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[石原 伸輔](https://orcid.org/0000-0001-6854-6032)

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[化学反応をセレクターとする高性能カーボンナノチューブガスセンサ](https://mdr.nims.go.jp/datasets/980634a2-0a63-47e8-8e4b-179cc0a46909)

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Microsoft Word - ChemicalSensors_NIMSç�³å”�_20260202_å¾®ä¿®æ�£ç›‹_åł³å–¥ã‡−1  化学反応をセレクターとする高性能カーボンナノチューブガスセンサ 石原伸輔 国立研究開発法人物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター・フロンティア分子グループ 〒305-0044 茨城県つくば市並木 1-1  High-Performance Carbon Nanotube Gas Sensors Using Chemical Reaction Selectors Shinsuke Ishihara National Institute for Materials Science Research Center for Materials Nanoarchitectonics, Frontier Molecules Group 1-1 Namiki, Tsukuba, Ibaraki 305-0044  Abstract The use of single-walled carbon nanotubes (SWCNTs) as transducer elements in gas sensors enables room-temperature operation and low power consumption; however, their overall sensing performance is often limited when based solely on molecular adsorption. This article highlights our recent work on SWCNT-based gas sensors in which chemical reactions are deliberately incorporated into the sensing system to enhance both sensitivity and selectivity. By combining supramolecular chemistry, condensation reactions, catalytic conversion, and mechanical operations, highly sensitive and selective detection of nerve agents, aldehydes, and ethylene has been achieved. These studies demonstrate that incorporating well-defined chemical reactions as selector elements provides a versatile design strategy for next-generation gas sensor systems.    2  1. はじめに 半導体式ガスセンサは、ガス漏れ検知を起点として⾧年にわたり研究開発が進められ、現在では環境計測や産業安全など幅広い分野で利用されている。近年は、デバイスの小型化・低消費電力化や MEMS・IoT 技術の進展により、従来とは異なる測定対象や使用環境への展開が期待されており、ガスセンサ素子にはさらなる高感度化および高選択化が求められている。 単層カーボンナノチューブ（SWCNT）のネットワーク構造体は、室温で半導体特性を示し、これを信号変換素子（トランスデューサー）として用いることで、小型・低消費電力動作が可能な電気抵抗型ガスセンサが構築できる[1]。一方で、表面分子吸着に基づく従来のSWCNT ガスセンサでは、吸着エネルギーや電荷移動の差が小さい分子同士の識別には限界がある。これは、物理吸着に基づく応答が分子構造のわずかな違いを直接反映しにくいことに起因する。 我々はこの課題に対し、超分子化学、有機化学、固相触媒ならびに機械的制御を組み合わせ、化学反応を積極的に組み込んだ SWCNT ガスセンサの開発を行ってきた（図 1）。本稿では、神経ガス、アルデヒド、エチレンを対象とした一連の研究を通して、化学反応を選択部位（セレクター）として組み込むガスセンサ設計の有効性とその展開について解説する。   図1. 化学反応を組み込んだSWCNTガスセンサの構築   2. 超分子被覆材を用いた神経ガス検知 神経ガスは極微量（ppm レベル）で人体に深刻な影響を及ぼすため、迅速かつ高感度な検知が求められる。現在、神経ガス検知のスタンダードとして用いられているイオンモビリティ型検知器はハンディサイズの可搬性と高い検出性能を有する一方で、装置価格が高額（1台あたり数百万円）であり、災害現場で初動対応を担う救急隊員や駅係員などのファーストレスポンダーに広く配備することは困難である。また、常時電源投入が必要である点も、運用上の制約となっている。 3  我々はこれらの課題に対し、SWCNT を金属錯体で連結された超分子ポリマーで被覆し、その分解をトリガーとする新しいセンシング機構を提案した（図 2a,b）［2］。本超分子ポリマーは平面四配位型の銅錯体から構成され、同一平面上に配置されたアントラセン部位が π–π 相互作用により SWCNT 表面と連鎖的に接着することで、SWCNT を良好に被覆・分散する。この結果、SWCNT 同士の電気的接触が遮断され、初期状態では導電性が低い状態が形成される。一般的な揮発性有機化合物（volatile organic compound, VOC）に対して超分子ポリマーは安定であり、センサはほとんど応答しない。 一方、神経ガス模擬物質（DCP）などの強い求電子剤に曝露されると、配位結合が切断され、超分子構造が分解する。超分子ポリマーの分解に伴い、SWCNT 同士が直接接触して導電経路が形成されるため、センサの導電性は不可逆的に大きく上昇する（図 2c）。この導電性変化はガス濃度と曝露時間の積に依存し、いわゆるドシメータ型の応答を示すことから、ppm レベルでの瞬時濃度のみならず累積曝露量の評価が可能であり、ファーストレスポンダーの安全管理や個人防護の観点からも有用な応答特性である。さらに、配位結合部位に神経ガスの解毒剤として知られる pralidoxime methiodide（PAM）に含まれるオキシム基を導入したり［2］、精製した半導体型 SWCNT を用いたりすることで［3］、感度の向上が確認された。 さらに、運用上の課題解決を目的として、SWCNT センサを近距離無線通信（NFC）タグのアンテナ回路に挿入し、超分子ポリマー分解に伴うセンサ抵抗変化を、タグの共振特性や読み取り信号強度の変化として検出する構成を採用した（図 2d）［2,4,5］。これにより、専用の読取装置や外部電源を必要とせず、NFC タグをスマートフォンに貼り付けておくだけで、神経ガス曝露量が閾値を超えた場合にはスマートフォン上で警報を発することが可能となる。ドシメータ型応答と無線読み出しを組み合わせた本システムは、簡便な常時モニタリングを実現し、個人防護や災害対応に従事するファーストレスポンダー向けの応用が期待される。  4   図 2. 超分子被覆材を用いた神経ガス検知; (a)検知原理, (b)超分子ポリマー, (c)ドシメータ型応答, (d)NFC タグとスマートフォンによる危険ガス検知. Adapted with permission from ref. 2. Copyright 2016 American Chemical Society.   3. 縮合反応を用いたアルデヒド検知 3.1 反応変換型アルデヒドセンサの構築 アルデヒド類は、化成品、人体、果実など多様な発生源を有しており、その正確な検知および識別に対するニーズは高い。一方で、従来の半導体式ガスセンサでは、アルデヒド類が他の VOC と類似した挙動を示すことが多く、高い選択性を確保することが困難である。 我々はこの課題に対し、検知管に用いられているヒドロキシルアミン塩がアルデヒドと縮合反応を起こし、酸を遊離する反応に着目した。検知管では、この酸による pH 呈色試薬の色変化を目視で読み取るが、本研究では、揮発性の塩酸からなるヒドロキシルアミン塩を選択し、これを SWCNT 近傍に配置することで、アルデヒドとの反応によって生成した塩酸蒸気を、SWCNT の p 型ドーピングとして電気的に検知する反応変換型センサデバイスを構築した（図 3a）[6,7]。 ヒドロキシルアミン塩はアルデヒドとの不可逆反応によって消費されるものの、ppm レ5  ベルのアルデヒドガスに対して十分過剰量を搭載しているため、センサは繰り返しアルデヒドを電気的に検知できる点が、単回使用を前提とする検知管と比べての大きな利点である（図 3b）。この設計により、室内環境汚染物質のひとつであるホルムアルデヒドに対して高い選択性と常時モニタリング性が付与され（図 3c）、室内環境基準である 0.08 ppm 以下の低濃度領域においても、安定した検出が実現された。  図 3. 反応変換型アルデヒドセンサ; (a)検知原理, (b)ホルムアルデヒドへの応答, (c)選択性. Adapted with permission from ref. 6. Copyright 2017 American Chemical Society.   3.2 センサアレイによるホルムアルデヒドの識別 ヒドロキシルアミン塩を用いた前述のセンサや検知管は、幅広いアルデヒド類を検知できるという利点を有する一方で、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドのように構造が類似した化合物の識別は容易ではない。そこで本研究では、修飾ヒドロキシルアミン塩を多数用6  いたセンサアレイによる識別を検討した（図 4）[8]。 32 種類の修飾ヒドロキシルアミン塩をスクリーニングした結果、そのうちの 2 種類において、ホルムアルデヒドに対しては導電性が増加する正応答と減少する負応答がそれぞれ観測された。一方、他のアルデヒド類（アセトアルデヒド等）に対しては、両者とも正応答のみを示し、ホルムアルデヒドの確実な識別が実現された。  図4. センサアレイによるホルムアルデヒドの識別. Adapted with permission from ref. 8. Copyright 2023 American Chemical Society.   3.3 機械的制御を用いたパージガス不要化 半導体式ガスセンサは、多かれ少なかれ温度や湿度の影響を受ける。特に、極低濃度のガス検知では、センサ応答のシグナル自体が微弱となるため、温湿度のゆらぎやベースラインドリフトといった外乱因子との信号分離が課題となる。前述の文献[6,8]では、サンプルガスとパージガスを一定時間ごとに切り替え、その応答差分を用いることで検知精度の向上が図られている。一方で、パージガスの導入は、センサシステム全体の大型化や運用の複雑化につながる可能性がある。 そこで本研究では、ヒドロキシルアミン塩（セレクター）と SWCNT（トランスデューサー）の間に、塩酸蒸気の拡散を遮断する薄膜状のプラスチック板を挿入し、物理的に塩酸蒸気の到達を制御可能な構造を導入した（図 5a）[9,10]。板を挿入した状態ではホルムアルデヒドが存在していても応答は生じず、板を除去した時間帯にのみ応答が現れるため、センサ信号は機械動作と明確に同期し、化学反応に由来する信号のみを時間的に切り出すことが可能となる。 この構造により、パージガスを用いることなく、0.05 ppm のホルムアルデヒドに対する微弱な応答であっても、環境ゆらぎに起因するノイズやドリフト成分から明確に分離しつつ、連続的な監視が可能となった（図 5b）。本機構は、セレクターとトランスデューサーが7  分離されている場合においてのみ実現可能なものであるが、反応と検出を時間的・空間的に制御するというコンセプトは、本センサに限らず他のガスセンサ系にも有用であると考えられる。  図5. 機械的制御を用いたパージガス不要化; (a)応答状態の切替, (b)継続モニタリング. Adapted from ref. 9 under the terms and conditions of the Creative Commons Attribution (CC BY) license.   4. 固相触媒を用いたエチレン検知 エチレンは、野菜や青果物の成熟や老化を制御する植物ホルモンとして知られており、スマート農業や食品流通、フードロス削減などにおいて重要な指標ガスとなり得る。一方、炭化水素からなるエチレンは化学的に安定であり、従来の酸化物半導体式や電気化学式のガスセンサを用いて検出しようとすると、他の VOC も同時に応答してしまい、高い選択性を確保することが困難である。 本研究では、この課題に対し、固相触媒を介した分子変換と SWCNT センサを組み合わせた新しいセンシング設計を提案した。具体的には、パラジウム触媒を用いたワッカー反応をセンサ用途に向けて最適化し、エチレンを含む空気を通過させるだけで、空気中に含まれる酸素および水を反応物としてエチレンをアセトアルデヒドへ変換可能な高性能固相触媒（Pd–V₂O₅–TiO₂）を構築した（図 6a）[11–13]。 本センサでは、この触媒によって生成したアセトアルデヒドを、前節で述べた反応変換型8  アルデヒドセンサにより電気的に検出する二段階のセンシング機構を採用し、エチレンへの感度と選択性を確保している（図 6b）。ワッカー反応は、エチレンからアセトアルデヒドを工業的に製造するための古典的な触媒反応であり、通常は 100 ℃以上の高温条件で実行される。一方、センサ用途ではエチレン濃度が ppm レベルと極めて低く、触媒、酸素、水といった反応要素が相対的に大過剰に存在するため、最適化された固相触媒を用いることで、室温～40 ℃程度の低温条件においても触媒サイクルが円滑に進行し、エチレンからアセトアルデヒドへの変換がほぼ 100 %の効率で達成されることが見いだされた。 今回採用したワッカー反応は、地球上に遍在する水と酸素を利用できるため、グリーンケミストリーの代表的な工業プロセスである。本研究ではこれをガスセンサに組み込むことで、触媒変換のための試薬ストックや供給系を必要とせず、センサシステムの簡素化と連続稼働が可能となった。本手法は、農業・流通現場での実装を見据えたエチレンモニタリングへの応用が期待される。   図6. 固相触媒を用いたエチレン検知; (a)多段階分子変換, (b)エチレンへの応答. Adapted with permission from ref. 11. Copyright 2020 American Chemical Society.   9  5. おわりに 本研究では、SWCNT ガスセンサに化学反応を積極的に組み込むことで、多様なガス種に対する高感度かつ高選択的な検知を実現した。化学反応は特定の官能基や分子構造に対して高い選択性を内包しており、従来の材料設計や信号処理のみでは困難であった選択性や機能性を付与できる。化学反応をセンサ設計の一要素として捉え、主に溶液系で分析化学や材料合成に用いられてきた化学反応を固相系へと能動的に誘導し、特定のガスを常時モニタリング可能なセンサデバイスへと再構成するアプローチは、他の検出原理や材料系（トランスデューサー）にも適用可能である。本概念は、今後のガスセンサ研究における有効な設計指針の一つとなり得、材料設計と化学反応設計を横断したガスセンサ研究の発展に寄与すると考えられる。  6. 謝辞 共同研究者ならびに研究をサポート頂いたスタッフに感謝申し上げます。本研究は、科研費（JP18H02016）、NEDO（JPNP20004）、ならびに日本学術振興会海外特別研究員事業の支援を受けて行われました。  参考文献 [1] D.-M. Tang, O. Cretu, S. Ishihara, D. Golberg et al., Nat. Rev. Electr. Eng., 1, 149-162 (2024). [2] S. Ishihara, J. M. Azzarelli, M. Krikorian, T. M. Swager, J. Am. Chem. Soc., 138, 8221-8227 (2016). [3] S. Ishihara, C. J. O’Kelly, T. Tanaka, T. M. Swager et al., ACS Appl. Mater. Interface, 9, 38062-38067 (2017). [4] US Patent No. 10,788,485 B2 [5] US Patent No. 11,333,663 B2 [6] S. Ishihara, J. Labuta, T. Nakanishi, T. Tanaka, H. Kataura, ACS Sens., 2, 1405-1409 (2017). [7] 特許登録第 6774127 号 [8] M. K. Chahal, M. Sumita, D. Hong, S. Ishihara et al., ACS Sens., 8, 1585-1592 (2023). [9] S. Ishihara, M. K. Chahal, J. Labuta, T. Nakanishi et al., Nanomaterials, 15, 962 (2025). [10] 特許登録第7313678号 [11] S. Ishihara, A. Bahuguna, S. Kumar, D. Hong et al., ACS Sens., 5, 1405-1410 (2020). [12] 特許登録第7283671号 [13] 特許登録第7591796号