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漆原 英二

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[金材技研ニュース 1990 No.5](https://mdr.nims.go.jp/datasets/a81dc480-3abc-46ee-9550-bdcdb42dc79d)

## Fulltext

金属技研ニュース　1990　No.5i〇一、ゼEoo一一〇＝蜆⊂○箏○コーooo－o0＝あ○蜆oo．］o－Eo－ooo］一〇〇〕’0E0f000眈o〇一10－〇一眈○眈餉Eo．但≧里三…ω…Z－o○餉］o〕f←■1　　　　　「畳純度化」特集レァメタルの高純度化／光で不純物を分雌／0気て不純物を纂める1磁化率測定用の加圧セル／光で超■導体を作る／TiA1の高温疲労高純度化 と新機能科学技術振興調整費研究（第1期）終る　レアメタルが発揮する各種の機能は，その電子構造や結晶構造に依存する。そのため，これらの構造を乱す不純物はできるだけ少ないほうが好ましいことは，容易に想像することができる。しかし，そのような高純度のレアメタルを作る技術が確立されていないことから，レアメタルを高純度化すれば新機能が得られると期待されながら，その新機能が確認できないのが現状である。　図1は，昭和61年度の科学技術振興調整費の調査研究（未踏加工技術協会が実施）において，今後レアメタルが重要となるであろうと考えられる14の分野の中から，高純度化によって新機能が発揮されると思われる分野を調査したアンケート結果である。半数以上の回答が，半導体や光通信の分野において高純度化による新機能の創製を予想している。近年，新しい材料特性を引き出す目的で形態の低次元化（薄膜，極細線，超微粒子など）が進められ，バルク材（低次元ではない板や棒など）では現われなかった特異な機能が発見されているものがある。これと同じように，微量の不純物によって隠されていた物質本来の特性が，高純度化を進めることによって現われるであろうという期待感が特にこれらの分野において大きいことを，この調査は示している。　こうした結果をふまえて，昭和62年度から科学技術振興調整費による産・学・官共同の「レアメ’タルの高純度化による新機能創製のための基盤技術に関する研究」がスタートし，平成元年度で第1期の3年が終了した。第1期の重要研究分野は，高純度化技術の開発と超微量分析技術の開発であった。この研究の中で，当研究所は光励起精製法の検討と固相電解による希土類金属精製法の開発を担当したので，その成果の一部を次ぺ一ジ以下に簡単に紹介する。m－V族化合物　半導体　（32％）II－V［族化合物半導体（8％）超格子（11．5％）超電導体（8％〕高純度レアメタル　　　　　光学結晶の新機能　　　　　（13％）超L　S　I関連材料（1O％）核融合炉材料　　（1．5％）　　希土類　　　磁石高密度　　（6．5％）メモリ　　　　　　　化含物（6・5％）　　　光フアイバ　　　　　　　（3％）図1　レアメタル高純度化への期待感◇光励起精製法一希土類金属の相互分離に威カ◇　希土類金属は，わずかな特性の差を利用して徐徐に濃締を進めなければならないので，高純度化が難しい。当研究所は民閲企業との共同研究で，ネ方ジム（M）申に不純物として存在しているプラセオジム（Pr）を，光励起精製法で1桁以上減少させるのに成功した竈原理自勺に従来法とは異なる光励起糟製法を，レアメタルの代表として取り上げた希土類金属で，世界に先駆けて実証した意義は大きい。　光励起精製法とは，特定原子の電子が持つエネルギーを，レーザ光を照射して精密に制御寺ることを特徴とした新しい．高純度化法である。まず，不純物を含んでいる原料金属を電子ビームなどで加熱し，金属原子を蒸発させる。発生したガス状原子にある特定の波長の光を照射すると，ガス状原子申の電子が光のエネルギーを吸収してエネルギーがよ一）高い状態，すなわち励起状態になる竈この励起状態の間に，ある特定の波長の光を更に照射して電子にエネルギーを吸収させると，電子が飛び出して原子はイオンになる。ここで重要なことは，原予が励起状態やイオンになる際の電子のエネルギーは，元素ごとに全く異なっているこ　　紛　♂炉欲畠畠畠♂金♂♂♂6（ネオジム）→汽、女姦ギ　　　　　　　　　　●プラセオジム原予図2　光励起精製法・の原理とである。そのため，対象とした元素の励起∫エネルギーが異なる複数の状態をとる場含もある）とイオン化に適含するいくつかの光を照射すると，対象元素だけが励起され，イオン化する。　このように対象元素だけをイオン化させておいて，図2に示したように電場を作用させると，イオン化している対象ラ己素のみが選択的にカソード（マイナス極）に引寄せられる。当研究所では，ネオジム原子の励起・イオン化の条件を詳細に検討した結果，2つの励起とイオン化との3段の反応を，ある波長のヱつのレーザ光のみで行わせる新しいイオン化法（1波長選択イオン化法）を発見した。図3は，不純物としてプラセオジムを約1％含んでいるネオジムを，この方法でイオン化して精製した実験例である。カソード上に蒸着した皮膜（厚さ約100分の1㎜）を二次イオン質量分析法で調べると，ネ才ジム中のプラセオジムは光励起精製前の約1／16に減少していた。　光励起精製法は，原子がイオン化するかしないかの状態の変化を利用しているので，原理的には選択性は無限大になる。現に，蒸着前のガスの状態ではプラセオジムが約1／1000にまで減少していることが確認されている。今後，この方法をレアメタルの高純度化技術として確立するために，励起・イオン化条件の最適化や装置の改善の研究を進めることにしている。106王0…冨く10』學趣麹互0・｛陵工o呈1O…ネオジム、プフセオジム、　｝00　　　　　　　　200妻集i橋詞寺閲　｛冒）図3　光励起締製然蒲膜の分析総果◇固相電解精製法一ガス系不純物の低減に効果◇　光励起精製がいわば未来技術であるのに対して，固相電解精製は1930年代にその現象が既に発見されていた高純度化技術である。固相電解とは，直流の大電流が長時問通電されている高温の固体金属中で，不純物元素が電極に向って移動する現象のことである。不純物元素を移動させ多駆動力としては，不純物元素イオンと電極との間の静電的な力のほかに，不純物元素の周囲を流れる多数の電子の衝突も作用している。　固相電解精製は，この現象を利用して不純物を電極の近くに濃縮させる精製法である。不純物元素の移動の径路は，2種類考えられる。その一つは，格子点を占める置換型不純物（金属系不純物）元素が，格子点の空孔を伝わって移動するものである。もう一つは格子と格子の問隙を占める侵入型不純物（ガス系不純物）元素が，格子の問を縫って移動するものである。移動の速度は，後者のほうが数百倍も大きい。なお，ガス系の不純物元素や揮発容易な化合物を生成する元素は，移動の固相■解籾製装竈過程においてその一部が固体表面から脱離する。したがって，ガス系不純物の除去には特に有効な手段であると考えられているが，我が国ではほとんど研究の実績がなかった。　当研究所はこの固相電解精製法を改めて見直して，この方法による希土類金属の精製の研究を進めた。写真に示した固相電解精製装置の真空室内に，棒状の試料を垂直に保持して真空に排気し，低電圧大電流の直流を試料に流して抵抗による発熱で所定温度に加熱し，排気しながら通電を続ける。図4は，希土類金属のテルビウム（Tb）を固相電解したときの，酸素の挙動を示した実験例である。試料内の酸素はカソード（マイナス極）側で減少し，逆にアノード（プラス極）側で増加している。また，試料全体を平均した酸素濃度が固相電解前よりも低下しており，不純物の酸素はカソード側からアノード側に移動するのみでなく，一部は試料外に脱離していることがわかる。　現在までに，不純物酸素の初期濃度が1000ppm程度の市販材料から出発して，固相電解精製により希土類金属中の酸素濃度を，カソードの近傍では，50ppm程度まで低下させることに成功している。今後，装置の改良と電解条件の最適化，および出発原料の高品質化などの組合わせを考えて，5N（99，999％）の純度達成を目標に，研究を進める予定にしている。30002000昌口3趣灘猟翻　1000試料温度　1080℃（中央部）電流密度　400A／cm2通電時聞100h初期濃度0　　　　　　　　　　　5　　　　　　　　　　10　　　　カソード端からの距離（om）図4　固相電解によるテルビウム中の　　酸素濃度の変化スポットニュース高圧下の磁化率の精密測定が可能に　当研究所は，高圧下において磁化率を高精度に測定する技術を開発した。試料は円筒状の加圧セルに入れ，液体を加圧媒体としてピストンで加圧する。銅一ベリリウム合金製のセルは約15000気圧まで，銅一チタン合金製のセルは約6000気圧まで加圧できる。特に，銅一チタン合金製のセルは極低温までセル自体の磁化率の変化が極めて小さいので，精密測定に適している。　高圧を加え，電子や原子の平均距離を変えて物性を測定することは，物質の本質を探る上で重要であるのみでなく，新材料の開発に対しても貴重な情報を提供するものとして期待される。？　測定磁場1目o　　　　7kOe、×コ錘皿〕　銅一チタン合金製セル睾趨　　　　　　銅一ベリー1ウム合金製セル　0　　　　　50　　　　　100　　　　150　　　　200　　　　250　　　　300　　　　　　　　　温度（K）加圧セルの磁化（7kOe．で測定）の温虚変化と外形写真▲工　州Nb真空又はアルゴンレーザ光によるNb宮Alの製造法　まず，ニオブ製基板の上にアルミニウムをスパッタし，レーザの吸収効率を良くするためにその上に更に炭素を積層する。この積層材に，真空あるいはアルゴン雰囲気中でYAGレーザを照射して加熱する。レーザの出力や積屑材の移動速度を細1御して急熱急冷条件を達成させると，Nb3A1の性能の良い線材や素子が生成する。TiA1金属間化合物の優れた高温疲労特性を確認　当研究所は，軽量で耐酸化性に優れている金属問化合物のTiA1（チタンアルミニウム）に注目し，各方面から研究を進めている。それらの研究の中で，TiAlの高温疲労特性が，代表的な耐熱鋼のJIS　NCF800鋼（アロイ800）よつも，はるかに優れていることを明らかにした。　図は，バナジウムを1．7％添加して室温延性を改善したTiAlの，室温と800℃における疲労強度を示している。TiAlは高温でも室温と同等以上の疲労強度を持っており，高温用構造材料として非常に適していることが実証された。1OO0800（　600｛凄圃韓400R違200胤）1　ζN鳩　　ノTiA1（室温）　▲　　　ノNCF800（800℃）1Oo　1Ol　102　10ヨ　l04　105　106　107　　　　破断までの繰返し数TiAlと代表的耐，熱鋼の疲労特性トピヅクス当研究所がホストでアスカセミナーを開催　第14回ASCAホセミナーが，去る3月6日から9日まで，当研究所で開催された。ASCAは，アジア・オセアニア地域の科学技術の振興や経済の発展を目指して，1970年に設立された国際機関である。溶接・鋳造・金属成形に関する今回のセミナーには，我が国を含めて14か国から約40名の研究者が参加し，活発な討議と意見の交換が行われた。参加諸国のこの分野における発展状況がはなはだしく相異していることが明確となり，この分野における情報交換，共同研究，技術協力などの必要性が指摘された。｛串The　Association　for　Science　Cooper目tion　in　Asia〕一般公開　　本所340名、支所520名が参観　　　　　SClENCE　NOW’90も好評　当研究所では，科学技術週問行事の一環として，目黒本所（4月16日）と筑波支所（4月19日）を一般公開し，科学技術庁主催のSCIENCE　NOW’90（4月9日～12日，東京・晴海）に出展した。　一般公開では，本所約340名，支所約520名の来訪があり，研究成果の説明や質問に対する応答が，第一線研究者によつ熱心に行われた。　SCIENCE　NOW’90では，当研究所が目指す今後の方向と幅広い研究の内容を紹介するパネルや展示物が，大勢の参観者の興味を集めた。当研究所のプースを視察する永野科学技術政務次官　　　　（SCIENCE　NOW’90会場にて）◆特許速報◆●出願　　　　　発　明　の　名　称表示結晶素子と表示装置Bi系酸化物超電導体の粉末とその線材の製造方法出願日1．12，311．12，31出願番号O1－34123701－341238　　　　発　　明　　者　　名大河内真，八木沢孝平，下田正彦浅野稔久，田中吉秋，福富勝夫，前田　弘●登録発　明　の　名　称Nb3Sn拡散線材の製造法素粉末混含法によるチタン合金の製造方法Siを添加した金属問化合物超電導線材の製造法登録日313131登録番号154013115401381540147発　　明　　者　　名関根　久，飯嶋安男，太刀川恭治萩原益夫，河部義邦，海江田義也笠原和男，橋本健紀，土肥春夫，辻本得蔵◆短信◆●受費　西山記念費　力学特性研究部　　　負囲　方衛　「鉄鋼材料の疲労特性に関する研究」により，平成2年3月13日，上記の賞を受質した。目本金属学会研究技術功労賞管理部技術課　門井稔　「長年にわたる金属研究の功績」により，平成2年4月4日，上記の賞を受賞した。市村学術賀第1研究グループ　　関根　　久第1研究グループ　　浅野　稔久　ηi添加Nb3S’n極細多芯線材の研究開発」により、平成2年4月27日，上記の賞を受賞した。●人事異動　平成2年3月3ヱ日　定年退職　武内朋之（第5研究グループ総含研　　　　　　究官）　平成2年4月玉臼　併任解除　反応制御研究部長　新居和嘉（所長）　配置換　反応制御研究部長　古林葵一（計測　　　　　　解析研究都長）配瞳換昇昇任任計測解析研究部長　斎藤鉄哉（第4研究グループ総含研究官）第4研究グループ総合研究官　吉原一紘（表面界面制御研究都第1研究室長）第5研究グループ総含研究官　永囲徳夫（第5研究グループ第2サブグルループり一ダー）●海外出張氏　名 所　　属 期　　間 行　　先 用 務西島　　敏 損傷機構研究部 2．3，10～2．3．ユ8 　一フフンス 複含材料に関するヨ仏セミナ一浅田　雄司 材料設計研究部 2．3．1ヱ～2．3，23 アメリカ 高濫趨電導材料の理論及びデ一タベ’スについての研究状況調査小口多実夫 基礎物性研究部 2．3．1I～2．3．24 アメリカ 高撮趨電導材料の理論及びデ一タベースについての研究状況調査木書　　司 第1研究グループ 2．3．24～2．6．17 アメリカ 強磁界マグネット作製及び運転に関する調査浅野稔久 第玉研究グループ 2．3．26～2．4．14 アメリカ 強磁界マグネット作製及び運転に関する調査八木晃一 環境性能研究部 2．3．27～2．4．8 アメり力 VAMASクり一プき裂成剣こ関する技術作業部会藤井　哲雄 捜傷機構研究部 2．3I3工～2．4．9 イタリア 第I咽国際腐食会議山内　　泰 第2研究グループ 2．3．31～2．4．17 西ドイツ，フラン 日・E　C核融含研究協力ス，イギりス，鱗国入江　宏定 組織制御研究部 2．4．1～2．4．5 特殊溶接セミナー　　　　　　通巻　第377号発行所科学技術庁金属材料技術研究所　　　　　〒153東京都舅累区中目黒2－3一正2　　　　TEL（03）7三9－2271，FAX・（03）792－3337　　　　　　平成2年5月発行編薬兼発行人　　漆原英二印　刷株式会社三興印刷