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[20241223永村_著者最終稿.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/6820189a-0465-4b0b-a9f5-98ffe60dabff/download)

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[永村 直佳](https://orcid.org/0000-0002-7697-8983)

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[放射光でナノの世界を照らすオペランド分光イメージング](https://mdr.nims.go.jp/datasets/1cfcbb1d-ecc1-4460-91ee-69cbff08e81a)

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理論化学会誌「フロンティア」 2023年 7 月 （第 5巻 3号） 1  放射光でナノの世界を照らすオペランド分光イメージング 永村直佳（物質・材料研究機構） e-mail: NAGAMURA.Naoka@nims.go.jp  Operando spectral imaging using synchrotron radiation X-rays illuminating the nano world  The technical evolution of light sources and detectors induce the dramatical expansion of the applicable range of spectroscopic analysis. Recently, high-resolution spectroscopy measurements in several parameters, such as energy, space, and time are realized. In this paper, we introduce a synchrotron soft X-ray scanning photoelectron microscopy (SPEM) system and applications for the observation of fine device structures and nano-structured materials. Since “operando” analysis can be performed under electric field, reaction dynamics such as electronic states in semiconductor devices during operation and Li distribution in Li-ion batteries during charge-discharge process can be captured. Utilizing a new synchrotron radiation facility and improved equipment will make it possible to visualize more complex chemical reactions in nanostructures.  1. はじめに  光を物質に照射し、放出される光電子を検出する、という一次光学過程に基づいた分光分析手法が光電子分光法[1,2]である。入射光が X線の場合(X 線光電子分光、XPS)は物質の元素組成や元素選択的な化学結合状態の情報を得ることができ、入射光が紫外光の場合(真空紫外光電子分光、UPS)は放出光電子の角度依存性も測定することによって、固体結晶のバンド構造を直接可視化することができる。物性実験系の研究をしていると、一度は触れたことがある分析手法といっても過言ではない。 しかし、化学反応を分析するツールとしては一般的なものとは言い難い。実験室系の入射光源として X 線管やヘリウム放電管を利用するが、輝度が十分ではなく、スペクトルデータの取得に長時間かかってしまう。また、測定領域は入射光のスポットサイズである数百 μm程度であるため、そのオーダーで均一な結晶を準備するか、不均一な材料であればあくまで平均情報を得ると割り切らなくてはならない。時空間分解能が十分ではないのである。さらに、光電子は大気中では急速に減衰してしまって検出不可能となるため、超高真空環境が必要であることも化学反応分析を困難にしている。 解決策の一つとして、実験室光源と比較して圧倒的に高輝度である放射光を利用する手がある。放射光では、ポンププローブ法による時分割計測[3-5]や、集光光学系や二次元検出器を使ったマッピング計測[6-8]、準大気圧計測[9,10]などが可能になってきており、固体表面の酸化反応[11,12]や電極触媒反応[13,14]といった化学反応分析に展開されている。 本稿では、放射光 XPSの出口の一つとして、微細デバイス構造や機能性ナノ構造材料を動作環境下で(=オペランド)マッピング計測することが可能な走査型光電子顕微分光(SPEM)装置と、その具体的な分析事例について紹介する。正直な話、理論化学的な考察が十分に成されていない点はお恥ずかしい限りだが、気軽な読み物としてお楽しみいただけると幸いである。   2 Japan Society of Theoretical Chemistry  2. 放射光軟 X線オペランド SPEM 装置 ”3D nano-ESCA” ここでは、我々が開発を行い、研究に活用している”3D nano-ESCA”[2,15,16]について紹介する。 一般的に SPEM は、入射 X 線を集光し、試料上で走査させて XPS のマッピングを行う分光実験手法である。3D nano-ESCA(図 1)では、フレネルゾーンプレートという同心円状パターンの透過型回折格子で X 線を集光し、試料ステージの方をピエゾステージで走査させている。集光ビームのスポットサイズは 100 nm をきっており、実際に面内空間分解能 70 nmで計測できている。光電子アナライザーとして、光電子の放出角度依存性を広角で一括取得できるタイプを採用しており、名前に”3D”とあるように、深さ方向の組成分析も行えるようになっている。 タイトルにも掲げた“オペランド(Operando)”は、ラテン語で”in operation”すなわち動作中を意味する言葉であり、元々触媒を動作環境下でラマン分光分析した結果について報告した論文[17]で初めて使用された。”in-situ”と比較して、より積極的に外場を印加し、試料の機能動作メカニズム解析に注目するという意味が込められている。優れた機能性材料をいざデバイス構造に組み込んで、動作させようと外場を印加すると、界面などで想定外の現象が発生してデバイスとして実用化には程遠かった、というのは非常によくあるケースであり、3D nano-ESCA では、外場として電場をかけられるようになっている。 3D nano-ESCAは 2022年まで SPring-8の軟 X線ビームラインである BL07LSU に常設されていて、入射光は 400 eV～2000 eV の範囲が使用可能であった。2023 年現在は、仙台に建設中の新しい放射光施設 NanoTerasu に移設中であり、さらなる入射光の輝度向上が見込まれる。 グラフェンなどナノシートを用いた半導体デバイス構造の局所的な界面キャリアドープ[18-20]や、窒化ガリウム系パワーデバイスの電荷トラップ[21]など、半導体デバイスの動作中解析を多く実施してきたが、電池や触媒の分析も行っている。ここでは化学反応解析という観点から、不揮発性抵抗変化型メモリ(ReRAM)デバイス構造における金属ナノワイヤチャネルの酸化還元反応解析[22]と、リチウムイオン 2 次電池電極活物質結晶の充放電反応解析[23,24]について紹介する。 図 1：3D nano-ESCA 装置の模式図。放射光 X線をゾーンプレートで集光し、試料を走査させることによって XPS のマッピング計測を行っている。元素選択的な化学状態の空間分布情報が得られる。また、フェルミ凖位のシフトに応じて内殻スペクトルもピークシフトするため、化学ポテンシャルの空間分布計測も可能であり、デバイス内でのドープ量不均一性などが検出できる。 理論化学会誌「フロンティア」 2023年 7 月 （第 5巻 3号） 3  3. ReRAM デバイスの反応解析 ReRAM は、電圧印加による電気抵抗の変化を利用したスイッチング素子であり、ロジック半導体のプロセス微細化の流れから、フラッシュメモリに代わる埋め込み用メモリとして活用が始まっている。抵抗変化を示すチャネル部位としては遷移金属酸化物が利用されている。ユニポーラ型スイッチング動作の肝は、電圧印加に伴い、金属酸化物の局所的な酸化還元反応によって導電性ネットワークが形成されることだと考えられているが、微細構造内部の反応解析による実測は容易ではない。そこで、3D nano-ESCA により、抵抗スイッチング時におけるReRAM デバイスの電子状態変化の直接観測を試みた[22]。 図 2(a)のように、線幅 300 nmのニッケルナノワイヤをチャネルとする ReRAM デバイス微細構造を試料とした。チャネル部位のピンポイント XPSスペクトル、特にフェルミ準位(EF)近傍の価電子帯(valence)スペクトルを計測することで、フェルミ準位上における状態密度(DOS)が得られる。図 2(b)のように、初期状態(素子抵抗120 Ω)、電圧を印加して抵抗スイッチング動作をさせた高抵抗状態(素子抵抗 13 MΩ)、もう一度スイッチング動作をさせた低抵抗状態(素子抵抗 260 Ω)の 3 つの状態について計測を行った。 図 2(c)が初期状態、高抵抗状態、低抵抗状態の 3 つの状態におけるチャネル部位のピンポイント valence スペクトルである。初期状態ではフェルミ準位上に DOS が存在しているが、高抵抗状態では DOS がなくなってバンドギャップが生じていることが分かる。高抵抗状態のvalence スペクトル形状は酸化ニッケルのものと似ており、酸化反応による絶縁化が起きていると示唆される。低抵抗状態では DOS が回復しており、ナノワイヤの一部領域が還元反応を経て再金属化されている直接的証拠が得られた。 このように、XPSでは酸化還元反応に伴うバンド変調を捉えられ、オペランドイメージング機能によりデバイス構造内の反応ダイナミクスを追うことができる。占有準位の DOS が直接観測できるので、ここでは議論していないが、半導体におけるバンドギャップ下端の valence band maximum(分子でいう所の HOMO)を定量的に決定することも可能である。   図 2：(a)測定した ReRAM デバイス構造。Niナノワイヤ部が抵抗変化し、メモリ動作を担う。(b)スイッチング動作時の電流-電圧特性。(c)上部は、Binding Energy が 0～15 eV の範囲を積分した valence スペクトル強度のマッピング像。下部は、上部の点線四角内で平均したvalence スペクトル形状。 4 Japan Society of Theoretical Chemistry  4. リチウムイオン電池の反応解析 リチウムイオン電池(LIB)は既に我々の生活に密着している、言わずと知れたエネルギーデバイスであるが、高速充放電や長寿命化、発電所における電力平準化に資する超大容量化、車載用電池としての安全性向上など、まだ課題は山積みである。 電極活物質の単粒子を識別する空間分解能を持ち、充放電中のオペランド解析ができる 3D nano-ESCA では、リチウムイオンの拡散方向や粒子と電解質の界面反応、充放電反応の面方位依存性、不可逆的な劣化反応過程などを分析することができる。 ただ、XPSは表面敏感な分析手法であるため、LIB に一般的なコインセル構造そのままでは計測できない。そこで、図 3(a)のように、測定する電極活物質粒子がゲル状固体電解質に埋め込まれ、集電体と接続された導電性グリッドで帯電を防いだ全固体電池構造のオペランド測定試料セルを開発した[23,24]。 電極活物質の Li4Ti5O12 粒子(図 3(b))についての観測結果を示す[23]。粒子 A と Bについて取得したピンポイント内殻(core level)スペクトルが図 3(c)である。粒子 A では初期状態と比較して、充放電反応が開始するとフッ素の core levelピーク(F 2s)が顕著に増大しており、電気化学反応に伴ってフッ素を含む固体高分子電解質と反応して被膜(SEI 膜)を形成していることが分かる。粒子 A のチタン core level ピーク(Ti 3p)では、充電時と放電時でピーク形状が変化しており、電気化学反応による Ti3+⇔Ti4+の価数変化が検出できた。一方粒子 Bでは初期状態と比較して、充放電反応が開始しても F 2sの強度は弱く、充電時と放電時でリチウムの core level ピーク強度(Li 1s)が変化していない。Li 1sはあくまで電解質由来であり、粒子 Bは何らかの原因で充放電反応が回っていない。 このように、デバイス構成材料に多元素が含まれる複雑な化学反応の解析には、元素選択的な化学状態の情報が得られる XPS は強力な分析手段である。ここではオペランドイメージング機能により、電気化学活性の粒子依存性を可視化することができた。  5. 理論化学的アプローチの可能性 今までに挙げた例では特に理論計算と突き合わせた結果を示してはいないが、3章の ReRAM測定結果で示したような valence スペクトルに図 3：(a)3D nano-ESCA用全固体電池オペランド測定セル装置の模式図。(b)リチウムイオン電池電極活物質 Li4Ti5O12粒子の観測結果(応用上は負極活物質であるが、本実験では正極として充放電反応させている)。ここで見えた 2個の粒子(A, B)についてピンポイント XPS測定を行った。(c)粒子 A, Bに対して取得した Ti 3pと Li 1sの core levelスペクトルの比較。粒子 A と粒子 Bスペクトル形状が大きく異なる。また、充放電反応に伴い形状が変化している様子が分かる。 理論化学会誌「フロンティア」 2023年 7 月 （第 5巻 3号） 5  関しては、第一原理計算による DOS 推定値と合わせてピークの起源を同定し、解釈をすることが多い[25-27]。  電場印加や光照射によって引き起こされる化学反応に関して、オペランド分光計測では、活性サイトや反応に寄与する元素、反応中間体を特定することができる。さらに時空間的な定量解析も可能であるが、実験的定量解析には、常に本質的ではないシグナルやアーティファクトについて検討が必須である。計測の際には入射光の強度やエネルギーを変化させて再現性を確かめているが、理論的解析によるパラメータ推定値と合わせて議論できると定量解析の信頼性は高くなる。  また、オペランドイメージング計測では大量のスペクトルデータ(マッピング 1 枚あたり～105本)が取得される。光源の高輝度化が進むと、さらにデータ量が増大し、スペクトルの解釈や分類の飛躍的なスピードアップが必須となる。そこで、機械学習などインフォマティクスの知見を活用したデータ処理や解釈の援用が重要になると考えられ、我々も既にスペクトルの高速自動解析技術開発に取り組み始めている[28-30]。理論計算によるスペクトルのシミュレーションデータベースが充実すれば、実験で得られたスペクトルを一つ一つ複雑な理論計算と照合せずに、スペクトル形状から各種物性や構造と直接結びつけることも可能になり[31]、実験データの解釈の効率化が飛躍的に進むと期待される。  6. まとめと将来展望 本稿では、近年需要が高まっている、デバイス動作中に生じる動的過程を追跡できるオペランド分析について、筆者が扱ってきた放射光SPEM 技術を軸に、試料に電場を印加したデバイス動作環境下での高空間分解能オペランド分光イメージング分析について紹介した。 スペクトルのマッピング計測を解析に足るS/N 比と現実的な計測時間で取得するには、高輝度放射光の活用が必須である。放射光を使うにはわざわざ遠方の放射光施設に出向く必要があり、手軽さでは実験室装置に敵わない。しかし放射光だからこそ可能な先端分光計測はXPSに限らず様々な分光分析で提案され、日本を含め世界中で年々新たな放射光施設が建設されている。 今後、放射光を活用したオペランド分光計測では、各パラメータ(空間、時間、エネルギー)での更なる高分解能化と、計測の多次元化(入力・出力パラメータの多様化・広範囲化)が進むと考えられる。スピン自由度やバレー自由度を制御して情報処理を行う、従来とは全く異なる原理で動作する半導体デバイスのメカニズム検証にも活用できる。特に化学反応解析の観点では、極限環境計測(ガス雰囲気下、溶液中、高温低温化など)におけるナノ材料の反応メカニズム検証の発展が期待される。 時空間的に微細領域の現象になるほど、分析可能な装置が限られていき、正しい解釈のためには理論研究との協業が益々不可欠になってくる。理論化学者の皆様にオペランド分光について興味を持っていただき、本稿が将来共同研究のきっかけとなれば幸いである。  参考文献 [1] S. 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Kiyohara, et al., J. Phys. Mater., 2, 024003 (2019).  謝辞  本研究の遂行にあたり、装置開発や試料提供でご尽力いただいた共同研究者の尾嶋正治先生、堀場弘司先生、豊田智史先生、藤原宏平先生、細野英司先生、朝倉大輔先生、赤田圭史先生に厚く御礼申し上げます。また、本研究の一部は、JST さきがけ(JPMJPR17NB, JPMJPR20T7)および JSPS科研費(26107503, 15K17463)、TIA かけはしの支援を受けて行われました。  著者紹介 永村直佳（博士（理学））：〔経歴〕2011年東京大学理学系研究科博士課程修了、東京大学工学系研究科博士研究員、東北大学多元物質科学研究所助教を経て、2015 年から現所属。2017年から JST さきがけ研究者、2020 年から東京理科大学客員准教授。〔専門〕顕微分光分析、表面科学、計測インフォマティクス。  受取日： 20XX年 X 月 Y 日 受理日： 20XX年 X 月 Y 日 上記 2行は編集部で記入します    https://pypi.org/project/EMPeaks/https://staff.aist.go.jp/yasunobu.ando/post/empeaks/empeaks2.0.0/https://staff.aist.go.jp/yasunobu.ando/post/empeaks/empeaks2.0.0/