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## Creator

Yuji Shirakami, Ken-ichi Ikeda, Seiji Miura, [Koji Morita](https://orcid.org/0000-0001-6040-7054), [Tohru S. Suzuki](https://orcid.org/0000-0001-9458-6863), [Yoshio Sakka](https://orcid.org/0000-0001-8357-5843)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[Orientation Dependence of High Temperature Compressive Behavior of Textured Ti<sub>3</sub>SiC<sub>2</sub>](https://mdr.nims.go.jp/datasets/181b4219-432b-4f09-b2e8-31debc4d4937)

## Fulltext

配向 Ti3SiC2 焼結体の高温圧縮変形挙動における結晶方位依存性＊1白 紙 悠 之 1,＊2 池 田 賢 一 2,＊3 三 浦 誠 司 2森 田 孝 治 3 鈴 木 　 達 3 目 　 義 雄 31 北海道大学大学院工学院材料科学専攻2 北海道大学大学院工学研究院材料科学部門3 国立研究開発法人　物質・材料研究機構J. Japan Inst. Met. Mater. Vol. 88, No. 7 (2024), pp. 129–136© 2024 The Japan Institute of Metals and MaterialsOrientation Dependence of High Temperature Compressive Behavior of Textured Ti3SiC2Yuji Shirakami1,＊2, Ken–ichi Ikeda2,＊3, Seiji Miura2, Koji Morita3, Tohru S. Suzuki3 and Yoshio Sakka31 Division of Materials Science and Engineering, Graduate School of Engineering, Hokkaido University, Sapporo 060–86282 Division of Materials Science and Engineering, Faculty of Engineering, Hokkaido University, Sapporo 060–86283 National Institute for Materials Science, Tsukuba 305–0047In order to clarify the orientation dependent deformation behavior of the MAX phase ceramics, compressive deformation behavior wasexamined in a textured Ti3SiC2 (TSC) at a high temperature of 1200℃. Depending on the relationship between the texture and loadingdirections, both the deformation behavior and microstructure were strongly influenced, and the resultant basal slip, kink formation anddelamination affected the compression behavior of the textured TSC. When the stress was loaded parallel or perpendicular to the basal plane(0TSC and 90TSC), the stress–strain (S–S) curves showed higher peak stresses followed by the reduction in the flow stress. When the stress wasloaded 45° to the basal plane (45TSC), the S–S curve showed strain hardening after yielding, but did not show peak stress. Although the strengthwas higher both in 0TSC and 90TSC than in 45TSC, both 0TSC and 90TSC showed the formation of cracks and delamination, resulting to thelarge drop in the flow stress. In contrast to 0TSC and 90TSC, although 45TSC did not exhibit the peak stress, it exhibited work hardening due tothe kink boundary formation, irrespective of the formation of delamination. It is reasonable to conclude from the deformation behavior and thedeformed microstructures that for the TSC, the kink boundary plays an important role for attaining both deformability and strength.［doi:10.2320/jinstmet.J2023035］(Received November 17, 2023; Accepted April 10, 2024; Published April 26, 2024)Keywords: Ti3SiC2, kink deformation, texture, high temperature deformation, anisotropy1.　緒　　　言Ti3SiC2は MAX 相セラミックスの 1つであり，3 元系層状化合物である．六方晶系の結晶構造を有しており，化学式はMn+1AXn で表記される[1, 2]．ここで，M は遷移金属，A はA グループ元素，X は C もしくは N である．Ti3SiC2 は金属結合および共有結合に起因して高い電気伝導性[3]，熱伝導性[4]，耐酸化性 [5]，および高温強度 [6]など特異な特性を示す． Ti3SiC2 は c 軸に沿った層状構造と高い c/a 比（a =0.3076 nm, c = 1.7736 nm）を有するため異方的な特性を示す．Ti3SiC2 では，主すべり系である底面すべりに加えて，キンク変形によっても室温で塑性変形できることが知られている[7–11]．キンク変形機構は，Hessと Barretの亜鉛単結晶を用いた実験により転位論に基づいたモデルが提案された[12]．Fig. 1（a）にキンク変形モデルを示す．圧縮応力が底面に対して平行に負荷されると，底面すべりのシュミット因子が無視できるほど小さいため，底面の弾性座屈が発生する．さらに応力が加わると，転位の生成，すべり運動，底面上の転位配列によってキンクが形成される[12]．一方で，MAX 相セラミックスのキンク変形モデルは亜鉛単結晶とは異なる．Ti3SiC2 では Ti–Si 間の弱い結合に沿って層間剥離（デラミネーション）が発生する．それが隣接する結晶粒からの拘束を解放した後に，亜鉛単結晶と同じメカニズムでキンク変形が発生する[13]．つまり Fig. 1（b）に示す MAX 相のキンク変形モデルにおいて，デラミネーションは不可避的な過程であると考えられている．これまで室温および高温における圧縮試験後の MAX 相セラミックス多結晶内でキンク境界の形成が観察されてきた[6,14–18]．それらは強度，靱性および硬さといった機械的性質を向上させると考えられてきた[6, 19, 20]．しかし，先行研究ではランダム方位の多結晶体を用いて機械的性質を調査し*1 Mater. Trans. 64 (2023) 805–812に掲載*2 北海道大学大学院生，現在：㈱ C&A（Graduate Student, HokkaidoUniversity, Present address: C&A Corporation）*3 Corresponding author, E–mail: ikeda.ken–ichi@eng.hokudai.ac.jp日本金属学会誌 第 88 巻 第 7 号 (2024)129–136J-STAGE Advance Publication date : April 26, 2024ており，局所的なキンクのみが変形組織として観察されてきた．つまり，キンクが機械的性質に影響を及ぼすと結論付けるには，さらなる実験的検討が必要であると考えられる．キンク形成と機械的性質の関係を明らかにするためには，多結晶においても主すべり系である底面を単結晶のように方位制御することが有効である．近年，強磁場を印加することで MAX 相セラミックスの結晶方位を制御する配向技術が開発されてきた[21–23]．具体的には，スリップキャストによる成形中に 10 Tを超える磁場を印加することで結晶方位を一方向に制御した成形体を得た後，放電プラズマ焼結法（spark plasma sintering, SPS）によって緻密かつ配向組織を有する焼結体を作製する技術である．これまで配向 Ti3SiC2 焼結体の曲げ強度 [21–23]，破壊靱性[21–23]および硬さ[21, 24]といった機械的性質の配向方位依存性が調査されてきた．ところで，制御された底面に対して平行な圧縮荷重が負荷された場合，多量のキンクが導入されると予測される．しかしながら，配向ポーラス Ti3SiC2 焼結体を対象とした検討はされている[25, 26]が，緻密な配向焼結体における圧縮変形挙動の方位依存性に関する報告は行われていない．そこで本研究では，キンクが形成される配向方位に着目し，配向 Ti3SiC2 焼結体の高温変形挙動の結晶方位依存性を調査した．2.　実　験　方　法原料粉末として平均粒子径 15 µm 以下の Ti3SiC2 粉末を用いた．スラリーの溶媒となるエタノール中での粉末の凝集を抑えるため，分散剤としてポリエチレンイミン（polyethyl-eneimine, PEI, 分子量 10000, 富士フイルム和光純薬㈱）を選択した．まず 1.5mass％の PEIを含むエタノールに，30 vol％に相当する Ti3SiC2 粉末を投入してスラリーを調製した．さらにスターラーと超音波ホモジナイザーを用いて混合することで，スラリー内の粉末凝集を抑制した．混合が完了した後，真空排気を行いながら，約 10min 脱泡を行い，スラリー中に残った気泡を除去した．次に成形体を作製するために，超電導マグネット（JMTD12T100NC5，ジャパン スーパーコンダクタ テクノロジー㈱）を使用して 12 Tの強磁場下でスリップキャストを実施した．混合したスラリーを，アルミナモールドに固定された内径 25mm のアクリル製円筒容器に流し込んだ．この際，モールドからのコンタミネーションを抑制するために，メンブレンフィルター（孔径 2 µm）をモールド上に敷いた．モールドを 12 Tの強磁場内に設置して，成形体が得られるまでモールドを 30 rpmの速度で回転させながら約 6 hスリップキャストを実施した．このプロセス中，鋳込み方向に対して垂直に磁場を印加した．成形体密度を均質化するために，成形体は冷間静水圧プレス（cold isostatic pressing, CIP）を用いて392MPa で 10min 加 圧した． 成 形 体は SPS 装 置（FUJI–SPS625，富士電波工機㈱）により焼結した．内径 30mmのグラファイトダイスに成形体をセットして，40MPaで一軸加圧しながら昇温した．まず PEIを除去するために 600℃で 10min真空中にて加熱した．さらに真空からアルゴン雰囲気へガス置換を行った後に，焼結条件を昇温速度 50℃/s，焼結温度1300℃，加圧力 40MPa，保持時間 10minとして ϕ30mm，高さ約 6mmの焼結体を作製した．アルキメデス法で測定した焼結体の相対密度は，理論密度 4.52 g/cm3の 95％であった．Fig. 2に高温圧縮試験装置と 3 つの配向方位を有する試験片の概略図を示す．配向 Ti3SiC2 焼結体から，低速ダイヤモRotation axis Rotation angleBasal planeNucleation of dislocations by elastic bucklingDelamination(a) (b)Basal planeσ σkink bandFig. 1 Schematic explanation of kink deformation models; (a) adislocation mechanism proposed in Zn single crystal by Hess andBarrett [12], and (b) a delamination mechanism proposed in MAXphase ceramics [13].0TSC 45TSC 90TSCThermocoupleTungsten mesh heaterSpecimen (aspect ratio: 2)SiC guideSiC compression crampVacuum chamberLoad directionc-axisc-axisc-axisFig. 2 Schematic illustration of the apparatus used for high temperature compression test and the specimens with various texture orientations.日 本 金 属 学 会 誌（2024）130 第　88　巻ンドカッターを使用して直方体の試験片（約 3mm × 3mm ×6mmまたは 2mm × 2mm × 4mm）を切り出した．圧縮試験片の 4つの側面は，サイズ 0.1 µmのダイヤモンドフィルムで機械研磨を施し，サイズ 0.04 µm のコロイダルシリカにより最終鏡面仕上げを施した．高温圧縮変形挙動の結晶方位依存性を調べるために，3つの配向方位を選択した．具体的には方位制御された c 軸が，圧縮方向に対して平行（0°），45° および垂直（90°）の関係となる配向方位を選択した．以降，それぞれ 0TSC，45TSCおよび 90TSCと示す．これらの試料の高温圧縮試験は，機械試験機（モデル 8562，Instron 社）を使用して，ひずみ速度 3.0 × 10−4 s−1，真空下 1200℃で実施した．試験前に，SiC 圧盤の表面を BN スプレーでコーティングして，焼付きを抑制しつつ試験片および圧盤間の潤滑を図った．試験後の試験片表面を光学顕微鏡（optical microscope,OM, RH–2000, ㈱ハイロックス）により観察した．試験片の変形組織は，走査型電子顕微鏡による反射電子（field emissionscanning electron microscope/back scattered electron, FE–SEM/BSE, JSM–7001FA, 日本電子㈱）像観察および電子線後方散乱回 折（FE–SEM/EBSD, JSM–6500F, 日 本 電 子 ㈱/OIM DataCollection, ㈱ TSLソリューションズ）法により解析した．3.　結果および考察3.1　配向 Ti3SiC2 焼結体の高温圧縮変形挙動の配向方位依存性高温圧縮変形挙動の配向方位依存性を調査するために，まず配向 Ti3SiC2 焼結体の初期組織を FE–SEM/EBSD 法で解析した．Fig. 3（a）–Fig. 3（c）に，試験片側面の結晶方位分布図（以降 IPF（inverse pole figure）マップ）を示す．0TSC，45TSCおよび 90TSC における板状の結晶粒が，荷重方向に対して(c)(a) (b)15 μm(f)(d) (e)c-axis0TSC 45TSC 90TSCPFIPFmap0001Fig. 3 Inverse pole figure (IPF) maps and 0001 pole figures (PFs) of the textured specimens analyzed perpendicular to compression axis direction;((a), (d)) 0TSC, ((b), (e)) 45TSC, and ((c), (f )) 90TSC.配向 Ti3SiC2 焼結体の高温圧縮変形挙動における結晶方位依存性第　7　号 131それぞれ 0°，45°および 90°の方向に制御されていた．またFig. 3（d）–Fig. 3（f）の 0001 極点図（pole figure, PF）から，各試験片の結晶粒の c 軸が荷重方向に対してそれぞれ 0°，45°および 90° の方向に制御されていることが確認できた．したがって，強磁場中でのスリップキャストを用いることにより，高温圧縮変形挙動の結晶方位依存性の調査に適した配向Ti3SiC2 焼結体を作製できたといえる．Fig. 4 に 0TSC，45TSC および 90TSC の高温圧縮試験から得られた公称応力–公称ひずみ曲線（以降，S–S 曲線）を示す．各 S–S 曲線は配向方位に強く依存していた．Fig. 5 に各試験片の 0.2％耐力と最大応力を示す．45TSC は 0TSC および90TSCよりも低い応力値を示した．これは，各試験片を単結晶と仮定して理想的な圧縮軸を考えると，主すべり系である底面すべりのシュミット因子が 45TSC で最大となることに起因する．0TSCおよび 90TSCの降伏応力はほぼ同じ値であるが，0TSC の最大応力は 90TSC よりも高い値を示した．45TSC の S–S 曲線に関して，約 28％のひずみで流動応力は低下したが，降伏後の約 200MPa から加工硬化が確認された．一方 0TSC および 90TSC の S–S 曲線では，それぞれ約300MPa の降伏応力と 600–700MPa の最大応力を示した後，流動応力が低下した．さらに最大応力到達後の S–S 曲線の挙動に着目すると，0TSC の流動応力は急激に低下したが，90TSCの流動応力は徐々に減少する傾向を示した．圧縮試験後の試験片外観を Fig. 6に示す．一般的に圧縮試験では，試験片と圧盤間の摩擦力に起因して，試験片は不均一に変形するため樽型となる[27]．本研究の 3 種類の試験片も，実験方法に記載したように潤滑を図ったが，同様の理由で樽型の形状となったと考えられる．0TSC では十分な変形能を示さず，試験片の斜め方向に進展した粗大なクラックが観察された．0TSC の S–S 曲線はある程度の塑性ひずみを示したが，クラックの発生によって最大応力到達後に急激な応力低下が生じたと考えられる．ところで圧縮試験において，試験片表面には強い引張応力が発生する．さらに，最大せん断応力が圧縮方向に対して 45°の角度で発生するため，不均一変形は試験片の中央部分に高いせん断応力をもたらすことが知られている[27]．したがって，45TSCでは変形能に関係なく，構成する結晶粒の底面に沿ってクラックが発生し，Fig. 4の S–S 曲線が示すように約 28％の塑性ひずみで流動応力の低下が生じたと考えられる．一方で，最大応力到達後に応力低下が発生した 90TSC ではクラックは観察されておらず，90TSCは変形能も圧縮強度も高いといえる．つまり，最大応力到達後の応力低下は亀裂によって説明できず，他の理由に起因していると推測される．3.2　配向 Ti3SiC2 焼結体の変形組織圧縮試験後の変形組織の FE–SEM/BSE 像を Fig. 7に示す．変形組織は配向方位に依存して明らかに異なっていた．0TSC の観察結果において，板状の結晶粒内に少量のデラミネーションは観察されたが，塑性ひずみ 20％に相当する大規模な変形後でもキンク境界はほとんど観察されなかった．Ti3SiC2 は主すべり系である底面すべりに加えて，キンク変形も塑性変形に寄与することが知られている[6]．しかしながら，0TSC における c 軸は圧縮方向に対してほぼ平行に配向しているため，底面すべりとキンク変形の両機構は生じがたい．したがって 0TSCの S–S 曲線において，他の試験片に比べて高い最大応力は方位制御による両変形機構の抑制に起因01002003004005006007000 5 10 15 20 25 30Nominal stress σ/ MPaNominal strain, ε (%)0TSC45TSC90TSCFig. 4 Stress–strain curves of 0TSC, 45TSC, and 90TSC tested atcompression at 1200℃.0100200300400500600700800Stress (MPa)0TSC 45TSC 90TSC0.2% proof stressPeak stressFig. 5 Orientation dependence of the proof and peak stressesobtained in 0TSC, 45TSC, and 90TSC.0TSC 45TSC 90TSC1 mmσσCrack1 mm 1 mm1 mm 1 mm 1 mmFig. 6 OM images showing the surface and the cross–section of0TSC, 45TSC, and 90TSC specimens after the compression test. Theloading axis is the vertical direction in all the images.日 本 金 属 学 会 誌（2024）132 第　88　巻し，最大応力到達後の応力低下は亀裂発生が原因であったと考えられる．45TSCでは，底面すべりのシュミット因子が大きな結晶粒が多いため，すべり変形が支配的に発生すると推測された．しかし，Fig. 7 における 45TSC の FE–SEM/BSE 像観察結果で示されているように，デラミネーションのみならず比較的大きな角度を有するキンク境界も観察された．Higashiらは，Ti3SiC2 に対して室温でのマイクロピラー圧縮試験を実施して，キンクは Ti3SiC2 単結晶の底面と圧縮方向が完全に平行なときにのみ形成されると報告した[13]．本研究のような多結晶試料の場合，底面が圧縮方向に対して 45°に制御されているが，隣接する結晶粒からの拘束に起因してキンク変形が発生したと考えられる．またキンク境界は，LPSO（Long–Period Stacking Ordered）型マグネシウム合金を代表とした合金系の強化に寄与することが知られている [28–31]．45TSCでは，機械的性質に好ましくないデラミネーションが形成されているにもかかわらず，S–S 曲線において降伏後にわずかな加工硬化を示した．したがって，変形中に形成されたキンク境界が加工硬化に寄与したことが示唆された．90TSCでは，変形後にキンク境界とデラミネーションがともに観察された．90TSCも 0TSCと同様に，シュミット則に従うと，底面すべりはほとんど起こらない結晶粒で構成される．しかし Fig. 1（a）に示すキンク変形機構に従って，方位制御された底面に対して平行な圧縮荷重が負荷されたため，キンク変形が発生した．言い換えれば，変形後に多数のキンク境界が結晶粒内に形成されたので，キンク変形は塑性変形の支配的因子になったと考えられる．また，キンク境界の形成に伴ってデラミネーションも観察された．これらの観察結果は，90TSCの塑性ひずみがキンク変形によって発現したことを示唆している．つまり，キンク変形やデラミネーションによって，ひずみ緩和かつ応力集中を抑制することで，90TSCは十分な変形能を示したと考えられる．3.3　90TSC に形成されたキンク境界の特徴と圧縮挙動への影響圧縮試験後の FE–SEM/BSE 像観察結果から，90TSC において多数のキンク境界が導入されたことを確認した．さらに導入されたキンク境界の特徴と圧縮挙動への影響を調査するために，FE–SEM/EBSD 法で得られた結晶方位データを解析した．Fig. 8（a）と Fig. 8（b）に，圧縮試験後の 90TSC の IPFマップおよび 0001PF を示す．Fig. 3（f）に示すように，変形前の 90TSC の最大強度は 20.569 であった．一方で，変形後の最大強度は 11.592に減少し，高温圧縮変形によって配向度が低下した．Fig. 8（c）は強度が 1 以上の中心角を変形前後で比較した 0001PF である．圧縮方向に垂直な c 軸の分布は，円周方向に沿って 61°から 85°に拡張した．これらの結果は，Fig. 1（a）に示すキンク変形機構に従って，結晶方位回転つまり結晶粒が変形したことを示唆している． Fig. 8（d）に，Fig. 8（a）の一部をトリミングして任意に選択した 2 点間の回転軸と回転角を示した．すべての回転軸は <uvt0>であり，c軸に対して垂直な方位を有していた．さらに各キンク境界の回転角は，固有の値ではなく様々な値を示した．異なる回転角はキンク境界を形成する底面転位の密度に依存することが知られている[32–34]．これらの結果は Hess と Barret が提唱したキンク変形モデルと一致しており，シュミット因子はキンク変形中に連続的に変化したと考えられる[12]．Hagiharaらは Zn 単結晶の底面に対して平行に荷重を負荷する圧縮試験を実施して，変形組織内にキンク境界を観察し，最大応力後の応力低下を報告した．さらに結晶塑性有限要素解析の結果から，最大応力後の応力低下は結晶方位回転に起因していたと結論付けた．言い換えれば，キンク変形によるシュミット因子の連続的な変化が応力低下の起点になると結論付けた[35]．つまり，本研究および先行研究の解析結果から，90TSCの応力低下は，高温圧縮中に導入されたキンク形成によって生じたと考えられる．3.4　90TSC の高温圧縮変形挙動Fig. 9は 90TSCの高温圧縮変形挙動と微細組織の関係を表した模式図である．まず，磁場を用いた結晶配向技術により底面を圧縮方向に対して平行に制御すると，90TSCの底面すべり変形は著しく制限されて高い強度を示した．底面すべり変形は制限されたものの，キンク変形が発生し，それが支配的な要因として塑性変形に寄与した．LPSO 型 Mg 合金の圧縮試験に関する先行研究によると，試験温度に関係なく降伏0TSC 45TSC 90TSC1 μm 1 μm1 μmDelaminationKink boundaryσFig. 7 FE–SEM/BSE images of 0TSC, 45TSC, and 90TSC specimens after the compression test.配向 Ti3SiC2 焼結体の高温圧縮変形挙動における結晶方位依存性第　7　号 133応力からキンク形成は始まることが報告されている[36–38]．ゆえに，キンク形成は降伏応力付近から発生し S–S 曲線の応力低下を引き起こしたと示唆される．しかしながら，本研究におけるキンク変形が具体的にいつ発生したのかを特定するためには，圧縮中断試験もしくはその場観察を用いたさらなる検討が必要である．キンク境界が圧縮変形中に導入された場合，結晶方位回転に起因したシュミット因子の連続的な変化により流動応力が減少した．これらの結果として，クラックは発生することなく，大規模な変形量に相当する塑性ひずみを示した．配向 Ti3SiC2 焼結体を用いた本研究から，キンク境界の形成は，Ti3SiC2 の機械的性質，特に塑性変形能を高めるために重要な役割を担うことが示された．4.　結　　　言本研究では，MAX 相セラミックスの変形挙動の結晶方位依存性を明らかにするために，圧縮方位を制御した配向Ti3SiC2 焼結体を用いて，高温圧縮変形挙動を調査した．その結果，以下の結論を得た．（1）　配向 Ti3SiC2 焼結体の高温圧縮変形挙動は配向方位に強く依存した．0TSC および 90TSC は高い最大応力を示し，その後，流動応力は低下した．一方，45TSCは降伏後に加工硬化を示した．圧縮強度は 0TSC と 90TSC は 45TSC よりも高かった．(a)0510152025303540451-2 2-3 3-4 4-5 5-6 6-7 7-8 8-9 9-10Rotation angle (deg.)(d)PointsCropped area15 μm0001 PF 12345678910 1 μm85o61o(b)(c)Before deformationAfter deformationRotation axisRotation angleσ(intensity ≧ 1)σRotation axisPoints 11 21 32  01 - 2 4 5 9 02 - 3 1 21 20 03 - 4 7 4 3 04 - 5 4 1 5  05 - 6 11 9 2 06 - 7 10 9 1 07 - 8 7 4 2 08 - 9 4 7 3 09 - 10Fig. 8 (a) IPF map and (b) 0001 PF of 90TSC after compression test, (c) central angles where the intensity is more than 1 before and after thecompression test, and (d) rotation axis and angle between two points analyzed in the cropped area in (a).日 本 金 属 学 会 誌（2024）134 第　88　巻（2）　0TSC では，キンク境界やデラミネーションがほとんど観察されなかった．45TSCでは，底面すべりが支配的な変形機構であったが，結晶粒の拘束によりデラミネーションを伴うキンク変形が確認された．90TSCでは，多数のキンク境界とデラミネーションが観察された．（3）　0TSCおよび 45TSCの変形後の試験片にクラックが観察された．このクラックにより，0TSC では S–S 曲線に応力低下が生じたが，45TSCでは生じなかった．45TSCは降伏後に応力低下を示さず，キンクならびにデラミネーションの形成とともに加工硬化が確認された．（4）　90TSCの圧縮変形によって生じたキンク境界の回転軸は <0001> に垂直すなわち <uvt0> であった．これらの回転角は結晶粒内でも多様な値を示した．このことから，キンク変形によるシュミット因子の連続的な変化が，流動応力低下に寄与したことが示唆された．（5）　方位制御された結晶粒の c 軸に対して垂直な圧縮応力を負荷した場合，クラックは発生することはなく，キンク変形が塑性変形の支配的な因子であった．キンク境界の形成は，Ti3SiC2 の機械的性質，特に塑性変形能を高めるために重要な役割として作用することが示唆された．本研究は JSPS 科研費（課題番号 JP19H05115，JP21H00087，JP21H00110，JP18H05482），および NIMS 連携拠点推進制度の助成を受けたものです．また，本研究の一部は，文部科学省「ナノテクノロジープラットフォーム事業」および「マテリアル先端リサーチ事業」として北海道大学の技術的支援を受け実施されました．ここに記して謝意を表します．文　　　献[1] M.W. 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