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[田沼繁夫](https://orcid.org/0000-0003-2628-9941)

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[Creative Commons BY-NC Attribution-NonCommercial 4.0 International](https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/)

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[表面分析における電子の非弾性散乱](https://mdr.nims.go.jp/datasets/a8d8cbe2-f25b-4b50-a91c-c74ef7abd0e5)

## Fulltext

IMFP XIV 2著者版：引用は [田沼繁夫，表面と真空 Vol. 66, No. 5, pp. 292–298, 2023] https://doi.org/10.1380/vss.66.292   ―1― Vacuum and Surface Science Vol. XX, No. XX, pp. XXX-XXX, 20XX 特集「XXXXX」   表面分析における電子の非弾性散乱   田沼 繁夫   物質・材料研究機構 材料データプラットフォームセンター 〒305-0044 つくば市並木１−１  （20XX 年 XX 月 XX 日受付；20XX 年 XX 月 XX 日掲載決定）  Electron inelastic scattering in Surface Analysis  Shigeo Tanuma*  Materials Data Platform Center, National Institute for Materials Science, 1-1 Namiki, Tsukuba, Ibaraki 305-0044  （Received XXX XX, 20XX ; Accepted XXX XX, 20XX）  This paper describes the recent progress in electron inelastic mean free paths (IMFPs) calculations with the dielectric response function and the optical energy loss function (ELF) as key parameters. As a result, it has been found that for most materials, the IMFP values calculated by the various calculation algorithms agreed well each other in the energy region above 300 eV. However, there is a large difference in the energies under 200 eV. The energy dependence of IMFPs calculated from optical ELFs could be expressed by the modified Bethe equation in the energies between 50 eV and 200 keV. The material dependence of IMFPs could be expressed by the TPP-2M equation. For IMFP calculations, the treatments and evaluations of the electron exchange effect, the effect of energy gap in the energy loss function, and the associated integral region also remain important issues to be addressed in the future.   KEYWORDS: electron inelastic mean free path, dielectric function model, energy loss function, modified Bethe equation   1. はじめに 固体中の電子の非弾性散乱に関する情報は，オージェ電子分光(AES)やX線光電子分光(XPS)による表面分析から X 線吸収微細構造分析(XAFS)や，放射線物理，放射線輸送，透過電子顕微鏡 (TEM) による薄膜分析に至るまで，いろいろな分野で必要とされている。特に応用に際して，最も重要でかつ基本的なパラメータは，電子の非弾性平均自由行程（Inelastic Mean Free Path, IMFP）である。表面分析において，IMFP は表面感度の良い指標となる。 IMFPλは非弾性散乱の全断面積をσ，および固体中の単位体積当たりの原子数の密度を Nとすると， λ = 1σ𝑁                                                           (1) と非常に簡便な関係にある。  一方，JIS K-0147(2017)1では IMFP は「あるエネルギーをもった電子が二つの非弾性衝突間に移動する平均距離」と定義されている。実際の理論計算では(1)を基にして非弾性散乱断面積から求めるのが一般的である。 さらに，IMFP は，表面分析においては AES, XPSによる表面感度をあらわす物理量であるばかりでなく，実際の応用に際して，膜厚測定等で頻繁に用いられる電子の有効減衰長さ(EAL)や平均脱出深(MED)と密接に関連している。通常は，これらのパラメータはIMFP 値を基にして導出される。（文献 10 を参照）したがって，IMFP の計算・測定については今までに多くの研究がなされている。ここでは，誘電関数モデルを基盤とした IMFPの計算に関する進歩について2000年以後を中心にしてにまとめ，その現状と課題を明らかにしたい。また 1999 年までの IMFP に関する研究成果は Powell- Jablonski のレビュー2によくまとめられている。 2. IMFP の計算 *E-mail: tanuma-sh@tbd.t-com.ne.jp, tanuma.shigeo@nims.go.jp XXXX XXX Vacuum and Surface Science 第 XX 巻 第 XX 号（2017） ―2― 2.1 誘電関数モデルによる IMFP 計算の概要  IMFP は現在では物質のエネルギー損失関数(ELF)から計算する，いわゆる誘電関数モデルが⼀般的である。500 keV 以下のエネルギー領域では⾮弾性散乱の微分断⾯積 σ𝑖𝑛 は相対論的量⼦論により，Born 近似のもとで，原子１個あたりの微分散乱断面積(DCS)は次式で与えられる。3,4,5  d2𝜎𝑖𝑛d𝑊d𝑄  ≈2π𝑒4𝑚𝑒𝑣21 + 𝑄/𝑚𝑒𝑐2𝑄(1 + 𝑄/2𝑚𝑒𝑐2)2πΩ𝑝2 Im #−1ϵ(𝑄, 𝑊)$     (2) ここで，W はエネルギー損失，Q はリコイルエネルギーである。𝑚𝑒, 𝑣, 𝑐,Im(−1/ϵ), Ω𝑝 はそれぞれ，電⼦の質量，速度，光の速度，エネルギー損失関数，プラズモンエネルギーである。この式を原⼦単位系(𝑚𝑒 =𝑒2 = ℏ = 1)を⽤い, Q を運動量移送 q, W を ω (= ℏ𝜔)に置き換えると， 𝑑2𝜎𝑖𝑛𝑑𝜔𝑑𝑞≈ 2𝜋𝑁𝑣2 Im [−1𝜀(𝑞, 𝜔)]1𝑞, (3) となる。6したがって，対象物質 ELF(q, w)を知ることができれば，(1) 式を通して IMFP を求めることができる。すなわち， λ(𝑇 )−1 = 1π𝑇 ⋅ 𝐹 (𝑇 ) ∬ Im [−1ε(ω, 𝑞)]1𝑞𝑑𝑞𝑑ω      (4)𝐷 ここで，𝐹 (𝑇 )は相対論効果の補正係数である。積分領域 D は，エネルギー損失量の最⼤と最⼩，運動学的に許容される運動量移動の最⼤と最⼩から決定される。 2.2 IMFP 計算のアルゴリズム   誘電関数を⽤いた IMFP 計算は，主にエネルギー損失関数 ELF(q,w)を如何に決定するかが，⼤きな問題であり，この２０年間は主にこの研究に⼒が注がれた。すなわち，ELF(q,w) はほとんどの材料で知られていない。わずかな物質についてのみ，光学定数が⼗分広い範囲のエネルギー領域で測定されおり，そこから光学的 ELF(q=0, w)が求められている。そこで，ELF(q >0 ,w)の q 依存性を決定するために，q＞0 領域への誘電関数の拡張アルゴリズムが必要となる。  1) Penn アルゴリズム  Penn は(３)式の対象物質の ELF(q, w)を光学的 ELF Im[−1/𝜀(𝜔)],と Lindhard モデルの誘電関数から推定し，IMFP を計算するアルゴリズムを提案した。7この⽅法は今⽇では Full Penn Algorithm (FPA) として知られている。FPA では(3)式の ELF は次式で与えられる。  Im[−1ε(𝑞,ω)] = ∫ 𝑑ω𝑝g(ω𝑝)Im [-1𝜀𝐿(q,ω;ωp)]             (5)∞0       ここで，𝜀𝐿は⾃由電⼦ガスに対する Lindhard の誘電関数 8 , 9である。ω𝑝 はプラズモンエネルギー (=√4π𝑛)，n は電⼦密度，𝑔(ω𝑝)はIm[−1/𝜀(𝑞 = 0, 𝜔)] =Im[−1/𝜀(𝜔)]を満たす係数で，次式であたえられる。  𝑔(𝜔) = 2𝜋𝜔Im[−1𝜀(𝜔)]                  (6)  具体的な計算の詳細は文献 6,10に詳しい。  また，Penn のアルゴリズムには単極近似を導入した簡略版 (SPA)もあり，200 eV 以上のエネルギー領域では SPA で計算された IMFP 値は FPA の結果によく一致する 7。   Tanuma-Powell -Penn は，27種 の元素固体11,12 ，15種 の無機化合物13，14 種の有機化合物14 について，実験的に求められた光学的 ELF を用いて 50 eV から 2,000 eV における電子の IMFP を非相対論的 Penn アルゴリズム 7で計算した。 硬 X 線光電子分光(HAXPES)および TEM 等が必要とする高エネルギー領域における IMFP データ提供を視野に入れ，Shinotsuka らは相対論 FPA を用いて，41種の元素固体15 ，42 種の無機化合物16 ，14 種の有機化合物，および水17 における IMFP を電子エネルギー200 keV まで拡張し，50 eV から 200 keV の IMFP データベースを作製した。 無機化合物では ELF データ数が絶対的に不足しているので，Shinotsuka らは 30種以上におよぶ化合物半導体と非伝導性物質の光学定数を WIEN2k18  と FEFFコード19を用いて計算し, エネルギー範囲が広く，かつ確度の高い光学的 ELF のデータベース(0.1 eV -1 MeV)を作製した。20これにより，彼らの計算では，Tanuma らの初期の仕事よりも大幅に IMFP の精確さが改善された21。彼らはまた，非伝導体のバンドギャップ Eg を考慮するために，Boutboul ら22 のアルゴリズムを導入した。これにより(4) 式およびその積分領域D は下式で与えられる。      λ(𝑇 )−1 = 1π(T − 𝐸𝑔) ⋅ 𝐹 (𝑇 − 𝐸𝑔) ∬ Im [−1ε(ω, 𝑞)]1𝑞dqdω  (7)𝐷  𝐷 = { (ω, 𝑞) ∣∣ 𝐸𝑔 ≤ ω ≤ (𝑇 − 𝐸𝑔 − 𝐸𝑣), 𝑞− ≤ 𝑞 ≤ 𝑞+ } (8)  著者版：引用は [田沼繁夫，表面と真空 Vol. 66, No. 5, pp. 292–298, 2023]  https://doi.org/10.1380/vss.66.292    ―3― 𝑞± = √(𝑇 − 𝐸g)(2 + (𝑇 − 𝐸g)/𝑐2)± √(𝑇 − 𝐸g − ω)[2 + (𝑇 − 𝐸g − ω)/𝑐2]  (9) すなわち，(8)式が示すように電子の最小ネルギー損失ω𝑚𝑖𝑛 は Eg，最大エネルギー損失ω𝑚𝑎𝑥 は入射電子エネルギーと伝導帯下部のエネルギー差となる。バンドギャプの IMFP に対する効果は，当然ながら Egの大きさに依存するが，無機化合物では 100 eV 以上ではおよそ±１.5%以下の差，54.6 eV では IMFP はおよそ 6.5％程度まで上昇する。16バンドギャップの大きい SiO2 (Eg = 9.1 eV)を例に取れば，49.5 eV では IMFPは 10%以上大きな値を示す。16 したがって，100 eV以下のエネルギー領域における IMFP に関しては，Eg効果を無視することは適当ではない。  Shinotsuka らによって計算された IMFP データ 15,16,17から 9種の物質( Al, Na, Au, GaAs, SiO2, c-BN, b-carotene, Kapton, Polyacetylene)を選び，Fig. 1 に IMFPをエネルギーの関数として 10 eV から 500 keV の範囲で示す。 IMFP の物質による相違は明白であるが，いずれの物質も IMFP 値は 20 eV から 100 eV 近傍で最⼩値をとっている。この極⼩値を与えるエネルギーとその近傍のエネルギー依存性はその物質の ELF の形状に強く依存している。また，およそ 200 eV から 500 keVの間ではすべての物質が似たようなエネルギー依存性を⽰している。すなわち 200 eV 以上では IMFP の物質依存性は電⼦のエネルギーが変わっても変化しないように⾒える。 Shinotsuka et al. 15,16,17 は，各物質の IMFP を，物質中の非弾性電子散乱に関する拡張 Bethe の式 14 に相対論的補正を加えた下式によりフィッティングを行った。  𝜆(𝑇 ) = 𝛼(𝑇 )𝑇𝐸𝑝2[𝛽(ln (𝛾𝛼(𝑇 )𝑇 )−𝐶 /𝑇 +𝐷/𝑇 2]         (10)       ここで， α(𝑇 ) = 1+𝑇 /(2𝑚𝑒𝑐2)[1+𝑇 /(𝑚𝑒𝑐2)]2 ≈ 1+𝑇 /1021999.8(1+𝑇 /510998.9)2 フィッティングから得られた IMFP と個々に FPA により計算された IMFP の物質ごとの RMS 偏差の平均は，元素固体で 0.68 %。15無機化合物では 0.60 %16，有機化合物および液体の水では 0.17 % であった。17したがって，各物質の IMFP の 50 eV から 200 keV におけるエネルギー依存性は拡張した Bethe の式で記述できることが分かる。  2) Mermin-GOS アルゴリズム   Abril らは Merin 誘電関数𝜀𝑀 (𝑞, 𝜔)23を用いて(4)式のELF を次式のように与えた。24  Im[−1ε(𝑞,ω)] = Im [-1ε(q,ω)]VB+ Im[−1𝜀(𝑞,𝜔)]𝐼𝑆   (11)      ここで，Im[-1/e(q,w)] VBは価電子（外殻電子）励起による寄与であり，𝜀𝑀 (𝑞, 𝜔)を用いて，下記のように表される。 Im [−1ε(𝑞, ω)]𝑉𝐵≈ ∑ 𝑎𝑖 Im [−1ε𝑀 (𝑞, ω; ω𝑖, γ𝑖)](12)𝐿𝑖=1  ここで，L は ELF ピークの数，𝑎𝑖, 𝜔𝑖, 𝛾𝑖はそれぞれ，ピーク i の強度（振動子強度），位置，半値幅である。 これらのパラメータは，光学的 ELF すなわち q = 0 における ELF は Drude 関数の和として近似されるとして，下式により各パラメータを決定した。   Im [−1ε(ω)]= ∑ 𝑎𝑖Im [−1ε𝑀 (𝑞 = 0, ω; ω𝑖, γ𝑖)]𝐿𝑖=1≡ ∑ 𝑎𝑖γ𝑖ωω𝑖2(ω2 − ω𝑖2)2 + γ𝑖2ω2𝐿𝑖=1    (13)  一方，内殻に関する ELF は次式で与えられる。25  Im [−1ε(𝑞, ω)]𝐼𝑆= 2π2𝑁ω ∑ α𝑗 ∑𝑑𝑓𝑛𝑙(𝑗)(𝑞, ω)𝑑ω𝑛𝑙𝑗    (14)  Fig. 1. (Color online) Inelastic mean free paths as a function of electron energy for Na, Al, Au, c-BN, GaAs, SiO2, Polyacetylene, b-carotene, and Kapton. Solid, long and short dashed , and short dashed lines indicate IMFPs for elemental solids, inorganic compounds, and organic compounds, respectively. 10-1100101102103101102103104105NaAlAuc-BNGaAsSiO2Polyacetyleneβ-CaroteneKaptonInelastic mean free path (nm) Electron energy above bottom of conduction band (eV)XXX Vacuum and Surface Science 第 XX 巻 第 XX 号（2017） ―4― ここで，𝑑𝑓𝑛𝑙(𝑗)(𝑞, 𝜔)/𝑑ω は j 番目の元素のサブシェル (n,l)の水素モデルにおける GOS（一般化振動子強度）である。α𝑗は化合物における j 番目の元素の化学量論である。   Denton ら26は Mermin-GOS アルゴリズムを用いて Alと Au について 3 eV から 10 keV の範囲における IMFPを報告した。このとき，積分領域 D は，電子の非識別性を考慮し，ω𝑚𝑎𝑥 = min(𝐸/2,  𝐸 −  𝐸F) とした。この計算において, 外殻電子の寄与は Au では７つ，Al は単一の Drude 関数によって実測されたそれぞれの光学的 ELF は近似された。 Behar らは同様な手法で 10 eV から 10 keV におけるHfO2の IMFP を計算した27。また，HfO2の IMFP は 40 eV以上のエネルギー領域ではTanumaらが提案した式 (10)で近似が可能であった。 de Vera ら28は Born-Ochkur 電子交換補正近似29を組み込んだ Mermin-GOS アルゴリズム により４種の有機化合物(PMMA, カプトン，ポリアセチレン，ポリビニル-２-ピリジン）における IMFP を 10 eV から 10 keV のエネルギー範囲で計算した。このとき，積分領域は文献 26 と同等である。彼らの計算した 10 eV から 10 keV における有機化合物の IMFP は(10)式で十分に近似することができた。 Garcia-Molina らは液体の水, DNA, タンパク質, 脂質, カロチン, 砂糖, 氷について 10 eV から 10 keV の範囲で Mermin-GOS で IMFP を計算した。30この計算では，Born-Ochkur 近似を用いて電子交換効果補正を行った。彼らは対象物質の光学的 ELF の代わりに，EELS (electron energy-loss spectroscopy)のデータを直接使用し,化合物ごとに適切な数の Drude 関数で近似し，(q = 0における)Mermin ELF のパラメータを決定した。このとき，f-sum rule と KK-sum rule の誤差を２％以下とした。またω𝑚𝑎𝑥は ELF のエネルギーギャップを考慮し，下式を用いた。 ω𝑚𝑎𝑥 = min[𝑇 +𝐸𝑏2 , 𝑇 − 𝐸Pauli]                 (15)   ここで，外殻電子では 𝐸𝑏 = 𝐸𝑔， 内殻電子では Eb はイオン化ネルギーに等しい。EPauli = 4eV( = EF ) と仮定した。彼らは低エネルギー電子の IMFP は，計算した一連の生体材料間で大きな差があること見出した。   de Vera ら31は対象物質の外殻電子の関与する ELFを電子の個別励起（一電子励起）と集団励起（プラズモン励起）にわけ，更に高次 Born 近似を適用して数eV から 10 keV の領域における IMFP を液体の水，Au, Al, Cu について計算した。このとき，電子交換効果に関する Born-Ochkur 近似は，集団励起では入射電子と区別がつくので無視できるとした。また，(17) 式で与えられる q =0 における外殻の ELF を励起ごとに区別するために，スイッチング関数を導入した。これにより，実測した光学的 ELF を複数の個別励起と集団励起に分けて扱うことを可能とした。積分領域 D に関しては，導体，不導体にわけ，さらに個別励起ごとにエネルギー積分の上限ω𝑚𝑎𝑥を規定した。中でも一番大きな違いは，電子の非識別性を個別励起に限り，プラズモン励起を適用外としたことである。これにより，プラズモン励起における最大エネルギー損失は，T- EFで与えられる。個別励起では，対象物質のエネルギーギャプ（Eg）の有無により，局所的な離散エネルギー準位への電子遷移と伝導帯への遷移の 2 種類の励起を考え,それぞれ別個のω𝑚𝑎𝑥を与えている。その結果，計算した水，アルミニウム，金，銅の IMFP 値は，非常に低いエネルギー領域においても，入手できた実験データとよく一致する結果が得られたと報告している。  3) 超拡張 Mermin アルゴリズム  (Super Extended Mermin algorithm, S-EMA)  Da ら32は Mermin-GOS における，内殻電子と外殻電子を別個の ELF として計算する不便を解消するために，(12)式の𝑎𝑖に負の項を許容することにより，無制限の数の Mermin振動子を用いて ELF を精確に近似すること可能にした。これにより，高エネルギー領域のELFにおける K, L 殻等の内殻励起の吸収端形状から低ネルギー領域におけるフォンノン励起，Eg に起因するELF の形状の急峻な変化も近似することを可能にした。また，彼らはこの手法を Cu32, 液体の水33における数 eV から 10 keV における IMFP 計算に適用している。これらの計算において，Cu では 0 eV から 10 keVの領域における光学的 ELF を 77 個の Drude 関数で近似した。一方 10-7 eV から 30 keV における液体の水のELF は 210 個の Drude 関数で近似された。計算されたCu の IMFP は低エネルギー領域において，FPA やMermin-GOS により計算された IMFP よりも小さい値を示した。また，200 eV から 5 keV で Tanuma ら34によって EPES から求められ Cu の IMFP によく一致した。さらに，Bourke ら35によって XAFS により求められた Cu の IMFP に 60 eV から 120 eV のエネルギー領域ではよく一致した。  4) Mermin-Penn ハイブリッドアプローチ (MPA)  Nguyen-Truong は FPA で用いられる Lindhard 誘電関数を Mermin 誘電関数で置き換えることにより，Pennのアルゴリズムにダンピングを導入した36。これはプ 著者版：引用は [田沼繁夫，表面と真空 Vol. 66, No. 5, pp. 292–298, 2023]  https://doi.org/10.1380/vss.66.292    ―5― ラズモンの寿命を有限として扱うことに相当する。これにより，Mermin-GOS アルゴリズムと異なり，内殻励起と外殻励起に分けて計算する必要はなくなり，更に光学的 ELF を多数の Drude 関数で近似する必要もない。PFA と同様に実測した光学的 ELF を以下の様に直接用いることができる。FPA における(5)式の ELF はMermin の誘電関数を用いて，次式に変更される。  Im[−1ε(𝑞,ω)] = ∫ 𝑑ω𝑝G(ω𝑝)Im [-1𝜀𝑀(q, ω; ωp)]   ∞0 (16)   ここで，G は q = 0 で上式が光学的 ELF と一致するための調整パラメータであり，次式で与えられる。         𝐺(ω) = 2πω2γ𝐷lm #−1ε(ω)&'2ω(ω2 + γ𝐷2 ) *+ω2 + γ𝐷2 − ω,    (17)  ここで，γ𝐷はダンピング係数で，外部からの入力パラメータである。この方法で，Al, Au の IMFP を 1eV から 30 keV の間で計算し，測定値と比較した。その結果，γ𝐷 = 1.5 eVとするとき，Al の IMFP は 5 – 9 eV の i 図 2 の”Emfietzoglou et al; corrected” は ECN モデルに Born近似に補正（２次の項と電子交換項を追加）をエネルギー範囲において実験値とよく一致した。一方，Au では𝛾𝐷 = 2.0 eVのとき， 1 eV から 3 eV における IMFP 値は GW+T37の第一原理計算から得られるIMFP 値とよく一致した。  また，彼はバンドギャップ補正を Levine–Louie 誘電関数 𝜀MLL38を用いて MPA に組み込み，1 eV から 10 keV のネルギーにおける水の IMFP 計算を行っている39。（この IMFP は図２に示す。）この改良により，水における大きなエネルギーギャップの存在による ELFの過大評価を避けることができ，求められた IMFP は実験データによく一致した。39   5)  IMFP の比較 IMFP 値の比較は Shinotsuka 等によって, 固体元素 15，無機化合物 16，液体の水 33，有機化合物 17について, FPAによる IMFP と他の計算手法による IMFP および実験値との詳細な比較が行われている。およそ 300 eV から10 keV における IMFP はよく一致していると行って良い。  一例として，この章で説明した様々なアルゴリズムとで計算された液体の水の IMFP 値を Fig. 2 に示す。同時に，参考として Emfietzoglou らにより，実験データに基づいて，液体の水の ELF(q,w)における任意のエネルギーおよび運動量移送を解析式で与えるEmfietzoglou-Cucinotta-Nikjoo（ECN）モデル40による計算値を示すi。先に述べたように，図２においても，300 eV 以上のエネルギー領域では IMFP の計算値は互いによく一致している。100 eV 以下のエネルギー領域では，電子交換補正や Eg補正の有無で，IMFP 値は大きくばらついている。  また，Da らは計算の出発点になる ELF に実測値ではなく Drude モデル関数を用いて FPA と Mermin-GOSの詳細な比較を行っている41。1 eV から 10keV のエネルギーで Mermin-GOS の IMFP は FPA の IMFP よりも約 5%小さくなることを報告している。また，実測したELF を用いて Al, Si, Cu, Au, MgO の SE-MA と Mermin-GOS, FPA から得られる IMFP の比較も行っている42。  3. IMFP の予測式 27元素，15無機化合物における 50 eV から 2 keV における IMFP 値から Tanuma らにより開発された TPP-2M 式 14 が IMFP 値の推定に広く用いられている。さらに Shinotsuka ら 15は，この式を適用上限を 2 keV か行って計算した IMFP。 Fig. 2. (Color online) Comparison of IMFPs for liquid water calculated from optical ELF (q = 0, w) with various  algorithms. IMFP data were cited from Shinotsuka et al.  17 using FPA-BABC, Garcia-Molina et al30 using Mermin GOS, Nguyen-Truong39 using MPA, Emfietzoglou et al,40 de Vera et al32 using Mermin-GOS with high order Born approximation, and Shinotsuka et al.; SE-MA 33 11010 100 1000 104Shinotsuka et al.Garcia-Molina et al.Nguyen-TruongEmfietzoglou et al.Emfietzoglou et al; correctedde Vera et al.Shinotsuka et al.; SE-MAInelastic mean free path (nm)Electron energy above bottom of conduction band (eV)WaterXXX Vacuum and Surface Science 第 XX 巻 第 XX 号（2017） ―6― ら 200 keV に拡張した相対論的 TPP-2M を開発した。この式は (10)式に示した相対論補正を取り込んだ拡張した Bethe の式と従来から使われている下記の４つのパラメータの式からなる。適用範囲は 50 eV から 200 keV である。 𝛽 = −1.0 + 9.44(𝐸𝑝2 + 𝐸𝑔2)0.5+ 0.69𝜌0.1(eV−1 nm−1) (18𝑎) 𝛾 = 0.191𝜌−0.5     (eV−1)                         (18𝑏) 𝐶 = 19.7 − 9.1𝑈        (nm−1)                  (18𝑐)  𝐷 = 534 − 208𝑈       (eV nm−1)              (18𝑑) ここで，𝑈 = 𝑁𝑣𝜌/𝑀 = (𝐸𝑝/ 28.816)2 である。 FPA で計算された IMFP 値と相対論的 TPP-2M 式から得られる MFP 値の物質ごとの RMS 偏差 (50 eV - 200 keV)の平均は、41種の元素固体においては 11.9 %，42 種の無機化合物のグループで 10.7 %，14 種の有機化合物と液体の水からなるグループで 7.2 %であった。 ただし，c-BN, ダイアモンドなどいくつかの物質で時に大きな RMS偏差を示すことが知られている。  TPP-2M 式と実験的に求められた IMFP を比較した例として Fe と MgO について，それぞれ Fig. 3, 4 に示す。これらの図から TPP-2M が与える Fe および MgOにおける IMFP 値は 50 eV から 200 keV における種々の手法により測定された IMFP 値43,44,45,46,47,48 とよく一致していることがわかる。 4. まとめ 誘電応答関数 e(q, w) と光学的 ELF (q =0, w) をキーパラメータとする IMFP 計算の近年の進展について述べた。光学的 ELF (q =0, w)から q > 0 における ELF(q, w)を推定するのに必要なアルゴリズムの開発・改良に多大な努力が払われてきた。大部分の物質では 300 eV以上のエネルギー領域では様々なアルゴリズムで計算された IMFP 値は互いによく一致することがわかってきた。ただし，200 eV のエネルギー領域では一般に大きなばらつきがある。また，計算された IMFP のエネルギー依存性は 50 eV 以上の領域では，拡張したBethe の式（10）で表すことができ，さらに，FPA から計算された IMFP では，その物質依存性は TPP-2M 式で表される。これらの式から 50 eV から 200 keV における IMFP 値が対象とする試料の密度や価電子数など簡単な物理量から推定が可能となっている。  課題としては次のようなことがあげられる。ELF はIMFP の計算の精確さを左右する重要な物理量であるが，その数と精確さには問題が多い。そこで，第一原理計算から ELF の計算が可能になって来ているので，多くの物質の ELF が実験値との比較・評価を経て，データベースとして整備されることが望まれる。 IMFP の誘電応答関数を基盤とした計算法については，電子交換効果の取り扱い，Egの効果，またそれにともなう積分領域の取り扱いとそれらの評価が今後Fig.3. (Color online) Comparison of calculated IMFPs with measured IMFPs for Fe. The solid line indicates IMFPs calculated with the relativistic TPP-2M equation, and the long-dashed line indicates IMFPs calculated from FPA. The symbols indicate IMFPs measured by Tanuma et al.43, Egerton et al.44, and Iakoubovskii et al.45 10-1100101102103101102103104105Tanuma et al.Egerton et al. (10 mrad)Egerton et al.( 100mrad)Iakoubovskii et al.Inelastic mean free path (nm) Electron energy above Fermi level (eV)FeFig.4. (Color online) Comparison of calculated IMFPs with measured IMFPs for MgO. The solid line indicates IMFPs calculated with the relativistic TPP-2M equation, and the long-dashed line indicates IMFPs calculated from FPA. The symbols indicate IMFPs measured by Iakoubovskii et al.45, Gurban et al.46, and Wang et al.47, and McCartney et al.48   著者版：引用は [田沼繁夫，表面と真空 Vol. 66, No. 5, pp. 292–298, 2023]  https://doi.org/10.1380/vss.66.292    ―7― の重要な問題として残されている。さらに，Born近似は高エネルギー電子と固体中の電子の相互作用を記述するものであり，100 eV 程度以下の低ネルギー領域では外殻電子とのエネルギー差も小さくなることから，その高次補正の効果，さらには Born 近似の妥当性についても再度検討する必要があろう。その際，実 1 http://kikakurui.com/k0/K0147-1-2017-01.html 2 C. J. Powell, A. Jablonski, J. Phys. Chem. Ref. Data, 28, 19 (1999). 3 U. Fano, Ann. Rev. Nucl. Sci. 13, 1 (1963). 4 J. M. Fernandez-Varea, F. Salvat, M. Dingfelder, D. Liljequist, Nucl. Instrum. Meth. Phys. Res. B 229, 187 (2005). 5 J.M. Fernandez-Varea, D. Liljequist, S. Csillag, R. Raty, F. Salvat, Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. B 108 , 35 (1996). 6 H. Shinotsuka, S. Tanuma S, C. J. Powell, D. R. Penn, Surf Interface Anal. 47, 871 (2015).; ibid, Surf. Interface Anal., 47, 1132 (2015).  7 D. R. Penn : Phys. Rev. B.35, 482 (1987). 8 J. Lindhard, K. Dan. Vidensk. Mat.-Fys. Medd. 28, 1 (1954). 9 H. T Nguyen-Truong, J. Phys. Chem. C., 119, 7883 (2015). 10 田沼繁夫：表面と真空, 65, 102 (2022). 11 S. Tanuma, C. J. Powell, D.R. Penn , Surf. Interface Anal. 11, 577 (1988).  12 S. Tanuma, C. J. Powell, D.R. Penn, Surf. Interface Anal., 17, 911 (1991).  13 S. Tanuma, C. J. Powell, D.R. Penn, Surf. Interface Anal., 17, 927 (1991).  14 S. Tanuma, C. J. Powell, D. R. Penn, Surf. Interface Anal., 21, 165 (1994).  15 H. Shinotsuka, S. Tanuma, C. J. Powell, D. R. Penn, Surf. Interface Anal., 47, 871 (2015).  16 H. Shinotsuka, S. Tanuma, C. J. Powell, D. R. Penn, Surf. Interface Anal., 51, 427 (2019).  17 H. Shinotsuka, S. Tanuma, C. J. Powell, D. R. Penn, Surf. Interface Anal., 54, 534 (2022). 18 http://www.wien2k.at/; P. Blaha, K. Schwarz, G. K. H. Madsen, D. Kvasnicka, J. Luitz, WIEN2k, An Augmented Plane Wave + Local Orbitals Program for Calculating Crystal Properties (Karlheinz Schwarz, Tech. Universität Wien, Austria), 2001.ISBN 3-9501031-1-2. 19 http://feffproject.org/;  A. L. Ankudinov, C. Bouldin, J. J. Rehr, J. Sims, H. Hung, Phys. Rev. B 65, 104107 (2002). 20 H. Shinotsuka, H. Yoshikawa, S. Tanuma, e-Journal of Surface Science and Nanotechnology 19, 70 (2021). 21 http://feffproject.org/; A. L. Ankudinov, C. Bouldin, J. J. Rehr, J. Sims, H. Hung, Phys. Rev. B 65, 104107 (2002). 22 T. Boutboul T, Akkerman A, Breskin A, Chechik R, J. Appl. Phys., 79, 6714 (1996). 測した IMFP 値との比較は大変重要である。本報告では取り上げなかったが，IMFP の実測値が精度良く，かつ広いネルギー範囲で多数の物質について整備されることが望まれる。 文 献 23 N. D. Mermin, Phys. Rev. B, 1, 2362 (1970).  24 I. Abril, R. Garcia-Molina, C. D. Denton, J. Perez-Peres, R. Arista, Phys. Rev. A 58, 357 (1998). 25 S. Heredia-Avalos, R. Garcia-Molina, J. M. Fernández-Varea, I. Abril, Phys Rev. A 72, 052902 (2005). 26 Cristian D. Denton, Isabel Abril, Rafael Garcia-Molina, Juan C. Moreno-Marín, Santiago Heredia-Avalosc, Surf. Interface Anal. 40, 1481 (2008). 27 Moni Behar, Raul C. Fadanelli, Isabel Abril, Rafael Garcia-Molina, Cristian D. Denton, Luiz C. C. M. Nagamine, Néstor R. Arista., PHYSICAL REVIEW A 80, 062901 (2009 ). 28 Pablo de Vera, Isabel Abril, Rafael Garcia-Molina, J. Appl. Phys. 109, 094901 (2011).   29 J. M. Ferna´ndez-Varea, R. Mayol, D. Liljequist, and F. Salvat, J. Phys.: Condens. Matter 5, 3593 (1993). 30 Rafael Garcia-Molina, Isabel Abril, Ioanna Kyriakou, Dimitris Emfietzoglou, Surf. Interface Anal., 49, 11–17 (2017). 31 Pablo de Vera, Isabel Abril, Rafael Garcia-Molina, J. Phys. Chem. C, 123, 2075 (2019). 32 B. Da, H. Shinotsuka, H. Yoshikawa, Z. J. Ding, S. Tanuma, Phys. Rev. Lett. 113, 063201 (2014). 33 H. Shinotsuka, S. Tanuma, C. J. Powell, D. R. Penn, Surf. Interface Anal., 49, 238 (2017). 34 S. Tanuma, H. Yoshikawa, N. Okamoto, and K. Goto, J. Surf. Anal. 15, 195 (2008). 35 J. D. Bourke and C. T. Chantler, Phys. Rev. Lett. 104, 206601 (2010). 36 Hieu T. Nguyen-Truong, J. Phys. Chem. C 119, 7883 (2015). 37 V. P. Zhukov, E. V. Chulkov,P. M.  Echenique,  Phys. Rev. B, 73, 125105 (2006). 38 Z. H. Levine, S. G. Louie,  Phys. Rev. B, 25, 6310 (1982). 39 Hieu T. Nguyen-Truong, J. Phys.: Condens. Matter, 30, 155101 (2018). 40 D. Emfietzoglou   ,G. Papamichael, H. Nikjoo, Radiat Res.,188, 355 (2017). 41 B. Da, H. Shinotsuka, H. Yoshikawa, S. Tanuma, Surf. Anal. 51, 627 (2019). 42 B. Da, X. Liu, L. H. Yang, J. M. Gong, Z. J. Ding, H. Shinotsuka, J. W, Liu, H. Yoshikawa, S. Tanuma, J. Appl. Phys. 131, 175301 (2022) 43 S. Tanuma, T. Shiratori, T. Kimura, K. Goto, S. Ichimura, C. J. Powell, Surf. Interface Anal. 37, 833(2005). 44 R.F. Egerton, Electron Energy-loss Spectroscopy in the Electron Microscope, 3rd edition, Springer, New York, 2011.  45 K. Iakoubovskii, K. Mitsuishi, Y. Nakayama, K. Furuya, Phys. Rev. B 77, 104102 (2008). XXX Vacuum and Surface Science 第 XX 巻 第 XX 号（2017） ―8―  46 S. Gurban, G. Gergely, J. Toth, D. Varga, A. Jablonski, M. Menyhard. Surf Interface Anal., 38, 624 (2006). 47 Z. L. Wang, A. J. Shapiro, Ultramicroscopy, 60, 115 (1995). 48 M. R. McCartney, M. Gajdardziska‐Josifovska,  Ultramicroscopy, 53, 283 (1994).