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[第5節機械学習を用いた耐熱鋼のクリープ寿命予測_出村.docx](https://mdr.nims.go.jp/filesets/7b839881-527d-450d-b10a-4432d2440f70/download)

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[出村 雅彦](https://orcid.org/0000-0002-7308-3041)

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[機械学習を用いた耐熱鋼のクリープ寿命予測](https://mdr.nims.go.jp/datasets/a3969a8c-cae2-4924-9454-125590d53e15)

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第5節　機械学習を用いた耐熱鋼のクリープ寿命予測出村雅彦はじめに耐熱鋼は発電所、化学プラント等に用いられ、産業・生活を支えるインフラに欠かせない材料である。高温では降伏応力以下の負荷でも拡散によって塑性変形が促進される。これをクリープ変形と呼ぶ。一般的に金属材料のクリープ変形では、初期の比較的変形速度が速い一次クリープ、一定の速度で変形が続く二次クリープ、変形が加速する3次クリープを経過して破断に至る。クリープ寿命は温度と応力に依存し、同じ鋼種であっても条件によって、数時間で破断する場合もあれば数十年破断しない場合もある。応力を負荷された状態で原子が拡散し、転位等の格子欠陥が運動することで塑性変形が生じる。これに伴って原子レベルの損傷が蓄積し、微小な破壊が生じる。クリープ変形とそれに引き続く破壊は、拡散や格子欠陥の運動が同時に起こる複雑な現象であり、物理モデルは十分に確立されているとはいえない。そのためクリープ寿命を予測することは難しい。特に、材料の組成やプロセスを変数として、任意の温度、負荷応力におけるクリープ寿命を予測することは極めて困難である。国立研究開発法人物質・材料研究機構（NIMS）では、前身の金属材料技術研究所時代より、市販の耐熱鋼に対して中立的な立場からクリープ試験を実施し、レファレンスとなるデータをデータシートの形で提供している1)。フェライト系耐熱鋼に限っても、これまでに200鋼種以上についてクリープ試験を実施している。各鋼種において、温度、応力のさまざまな組み合わせ、20-30条件でクリープ試験を行なっており、データ総数は5,000点を超える。これらのデータを活用することで、少なくとも規格鋼に対して、機械学習によるクリープ寿命の予測ができると期待される。機械学習は非線形回帰手法と考えることができる。さまざまな機械学習手法が提案されており、含まれるパラメータの数を多くすることで、かなり複雑な挙動に対しても表現することが可能となる。本節では、NIMSクリープデータシート（CDS）のデータを用いて、クリープ寿命予測を試みた筆者らの研究を2例、紹介する。一例目は、フェライト耐熱鋼を対象に材料組成からクリープ寿命を予測する試み2)である。二例目は、低炭素鋼の特定のクリープ条件に対象を絞って、クリープ寿命を支配する合金元素を特定する研究3)である。いずれも機械学習や統計数学の手法を活用した事例であり、物理モデルが不明な場合においても、データに基づいた予測が可能であることを示す事例と言える。5.1 フェライト耐熱鋼のクリープ寿命予測ここでは、フェライト耐熱鋼を対象にCDSのデータを用いて、機械学習によるクリープ寿命を予測した事例2)を紹介する。機械学習による予測では、用いる機械学習手法や学習の方法によって予測精度は変わるものの、もっとも予測精度を左右するのはデータの量と質である。ここでは、NIMSクリープデータによってどの程度までクリープ寿命の予測が可能となるか、また、データの量はどのような効果をもたらすかが一つの焦点となる。さらに、材料を記述する変数として何を使用するかも重要なポイントとなる。5.1.1 データと機械学習手法、予測性能評価（1）データと材料説明変数CDSからフェライト系耐熱鋼を対象とした27のデータシートを使用し、これらのデータシートに含まれる212鋼種のデータを対象とした。炭素濃度やCr等の合金添加量から低炭素鋼、低合金鋼、高クロム鋼に分類される。ミクロ組織は一般的なフェライト鋼でみられるように、フェライトもしくはマルテンサイト組織を基調として、これにパーライトやベイナイトが含まれる複合組織となっている。各鋼種におけるクリープ試験の条件数は平均すると約27であり、全体で5657点のデータを含むデータセットを用意した。材料を表現する説明変数には化学組成（wt%）を用いた。データシートには化学組成の他にプロセス条件に関する情報も記載されているが、鋼種によってデータ項目が一定しておらず説明変数として使用することは難しい。同じ化学組成の材料であっても熱処理等のプロセスが異なるとミクロ組織が影響を受け、クリープ寿命に大きな影響を及ぼす。この点については、5.1.4で検討する。他にもミクロ組織に関する情報（粒度）が与えられていたが、こちらも使用しなかった。ミクロ組織は、化学組成やプロセス条件のような直接制御できる変数ではなく、結果として得られるものである。今回の予測モデル構築では、直接制御できる変数を用いることにした。これは、実際にサンプルを作製する前にクリープ寿命を予測できるようにするためである。ただし、5.1.4で述べるように、プロセス条件やミクロ組織を代替する情報として高温引張強度を用いた予測モデルも構築した。この場合は、クリープ寿命を予測するためには、サンプルを実際に作製して高温引張強度を取得する試験を実施する必要がある。図1に対象としたデータの詳細と予測モデルに用いた入力変数と目的変数をまとめて示す。材料の説明変数のほかにクリープ試験条件（温度・応力）を入力変数として、クリープ寿命時間（単位・時間）の常用対数を目的変数とした。CDS#53については、同一化学組成で異なる熱処理を施した結果が含まれているため、化学組成のみを材料の説明変数とする予測モデル作成には使用せず、高温引張強度を加えた予測モデルの構築には使用した。［図1］（2）機械学習手法とハイパーパラメータここでは機械学習手法として3つの回帰モデルを試した。Support Vector Regression（SVR）、Random Forest（RF）、Gradient Tree Boosting（GTB）である。SVRはサポートベクトルマシンという分類モデルの枠組みを活用した回帰モデルである。回帰がしやすい説明変数空間に変換する関数を直接求めることをせずに、カーネルトリックという方法で線形回帰問題に帰着させる。少ないパラメータで高い表現力を持つ。RFとGTBはともに弱い予測モデルを複数構築して、その平均で予測を行うというアンサンブル型のモデルである。ともに回帰木と呼ばれるタイプであり、ノードに設定した不等式で枝分かれをして、最終的に「葉」に与えられた値を当該回帰木の予測値とする。たくさんの回帰木の予測結果を平均化して全体の予測とすることで、特定の学習データに影響を受ける過学習を抑制する。RFでは、データや使用する変数をランダムにサンプリングして作成した複数のデータセット・変数セットを用いて、複数の回帰木を作成する。相互の回帰木は独立であり、並列計算が可能である。GBTは新たな枝分かれの条件を作成する際に、アンサンブルで求めた値の回帰誤差が少なくなるように学習を進める。これを効率的に行うために（二次偏微分を含む）勾配情報を活用することから勾配回帰木ブースティングと呼ばれる。本研究ではGBTの中で高い回帰性能を有すると言われているXGBoost4)を用いた。機械学習手法には学習によって更新される変数の他に、学習の進め方やモデルの構造そのものを制御するハイパーパラメータが存在する。図2に機械学習手法毎のハイパーパラメータをまとめた。ハイパーパラメータの調整によって予測モデルの性能は大きく変化する。予測性能を評価しながら最適な値に調整する必要があるが、そのための探索方法にも様々存在する。グリッドサーチは、探索範囲をグリッドに分割し、それを全て試した上でもっとも性能の高い組み合わせを選ぶ方法である。素朴な方法であるがグリッドの解像度の範囲で大域解を探すことができる。ただし、調整するハイパーパラメータの数だけ指数的に探索点が増えるため、適用できる場合は限られる。今回は、SVRとRFについて適用した。ハイパーパラメータ数が多いXGBoostのようなケースでは様々な逐次最適化法が選択される。今回は、林構造Parzen推定法5)を用いた。［図2］（3）予測性能の評価予測性能とは未知の条件に対する予測誤差で評価できる。予測を適用する全てのデータ点について実験値があれば予測性能の完全な評価ができるが、予測モデルを作りたい状況では限定的な領域の実験値しか用意されていない（そのために予測モデルが欲しいわけである）。限定したデータの中で未知の予測性能を推定する方法としては、データから学習に参加させない検証データをより分けておいて、これで予測誤差を評価するホールドアウト法が簡便である。本研究では、予測モデルの評価としてこの方法を採択した。学習データと検証データの比は9:1とした。ハイパーパラメータを調整する際の予測性能評価には、検証データの偏りを避けて、より適切なパラメータ値を選択するために、交差検証法を用いた。これは、データを適当な数（今回の場合は10）のグループに分割し、検証データを順番に変えながら予測誤差を調べ、これを平均化する方法である。これがクロスバリデーション（交差検証）法である。5.1.2 予測モデルの構築結果5.1.1で説明した3つの機械学習モデルを用いて、ハイパーパラメータを調整した上で、予測モデルを構築した。5.1.1で述べたようにCDS#53を除く5583点のデータを訓練データ5132点、検証データ451点に分けた。ここでは、説明変数として化学組成とクリープ試験条件を用いている。検証データを用いた予測精度の評価結果を図3にまとめた。縦軸が予測、横軸が実測である。対角線上に位置していると、予測と実測が一致していることを意味している。SVR、RF、XGBoostのいずれの機械学習手法でも、検証データは対角線の周りに位置しており、高い予測性能が得られていることがわかる。特に、SVRの予測性能が高く、検証データに対する予測誤差は二乗平均平方根誤差（Root Mean Squared Error, RMSE）で0.14であった。目的変数はクリープ寿命の常用対数なので予測誤差0.14はfactor 1.38（=100.14）、すなわち、1/1.38から1.38倍の平均的な誤差であることを意味している。クリープ寿命はfactor2で予測できることが一つの目安となると言われているが、SVR、XGBoostでは、factor2よりも明確に予測精度が高い。実際、検証データ451点のうち、SVRでは95%が、XGBoostでは85%のデータについて、factor2以内の予測を達成している。［図3］このように、材料の情報として化学組成のみを用いているにもかかわらず予測が可能であった。これは用いたCDSのデータが市販鋼に対するものであることが関係している。市販鋼はまず規格を満たす形で作製されており、さらに品質保証のためにプロセスが十分に最適化されている。その結果、化学組成が決まるとプロセス条件が決まるという関係になっていることが想定される。この状況は、学術論文で報告されるような研究データでは成立しない。例えば、化学組成を固定した上でプロセスの影響を調べる研究の場合、同じ化学組成であってもクリープ寿命が異なるデータが混在することになり、化学組成だけを説明変数としても当然予測できない。つまり、材料の説明変数として化学組成のみを用いた今回のモデルは、規格の範囲で、プロセスを最適化した場合のクリープ寿命を与えると考えられる。5.1.3 データ量の効果一般的に機械学習では訓練に用いるデータ量が多いほど予測精度が高くなる傾向にある。データ量の効果を検証するために、学習データ5132点からサンプリングして、訓練データ数を変化させた場合の予測精度を検証した。図4に訓練データ数に対する予測誤差RMSEの変化をプロットした。データ数を減少させるとRMSEは増加し、予測精度は悪化する。両対数で直線の関係にあり、スケール則が成り立っていることがわかる。つまり、今回得られた高い予測精度は豊富なデータ量に支えられていると言える。さらに、この傾向は、データ量が5000点を超えても続いていることから、データを増やしていくことでさらに予測精度を上げる余地があることが示唆される。［図4］5.1.4 プロセスに関する情報の取り込みプロセスは鋼種によって様々であり、一定の書き方ができない。そのためプロセス情報を活用することは難しい。しかし、化学組成が同じであっても、熱処理が異なるとミクロ組織が変化しクリープ寿命は全く異なる。例えば、CDS#53に含まれるVdAとVdBは同じ化学組成を有するが、熱処理の履歴が異なるため、今回のモデルでは全く予測できない（図5左）。この鋼種は圧力容器に用いられるもので、溶接後に残留応力を除去するための熱処理が規定されている。VdAは残留応力除去熱処理が施されておらず、VdBは残留応力除去熱処理が施されている。VdBは残留応力除去熱処理によって軟化し、クリープ寿命が1桁以上悪化する。VdAとVdBの違いを表現するためには、残留応力除去熱処理の影響を説明変数に取り込む必要がある。熱処理によるミクロ組織の変化は機械的性質に反映される。そのため、機械的性質を用いにことで、両者の違いを表現できる可能性がある。ここでは、クリープ試験温度における0.2%耐力を活用することにした。化学組成に加えて0.2%耐力を材料の説明変数として用いたところ、図5右に示すようにVdAとVdBともに高い予測精度を示す機械学習モデルを構築できた。このモデルはプロセスの違いを表現できるモデルであり、適用範囲が広い。ただし、0.2%耐力の値を用意する必要があるため、仮想的な耐熱フェライト鋼に対する予測はできない。つまり、実際に試験片を作製してみる必要がある。それでも、0.2%耐力はクリープ実験に比べるとはるかに取得コストが低いため、メリットは大きい。［図5］5.1.5 耐熱フェライト鋼クリープ寿命予測のまとめ長年蓄積してきたCDSを活用することで、耐熱フェライト鋼のクリープ寿命を高い精度で予測するモデルを作製できた。材料変数として化学組成のみを用いた予測モデルは、規格の範囲でプロセスを最適化させた場合のクリープ寿命としてとらえることができる。実際に試料を作製せずに予測できるため、仮想的な耐熱フェライト鋼をスクリーニングするような使い方が考えられる。熱処理などプロセスの影響を取り込む方法として、0.2%耐力を用いることが有効であることもわかった。化学組成と0.2%耐力を用いたモデルは、熱処理履歴の異なるヒートに対して高い表現力を有する。ただし、この予測モデルを用いるためには実際に試料を作製して0.2%耐力を取得する必要がある点に留意する必要がある。5.2 炭素鋼の基底クリープ強度領域における支配合金元素の特定データ駆動の手法として5.1のように機械学習を予測に活用することは一般的に行われている。もう一つのデータ駆動手法への期待は、支配因子の特定であろう。ここでは、クリープ寿命を支配する合金元素を特定した事例を紹介する。5.1で述べたようにクリープ現象は複雑であり、全ての鋼種、温度域、負荷応力域で、同じメカニズムが働いているとは言い難い。そこで、この事例では対象材料を炭素鋼に絞り、さらに基底クリープ強度領域6-8)と言われる合金元素による固溶強化が支配的な温度・負荷応力域に限定することで、同一のメカニズムが働いていることが期待できる状況を切り出すことにする。その上で、当該領域においてクリープ寿命を支配する合金元素をデータに基づいて特定する。ここでは、ベイズ統計に基づいて確率的に予測モデル間の妥当性を判定する枠組みを用いる。5.2.1 基底クリープ強度領域木村らはクリープにおける強度と寿命の関係から、低負荷応力、長寿命領域においてクリープ強度が時間に依存しなくなる「基底クリープ強度領域」が現れることを見出した6-8)。これは長時間、高温にさらされることによって析出物や加工熱処理によるミクロ組織的な強化因子が働かなくなり、合金が持ついわば「素の強度」のみが残るという考え方で理解できる。合金が有する基底クリープ強度は合金元素に由来する固溶強化に依存すると考えられるため、この領域ではクリープ強度や寿命は合金元素の種類と含有量にのみ依存することが期待される。先行研究7)では、低炭素フェライト鋼について、基底クリープ強度領域と見做せる領域を特定し、固溶元素の影響を調べた例がある。この例では、特定の温度、応力におけるクリープ寿命を内挿で推定し、固溶元素との相関を調べた結果として、Moが強い正の相関を示すことが報告されている。他に、CrやMnについても正の相関があったとの記述があるものの、プロットが掲載されていないため、Moと比較した相関の違いはわからない。加えて、他の固溶元素の影響については、述べられていない。また、特定の条件におけるクリープ寿命について調べているため、基底クリープ領域全体における状況は議論されていない。5.2.2 使用するデータと問題の定式化ここではCDS#7B9)に報告されている低炭素鋼JIS-STB410の9ヒート分のデータを使用する。それぞれのヒートの合金組成について表1にまとめた。炭素は0.20-0.23 wt%という狭い範囲に分布している。このほか9つの合金元素が主に含まれている。先行研究でクリープ寿命との強い相関が指摘されているMoは0.005-0.019 wt%の範囲で変動している。注目すべきは、Moの含有量が変動しているのと同時に、他の合金元素の含有量も変動している点である。炭素を含む10の合金元素は固定されることなく変動している点に注意して、合金元素の影響を議論する必要がある。［表1］図6に773K-100MPaにおけるクリープ寿命を固溶元素の含有量に対してプロットした。先行研究の報告の通り、Mo（図6（f））は含有量に対して直線上にクリープ寿命が増加している。相関係数は0.99と強い正の相関が認められる。MnおよびCrも正の相関が認められ、相関係数は0.8程度である。他に、先行研究では指摘されていなかったが、Alも同程度の正の相関が認められる。逆に、Cu、Siは負の相関が認められる。このようにMoの相関が強いことは確認できたものの、Mn, Cr, Alの正の相関、Cu, Siの負の相関も確認できており、これらの元素がクリープ寿命に影響を与えているかどうかは、このようなプロットだけでは判然としない。［図6］本研究では、ベイズ統計に基づいて影響因子を特定する。その際、基底クリープ強度領域で成立する定式化を以下のように行なった。まず、Larson-Millerパラメータ（LMP）10)を導入して、時間と温度をスケールする。具体的には、温度T [K]、クリープ寿命tr [h]に対してLMP = T(logTr + 20)と定義する。図7に負荷応力の対数をLMPに対してプロットした。低応力・長寿命領域（プロット右下の枠で囲んだ領域）では、対数応力とLMPとの間に直線的な関係が認められ、この領域ではクリープのメカニズムが時間によらず一定であることが示唆される。ここが基底クリープ強度領域であると考えられる。つまり、LMP = a log[応力] + Cと表現できる。傾きaはヒートによらず、ヒート間の違いは定数項Cの違いに現れている。ここで、Cが固溶元素の含有量の線形和で表現されると単純化する。以上をまとめると、LMP = a log[応力] + Σbi [i含有量]（iは固溶元素）+ c　式（1）という形で、基底クリープ強度領域における強度、寿命、温度の関係を定式化できる。［図7］5.2.3 モデル選択の方法5.2.2で述べた定式化によって、影響因子を特定する問題は、ある固溶元素を式（1）に含めるべきかどうかという問題に還元できる。固溶元素の数は10個あるので、すべての組み合わせは1023組（=210-1）ある。したがってこの問題は、1023個のモデル式のどれがもっとも相応しいかをデータから判定するという「モデル選択」に他ならない。モデル選択にはベイズ統計の枠組みを用いる。図8に枠組みの概略をまとめた。データが与えられた時のモデルMの事後確率を求め、それによってどのモデルをデータが支持するかを判別する。事後確率はそのままでは求めることができないので、ベイズの定理を用いて、モデルが与えられた上でデータが当てはまる確率である尤度と、モデルおよびデータの事前確率で表現しておく（図8上段）。その上で、モデルについての事前知識がないこと、および、データの事前確率をモデルに対して周辺化した表現に書き下すことによって、これらの事前確率は分子・分母から消すことができる。その結果、データが与えられた時のモデルの事後確率は、すべてのモデルに対するデータの尤度を求めることで計算できることになる（図8中段）。なお、尤度がモデルから計算される値とデータの値との差に基づいて指数関数的に変動することから、尤度の対数の正負を反転させた負の対数尤度を計算することが一般的である。負の対数尤度は、ベイズ統計では、統計物理のアナロジーからベイズ自由エネルギーと呼ばれる。また、式（1）のように線形和で定式化されている場合には、解析的にベイズ自由エネルギーを求めることができる（図8下段）。まとめると、1023個のモデルに対してベイズ自由エネルギーを求め、その大小からモデルを選択することになる。［図8］モデル選択のもう一つの方法として、クロスバリデーションを使う方法がある。クロスバリデーションは、与えられたデータの中でもっともバイアスの影響を避けた形で未知データに対する予測性能（汎化性能）を推定できる方法である（ただし、あくまでも近似に過ぎないため経験的な汎化性能と呼ばれる）。本研究では、10分割クロスバリデーションによって予測誤差を評価した。図9に10分割クロスバリデーションを例として方法を説明した。まず、データを10分割し、そのうちの一つを検証用として学習に用いずに取っておく。残りの9割のデータで学習したモデルについて、検証データを用いて誤差を求める。検証データを順繰りに一つずつずらしながら、この作業を10回行い、求めた誤差の平均をとって、クロスバリデーション誤差とする。この方法はホールドアウト法に比べて、データを満遍なく用いて未知データに対する予測性能を評価している点で、検証データのバイアスを避けることができなおり、優れている。［図9］5.2.4 解析結果図10に1023個のモデルについて計算したベイズ自由エネルギーとクロスバリデーション誤差の値をプロットした。ベイズ自由エネルギーが低いほどデータを生成している真のモデルに近く、クロスバリデーション誤差が低いほど未知データに対する予測性能が高いと解釈できる。まず、ベイズ自由エネルギーとクロスバリデーション誤差は概ね正の相関があることがわかる。次に、プロットの左端にかたまっているモデル群に注目すると、これらはクロスバリデーション誤差がもっとも低く未知データの予測性の観点で優れているが、差が小さく、これらのモデル群の中での優位は決め難い状況であることがわかる。他方、ベイズ自由エネルギーの軸（縦軸）でみると、これらのモデル群は十分に差があり、データ生成モデルとして妥当である確率の観点からは、どのモデルが優れているかを選ぶことができそうであることがわかる。このように、今回の例では、ベイズ自由エネルギーの方がモデル選択に関してより解像度が高い指標であることがわかった。図10右に、モデルの中で使用されている固溶元素ごとにコントラストを変えたプロットを用意した。Moを含むモデルはクロスバリデーション誤差が小さいグループに属していることから、未知データの予測性を上げるためにはMo含有量を使用する方が良いことがわかる。他の固溶元素を含むモデルは概ね一様に分布しており、特徴は見いだせなかった。［図10］ベイズ自由エネルギーに基づいてモデルを選択できる可能性が示唆されたわけであるが、これを事後確率の指標で確認する。図11はベイズ自由エネルギーから求めた事後確率が高いモデル15について、モデルに使用されている合金元素とその変数値を表現したヒートマップである。一番事後確率の高いモデルは、Mo含有量のみを用いるモデル（Mo単独モデル）であり、これは約80%の高い確率でデータ生成モデルとして妥当することがわかった。2番目は約15%、3番目以降は2%未満であり、Mo単独モデルをデータが支持していることが明確にわかる。2番目以降もMoが使用されており、Mo含有量を使用することが必要であることが示唆される。さらに、Mo以外の合金元素については、2番目以降で一貫して使用されているものはなく、Mo以外の合金元素は不要であることが示唆される。［図11］以上の解析の結果、ベイズ統計の枠組みで、Mo単独モデルが選択された。この結果に基づいて、図6で観察された他の合金元素の影響を解釈してみる。図12は図6で相関が確認されたCr、Mn、Al、Si、CuのプロットにMo単独モデルの推定値を重ねたものである。Cr、Mn、Alは正の相関を有していたが、これらの相関はMo単独モデルで十分に説明できることがわかる。同様に、Si、Cuの負の相関もMo単独モデルで説明できる。つまり、これらの合金元素で見られた相関は見かけのものであり、同時に変化していたMo含有量の影響によって現れた変化であったと解釈できる。［図12］図13にMo単独モデルの予測性能を示す。Mo含有量のみを用いて、LMPを予測できる。低炭素鋼の基底クリープ強度領域においては、少なくともCDS#7Bのデータに立脚する限り、Mo含有量のみを用いることで、クリープ寿命を予測できる。予測するためのワークフローは図13右に示す通りである。［図13］5.2.5 炭素鋼の基底クリープ強度領域における支配合金元素の特定のまとめベイズ統計の枠組みを用いることで低炭素鋼の基底クリープ強度領域のクリープ寿命がMoに支配されていることが明確となった。この結果は先行研究7)と矛盾するものではなく、専門家の判断がデータによって支持されたと言える。より強い結論としては、CrやMnなどで指摘されていた正の相関については、（少なくともCDS#7Bのデータについては）同時に変化しているMo含有量によって説明可能であり、見かけの相関であったと言える。おわりに材料信頼性にとって極めて重要なクリープ寿命について、データ駆動によるアプローチを紹介した。機械学習によるクリープ寿命予測をどのように使用していくかについては、いまだに議論の余地があると認識する。材料の選択、設計のスクリーニングなどで機械学習モデルを活用しつつ、実際に使用する際には実験データに立脚した安全設計が必要となるだろう。5.1で紹介した機械学習モデルはデータの中に隠れている傾向を取り出したものと解釈でき、これを用いた仮想的な実験からメカニズムに迫るような理解に到達できると価値が高まるだろう。その際には、5.2で紹介したようなベイズ統計の枠組みが非常に強力である。点で推定するのではなく、データが与えられた上での事後の確率分布として推定することで、現在有しているデータの限界を評価できるだろう。材料の信頼性は時間に依存する複雑な現象であり、メカニズムに立脚した評価や予測が難しい。クリープのみならず疲労、腐食など他の信頼性に関わる性能においても、今後もますますデータ駆動型アプローチへの期待が高まると考える。参考文献(1) K. 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