ため，35mm に 5mmを加算した．加えて，17T ボルトはナット高が 26.4mm と大きいため，ねじ部がナットから突出するようにさらに 5mm を加算し，首下長さは締付け長さ+45mmとしている．軸部長さが決まると図－4 の遊びねじ部長さも定まる． 要素は全て 8 節点低減積分要素を使用した．継手フランジの板厚，板幅方向の要素分割はそれぞれ 8, 15分割以上，高力ボルトの要素サイズは呼び径の 1/12 である約1.8mm25)とし，溶接余盛部の要素サイズは 2mm とした． 継手ウェブ‐継手フランジ間，座金‐継手フランジ間，溶接余盛部‐継手ウェブ間，溶接余盛部－継手フランジ間は節点共有により拘束した．また，継手フランジ間には境界非線形性を考慮し，接触接線方向は有限すべり挙動を再現できるペナルティ法を採用し，静止摩擦係数は素地調整 2 種程度のすべり係数 0.2526)を与えた．接触法線方向は，接触・離間挙動を再現できるラグランジュ未定乗数法による剛接触モデルを採用した． 解析に適用した材料の機械的性質を表－3 に，応力ひずみ関係を図－5に示す．表－3 には後に図－9で説明す 図－3 解析モデル   図－4 ボルトのモデル形状 (単位：mm)  対称条件(Y-Z面)継手ウェブ端部全方向変位固定継手フランジ継手ウェブ溶接余盛部高力ボルトセット対称条件(X-Z面)強制変位(Z方向)軸部軸部5遊びねじ部14.3519.520.1819.6422 36363640.538.515R3R3026.4遊びねじ部不完全ねじ部不完全ねじ部5 2214(a) 17T ボルト (b) 10T ボルト -492-  る全塑性ひずみ εafy も表記している．SM490Y, SM570, SBHS500, SBHS700 は文献 27)のマルチリニア型の応力ひずみ曲線を使用した．10T は文献 4), 22)引張接合の実験結果との整合が確認できている式(15)の C, n にそれぞれ 1358, 0.049 を代入した曲線形状を採用した．  σ = Cεn (15) 17T は文献 6)の材料試験結果を近似して得られたマルチリニア型の応力ひずみ曲線を採用した．10T, 17T の表－3 中の一様ひずみは材料試験結果より得られた値である．この材料モデルと図－4 (a)のモデル形状の妥当性検証のために，文献 6)の 17T ボルト単体引張実験の再現解析を実施した．図－6 に荷重－ひずみ関係を示す．実験は文献 6)の中で引張強度の下限値を示した No.231 供試体の結果を示している．継手耐力に影響する荷重と継手の変形性能に影響する軸先行降伏型ボルトの軸ひずみは，FEM と実験で終局時までよく一致することを確認した．なお，本研究で対象とする FEM 解析において，17T 継手の最大耐力時に生じるボルト軸部の軸方向ひずみの最大値は 0.055 であった．継手ウェブと座金はヤング率200GPa, ポアソン比 0.3 の弾性体でモデル化している． 解析は初期ボルト軸力導入段階と引張荷重導入段階の2 段階に分けている．初期ボルト軸力は 10T, 17T でそれぞれ 205kN と 354.6kN を「締結力モデル」29)により与えた．引張荷重は片側の継手ウェブ表面にZ 方向の強制変位を与えることで再現した．強制変位量 u は継手フランジ板厚が 24mm 以下の場合は u = 60mm，継手フランジ板厚が 24mm よりも大きい場合は u = 10mm を与えた．なお，強制変位が 1mmに達するまでは変位増分を 0.01mmとし，それ以降の変位増分は u/100 に設定した．  3.2 解析ケース 構造パラメータを表－4 に示す．継手フランジ板厚，継手フランジ鋼種，ボルト種別を変化させ 64 の解析ケースを設定した．17T 継手の力学性能を発揮させやすい継手フランジ板厚や材質の探索を目的としているため，継手フランジ板厚を8種，継手フランジ材質を4種とした．また，17T 継手における AIJ 指針の耐力式の適用性を確認するため，3つの降伏・崩壊モードを網羅できるよう，表－3 FEM 解析に適用した材料の機械的性質と継手フランジの全塑性ひずみ εafy 材質 板厚 範囲 ヤング率 E (GPa) ポアソン比 μ 降伏応力 σay (MPa) 降伏 ひずみ εay (×10-6) 引張強さ σau (MPa) 一様 のび εau (×10-6) 継手フランジの 全塑性ひずみ εafy (×10-6) SM490Y 40mm以下 200 0.3 355.6 1778 535.1 163799 12778 40mmを超え 75mm以下 335.6 1677 500.6 155226 12177 SM570 40mm以下 451.0 2255 585.7 106909 11755 40mmを超え 75mm以下 430.9 2154 557.2 102378 11154 SBHS500 - 501.2 2506 628.6 106931 13006 SBHS700 - 702.5 3512 806.9 87500 15512 10T - 900.0 4500 1003.6 45717 - 17T - 1518.8 9477 1781.9 47030 -   図－5 FEM 解析に適用した応力－ひずみ曲線   図－6 17T ボルトの再現解析（荷重－軸ひずみ関係）  表－4  変化させる構造パラメータ 継手フランジ板厚 tf (mm) 16, 22, 28, 32, 36, 40, 50, 60 継手フランジ材質 SM490Y, SM570, SBHS500, SBHS700 ボルト材質 10T, 17T  04008001200160020000 0.05 0.1 0.15 0.2真応力(MPa)真ひずみ17T10TSBHS700SBHS500SM570(40mm以下)SM570(40mmを超え75mm以下)SM490Y(40mm以下)SM490Y(40mmを超え75mm以下)0501001502002503003504004505005500 0.025 0.05 0.075 0.1荷重P(kN)軸ひずみ ε実験(No.231)FEMヘッド側の座金下部にY方向の強制変位を付与ナット側の座金上部の全方向変位を固定平行部長さ1/2位置の4つの要素の積分点におけるY方向対数ひずみを計測し平均した．-493-  継手フランジ板厚を 16mm~60mm の範囲で変動させた． 解析ケース名は，「17T_tf16_SM490Y」のようにボルト材質，継手フランジ板厚，継手フランジ材質の順に表記することを基本とし，区別する必要のないパラメータがある場合はその項目を省略して表記する．  4. 結果と考察  4.1 FEMにおける継手耐力と初期剛性の定義 荷重 P と耐力はボルト 1 本あたりの荷重とし，FEMにおける継手の降伏耐力は Pay_1と Pay_2の 2 つに着目する．ひとつはAIJ 指針との対応を考えた，ボルト軸力より定まる離間耐力 Pas と曲げを受ける継手フランジ降伏耐力Pafyの小さい方の値で決まるPay_1である．もう一つは，JSSC 指針での使用限界であるボルト軸力が降伏軸力に到達する際の荷重Paby（以下，ボルト降伏耐力）と，曲げを受ける継手フランジ降伏耐力Pafyの小さい方で定まる降伏耐力でPay_2とした．FEM における最大耐力Pauは継手のピーク荷重で定義した． 離間耐力 Pas は図－7 のように，荷重ボルト軸力曲線の一次勾配直線と二次勾配直線との交点の荷重で定義する 15), 30)．一次勾配直線はボルト軸力がBd0と 1.02Bd0の間にあるデータの最小二乗法で，二次勾配直線は 0.8Bayと0.9Bayの間にあるデータの最小二乗法によって求めた直線とした．なお，Bayは表－2 のAbeと表－3 の σayとの積で求まり，10T は 272.7kN，17T は 453.5kN となる． 継手フランジ降伏耐力Pafyは，継手フランジ縁端部の図－8の赤色の任意の要素積分点のY方向対数ひずみの絶対値が，図－9より求まる継手フランジ全塑性ひずみεafy と同じ値となったときの荷重で定義した．全塑性ひずみは材料固有の値でその大きさは表－3に示す通りである．図－9 のMa0は表－3の降伏応力 σayを用いた継手フランジの全塑性曲げ耐力で，式(16)より求まる．  Ma0 =tf2 ∙ σay4 (16) ボルト降伏耐力 Pabyはボルト軸力が降伏軸力 Bayに到達した際の荷重で定義している． 初期剛性はKasとKas_COMの 2 種類に着目する．ひとつは離間耐力Pasとその時の離間量δasとの割線剛性Kasで，もう一つは 17T 継手において，継手フランジ厚と材質が同じ10T継手の離間耐力Pas_10Tと同じ荷重をかけたときの 17T 継手の離間量の割線剛性 Kas_COMとした．同荷重での 10T, 17T 継手の剛性比較を目的に 17T 継手のみにKas_COMを設定した．離間量は図－8 の青丸位置で計測した 2 つの継手フランジのZ 方向の相対変位である． 以上で定義した耐力，離間量，初期剛性で，17T 継手と 10T 継手を区別する場合は添え字の後ろに「_17T」，「_10T」をつけて表記する．  図－7 離間耐力の決定方法   図－8 継手フランジ全塑性判定要素と離間計測位置   図－9  継手フランジの全塑性ひずみ εafyの求め方  ボルト軸力 B荷重PBd00.8Bay 0.9Bay1.02Bd0Pas一次勾配直線：Bd0と1.02Bd0間のプロットの最小二乗法によって求まる直線二次勾配直線：0.8Bayと0.9Bay間のプロットの最小二乗法によって求まる直線離間耐力Pas：一次勾配直線と二次勾配直線の交点にあたる荷重継手フランジ間の離間量計測位置拡大tf任意の赤色要素のY方向対数ひずみの絶対値がεafyに到達したときを継手フランジ降伏と定義する．t f継手フランジひずみ分布図応力分布図-εafyεafy0tf /2i：板厚方向に100分割し高さtf/100の微小断面を生成ii：微小断面に生じる要素軸方向力と中立軸からの距離の積を区分求積し，継手フランジ断面に生じる曲げモーメントMを求める．その式はであり，関数 f の形状は図－5の継手フランジ材の応力ひずみ関係の通りである．図－5のプロット間にひずみ がある場合，隣接する2つのプロットを用いた線形補完により応力 を求める．iii：上式で求めた曲げモーメントMとMa0が等しくなるような板端部の軸方向ひずみεafyを継手フランジの全塑性ひずみとする．Ma0 Ma0-494-  4.2 初期ボルト軸力導入後の接触圧分布 図－10 にボルト軸力導入後の接合面の接触圧コンターを示す．10T と 17T ともに，継手フランジ板厚が大きくなると接触圧が小さくなる．JSSC 指針の適用範囲であるw = 100mm, a = 50mm, b = 50mm の継手フランジにおいて，tf=16mm, 32mm はボルト孔からほぼ真円に接触圧が分布し，tf= 60mm では継手フランジ端部にまで接触圧が分布した．17Tボルトは 10T ボルトに比べて高い接触圧が広範囲に発生している． 図－11 にボルト中心を通る Y 方向の接触圧分布図を示す．10T, 17T ともにボルト孔左側の接触圧が右側より小さい．これは継手ウェブ中心の対称条件により Y 方向変位が拘束され，継手ウェブ側の継手フランジの圧縮変形が小さくなったことが原因と考えられる．tf =16mm, 22mm で接触圧が生じる境界をみると，tf =16mmはウェブ中心から 25.7mm と 100.3mm，tf =22mm は 18.1mm と105.4mm と 17T と 10T で同じであり，初期ボルト軸力が増加しても，接触圧が分布する範囲は変化しない． 引張接合は継手ウェブ直下で高い接触圧が生じるほど離間が生じにくい．図－11 をみると tf =32mm 以上の継手フランジ板厚で継手ウェブ直下に接触圧が発生し，板厚が大きくなるとその位置の接触圧は高くなる．接触面全体での 17T の接触圧は 10T のそれに対して平均して約 1.65~1.77 倍程度となり，初期ボルト軸力の比 1.73倍 ( = 354.6kN / 205kN) とほぼ等しい増加量であった．  4.3 初期ボルト軸力導入後の継手フランジ Mises応力 図－12 に本研究の解析ケースで最も軸力導入後に継手フランジ降伏が生じやすいと考えられる17T_tf16_SM490Y の初期ボルト軸力導入後の継手フランジのMises 応力コンター図を示す．17Tボルトの高い 図－10 初期ボルト軸力導入後の継手フランジ接触面の接触圧コンター図 (変形倍率：1 倍)  図－11  ボルト中心断面における接触圧分布図   図－12 ボルト軸力導入後の継手フランジの Mises 応力コンター図 (17T_tf16_SM490Y, 変形倍率：1倍)  0501001502002503000 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110接触圧(MPa)継手ウェブ中心からのY方向距離 (mm)継手ウェブ表面位置ボルト孔壁0501001502002503000 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110接触圧(MPa)継手ウェブ中心からのY方向距離 (mm)継手ウェブ表面位置ボルト孔壁tf=16mm tf=22mm tf=28mm tf=32mm tf=36mm tf=40mm tf=50mm tf=60mm(a) 10T, SBHS700 シリーズ (b) 17T, SBHS700 シリーズ (a) tf = 16mm, SBHS700 シリーズ (b) tf = 32mm, SBHS700 シリーズ (c) tf = 60mm, SBHS700 シリーズ 継手ウェブ直下継手ウェブ直下 17T10T継手ウェブ直下継手ウェブ直下 17T10T継手ウェブ直下継手ウェブ直下 17T10T接触圧(MPa)YX-495-  軸力(354.6kN)が導入された後に継手フランジに生じるMises 応力の最大値は 346.3MPa であった．なお，継手フランジの要素サイズを 1mm まで細かくした解析も別途実施し，継手フランジに生じるMises 応力が SM490Y の降伏点以下となることを確認している．要素サイズをさらに細かくするとMises応力はさらに高くなると考えられるが，降伏が生じたとしても局所的であり，継手全体挙動には大きく影響しないと考えられる．  4.4 継手耐力と最大耐力時の離間量 表－5 に継手耐力，最大耐力時の離間量，降伏・崩壊モードを示す．AIJ 指針の降伏・崩壊モード（それぞれPdyとPduの欄）は，Pdy = Pdy_1, Pdu = Pdu_1のときをボルト降伏・崩壊モードで「B」，Pdy = Pdy_2, Pdu = Pdu_2のときを複合降伏・崩壊モードで「FB」，Pdy = Pdy_3, Pdu = Pdu_3のときを継手フランジ降伏・崩壊モードで「F」とする．10T, 17T 継手ともに用意した解析ケースでAIJ 指針の降伏・崩壊モードは全て網羅できていることがわかる． FEMの降伏モードはPay_1とPay_2の 2つの降伏耐力に対して「B」，「F」の 2 種類で分類し，複合降伏モード「FB」の区分は設けていない．Pay_1の降伏モードは PasとPafyを比較し，Pasが小さければ「B」，Pafyが小さければ「F」しているが，全解析ケースで降伏モードはB となった．Pay_2の降伏モードはPabyとPafyを比較し，Pabyが小さければ「B」，Pafy が小さければ「F」しており，17T_tf16_SM490Y のみ降伏モードが F となる． FEM の崩壊モードは，最大耐力Pau時までに継手フランジ降伏が生じない（表－5のPafy欄が「-」である）場合は「B」，最大耐力 Pau時までにボルト軸力が表－2 のAbe と表－3 の σau の積である最大軸力 Bauに達しない場合は「F」，それ以外を「FB」で分類した．崩壊モードはAIJ 指針と FEM でおよそ一致した．また，降伏，崩壊モードともに，AIJ 指針が B で FEM が FB もしくは F となるケース，あるいは AIJ 指針が FB で FEM が F となるケースは存在しなかった． 図－13 に 10T，17T 継手それぞれの Pas, Paby, Pauと継表－5  解析結果一覧   P as P aby P afy P au δ au P as P aby P afy P au δ au(kN) (kN) (kN) (kN) (mm) P ay _1 P ay _2 P dy P au P du (kN) (kN) (kN) (kN) (mm) P ay _1 P ay _2 P dy P au P du16 69.6 136.1 179.4 189.0 10.40 B B F FB F 124.6 227.7 187.5 264.3 44.76 B F F F F22 84.1 163.5 211.6 224.6 2.39 B B F FB FB 149.5 276.6 288.3 328.3 13.37 B B F F F28 96.5 185.6 245.0 254.1 2.61 B B FB FB FB 173.1 315.8 351.9 355.1 5.26 B B F FB FB32 104.5 193.1 - 283.5 2.82 B B FB B FB 188.1 333.2 379.9 384.2 5.83 B B FB FB FB36 113.6 200.4 - 305.5 2.11 B B FB B B 205.2 353.6 410.5 417.2 6.45 B B FB FB FB40 121.0 208.5 - 314.9 1.35 B B B B B 218.0 378.9 443.2 453.7 7.39 B B FB FB FB50 132.9 236.5 - 314.9 1.04 B B B B B 237.8 452.8 - 506.5 4.74 B B B B B60 140.0 271.9 - 314.9 0.99 B B B B B 259.0 453.5 - 506.5 5.08 B B B B B16 69.9 137.8 201.0 203.7 3.59 B B F FB F 112.7 229.5 234.6 278.2 23.37 B B F F F22 84.1 164.0 226.8 237.6 2.68 B B FB FB FB 147.5 292.9 338.1 340.3 5.01 B B F FB F28 96.5 185.8 - 275.1 3.52 B B FB B FB 172.3 324.1 384.8 386.1 4.86 B B FB FB FB32 104.5 193.2 - 308.3 2.67 B B FB B B 188.1 341.0 420.2 423.6 5.53 B B FB FB FB36 113.6 200.5 - 309.0 1.50 B B B B B 205.1 360.8 458.8 465.1 6.10 B B FB FB FB40 121.0 208.5 - 314.9 1.25 B B B B B 217.9 387.0 499.8 506.2 5.68 B B FB FB FB50 132.9 236.5 - 314.9 1.04 B B B B B 237.6 453.5 - 506.5 4.43 B B B B B60 140.0 271.9 - 314.9 0.99 B B B B B 259.6 453.5 - 506.5 5.05 B B B B B16 69.8 138.2 197.9 207.8 3.00 B B F FB F 113.1 234.3 256.5 287.8 18.94 B B F F F22 84.1 164.1 229.6 243.3 2.98 B B FB FB FB 147.5 297.0 347.8 348.4 4.41 B B F FB F28 96.5 185.8 - 285.3 3.83 B B FB B FB 172.3 326.3 398.7 399.0 4.72 B B FB FB FB32 104.5 193.2 - 312.0 2.25 B B B B B 188.1 342.4 439.3 439.7 5.39 B B FB FB FB36 113.6 200.5 - 309.1 1.45 B B B B B 205.1 362.3 482.4 485.2 5.95 B B FB FB FB40 121.0 208.5 - 314.9 1.25 B B B B B 217.8 388.7 - 506.5 4.34 B B FB B FB50 132.9 236.5 - 314.9 1.04 B B B B B 237.5 453.7 - 506.5 4.41 B B B B B60 140.0 271.9 - 314.9 0.99 B B B B B 259.7 453.5 - 506.5 5.06 B B B B B16 69.8 138.5 198.4 218.9 3.00 B B FB FB FB 113.4 244.8 324.3 329.3 6.79 B B F FB F22 84.1 164.2 - 263.3 4.46 B B FB B FB 147.4 303.1 372.1 379.2 4.70 B B FB FB FB28 96.5 185.8 - 300.7 2.71 B B B B B 172.2 328.8 445.9 447.5 5.71 B B FB FB FB32 104.5 193.2 - 315.0 1.92 B B B B B 188.1 344.2 - 502.8 5.40 B B FB B FB36 113.6 200.5 - 309.2 1.40 B B B B B 205.0 363.8 - 506.7 3.91 B B B B B40 121.0 208.5 - 314.9 1.25 B B B B B 217.8 390.5 - 506.5 3.95 B B B B B50 132.9 236.5 - 314.9 1.04 B B B B B 237.5 453.5 - 506.5 4.38 B B B B B60 140.0 271.9 - 314.9 0.99 B B B B B 259.7 453.5 - 506.5 5.04 B B B B BSM490YSM570SBHS500SBHS70010T継手t f(mm)17T継手崩壊モード降伏モード降伏モード 崩壊モード-496-  手フランジ板厚の関係を示す．継手フランジ板厚が大きくなれば基本的にPas, Paby, Pauは増加する．ただし，ボルト降伏耐力と最大耐力は一定以上の板厚で収束する．これは，継手フランジ間が完全に離間するためで，この状態となると継手フランジの板厚増加や高強度材の使用による耐力上昇は見込めない．少なくとも最大耐力が一定値に収束するケースは表－5で継手フランジ降伏耐力Pafyの値が無く，崩壊モードはB となる． さらに図－13 をみると，17T_tf16_SM490Y を除き，離間耐力 Pas は板厚が同じであれば材質によらず一定値となる．ボルト降伏耐力Pabyも材質の影響は小さい．17T継手の板厚の小さい領域では高強度材の使用により，ボルト降伏耐力Pabyが若干上昇するが，これは継手フランジの部分的な塑性域の変化によるものと考えられる．一方で，継手フランジを高強度材とすることで最大耐力Pauは上昇する．特に 17T 継手の方が 10T 継手に比べて高強度材の適用による板厚低減効果が大きい．例えば，10T 継手で最大耐力を収束値に近い 300kN 以上確保するために必要な板厚は，SM490Y で 36mm，SBHS700 で32mm と 4mm の低減にとどまる．対して，17T 継手で最大耐力を収束値に近い 500kN 以上確保するには，SM490Yで 50mm，SBHS700で 36mm と板厚が 14mm削減できる． 表－5 の最大耐力時の離間量 δauをみると，17T 継手と10T 継手ともに δau が最も大きくなるのは，継手フランジ板厚と降伏点が最も小さい tf16_SM490Y であった． 図－14 に 10T 継手と 17T 継手の Pas, Paby, Pau, δauの比を示す．図－14 (a)をみると，Pay_2 の降伏モードが F である 17T_tf16_SM490Y を除き，ボルト降伏耐力 Paby は17T 継手が 10T 継手の 1.67倍～1.92 倍で，17T ボルトと10T ボルトの降伏軸力の比(1.66)以上となる．これは，17T ボルトが軸力増加の要因となるてこ反力を低減できるためで，詳細は 4.8 節で説明する．また，17T 継手の最大耐力は10T継手に対し1.36倍～1.64倍向上する．  図－13 Pas, Paby, Pauの比較   図－14  10T, 17T 継手のPas, Paby, Pau, δauの比  0.001.002.003.004.005.006.007.0015 25 35 45 55 65δ au_17T/ δau_10T継手フランジ板厚 tf (mm)1.251.501.752.0015 25 35 45 55 65P as_17T/ Pas_10T, Paby_17T/ Paby_10T,P au_17T/ Pau_10T継手フランジ板厚 tf (mm)△：Pas_17T / Pas_10T×：Paby_17T / Paby_10T○：Pau_17T / Pau_10T(a) Pas, Paby, Pau (b) δau SM490Y SM570 SBHS500 SBHS700SM490Y SM570 SBHS500 SBHS7000.050.0100.0150.0200.0250.0300.0350.0400.0450.0500.0550.015 25 35 45 55 65P as, P aby, Pau(kN)継手フランジ板厚 tf (mm)×：ボルト降伏耐力Paby△：離間耐力Pas○：最大耐力Pau0.050.0100.0150.0200.0250.0300.0350.0400.0450.0500.0550.015 25 35 45 55 65P as, P aby, Pau(kN)継手フランジ板厚 tf (mm)×：ボルト降伏耐力Paby△：離間耐力Pas○：最大耐力Pau(a) 10T 継手 (b) 17T 継手 SM490Y SM570 SBHS500 SBHS700 SM490Y SM570 SBHS500 SBHS700-497-  図－14 (b)の最大耐力時の離間量 δauは，本研究の解析ケース内では 17T 継手が 10T 継手よりも大きくなり，その比率は 1.05~6.51 倍となった．また，δau の比は tf = 16mm のときと tf = 60mm のときで大きく，tf =22mmもしくは 28mm で最小値をとる．図－15 に tf16_SM490Yシリーズの最大耐力時のMises コンター図を示す．図－15 をみると，17T 継手が 10T 継手よりも継手フランジに発生するMises 応力が大きく塑性域が大きい．これが継手フランジ板厚の小さいケースで δau の比が増加する要因と考えられ，10T 継手では 10T ボルトのピーク軸力によって継手フランジの塑性変形が限定されるのに対し，高強度な 17T ボルトの使用により継手フランジの塑性変形能をより引き出すことが可能となる．つまり，10T継手の Pauの崩壊モードが FB で 17T 継手の Pauの崩壊モードが F となる継手フランジ板厚，材質の構成で δauの比が大きくなる．そこから板厚を増加させると継手フランジの塑性域は小さくなり，17T継手と 10T継手の δauの比は低下する．しかし，tf =22mm もしくは 28mm を境に再び δauの比が増加する．図－16 に tf60_SM490Y シリーズの最大耐力時の相当塑性ひずみコンター図を示す．継手フランジ板厚が大きいと 17T ボルトが長くなり，図－16のようにボルト軸部の塑性変形量が大きくなる．これが継手フランジ板厚が増加するにつれて δau の比が大きくなる要因であり，10T 継手と 17T 継手の Pauの崩壊モードがともに B である場合は継手フランジ厚を大きくするほど δau の比は大きくなる．これらの結果から，17T継手は少なくとも10T継手と同等の最大耐力時の離間量を確保でき，継手フランジ材質や板厚を適切に設定すれば 10T 継手よりも大幅な継手変形性能の向上が期待できることがわかった．  4.5 AIJ指針との継手耐力の比較 図－17に，FEMとAIJ指針の継手耐力の比較を示す．離間耐力から定まるPay_1の多くはPdyを下回るが，この傾向は 10T 継手や 15T ボルトの継手でも観測されており 15)，17T 継手特有の問題ではない．対して，ボルト降伏と継手フランジ降伏から決まるPay_2はPdyを1.03~1.90倍上回り，AIJ 指針の降伏耐力は FEM の降伏耐力 Pay_2を安全側に評価する結果となった．ただし，表－5 のAIJの降伏モードが F，B となる継手形式で両者の誤差が大きい傾向にある．継手フランジ降伏先行型の耐力式がFEM より安全側となる傾向は過去の研究結果 22)と同じである．また，ボルト降伏先行型の耐力式が FEM より安全側となるのは，式(2)の離間耐力が降伏ボルト軸力ではなく，設計ボルト軸力Bd0で決まるためである． 最大耐力は継手フランジ板厚が大きく，表－5 の AIJの崩壊モードがB となる継手で 1 に近い．また，tf / d が1.27 以上であればPau / Pduが 1 を下回るケースにおいてもその最小値は 0.95 以上となる．tf = 16mm, 22mm ではPau / Pduが 1 から乖離するものの，1 を下回るケースは存在しなかった．以上の結果より，AIJ 指針の降伏・最大耐力式は 17T 継手でも適用可能と考えられる．  図－15 最大耐力時のMises 応力コンター図 （tf16_SM490Y シリーズ，変形倍率：1 倍）   図－16 最大耐力時の相当塑性ひずみコンター図 （tf60_SM490Y シリーズ，変形倍率：1 倍）   図－17 17T継手とAIJ 指針の比較 (FEM / AIJ)  SM490Y SM570 SBHS500 SBHS7000.500.751.001.251.501.752.0015 25 35 45 55 65P as / Pdy, Paby/ Pdy, Pau/ Pdu 継手フランジ板厚 tf (mm)△：Pas / Pdy×：Paby / Pdy○：Pau / Pdu＋10%-10%(a) 10T_tf16_SM490Y Pau = 189.0kN, δau = 10.40mm (b) 17T_tf16_SM490Y Pau = 264.3kN, δau = 44.76mm Mises応力(MPa)側面図 側面図上面図 上面図相当塑性ひずみ(a) 10T_tf60_SM490Y Pau = 314.9kN, δau = 0.99mm (b) 17T_tf60_SM490Y Pau = 506.5kN, δau = 5.08mm -498-  4.6 荷重－離間関係 図－18に継手フランジ板厚 tf = 16mm, 32mm, 60mm の荷重－離間量関係を示す．各ケースのボルト降伏耐力Pabyを「×」，最大耐力Pauを「○」プロットで示す． P = 50kN までは，継手フランジが同厚であれば，10T継手と 17T 継手で曲線形状は同じとなる．これは図－10，図－11 で示したように，接触圧の範囲が初期軸力の大きさによらず同じためと考えられ，外力の増加と継手ウェブ側の接触力の減少が釣り合うような低い荷重では，10T 継手と 17T継手の挙動に大きな違いはない．ただし，10T 継手は継手ウェブ側の接触圧が早期に 0 となり，17T 継手に比べて早期に離間量が大きくなる．その後 10T 継手は，荷重がボルト降伏耐力Pabyに達して，ある程度荷重が増加した後に離間の増加量が大きくなり，最大耐力 Pauに達する．対して，17T 継手はボルト降伏耐力 Paby に到達後すぐに離間量が増加して最大耐力 Pauに達する．17T 継手の離間量が Paby 後で増加するのは，17T ボルト軸部の塑性域が大きいためである． 17T_tf16_SM490Y のみPaby前に離間量が急増する．これは，Pay_2の降伏モードが F であり，ボルト降伏よりも継手フランジ降伏が先行するためである．また，図－18 (c)をみると，4 つの継手フランジ材質で 17T，10T ともに最大耐力時まで曲線が一致する．これは，tf = 60mm では SM490Y でも最大耐力時まで継手フランジ降伏が生じず，材質の影響を受けないためと考えられる．  4.7 継手の初期剛性 図－19に継手の初期剛性を示す．図－19 (a)は 17T 継手の Kas_17Tで，tfが増加するにつれて Kas_17Tも大きくなる．これは引張接合でみられる一般的な挙動である．また，継手フランジの材質が変化しても Kasには変化はない．図示していないがKas_10Tでも同じ傾向であった． 図－19 (b)に Kas_10T, Kas_17T, Kas_COM を示す．Kas_10T とKas_17T を比較すると，tf が小さいと両者はほぼ同じ値となるが，tfの増加に伴いKas_17Tが小さくなる．図－19 (c)の 17T 継手と 10T 継手の比(Kas_17T/Kas_10T)をみると，tf = 16mm で 1.02 倍，tf = 60mmで 0.80 倍となっている．これは，17Tボルトの軸部断面積が 10T ボルトに比べて小さく，離間耐力時のボルトの伸び量が大きくなることが原因と考えられる．tfが大きくなると 17T ボルトの細径 図－18  荷重－離間関係  図－19 初期剛性  (b) KasとKas _COM (17T_SBHS700, 10T_SBHS700シリーズ) (a) 継手フランジ材質による Kas_17Tの変化 (c) 17T 継手と 10T継手の初期剛性の比率 (SBHS700シリーズ) 0500100015002000250015 25 35 45 55 65初期剛性Kas_17T(kN/mm)継手フランジ板厚 tf (mm)SM490Y SM570SBHS500 SBHS70001000200030004000500060007000800015 25 35 45 55 65初期剛性Kas, Kas_MIX(kN/mm)継手フランジ板厚 tf (mm)abcKas_10TKas_17TKas_COM1.02 0.980.950.930.910.900.890.801.20 1.261.341.42 1.531.67 2.122.800.000.501.001.502.002.503.0015 25 35 45 55 6517T継手/10T継手継手フランジ板厚 tf (mm)KasKas_10TKas_17T/ Kas_10TKas_COM/ Kas_10T(a) tf = 16mm シリーズ (b) tf = 32mm シリーズ (c) tf = 60mm シリーズ 10T_SM490Y 10T_SM570 10T_SBHS500 10T_SBHS70017T_SM490Y 17T_SM570 17T_SBHS500 17T_SBHS7000501001502002503003504004505005500 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50荷重P(kN)離間量 δ (mm)0501001502002503003504004505005500 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10荷重P(kN)離間量 δ (mm)0501001502002503003504004505005500 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10荷重P(kN)離間量 δ (mm)-499-  軸部の長さが増加するため，Kas_17T/Kas_10Tが小さくなる． 図－19 (b)にてKas_COMはKas_17T，Kas_10Tよりも大きい．図－19 (c)のKas_COM /Kas_10Tをみると，tf = 16mmで1.2倍，tf = 60mm で 2.8 倍と，tfが大きくなる程その比は大きくなる．これは，図－10，図－11 で示したように 17T継手の接触圧が大きいためで，弾性域で同じ荷重が作用する場合，10T 継手よりも 17T 継手は離間が生じにくい．  4.8ボルト軸力と JSSC指針との比較 図－20に荷重ボルト軸力関係を示す．縦軸は荷重を降伏ボルト軸力 Bayで除し，横軸はボルト軸力を初期ボルト軸力 Bd0で除してそれぞれ無次元化した．グラフは継手フランジ降伏の影響を受けにくい SBHS700 シリーズに着目している．離間耐力Pasを三角形プロットで示し，JSSC 指針のボルト軸力推定式より得られたボルト軸力も点線で示す．JSSC 指針の継手フランジ板厚の適用範囲は tf = 18mm ~ 50mmであるが，参考のために tf = 16mm, 60mm にも JSSC 指針から推定されたボルト軸力を示している．また，10Tボルトと 17T ボルトの降伏軸力の無次元量 1.33 と，1.28 をそれぞれ直線で示している． 17T継手は10T継手よりも離間耐力や降伏ボルト軸力に達するまでの無次元化荷重が大きい傾向にある．これはボルトの材料強度が大きくなったこと以外に離間耐力 Pasやボルト降伏耐力 Pabyを上昇させる要因が存在することを意味する．離間耐力に達するまでの無次元化荷重が大きいのは，17T ボルトと 10T ボルトの降伏軸力の比（453.5kN/272.7kN=1.66）よりも，初期ボルト軸力の比（354.6kN/205kN=1.73）が大きいためと考えられる．また，降伏ボルト軸力に達する無次元化荷重が 17T 継手で大きい傾向にあるのは，離間耐力以降の 2 次勾配が 10T継手よりも 17T 継手で大きいためである．これは 17T継手でてこ反力が発生しにくいことを表しており，図－21のように 17T ボルトの伸びが大きくなることで，てこ反力発生位置であるボルト位置よりも縁端側の継手フラ 図－20 荷重－ボルト軸力関係 (SBHS700 シリーズ)   図－21 17T継手によるてこ反力低減メカニズム  Sym.Sym.ボルト伸び小ボルト伸び大てこ反力大てこ反力小外力外力ボルトの伸び剛性が小さいと，ボルト位置よりも縁端側の継手フランジ間が離間しやすくなり，てこ反力が小さくなる．17T継手10T継手この領域で離間が生じやすい00.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd000.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd000.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd000.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd000.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd000.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd000.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd0(a) tf = 16mm (h) tf = 60mm (b) tf = 22mm (c) tf = 28mm (d) tf = 32mm (e) tf = 36mm (f) tf = 40mm (g) tf = 50mm   10T継手 (FEM) 10T継手 (JSSC) 17T継手 (FEM) 17T継手 (JSSC)00.20.40.60.811.21.40.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6無次元化荷重P/ Bay無次元化ボルト軸力 B / Bd017Tボルト降伏軸力10Tボルト降伏軸力-500-  ンジ間で離間が生じやすくなるためと考えられる． いくつかのケースでボルト軸力曲線が途中から直線となる．10T継手は tf = 50mm, 60mmのそれぞれP /Bay=1.1, 1.0 近傍から直線となり，17T 継手では tf = 36mm, 40mm, 50mm, 60mm でそれぞれ P /Bay=1.09, 1.07, 1.0, 0.88 近傍から直線となる．これは継手フランジ間が完全に離間し，荷重P とボルト軸力B がP = B で釣り合うためである．17T 継手で完全離間するケースが多いが，これは 17T ボルトの伸びが大きくなることが要因と考えられる．また，ボルトがピーク軸力に達した後に荷重が増加するケースがある．引張接合では荷重P，ボルト軸力B，てこ反力R の力のつり合いからP = B - Rが成り立つ．ピーク軸力後の荷重増加は，ボルト軸力B の減少よりもてこ反力R の減少量が大きいために生じており，てこ反力が生じやすい継手フランジ板厚の小さい継手で観測される． JSSC指針のボルト軸力をみると，10T継手は tf = 60mmを除いて FEM と良く一致する．tf = 60mm の JSSC 指針をみると，降伏ボルト軸力に達するまでの軸力推定は難しいことがわかる．また 17T 継手と 10T 継手の JSSC 指針同士の曲線形状はほぼ同じであった． 17T 継手の FEM と JSSC 指針を比較すると，JSSC 指針で軸力が早期に増加し，JSSC 指針が安全側のボルト軸力推定となることがわかった．JSSC 指針のボルト軸力が 17T継手よりも大きいのは JSSC指針のてこ反力算定式で 17T ボルトの図－21 のメカニズムによるてこ反力の低減を考慮できていないことが原因であり，式(13), (14)の p に低減係数を乗じることで精度が改善すると考えられる．この低減係数については今後検討を進める．  5. まとめ  本研究では量産手法が確立しつつある，1700MPa 級軸先行降伏型超高力ボルト（17T ボルト）を使用した引張接合（17T 継手）の FEM によるパラメトリックスタディを行い，10T 継手と継手耐力，初期剛性，最大耐力時の離間量などを比較したうえで，17T 継手の強度性能や変形性能を発揮させやすい継手フランジの材質や板厚についても検討した．さらに，17T継手の実用化を見据えて，AIJ 指針の降伏耐力式と最大耐力式，ならびに JSSC 指針のボルト軸力推定式の適用性を確認した．本研究で得られた主な結論を以下にまとめる． 1） 17T ボルトの軸力導入後に継手フランジ間に発生する接触圧は 10T ボルトに比べて約 1.65~1.77 倍となり，17T ボルトと 10T ボルトの初期ボルト軸力との比率(1.73)とおよそ同じであった．また，本研究で検討したケースで最も板厚が小さく，かつ鋼種の降伏点が低い板厚 tf = 16mm，SM490Y の継手フランジにて，17T ボルトの軸力導入後にも継手フランジは降伏しないことを確認した． 2） 17T 継手のボルト降伏耐力は 10T 継手の 1.67 倍～1.92 倍となり，17T ボルトと 10T ボルトの降伏軸力の比率(1.66)以上となる．これは，17T ボルトの軸径が小さくボルトが伸びやすいことで，ボルト軸力増加の要因となるてこ反力を低減できるためである．また，17T 継手の最大耐力は 10T 継手に対して 1.36倍～1.64 倍向上する． 3） 同じ継手フランジを有する 17T継手と 10T継手で，10T 継手までの離間耐力までの継手の剛性を比較すると，高い初期ボルト軸力により 17T 継手の剛性Kas_COMが 10T継手の剛性Kas_10Tよりも大きくなる．一方で，17T 継手と 10T 継手の離間耐力時までの割線剛性を比べると，17T 継手の剛性Kas_17Tが 10T 継手の剛性Kas_10Tよりも小さい．これは，17T ボルトの軸径が小さくボルトが伸びやすいためである． 4） 継手フランジの材質の違いが 17T 継手のボルト降伏耐力へ与える影響はわずかである．一方で，最大耐力には継手フランジ材質が影響する．特に 17T継手に高強度材を使用すると，小さい継手フランジ板厚で大きな最大耐力を確保することが可能となる． 5） 最大耐力時の離間量 δau は，本研究の解析ケース内では 17T 継手が 10T 継手よりも大きい．特に，崩壊モードが 10T 継手から 17T 継手で FB から F に変化する場合，継手フランジの塑性変形能を引き出すことができ，17T継手のδauは大幅に大きくなる．また，崩壊モードが 10T 継手と 17T 継手でともにB の場合も，継手フランジ板厚の増加に伴い 17T ボルト軸部の塑性変形量が大きくなるため，17T 継手の δau は大きくなる．継手フランジ材質や板厚を適切に設定することで，17T 継手は 10T 継手よりも大幅な終局時の変形性能向上が期待できる． 6） 17T 継手で，FEM の継手の降伏耐力 Pay_2は AIJ 指針の降伏耐力Pdyより 1.03~1.90 倍高い値を示す．また，tf / d が 1.27以上では FEM とAIJ 指針の最大耐力の誤差は 10%未満と両者は良く一致する．それより小さい板厚では誤差が大きくなるが，FEM の最大耐力が AIJ 指針の最大耐力を下回ることはない．これらより，AIJ 指針の降伏・最大耐力式は 17T継手でも適用可能と考えられる． 7） 17T 継手のボルト軸力は JSSC 指針のボルト軸力推定式から算出されたボルト軸力よりも小さく，JSSC指針を用いてボルト軸力推定すると安全側の評価となる．これは 17Tボルト軸部の大きな伸びによるてこ反力の低減が主な原因として考えられる． F10T ボルトから 1700MPa 級軸降伏型超高力ボルトとすることで引張接合の耐力，剛性，変形性能が大幅に向上することがわかった．この効果を最大化するには降伏耐力やボルト軸力の推定精度の改善が不可欠であり，今後検討を進める．また，軸降伏型超高力ボルトは図－1 (b)のような多列配置継手への適用メリットが大きいため 31)，多列配置やエンドプレート接合での性能評価も検討する． -501-  謝辞 数値解析に用いた 1700MPa ボルトの材料試験結果はJSPS 科研費（課題番号 20246105），本研究は JSPS 科研費（課題番号 23K13395, 24K17335）の支援をそれぞれ受けた．ここに記して謝意を表す．  参考文献 1) 鈴木勝，玉越隆史，沢田道彦：緊急仮設橋の開発について，橋梁と基礎，Vol.49 (11)，pp.46-51，2015. 2) 岑山友紀，杉本悠真，東博年，江頭慶三，杉田圭哉，山口隆司：仮桟橋部材を活用した緊急仮設橋の主桁連結構造に関する実験的研究，構造工学論文集，Vol.64A，pp.594-604，2018. 3) 岑山友紀，橘肇，高尾智之，山口隆司：一軸引張部材の連結構造に適用した非突出型エンドプレート接合に関する解析的研究，構造工学論文集，Vol.67A，pp.412-420，2021. 4) 杉本悠真，山口隆司：高力ボルト多列配置型引張継手における補剛リブの強度向上効果，構造工学論文集，Vol.67A，pp.309-322，2021. 5) 木村勇次，増田浩志，山口隆司，長崎英二，森山仁志，津﨑兼彰：1700 MPa 級超高力ボルトの力学性能に及ぼすボルト形状寸法の影響，鋼構造論文集，Vol.27, No.105, pp.41-50, 2020. 6) 森山仁志，木村勇次，山口隆司，津﨑兼彰，増田浩志，長崎英二，秦子策：1700MPa 級超高力ボルトの量産試作およびそれを用いた摩擦接合継手のすべり耐力，鋼構造論文集，Vol.30, No.120, 2024. 7) 宇野暢芳，久保田学，永田匡宏，樽井敏三，蟹澤秀雄，山﨑真吾，東清三郎，宮川敏夫：超高力ボルトSHTB®，新日鉄技法，No.387, pp.85-93, 2007. 8) 日本道路協会：道路橋示方書・同解説，Ⅱ鋼橋・鋼部材編 付録 2-2 摩擦接合用トルシア形超高力ボルト(S14T)・六角ナット・平座金のセット，2017. 9) 日本建築学会：鋼構造接合部設計指針，2021. 10)木村勇次，秋山英二，津﨑兼彰：超高力ボルトの創製と機械的性質，鋼構造論文集，Vol.14，No.54, pp.121-127, 2007. 11)山口隆司，増田浩志，木村勇次：超鉄鋼高力ボルトを用いた摩擦接合パイロット試験，鋼構造論文集，Vol.15，No.59, pp.99-107, 2008. 12)日本産業規格：摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット，JIS B 1186，1995． 13)山口隆司，長崎英二，潘超，木村勇次：1,800 N/mm2級超高力ボルトに使用するねじ形状の開発および性能確認試験，土木学会論文集A1，Vol.70, No. 3, pp.409-417, 2014. 14)日本産業規格：一般用メートルねじ－第 1 部：基準山形，JIS B 0205-1, 2001. 15)高木康秀，田中淳夫，宇野暢芳：F15T 級高力ボルトを用いたスプリットティ形式引張接合に関する実験的研究，日本建築学会学術講演概要集，構造(2)分冊，pp.1641-1642，1992. 16)鈴木康夫，辛浩，杉浦邦征：1800MPa 級超高張力ボルトを用いた引張接合に関する基礎的研究，構造工学論文集，Vol.62A，pp.737-746，2016. 17)南邦明，遠藤輝好，小峰翔一，吉岡夏樹，宮井大輔，澁谷敦，内田大介：トルシア形ボルト S10T (M22)の導入軸力および機械的性質の統計調査，土木学会論文集A1，Vol.74，No.2，pp.280-289，2018. 18)日本鋼構造協会：橋梁用高力ボルト引張接合設計指針，2004. 19)日本産業規格：溶接構造用圧延材，JIS G 3106，2015. 20)日本産業規格：橋梁用高降伏点鋼板，JIS G 3140，2011. 21)岩崎充，西脇威夫：任意荷重に対するてこ反力算定式の提案，土木学会第 59 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