# Fileset

[80号最終_畠山友孝先生（R07-03）.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/64b033b3-c68c-469f-8d54-3bf79d51be55/download)

## Creator

[畠山 友孝](https://orcid.org/0000-0002-2904-8177)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

## Other metadata

[耐熱鋼のクリープ寿命が10倍以上に　金属3Dプリンターを活用したミクロ組織制御で実現](https://mdr.nims.go.jp/datasets/b47ffc3a-9413-4976-a232-eb0c8014f229)

## Fulltext

1.　はじめに　「3Dプリンター」という単語を耳にしたことのある読者も多いと思います。近年、小型の部品から建物まで様々な用途で使用が拡大しています。3Dプリンターは装置の名称であり、その技術は「積層造形」あるいは「三次元積層造形」と呼ばれます。金属を積層造形できる3Dプリンターも販売されています。複雑な形状の部品でも積層造形できることから、3Dプリンターは、製品のデザインの可能性に革新をもたらす技術として一般的には認識されています。　一方で、金属材料を研究する筆者は、金属3Dプリンターにはそれ以上の可能性があると考えています。それは、金属材料の特性を著しく向上させられる可能性です。本稿では、金属3Dプリンターの活用によって耐熱鋼のクリープ寿命を大きく向上させた最近の研究成果について簡単に紹介します。2.　金属3Dプリンターの良いところ　金属材料を使ったものづくりは、①溶けた金属を鋳型に流し込んで固める「鋳造」、②切ったり削ったりする「切削」、③延ばしたり曲げたりする「変形」、④ネジやボルトを使ったり溶接したりしてくっつける「接合」といった手法を組み合わせて行われます。一方で、金属3Dプリンターを用いると、鋳型を使わずに、切削や変形をさせることなく好きな形状を直接造形することができます。　筆者が研究で使用している金属3Dプリンターが採用している「レーザー粉末床溶融結合法 （Laser powder bed fusion, 以下LPBFと表記）」では、原料となる金属粉末を平らに敷き詰めて、その上にレーザーを照射することで溶融・結合させた層を数十マイクロメートルずつ積み上げることで、設計データ通りの形状の金属部品を積層造形することができます。この手法によって、従来のものづくりでは技術的に実現が困難だった複雑な形状でも寸法精度良く作ることができるため、医療分野や航空宇宙分野で活用が進んでいます。今後、より幅広い分野で金属3Dプリンターの活用が進んでいくと考えられます。3.　耐熱材料のクリープ寿命評価　カーボンニュートラルに向けた取り組みが各分野で行われています。筆者も、カーボンニュートラルに貢献するために日々研究に取り組んでいます。二酸化炭素は火力発電所などでの化石燃料の使用に伴い排出されるため、燃料を効率良く使うことが重要です。太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーがどれだけ普及しても、気象条件による出力変動をバックアップするために火力発電は必要になります。　火力発電に代表される熱機関は、高温化によって効率が向上します。火力発電所の配管などは、数十年間に渡って600℃程度の高温に晒さらされ続けますが、その間、材料が徐々に変形します。この現象は「クリープ」と呼ばれます。クリープは、温度や圧力が高くなるほど生じやすくなります。材料のクリープ寿命を超えて使用が続けられると配管は破裂します。したがって、高効率化のための高温化と、安全なプラントの運転を両立するには、クリープ寿命が長い材料を使用すると同時に、Tsukuba 耐熱鋼のクリープ寿命が10倍以上に金属3Dプリンターを活用したミクロ組織制御で実現物質・材料研究機構 構造材料研究センター   畠山 友孝サイエンス40 CROSS T&T No.80その材料がクリープによっていつ破壊するのかを正確に把握することが重要となります。　筆者の所属する物質・材料研究機構（NIMS）では、現在500台のクリープ試験機を保有しており、前身の金属材料技術研究所時代の1960年代から、種々の耐熱鋼・耐熱合金のクリープ試験を行い、クリープ寿命を評価してきました。また、得られたデータはNIMSクリープデータシートとして公開することで、火力発電所等の安全に貢献してきました1)。　今後、金属3Dプリンター製の積層造形材の利用が高温・高圧環境にも拡大していくことが期待されます。ところが、積層造形に関する研究が国内外で非常に盛んに行われている一方で、積層造形材の長時間クリープに関するデータの取得は十分に進んでいません。同じ材料であっても、従来の製法で作ったものと積層造形材とでは、クリープ寿命は異なる可能性があります。そこでNIMSは、これまで培ってきた長時間クリープ試験技術を活用し、積層造形材の長時間クリープデータの蓄積を目指す取り組みを開始しました。4.　3Dプリンター製の耐熱鋼のクリープ寿命　火力発電所の配管として広く使用されている耐熱鋼（改良9Cr-1Mo鋼）の試験片を、金属3Dプリンターを用いてLPBFによって積層造形し、650℃で最長10000時間（約1年2 ヶ月）のクリープ試験を実施しました。図1に、積層造形材のクリープ試験の応力と破断時間（クリープ寿命）の関係を通常製法材と比較したグラフを示します2,3)。650℃、100 MPa（メガパスカル）の条件での破断時間は、通常製法材が400 ～ 800時間であるのに対し、レーザー積層造形材は10000時間経過時点で破断せず、試験が継続されています。つまり、積層造形材は通常製法材の10倍以上のクリープ寿命を有していました。なお、100 MPaは、直径6 mmの丸棒試験片を約288 kgで引っ張る力に相当します。　金属材料は、原子が規則正しく配列した結晶から出来ています。原子の向きが揃った領域である結晶粒の集合体である多結晶体であるのが一般的です。金属材料の原子の配列（結晶構造）や結晶粒の大きさ・分布など様々な要素を総称して「ミクロ組織」と呼びます。同じ成分の材料であっても、ミクロ組織を制御することで材料の特性を大きく変化させられるのが金属材料研究の醍醐味のひとつです。　図2に示すように、高温で液相となった鉄をゆっくり冷却していくと、体心立方格子のδデルタフェライトが晶出し、その後、面心立方格子（オーステナイト）→体心立方格子（フェライト）の順に結晶構造が変化（相変態）します。この相変態は原子が拡散して再配列することで生じます（拡散変態）。拡散は温度が高いほど早くなります。拡散変態には一定の時間が必要です。そのため、鉄をオーステナイトが安定な温度から急冷（焼入れ）すると、フェライトではなくマルテンサイト（体心正方格子）が得られます。これは、原子が拡散できずに、せん断的に結晶構造が変化する無拡散変態が生じるためです。　鉄鋼材料の特性を向上させるには、加熱と冷却を駆使して拡散を制御し、所望のミクロ組織を得る「ミクロ組織制御」が重要となります。従来プロセスでのミクロ組織制御は、オーステナイトからフェライトまたはマルテンサイトに変態させることで行われてきました。なお、本研究で用いた改良9Cr-1Mo鋼は、ゆっくり冷やした場合でも無拡散変態が生じてマルテンサイトが得られる成分となっており、通常製法材はマルテンサイト組織図 1 積層造形材と通常製法材のクリープ寿命の比較 2,3)41CROSS T&T No.80を有しています。　LPBF法を採用する金属3Dプリンターでは、局所的にレーザーを照射することで原料粉末が加熱され溶融し、レーザー通過後に冷却されます。このときの冷却速度は、毎秒約100万℃に達すると見積もられています。これだけ冷却速度が速い場合、δフェライトからオーステナイトへの拡散変態が起こりません。δフェライトは、本質的には低温で安定なフェライトと全く同じものですので、室温でもδフェライトが維持されます。したがって、レーザー照射によって溶けた領域（溶融池）には、δフェライトが生成します。ただし、積層造形材にもマルテンサイトは見られます。これは、レーザー照射時に、溶融しない程度に加熱された領域（熱影響部）の一部で、一度得られたδフェライトがオーステナイトへと拡散変態し、その後冷却されマルテンサイトとなったものです4)。これらのメカニズムを模式的にまとめると図2のようになります。LPBFの超急冷を活用することで、より幅広いミクロ組織制御が可能となることが分かります。　図3に、走査型電子顕微鏡で観察した積層造形材のミクロ組織を示します。図2の模式図の通り、溶融池にδフェライトの結晶粒が観察できます。また、その周辺にはマルテンサイトが観察できます。このように、LPBFによってδフェライトとマルテンサイトが複雑に分布したミクロ組織が得られます。δフェライトとマルテンサイトの大きな違いは、界面（結晶粒界など）の量にあります。マルテンサイトには、図3の右側のように、無拡散変態によって導入された多くの界面が存在します。一方でδフェライトは界面が少ないです。クリープは界面が多いほど生じやすいので、界面の少ないδフェライトを得るミクロ組織制御に成功したことが、積層造形材のクリープ寿命が向上したと原因の一つと考えられます。本研究成果について、より詳しく知りたい方は参考文献2をご覧ください。5.　おわりに　金属材料の特性向上に不可欠なミクロ組織制御を行うには拡散を制御する必要があります。金属3Dプリンターによって得られる毎秒約100万℃に達する超急冷は、従来のプロセスでは制御できなかった高温での拡散を制御できる魅力的なプロセスです。この超急冷を活用したミクロ組織制御によって、耐熱鋼のクリープ寿命を10倍以上に延長することに成功しました。このように、従来のプロセスでは不可能だったミクロ組織制御によって特性向上が目指せることから、金属3Dプリンターは、複雑形状を作れることによるものづくりの革新に加えて、ミクロ組織制御によって材料特性にも革新をもたらすと期待されます。今後は、耐熱鋼でより優れたクリープ寿命が得られる図 2 鉄の相変態挙動と、積層造形によるミクロ組織形成のメカニズム42 CROSS T&T No.80ミクロ組織を追究するとともに、他の耐熱材料の積層造形材のクリープ寿命評価を進めることで、積層造形材の普及を進め、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。参考文献1) K. Sawada et al., Science and Technology of Advanced Materials, 20, (2019) 1131-1149.2) T. Hatakeyama et al., Additive Manufacturing, 93 (2024) 104445.3) NIMS Creep Data Sheet, No. 43A (2014)4) T. Hatakeyama et al., Additive Manufacturing, 61 (2023)103350.畠山 友孝（はたけやま・ともたか）国立研究開発法人物質・材料研究機構（NIMS）構造材料研究センター クリープ特性グループ 主任研究員。秋田県出身。2015年3月東北大学工学部卒。2020年3月東北大学工学研究科博士後期課程修了。博士（工学）。同年4月に物質・材料研究機構に着任。ICYS研究員、研究員を経て、2025年4月より現職。火力発電プラント等で使用される耐熱材料のクリープ特性評価や電子顕微鏡を用いたミクロ組織解析に従事。図 3 積層造形材のミクロ組織CROSS to Release　今日国際単位系（SI）となっているメートル法の確立と普及を目的に「メートル条約」が締結 さ れ た の が1875年5⽉20⽇のこと。メートル条約並度量衡法関係原器として国の重要文化財に指定されている「メートル原器」「キログラム原器」を保管・管理している産業技術総合研究所が5月12日、報道陣向けに見学できる機会を設けた。　メートル条約は当初17カ国で締結され、日本は10年後の1885年(明治18年)に加盟した。今年4月現在、加盟国は64カ国、準加盟国は37カ国。1999年には国際度量衡委員会（CIPM）によって、メートル条約が締結された5月20日が「世界軽量記念日」と定められた。　また1875年に日本では、それまで地域ごとにばらばらだった長さ、体積、質量について、国内の単位の基準統一を図るため、現在の計量法の前身である「度量衡取締条例」が交付され■5月12日　産業技術総合研究所メートル法条約150年で公開国重文メートル原器・キログラム原器43CROSS T&T No.80