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[2024_Vol.029_No.07_0454.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/80a436ff-7f1d-4e29-bc1b-8d75d7e0b030/download)

## Creator

[江村 聡](https://orcid.org/0000-0001-5789-6408)

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[Ti-Mo系β型チタン合金の加工熱処理による金属組織制御](https://mdr.nims.go.jp/datasets/d66b2fbc-1733-448a-b585-b0cfadfa0614)

## Fulltext

Ti-Mo系β型チタン合金の加工熱処理による金属組織制御 1  �β型チタン合金の一般的な�加工熱処理合金元素を含まないチタン（一般的に純チタンと呼ばれている）は室温では最密六方晶（hcp）のα相であり、885℃以上の高温では体心立方晶（bcc）のβ相である。純チタンにV，Cr，Nb，Mo等のβ相を安定化する元素を添加することでβ相からα相への同素変態温度（βトランザス）が低下し、β相がより安定化する。β相が主相であるチタン合金をβ型チタン合金と呼ぶ。厳密にはβ相が室温まで安定相となるまでβ安定化元素を添加した合金についてのみβ型チタン合金と呼ぶべきかもしれないが、一般的にはβ相単相領域から急冷した際にマルテンサイト変態を起こさずにβ相単相状態が得られる組成の合金（これを準安定β型チタン合金と呼ぶ）までをβ型チタン合金と呼んでいる。現在までに実用化されているβ型チタン合金はほぼすべてが準安定β型チタン合金である 1）。準安定β型チタン合金では室温とβトランザスの間にα相とβ相の二相共存領域が存在する。β単相温度域に保持後急冷し（溶体化処理）その後α+β二相温度域で保持（時効処理）することでβ相中にα相を析出させることができる。またα相以外にもω相（六方晶もしくは三方晶）の析出やβ相の二相分離等の現象が生じる。さらにβ単相状態で加工を加えることで変形誘起マルテンサイト変態や双晶変形なども生じる。準安定β型チタン合金は通常強度や延性といった機械的性質の向上の目的でα相を析出させたα+β二相状態で使用されるため、加工や熱処理によって析出するα相を所望の量、サイズ、形状に調整する加工熱処理の工程が非常に重要である。β型チタン合金の加工熱処理は主に以下の二つの観点から行われている 2）。（1）β粒径の微細化溶体化処理前に冷間加工を行うことで材料中にひずみを導入し、その後なるべく低温で溶体化処理を行うことで母相のβ相の結晶粒径を微細化する。（2）α相の析出形態の制御溶体化処理後冷間加工（場合によっては温間加工）を加えて転位等の欠陥をα相の析出サイトとして適切に導入し、その後の時効処理中のα相の析出形態を制御する。あるいは一段目の時効によってω相の析出やβ相の二相分離を促し、二段目の時効中にこれらを析出サイトとしてα相の析出形態を制御する二段階時効を行う。通常はα相を均一微細に析出させることを目指すが、近年は時効処理の工夫により例えばμmサイズのα相とnmサイズのα相が混在した階層組織（Hierarchical structure）とすることで高強度化を図る 3）などといった新たな取組みも進められている。β型チタン合金の加工熱処理の詳細については牧 2）や新家 1）の解説を参照されたい。我々のグループではこれまでTi-Mo系合金を中心とした準安定β型チタン合金について加工熱処理による金属組織制御や変形機構の解明、機械的性質の向上といった研究に取り組特別講演�第187回春季講演大会学術貢献賞（浅田賞）受賞記念�特別講演（2024年3月15日）江村　聡Satoshi Emura国立研究開発法人物質・材料研究機構構造材料研究センター加工熱処理プロセスグループ　主幹研究員Ti-Mo系β型チタン合金の加工熱処理 による金属組織制御Microstructural Control of Ti-Mo base βTitanium Alloys through Thermomechanical Treatment＊脚注に略歴＊　�1991年東京大学大学院金属材料学専攻（修士課程）修了後、科学技術庁金属材料技術研究所に研究員として入所。改組を経て2016年より現職。この間2000～2001年ドイツ航空宇宙センター材料研究所客員研究員、2006年4月東京大学より博士（工学）の学位を授与38ふぇらむ Vol.29（2024）No.7454んできた。本報ではそういった取組みのなかから、元素偏析や変形双晶といった従来あまり用いられてこなかった要素を利用した加工熱処理手法について紹介する。 2  �元素偏析を利用した�Ti-Mo系合金の加工熱処理�β相安定化元素の中でも、NbやMoといった拡散の遅い元素はチタン合金中でしばしば偏析、すなわち合金元素の不均一分散が生じる。こうした偏析は合金の溶解鋳造後にすでに凝固偏析として存在しており、その後鍛造や圧延、熱処理等の工程を経ても容易には解消されない。偏析の解消、低減には高温での長時間保持といった追加の工程が必要となり、コストの増大も生じる。一方でこういった元素偏析をある種のヘテロ構造（不均一構造）として利用する目的で加工熱処理による金属組織制御に適用した事例も存在する。例えばNakaらは Ti-Nb-Al系やTi-Zr-Nb-Al系の金属間化合物に熱間押出し加工を加えることで加工後の棒材の断面に偏析に起因した渦状のコントラストが生じることを見いだし、ゴッホが描く空の絵に似た組織であることからVan Goghʼs Sky（VGS）組織と名付けた 4）。VGS組織を有する材料は10～28％という高い室温引張延性を有すると報告されている。我々も斜方晶の結晶構造を有するO相を主相とするTi2AlNb金属間化合物において熱間溝ロール圧延後の棒材断面にNbの偏析によるVGS状のコントラストが生じること、この偏析に沿って第2相であるα2相を不均一に析出させることで室温引張変形時の破壊き裂の進展が抑制され、破断伸びが向上することを報告している 5）。Ti-Mo系合金においてもMoの偏析による同様の不均一構造が生じることがわかっており、以下にこの元素偏析を利用した加工熱処理の取組例を紹介する 6,7）。原材料としてNIMS内で超清浄浮揚溶解炉（CCLM）を用いて溶製した重量約1 kgのTi-12Mo（mass％、以下同じ）合金を使用した。β相単相温度域である1273 Kでの熱間鍛造およびα+β二相温度域である923 Kでの熱間溝ロール圧延によって12～14mm角の棒材に整形し、βトランザス直上の1073 Kで3.6 ksの溶体化処理を行いβ単相組織（β相の結晶粒径約100～200 μm）とした。今回は硬質第二相であるω相の析出を利用した特性向上を図る目的で、ω相が析出する温度域（本報告では523 K）で時効処理を行った。比較材として偏析を低減した棒材も作製したが、この場合熱間鍛造および熱間溝ロール圧延をより高温の1473 Kで行う、溝ロール圧延の途中に1473 Kでの熱処理という工程を加えMoの拡散を促す、さらに高温での熱処理によって粗大化したβ相の結晶粒径を偏析を有する材料と同程度にするために冷間もしくは温間（923 K）での溝ロール圧延を加えた後に溶体化処理を行う、といったより複雑な工程が必要であった。図1（a）に523 Kで3.6 ksの時効処理を行った偏析を有するTi-12Mo合金溝ロール圧延材の圧延方向に垂直な断面の走査型電子顕微鏡（SEM）の反射電子像（BEI）を示す。β粒界によるコントラストと無関係に渦状の濃淡のコントラスト（VGS組織）が見られる。エネルギー分散X線分光法（EDS）による測定で、この濃淡のコントラストはMoの偏析（明るい部分ほどMo量が多い）に対応していることがわかった。EDSの点分析結果からはMo量の多い部分と少ない部分でその差が最大で4mass％程度であった。図1（a）にはマイクロビッカース硬さ試験（荷重50 g）による圧痕も示されている。測定した硬さ分布を示したのが図1（b）である（グラフソフトを用いた等高線表示のため図1（a）のマイクロビッカース圧痕部分以外の値は正確ではない）。最大で60 HV程度の硬さの分布が見られ、硬さ分布はおよそ図1（a）の渦状のコントラストに対応していることがわかる。これは523 Kでの時効時に析出するω相の量がMo量に対応していることによる。Mo量の多い部分（明るい部分）ほどβ相が安定なため、同じ時効条件でもω相の析出量が減少し、硬さが低くなっている。このような硬さ分布を有する試料を溝ロール圧延方向と同方向に室温で引張試験を行った結果、1000 MPa程度の引張強さと20％近い破断伸びが得られた。同条件で時効した図1　（a） Ti-12Mo溝ロール圧延材の時効処理後の圧延垂直断面のSEM（BEI）像（b） 図1（a）と同一箇所のマイクロビッカース硬さ分布39Ti-Mo系β型チタン合金の加工熱処理による金属組織制御455偏析を低減した材料では引張強さは同等であったが伸びは4％程度であり、VGS組織の付与によってTi-12Mo合金の室温引張特性の向上が達成された。またナノインデンテーション試験の結果からはω相の不均一析出により硬さだけでなくヤング率の局所分布も観察されている 8）。さらにω相を不均一析出させることで473 K付近でのシャルピー衝撃吸収エネルギーも増加した 9）。 3  �変形双晶を利用した�Ti-Mo系合金の加工熱処理�前述したように、β単相状態の準安定β型チタン合金に変形を加えると、β相の安定度に応じて変形誘起マルテンサイト変態、双晶変形、すべり変形といった多彩な変形様式を呈する。このうち双晶変形については、通常のbcc金属では｛112｝<111>双晶（双晶面が｛112｝、双晶方向が<111>）が生じるが、準安定β型チタン合金においては主に｛332｝<113>双晶が生じる 10）。｛332｝<113>双晶を生じる合金では引張変形時の降伏応力は低いものの、大きな加工硬化を示し、結果として破断伸びが大きく向上する。近年この｛332｝<113>変形双晶を利用した双晶誘起塑性（TWIP）チタン合金の研究開発が進められている 11,12）。一方でこの｛332｝<113>変形双晶を核生成サイトとしてα相を析出させた例もいくつか存在する 13,14）。例えば古原らは実用β型チタン合金であるTi-15V-3Cr-3Sn-3Al合金に77 Kで2.7％の圧延を加え｛332｝<113>変形双晶を生じさせた後933Kで1.8 ksの時効処理を施すことで双晶界面にα相がフィルム状に析出することを報告している 13）。我々も｛332｝<113>変形双晶界面でのα相析出を利用した加工熱処理によってα/βの層状構造（ミルフィーユ構造）を実現することに成功している 15）。以下でその概要を紹介する。原材料として前章と同じNIMS内でCCLMを用いて溶製したTi-12Mo合金を使用した。熱間鍛造、熱間圧延および冷間圧延によって作製した板材を1173 K, 18 ksで溶体化処理後急冷し、結晶粒径数百μmの粗大なβ単相組織を得た。表面の酸化層を研削によって除去した後さらに圧下率5％の冷間軽圧延、もしくは液体窒素温度での軽圧延（正確には圧延のパスごとに液体窒素に120 s浸漬しながらの圧延）を施した。軽圧延後の試料についてα/β二相域である973 Kで最大180 ksの時効処理を行うことでα相を析出させた。冷間軽圧延まま、もしくは液体窒素温度での軽圧延ままの試料にはβ結晶粒内に線状のコントラストが確認された。後方散乱電子線回折（EBSD）法による解析の結果、線状コントラストを挟んで｛332｝<113>双晶に対応した50.5°に近い方位差を有しており、この線状コントラストが｛332｝<113>変形双晶によるものであることがわかった。図2に5％の冷間軽圧延後973 K, 180 ksの時効処理を行った板材（厚さ約1 mm）の側面（TD面）方向の断面のSEM-BEI像を示す。暗いコントラストのα相と明るいコントラストのβ相が交互に重なったミルフィーユ構造が得られている。α相の両隣のβ相は50.5°に近い方位差を示しており、これまでの報告と同様に軽圧延時に導入された｛332｝<113>変形双晶の界面にα相が析出したと考えられる。時効時間を変化させ、α相の析出挙動を観察した結果、昇温直後に双晶界面に薄いフィルム状のα相が析出するとともにβ相内に非常に微細なα相が析出し、時効時間の増加に伴い双晶界面のα相の幅の増加とβ相内のα相の減少が生じ、最終的にα/βのミルフィーユ構造が得られることがわかった。そもそもミルフィーユ構造のα/β二相合金を作製しようとした意図は長周期積層構造（Long-period stacking ordered（LPSO） structure）を有するMg合金等に見られるキンク変形（層状構造の折れ曲がり変形）による強化機構がチタン合金においても実現可能か、について検討を行うことにあった。そこで今回作製したα/βミルフィーユ構造を有するTi-12Mo合金について圧縮試験によるキンク変形の導入を試みた 16,17）。試料として圧下率5％の液体窒素温度圧延および973 K, 180 ksの時効処理を行ったTi-12Mo合金板材（厚さ6 mm）を用い、直径5 mm、高さ7.5 mmの円柱試験片を切り出し圧縮試験に供した。図3は573 Kで50％圧縮（真空中、ひずみ速度0.1/s）を行った試料の断面に観察されるキンク変形組織の例である。同様のキンク変形組織は室温での圧縮試験によっても観察されており 18）、今後キンク強化の可能性についてさらに検討していきたいと考えている。図2　 Ti-12Mo板材に観察されるミルフィーユ構造のα /β二相組織（TD面）15）40ふぇらむ Vol.29（2024）No.7456 4  �おわりに　本報告では元素偏析や変形双晶といったこれまであまり利用されてこなかった要素によるβ型チタン合金の加工熱処理による金属組織制御の取組について紹介した。すべての合金系に適用できるものではないが、例えば元素偏析についてはTi系のハイエントロピー合金でも報告されているし 19）、｛332｝<113>変形双晶についても多くのβ相安定度の低い実用β型チタン合金で見られる現象である。今回はTi-12Mo合金の事例についてのみの紹介であったが、今後対象とする合金系をさらに広げていきたいと考えている。謝辞本研究の一部はJSPS科研費基盤研究（C）23560851, 26420733および新学術領域研究「ミルフィーユ構造の材料科学」における計画研究JP18H05482の助成を受けたものです。ここに謝意を表します。またNIMS土谷浩一センター長、上路林太郎グループリーダー、Ji Xin博士（現日本冶金工業（株））、東京大学榎学教授、白岩隆行講師、Briffod Fabien助教をはじめとするNIMS内外のご協力いただいた方々に厚く御礼申し上げます。参考文献1） 新家光雄：まてりあ，58（2019），193.2） 牧正志：まてりあ，37（1998），31.3） A.Devaraj，V.V. Joshi，A.Srivastava，S.Manandhar，V.Moxson，V.A.Duz  and  C .Lavender：Natur e Communications，7（2016），11176.4） S.Naka，M.Marty，M.Thomas and T.Khan：Mater. Sci. Eng. A，192/193（1995），69.5） S.Emura，K.Tsuzaki and K.Tsuchiya：Mater. Sci. Eng. A，528（2010），355.6） S.Emura，X.H.Min，S. Ii，K.Tsuzaki and K.Tsuchiya：Proc. 12th World Conference on Titanium，Science Press Beijing，（2012），536.7） S.Emura，X.H.Min，S. Ii and K.Tsuchiya：Key Eng. Mater.，551（2013），180.8） J.Ruzic，S.Emura，X.Ji and I.Watanabe：Mater. Sci. Eng. A，718（2018），48.9） S.Emura，X.Ji，X.H.Min and K.Tsuchiya：MATEC Web of Conferences，321（2020），11050.10） 花田修司：日本金属学会会報，25（1986），755.11） F.Sun，F.Prima and T.Gloriant：Mater. Sci. Eng. A，527（2010），4262.12） C.Brozek，F.Sun，P.Vermaut，Y.Millet，A. Lenain，D.Embury，P. J. Jacques and F.Prima：Scr. Mater.，114（2016），60.13） T.Furuhara，H.Nakamori and T.Maki：Mater. Trans. JIM，33（1992），585.14） H.Ohyama，H.Nakamori，Y.Ashida and T.Maki：ISIJ Int.，32（1992），222.15） S.Emura and X. Ji：Mater. Trans.，61（2020），856.16） 江村聡，上路林太郎：日本金属学会2022年秋期講演大会概要，（2022），S9.43．17） 江村聡，上路林太郎，小川由希子，染川英俊：軽金属学会第144回春期大会講演概要，（2023），289.18） J.Zhu，F.Briffod，T.Shiraiwa，M.Enoki and S. Emura：Mater. Trans.，64（2023），2677.19） Y. Iijima，T. Nagase，A. Matsugaki，P. Wang，K. Ameyama and T.Nakano：Mater. Des.，202（2021），109548.（2024年3月29日受付）図3　 573 Kで50％の圧縮変形を加えたミルフィーユ構造を有するTi-12Mo合金に見られるキンク変形（圧縮方向は紙面上下方向）17）41Ti-Mo系β型チタン合金の加工熱処理による金属組織制御457