# Fileset

[03_特集 最先端電子顕微鏡法（４DSTEMとタイコグラフィー　NIMS　三石和貴）20250317　著者最終稿.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/76361215-985f-4e1a-9d10-5ff829433abb/download)

## Creator

[三石 和貴](https://orcid.org/0000-0002-9361-4057), [中澤 克昭](https://orcid.org/0000-0002-6056-5615)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[4D STEM計測とタイコグラフィー](https://mdr.nims.go.jp/datasets/7d596b73-1d81-4ffd-a3f2-5fbeb005214b)

## Fulltext

1．はじめに   4DSTEM は走査透過電子顕微鏡法（STEM）法の一つであり、細く絞った電子線で試料上を走査し、照射位置毎の回折図形を取得する手法である(図 1) 1)．2 次元の電子線走査の各点から 2 次元の回折図形を得るためトータル 4 次元のデータとなり 4DSTEM と呼ばれる．近年、回折図形を高いフレームレートで取得するピクセル型 STEM 検出器の登場、計算機性能の向上、記憶媒体の大容量化などによって実用的に使えるようになり、併せて得られたデータを解析するための手法や計算ライブラリの開発が進み、注目を集めている．また、タイコグラフィー（Ptychography）はそうして得られた 4DSTEM データを処理して試料を透過した電子線の位相情報を得る手法の一つであり、やはり近年、急速に発達している 2)．本稿ではこれら 4DSTEM とタイコグラフィーについて紹介する．  2．4DSTEM   通常の平行入射の TEM での回折図形は図 2(a)で示すように逆格子点が回折点として計測される一方、STEM においては入射電子線が収束しているため、各回折点が収束角に応じたディスク状に観察される(図2(b)(c))．収束角が小さい場合、回折図形中の回折点の位置は通常の回折スポットと同じように解釈可能であり、収束電子線が照射された範囲の局所的な構造を反映したものとなる．そのため、回折ディスクの中心や重心を計算することによってその位置を精密に計測し試料の場所ごとの構造や方位の変化、格子定数変化、格子歪などの情報をマップとして得る事が出来る．この時、入射電子線の収束角を大きくするほど電子線を細く絞る事が出来るため、実空間の分解能は向上する．一方で、収束角を大きくするほど回折図形中の回折点は広がり、また、回折図形は収束電子線回折図形（CBED）となるため、回折ディスクの中には入射方向の違いによる回折条件の変化を反映した模様が現れ、微妙な格子定数の変化等を計測するのは難しくなる．そのため、一口に4DSTEM 計測といっても取得したい情報に合わせて収束角やカメラ長を適切に選択する必要がある． 図 3 は 高 圧 ね じ り 加 工 さ れ た 金 属 ガ ラ ス（Zr50Cu40Al10）の 4DSTEM 観察の例である 3)．(a)は各点毎の回折図形の一部を示した．(b)はスキャン位置で平均した回折図形で、非晶質に対応したハローリングが観察されている．一方で(c)で示した一点からの回折図形にはスペックルと呼ばれる局所的な構造を反映した回折点が観察されている． 4D STEM 計測と タイコグラフィー 特集 ●●●●●●●●● 4DSTEM and Ptychography Keywords: 4DSTEM, electron ptychography, phase retrieval 三石 和貴・中澤 克昭 Kazutaka Mitsuishi *1 and Katsuaki Nakazawa*2 (*1Material Research Cetner, National Institute for Materials Science，*2International Center for Young Scientists, National Institute for Materials Science) ─   ─  図 1 4DSTEM 計測の模式図  図 2 収束角と回折図形の関係．透過波と一つの回折波のみを描いている．(a)通常の平行入射(b)収束角が小さい時、(c)収束角が大きい時 Pixelated detector 図 4 は回折図形を楕円でフィッティングした際の離心率の大きさと方向をマップにしたもので、様々な歪の方向と大きさを持つ細かなグレインから構成されることが観察される．  このように 4DSTEM 計測では得られた各点からの回折図形の様々な特徴を後から抽出し、その実空間での分布として観察することが出来る．これまでの電顕法でも対物絞や制限視野絞りを用いる事で細かなグレインの存在を観察すること自体は可能であったが、離心率マップのように複雑な処理を施した上でマップを作成することは 4DSTEM によって初めて可能となった．また、最近ではオープンソースでの解析プログラムの開発が盛んに行われており、得られたデータを簡単に解析・可視化する事ができるようになっている 4)．  さらにごく最近ではこの 4DSTEM 計測を連続で行い回折図形の時間発展を観察することで、微小領域の構造とその動的な振る舞いの相関を観察することが可能となっている 5)．これは時間という新しい次元を加えて 5DSTEMと呼ばれ、今後更なる展開が期待される 6)． 3．タイコグラフィー   タイコグラフィーは 4DSTEM データから試料の位相を回復する手法の一つである 2)．タイコグラフィーでは大きな収束角を用いて透過波と回折点が作るディスクが重なる条件で取得する(図 2(c)). 重なった領域では透過波と回折波が干渉するため、その領域の明るさはそれらの位相差によって決まり、位相が揃っていれば明るく、ずれていればずれに応じて暗くなる．つまり重なった領域には透過波と回折波の位相差の情報が含まれている．図 2では一つの回折波だけを描いているが、実際の結晶では複数の回折波が励起されるため、ピクセル型検出器によって回折図形をまるごと取得すればこれらの干渉を全て記録することができる．つまり得られた 4DSTEM データには、それぞれのプローブ位置で得られた回折波の位相差の情報がすべて含まれている．タイコグラフィーではこの 4DSTEM データから計算によって試料を透過した電子線の位相を得る．この計算方法には直接法（Direct Method）と呼ばれるものと、反復法（Iterative Method）と呼ばれる大きく異なる二つの方法があるが、この回折図形中の回折波と透過波の干渉から位相を求めるという点が共通しており、どちらもタイコグラフィーと呼ばれる． 4.直接法によるタイコグラフィー 紙面の都合で回復法の詳細については割愛するが、得られた 4DSTEM データをプローブ位置に関して 2次元フーリエ変換し、得られた 4 次元データにマスク処理（Single Side Band (SSB)）7)、もしくはプローブ関数のデコンボリューション (Wigner distribution deconvolution (WDD)) 8)を施すことで物体関数のフーリエ成分を求める手法が直接法（Direct Method）である． 図 5 は直接法の一つである WDD 法を用いて位相再生されたゼオライトの位相像の例である 9)．ゼオライトは電子線照射に弱い材料として知られているが、タイコグラフィーは電子線の利用効率が高く、少ない電子線量でも高い分解能の像を得る事が出来る．この例ではプローブ電流は 0.1 pA 以下（～2100 個/Å2）で回折図形１枚当たりの電子数は 80 個程度である．また、取 図 3 高圧ねじり加工された金属ガラス（Zr50Cu40Al10）の 4DSTEM観察例 (a) 得られたスキャン位置毎の回折図形の一部, (b) スキャン位置で平均した回折図形、(c)一点からの回折図形  図 4 金属ガラス（Zr50Cu40Al10）の 4DSTEM データの回折図形の楕円率から得られた場所ごとの歪の方向と大きさのマップ 得する際のフォーカスのずれなどのプローブの収差は、透過波と回折波が重なった領域の位相の歪みとなって表れるため、これを取得後の計算で計測して取り除く事が可能である 10)．図 5 においても僅かではあるが取得後に収差の計測と補正を行っている．取得時にフォーカスや非点などの調整をあまり厳密に行わなくても後から補正出来るという事は、データ取得時の電子線照射をより減らすことができ、ダメージを受けやすい材料の観察に非常に有効である． 図 6 は事後の収差補正によって取得時のフォーカスのずれを補正した例である．左の列は金のナノ粒子の(a)正焦点、(b)+20nm,(c) +40nm での環状暗視野（ADF）像であり、右の列（(b),(d),(f)）はそれぞれの条件で取得された 4DSTEM データからタイコグラフィーによってフォーカス補正された位相像ある．図中の C1 はタイコグラフィーによって見積もられたプローブのフォーカスずれ量で、取得時に設定した焦点はずれ量をほぼ正しく再現していることが判る．ADF 像ではプローブの焦点ずれ量が大きくなるにつれて像がぼけていくが、タイコグラフィーでは収差を計測し取り除くことでシャープな像を得る事が出来ている．どの程度の焦点ずれ量まで補正可能かは、4DSTEM データに記録される回折図形の解像度で制限される． 5.反復法によるタイコグラフィー 反復法によるタイコグラフィーはまず適当な入射波を表す波動関数と、物体を表す物体関数のモデルをそれぞれ仮定し、それらから計算される回折強度と実験で得られた回折強度の差が小さくなるように、モデルの入射波の波動関数と物体関数をすこしずつ変化させながら反復計算を行う手法である 11)．特に最近、モデルから計算された回折強度と実験から得られた回折強度の差を損失関数として定義し、それをモデルに含まれる様々なパラメーターに対して最小化する最適化問題として捉えられるようになってきた 12, 13)．この定式化では損失関数を定義する際にポアソン分布やガウス分布など、実験の電子数に合わせた統計ノイズの影響を考慮することができ、最適化も情報科学的な知見を活用してより効率よく行われるようになっている． 反復法でのタイコグラフィーでは、データを取得する際のプローブのフォーカスをわざとずらし、試料上である広がった領域を照射するようにし、走査する際に隣り合う点で照射範囲が８割程度重なるようにして取得することで、物体の同じ場所の情報が複数の回折図形に含まれた冗長なデータを取得する．この膨大で冗長度が高いデータを用いることで、これまでのそれぞれ 2 次元に広がった入射波の波動関数と物体関数の2 枚を再構成するというシンプルなモデルでなく、より複雑なモデルを仮定した再構成が可能であることが示されている．この時取り込むパラメーターには以下のようなものがある．  入射電子線の収差 14)  データの取得時のプローブの位置のずれ 15, 16)．  深さ方向に異なる多層から成る物体関数 17)   プローブに含まれる異なる状態（モード）18)  電子線の入射軸に対する試料の傾斜 19) 反復計算ではこれらの仮定したパラメーターで損失関数を微分し、勾配法を用いて損失関数を最小化していくことでそれぞれのパラメーターを最適化していく．  図 5 ゼオライトのタイコグラフィーによる位相像  図 6 データ取得後の収差補正によるフォーカス補正の例 このうち入射電子線の収差は直接法であっても求める事が出来ていたが、それ以外のパラメーターについては反復法でのみ可能なものである．特に深さ方向に異なる多層の物体関数は、試料の深さ方向を含む 3 次元的な情報が 2 次元のスキャンの一つのデータセットから得られる事を意味している．これは図 7 に示したように入射電子線の波動関数 P が、多層の物体関数 O(n)それぞれに散乱され次の層まで伝播する過程をモデル化し、反復計算では実験との比較によって更新された最下層の波動関数から逆に伝播させて各層を更新して行くことによって求められる．これによりドーパントの深さの同定 20)や、欠陥の深さ分解 21)などが可能なことが示されている．また、電子線は物体との相互作用が強く、多重散乱の影響を受けやすいが、各層を十分薄く設定することで各層での散乱は一回散乱で近似する事が出来、厚い試料でのデータについても正しく再生出来る事が期待され、今後ますます発展すると期待される． 6.おわりに Miao ら 22)が回折顕微法で回折図形から位相の情報が回復出来ることを示した際にも大変な驚きであったが、いまや思いつく効果をモデルにどんどん取り込んで最適化していく時代が来つつある．得られる情報の多様さから近い将来、“電顕の観察は 4DSTEM が基本”という時代が来るかもしれない．もちろん、最適化にかかる時間はパラメーターが増えるほど掛け算で増えていくため計算時間は膨大となる．また、多くのパラメーターを取り込んだ計算が収束するには冗長度が高い高品位で膨大なデータが必要であり、検出器の高速化、高感度化、高精細化と、それを処理するための最適化手法の開発、計算機の容量、処理速度の向上は今後ますます重要になってくると思われる．   謝  辞 本研究を進めるにあたってお世話になった方々に深く感謝致します．本寄稿に関連する研究の一部は科研費（24K15598）の支援を受けて実施されました 文  献 1) C. Ophus, Microsc Microanal, 25, 563 (2019). 2) J. Rodenburg and A. Maiden, Ptychography in "Springer Handbook of Microscopy" P.W. Hawkes, J.C.H. Spence (eds)., Springer Handbooks. Springer, Cham. (2019) pp.819-904. 3) K. Nakazawa, et al., J. Non-Cryst. Solids, 606, 122197 (2023). 4) B.H. Savitzky, et al., Microsc Microanal, 27, 712 (2021). 5) K. Nakazawa, et al., NPG Asia Materials, 16, 57 (2024). 6) K. Nakazawa and K. Mitsuishi, Microscopy 72, 446 (2023). 7) T.J. Pennycook, et al., Ultramicroscopy, 151, 160 (2015). 8) J.M. Rodenburg and R.H.T. Bates, Philos. Trans. R. Soc. Lond. A, 339, 521 (1992). 9) K. Mitsuishi, et al., Sci Rep, 13, 316 (2023). 10) H. Yang, et al., Nat Commun, 7, 12532 (2016). 11) J.M. Rodenburg and H.M.L. Faulkner, Appl. Phys. Lett., 85, 4795-4797 (2004). 12) P. Thibault and M. Guizar-Sicairos, New J. Phys., 14, 063004 (2012). 13) M. Odstrcil, et al., Opt Express, 26, 3108 (2018). 14) A.M. Maiden and J.M. Rodenburg, Ultramicroscopy, 109, 1256 (2009). 15) A.M. Maiden, et al., Ultramicroscopy, 120, 64 (2012). 16) P. Dwivedi, et al., Ultramicroscopy, 192, 29 (2018). 17) A.M. Maiden, et al., J Opt Soc Am A Opt Image Sci Vis, 29, 1606 (2012). 18) Z. Cao and T. Peng, Phys. Rev. A, 94, 042126 (2016). 19) H. Sha, et al., Sci Adv, 8, eabn2275 (2022). 20) Z. Chen, et al., Science, 372, 826 (2021). 21) H. Zhang, et al., Science, 380, 633 (2023). 22) J. Miao, et al., Nature, 400, 342 (1999).  筆 者 紹 介 三石 和貴（みついし かずたか） 1996 年 3 月 東京理科大学理学研究科博士課程修了, 博士（理学）1997 年 4 月 科学技術庁・金属材料技術研究所（現・独立行政法人物質・材料研究機構）入所, 2023年より物質・材料研究機構マテリアル基盤センター副センター長. 専門：電子顕微鏡法 [連絡先] 〒305-0047 茨城県つくば市千現 1-2-1 物質・材料研究機構 マテリアル基盤センター E-mail: Mitsuishi.Kazutaka@nims.go.jp  中澤 克昭（なかざわ かつあき） 2021 年 3 月 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻博士課程修了，博士（工学）．2021 年より 物質・材料研究機構 若手国際研究センター（ICYS）研究員 専門：電子顕微鏡法 [連絡先] 〒305-0047 茨城県つくば市千現 1-2-1 物質・材料研究機構 若手国際研究センター E-mail: NAKAZAWA.Katsuaki@nims.go.jp   図 7 多層からなる物体関数での反復計算の模式図