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[著者最終稿240904_応用物理学会M&BE分科会誌vol4.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/4d8cf82e-cb67-4835-8f41-f2f9a6b2cca7/download)

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[片岡 知歩](https://orcid.org/0000-0002-4068-0405)

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[リン脂質膜への炭化水素の侵入評価](https://mdr.nims.go.jp/datasets/09acf3bd-f11d-4677-8e4d-437f8deb7514)

## Fulltext

Microsoft Word - W� リン脂質膜への炭化水素の侵入評価  片岡 知歩 国立研究開発法人物質・材料研究機構 kataoka.chiho@nims.go.jp  1. はじめに  炭化水素–水界面の二枚のリン脂質単分子膜を互いに近づけていくと、二重膜が生じる（図１(a)）。膜の電気的測定では、二重膜の形成のため、この原理を利用する場合が多い（図１(b)）。炭化水素を用いると、安定な膜を簡単に作製できる。しかし、炭化水素が膜に混入する可能性がある。最近の研究では、ヘキサデカンを使ってホスファチジルコリン二重膜を形成した場合、膜のヘキサデカン濃度は約 35％にも上る、と見積もられている 1)。  我々は、油水界面に吸着したリン脂質の量を測定する手法を研究した 2, 3)。この手法を用いて、シリコンオイル–水界面およびトリカプリリン–水界面の単分子膜を研究し、手法の妥当性を検証した 3)。最後に、本手法を炭化水素–水界面に応用したところ、単分子膜への炭化水素の侵入が検出された 4)。そこで始めに、界面脂質量の定量化法を紹介し、次に、３種類の油水界面に対する結果を記述する。  2. 油水界面の吸着脂質量の測定 提案する手法（図２）は、ペンダントドロップ式界面張力計を用いる。そして、界面張力の値から脂質量を定量する 3)。始めに、水相（あるいは油相）に浸したニードルの先端に、油（あるいは水）のドロップを形成する。そして、ドロップ表面に低密度の脂質単分子膜を形成する。次に、界面の表面積 A を変化させながら、界面張力  を測定し、– A/Ai 曲線を得る（図２(a)）。異なる界面張力値（1、2、3）から測定を開始し、複数の – A/Ai 曲線を取得する。 次に、横軸 A/Aiを、脂質一分子占有面積 a を含む変数に変換する（図２(b)）。ここで、界面に吸着していた脂質分子の数を NL、飽和単分子膜の脂質一分子占有面積を acpとすると、 𝑎𝑎=𝐴𝑁 ∙ 𝑎∙𝐴𝐴= 𝐶 ×𝐴𝐴 が成り立つ。従って、異なる界面張力値（1、2、3）から測定を開始し得られた– A/Ai曲線に、異なる係数をかけると、それぞれの曲線が部分的に重なり、一本の曲線を描く（図２(b)）。ここで、NL値が不明であるため、Cn値も不明である。従って、得られた一本の 図１. (a) 炭化水素を用いたリン脂質二重膜の作製と (b) この膜を用いた電気計測。 曲線の横軸は、この時点では a/acpではない。このときの横軸は、a/acp に、ある定数をかけた値になっている。そこで、飽和被覆率（a/acp = 1）における界面張力値 cpを決定し、(a/acp,  ) = (1, cp) の点（図２(b)、灰色の点）を使い、横軸（定数×a/acp）を a/acpに変換する。研究当初、シリコンオイル–水界面を用いていた。この界面への脂質吸着速度は非常に遅く、飽和単分子膜を得ることができなかった。そこで、cp 値には、短鎖リン脂質 2-dioctanoyl-sn-glycero-3-phosphocholine（8:0 PC）の値を代入した 3)。8:0 PC は、二重膜ではなくミセルを形成する。ミセルを形成する界面活性剤の場合、その単分子膜のcp 値は、油水界面での吸着平衡に基づいて決定することができる 3)。一方、研究対象のリン脂質が、油水界面に素早く吸着し、簡単に飽和状態に到達する場合は、この飽和単分子膜の界面張力値を cpに代入する 4)。なお、どちらの方法で決定したcp 値もゼロに近い値であった。そこで、0 からcpの間の値を使い、横軸の変換を試みたところ、0からcpの範囲内では、cp の代入値の大きさは –a 曲線の位置にほとんど影響を与えなかった 3, 4)。 最後に、二重膜の脂質一分子占有面積の値を acpに代入し、横軸を a/acpからa に変換する（図２(c)）3)。また、次式により縦軸  を表面圧 Π に変換する。  = 𝛾 − 𝛾 ここで 0 は、清浄な油水界面の界面張力値である。縦軸を Π に変換すると、図３. シリコンオイル–水界面（赤、青）と空気–水界面（黒）に形成した POPC 単分子膜の Π–a 曲線（文献３より転載）。  図２. 油水界面の Π–a 曲線の測定法（文献３より転載）。  ラングミュアトラフを用いて得られた空気–水界面の Π–a データと比較できるようになる。また、縦軸を変換せず  のままにすると、–a 曲線が得られる。この曲線を使い、界面張力値から吸着脂質量を求めることができる 3)。  3. シリコンオイル–水界面 上述の手法の正しさを検証するため、シリコンオイル–水界面に 1-palmitoyl-2-oleoyl-sn-glycero-3-phosphocholine (POPC) 単分子膜を形成し、Π–a 曲線を取得した。次に、ラングミュアトラフを用いて、空気–水界面に POPC 単分子膜を形成し、Π–a 曲線を取得した。これら二つのデータを比較したところ、POPC の一分子占有面積 a が約 77 Å2 以下の領域（図３、緑）で、油水界面と気水界面のデータがほぼ完全に一致した 3)。 この結果は、次のように理解できる（図３、下のイラスト）。a が大きいとき、油水界面では、POPC 分子間にシリコンオイル分子が存在する。従って、脂質–油間相互作用により、油水界面の膜は、気水界面の膜よりも、大きな表面圧を示す。一方、a が減少すると、油水界面の単分子膜からシリコンオイル分子が徐々に排除され、最終的に、脂質–油間相互作用が無視できるようになる。このため、油水界面と気水界面の Π–a 曲線が一致する。 以上のように、得られたデータを合理的に説明することができた。従って、シリコンオイル–水界面の Π–a データは妥当であると思われる。また、a が大きい領域では、油水界面の表面圧は気水界面の値よりも大きくなる（図３）。これは、脂質–油間相互作用の存在を表している。すなわち、油水界面と気水界面の表面圧の違いΠ は、単分子膜への油の侵入により発生する。  4. トリカプリリン–水界面  シリコンオイルは界面不活性であり、界面に単分子膜を形成しない。一方、トリカプリリンはトリアシルグリセロールの一種であり、３つのエステル結合を持つため、界面に単分子膜を形成する。そこで、油が単分子膜を形成する場合の Π–a曲線について、研究を行った 3)。  始めに、ラングミュアトラフを用いて、空気–水界面に POPC/トリカプリリン混合膜を形成し、表面圧を測定した（図４(a)）。これらのデータには、傾き dΠ/da が急激に変化する特異点が見られた（図４(a)、矢印）。膜の分子密度が低いとき（図４(b)、左）、展開した POPC 分子とトリカプリリン分子の全てが界面図４. (a) 空気–水界面に形成した POPC/トリカプリリン混合単分子膜の Π–a 曲線（文献３より転載）。 POPC/トリカプリリン (100:0)、(80:20)、(70:30)、(60:40)、(50:50)、(30:70)。 特異点（矢印）を (as, s) とする。 (b) a > as、a = as、a < as のときの空気–水界面の膜構造。 に吸着する。この膜を横から圧縮すると、界面全体が展開した全分子で覆われる（図４(b)、中央）。ここからさらに膜を圧縮すると、界面活性度の低いトリカプリリン分子が膜から除去され、界面のトリカプリリン分子の数が減少していく（図４(c)、右）。従って、界面の全分子数が減少するため、表面圧の変化が緩やかになる。つまり、Π–a 曲線の特異点は、トリカプリリン分子の除去が開始される点である。  次に、トリカプリリン–水界面にPOPC 単分子膜を形成し、考案した手法を用いて、Π–a 曲線を取得した（図５、緑）。そしてこのデータを、前述の空気–水界面のデータ（図５、灰色）と比較した。その結果、気水界面でみられる特異点の左側の領域で、二つの Π–a 曲線が完全に一致した。油水界面では、POPC 分子間にトリカプリリン分子が高密度で存在する（図５、下のイラスト）。このため、特異点より右側の気水界面のデータは、原理的に、油水界面のデータと一致することはない。  このように、トリカプリリン–水界面の Π–a 曲線を合理的に説明することができた。従って、考案した Π–a データ取得法は、妥当な方法であると思われる。  5. 炭化水素–水界面 最後に、考案した手法を用いて、炭化水素–水界面の POPC 単分子膜を研究した 4)。炭化水素がスクワラン（図６、黒）、n-ヘキサデカン（赤）、n-テトラデカン（青）、n-ドデカン（緑）、n-デカン（橙）、n-ブチルシクロヘキサン（紫）の場合、Π–a 曲線はどのa 値でも、空気–水界面の Π–a 曲線（黒い四角）と一致しなかった。同じ a 値で比較すると、油水界面の表面圧は、気水界面の値より大きかった。シリコンオイル–水界面の章で説明したように、油水界面と気水界面の表面圧の差 Π は、単分子膜への油の侵入に起因する。従って、これらの炭化水素–水界面では、単分子膜をいくら圧縮しても、膜に分配された油分子を除去することができない、と考えられる。 また、炭化水素に n-ペンチルベンゼン（図６、灰色）と n-ブチルベンゼン（水色）を用いると、a が約 70 Å2より小さい領域で、油水界面と気水界面の Π–a 曲線が一致した。従って、アルカンやシクロアルカンに比べると、ベンゼン環を持つ炭化水素は、POPC 単分子膜への親和性が低く、a が小さい領域で単分子膜から除去される、と考えられる。 図５. トリカプリリン–水界面に形成した POPC 単分子膜（緑）と、空気–水界面に形成した POPC/トリカプリリン(30:70) 単分子膜（灰色）のΠ–a曲線（文献３より転載）。６. まとめ  油水界面に形成した脂質単分子膜に対して、Π–a 曲線を測定する方法を提案した。この手法を、炭化水素–水界面に応用したところ、アルカンやシクロアルカンは、脂質単分子膜と強く相互作用し、脂質分子密度が高い領域でも、炭化水素が膜に残留することが示唆された。 脂質二重膜の電気計測では、膜形成に炭化水素を用いることが多い。膜に残留する炭化水素は、膜中の測定対象の性質を大きく変化させるかもしれない。そのような可能性がある場合は、溶媒を用いない膜形成法 5,6) が有用であると考えられる。   参考文献  1) V. R. Ardham, V. Zoni, S. Adamowicz, P. Campomanes, and S. Vanni: Accurate Estimation of Membrane Capacitance from Atomistic Molecular Dynamics Simulations of Zwitterionic Lipid Bilayers, J. Phys. Chem. B 124 (2020) 8278. 2) C. Kataoka-Hamai and K. Kawakami: Determination of the Coverage of Phosphatidylcholine Monolayers Formed at Silicone Oil−Water Interfaces by Vesicle Fusion, J. Phys. Chem. B 124 (2020) 8719. 3) C. Kataoka-Hamai and K. Kawakami: Determining the Dependence of Interfacial Tension on Molecular Area for Phospholipid Monolayers Formed at Silicone Oil−Water and Tricaprylin−Water Interfaces by Vesicle Fusion, Langmuir 37 (2021) 7527. 4) C. Kataoka-Hamai and K. Kawakami: Hydrocarbon Penetration into Phospholipid Monolayers Formed at Hydrocarbon−Water Interfaces, Langmuir 38 (2022) 3720. 5) A. Hirano-Iwata, Y. Ishinari, M. Yoshida, S. Araki, D. Tadaki, R. Miyata, K. Ishibashi, H. Yamamoto, Y. Kimura, and M. Niwano: Reconstitution of Human Ion Channels into Solvent-free Lipid Bilayers Enhanced by Centrifugal Forces, Biophys. J. 110 (2016) 2207. 6) A. Oshima, H. Nakashima, and K. Sumitomo: Evaluation of Lateral Diffusion of Lipids in Continuous Membranes between Freestanding and Supported Areas by Fluorescence Recovery after Photobleaching, Langmuir 35 (2019) 11725.  図６. 空気–水界面と炭化水素–水界面に形成した POPC 単分子膜の Π–a 曲線（文献４より転載）。