# Fileset

[2021_itakura_表面と真空64_20180812.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/3f9450a4-3639-4690-9362-a56310dcf832/download)

## Creator

[Akiko N. ITAKURA](https://orcid.org/0000-0001-5783-141X), [Yoshiharu MURASE](https://orcid.org/0000-0001-7390-851X), [Taro YAKABE](https://orcid.org/0000-0002-2244-5890), [Naoya MIYAUCHI](https://orcid.org/0000-0002-7716-3049), [Masahiro KITAJIMA](https://orcid.org/0000-0001-9584-190X), Satoka AOYAGI

## Rights

[Creative Commons BY-NC Attribution-NonCommercial 4.0 International](https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/)

## Other metadata

[オペランド水素顕微鏡による時間分解水素透過測定から求める拡散モデルの提案](https://mdr.nims.go.jp/datasets/c2c869e9-1aad-4261-927e-c14fd858e340)

## Fulltext

オペランド水素顕微鏡による時間分解水素透過測定から求める拡散モデルの提案オペランド水素顕微鏡による時間分解水素透過測定から求める拡散モデルの提案板倉明子 1, *・村瀬義治 1・矢ヶ部太郎 1・宮内直弥 1・北島正弘 1・青柳里果 21 物質・材料研究機構　〠 305–0047　茨城県つくば市千現 1–2–12 成蹊大学　〠 180–8633　東京都武蔵野市吉祥寺北町 3–3–1（2021 年 7 月 6日受付；2021 年 9 月 6 日掲載決定）Proposal of Diffusion Model Obtained from Time-resolved Hydrogen Permeation Measurementwith Operando Hydrogen MicroscopesAkiko N. ITAKURA1, *, Yoshiharu MURASE1, Taro YAKABE1, Naoya MIYAUCHI1,Masahiro KITAJIMA1 and Satoka AOYAGI21National Institute for Materials Science, 1–2–1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305–0047, Japan2Seikei University, 3–3–1, Kichijoji-kitamachi, Musashino, Tokyo 180–8633, Japan(Received July 6, 2021；Accepted September 6, 2021)One of the biggest issues in the hydrogen economy is “hydrogen embrittlement” of metal induced by hydrogenentering and diffusing into the material. Hydrogen diffusion in metallic materials is difficult to grasp owing to the non-uniform compositions and structures of metal. Here a time-resolved “operando hydrogen microscope” was used tointerpret local diffusion behaviour of hydrogen in the microstructure of a stainless steel with austenite and martensitestructures. The martensite/austenite ratios differed in each local region of the sample. The path of hydrogen permeationwas inferred from the time evolution of hydrogen permeation in several regions. We proposed a model of hydrogendiffusion in a dual-structure material and verified the validity of the model by simulations.KEYWORDS : hydrogen visualization, diffusion, electron stimulated desorption, operando hydrogen microscope1. は　じ　め　に水素脆化は，材料中に環境から侵入した水素が破壊を引き起こす現象である1)。影響因子としては金属組織，強度や塑性ひずみ，水素トラップ種やその密度，変態挙動を含む材料因子，水素因子および応力因子に大別することが出来，それぞれの因子は複雑に相互作用を及ぼしあっている。水素脆化メカニズムとしては，格子脆化説，水素助長局所塑性変形説，吸着水素誘起転位放出説，水素助長歪み誘起空孔説などが提案されており，それらの複合的な効果によって説明される場合も多く，議論が続いている2)。水素脆化機構の把握を難しくしている要因の一つは最小の原子である水素が鋼中を室温でも拡散しうることであり，またその動的な挙動の把握が難しいことである。さらに今日用いられる材料は様々であり，鋼種や環境によって優勢に働く機構が変化しうることである。水素脆化の問題は長らく研究されてきたが，たとえば腐食箇所が錆の形で直接観察されることで，腐食しやすい特定構造を制御するなど耐腐食材料の研究が進んでいるのに対し，水素はその位置情報を検出するのが困難なため，耐腐食材料研究に比較して遅れているといわざるを得ない。水素を観ることが，耐水素材料の研究に直結すると考え，我々は表面科学で用いられる電子遷移誘起脱離の方法を利用し，材料から脱離させた水素を直接観察してきた3～7)。* E-mail : itakura.akiko@nims.go.jp表面と真空 Vol. 64, No. 12, pp. 568–574, 2021https://doi.org/10.1380/vss.64.568研究紹介― ( 30 ) ―https://doi.org/10.1380/vss.64.568試料表面に電子を照射すると，入射電子の反射，散乱および回折とともに，試料からの二次電子の放出，電子照射による局所的な温度上昇による分子の脱離，さらに原子やイオンの脱離などの現象が起こる。Fig. 1のエネルギーダイアグラムに，低エネルギーの電子線で，原子やイオンの脱離する過程を模式的に書き記す。照射電子のエネルギーは吸着している原子（Fig. 1①）を直接脱離させるほどではないが，原子の中の電子を基底状態から励起状態に遷移させるのには十分である。電子が励起状態になったことで，原子は結合状態から反結合状態（③）へと励起（②）してラジカル原子やイオンになり，表面に留まっていることができなくなって脱離（④）する。これを電子遷移誘起脱離（Desorption Induced by Elec-tronic Transition）という。電子遷移を引き起こすために電子を使う場合を特に電子励起脱離（Electron StimulatedDesorption, 以下 ESD）ということもある8～10)。Fig. 1では脱離モデルのうち代表的な Menzel-Gomer-Redhead（MGR）モデルを紹介したが，他に電子遷移に複数のエネルギーレベルを経由する Knotek-Feibelmanモデル，および Antoniewiczモデルなどが提唱されている10～12)。ESDは電子遷移で起こるため運動量移行を伴わず，そのため試料を壊さずに一部の表面構成原子や吸着物が脱離することが特徴である。我々は水素可視化にこの手法を適用した。ここでは実験の制約を含め，実験装置の開発の詳細と，計測の例を述べる。2. 実　　　　　験2. 1 水素可視化手法表面構成原子の分析手法としては，オージェ電子分光法（AES）や X 線光電子分光（ESCA）の汎用性が高い。しかし水素はオージェ電子を持たず，また X 線光電子分光法でも直接観察されないため表面の水素を可視化する方法として，水素固有の手法が用いられる。代表的なものが水素マイクロプリント法，銀デコレーション法，二次イオン質量分析法（SIMS），およびトリチウムオートラジオグラフィーである。水素マイクロプリント法や銀デコレーション法は水素存在位置に吸着した銀を測定する方法で，試料表面に残った銀を走査型電子顕微鏡（SEM）を用いて観察することでサブミクロンの高分解能で水素の存在を可視化する。SIMSは固体表面に一次イオンビームを照射し，発生する二次イオンを質量分析計で検出する方法であり，水素の検出が可能である。検出感度も高く，深さ方向の分析が可能で，鋼中の水素分析にも用いられる。近年ではより詳細な水素分布を計測するため三次元アトムプローブを用いた高分解能な分布観察や，表面電位測定を利用したケルビンプローブフォース顕微鏡による水素可視化も行われている。電界イオン顕微鏡に質量分析器を取り付けたアトムプローブ電界イオン顕微鏡は，原子レベルでの局所分析装置である。金属材料における既存の水素可視化手法と各特長については，いくつかのレビューにまとめられている13, 14)。上記の水素可視化法は，水素を可視化させる際に薬剤による汚染や試料の破壊を伴う。また，あらかじめ試料に高温・高圧下で水素を吸蔵させた後に測定するため，吸蔵水素の枯渇による信号減衰により，長時間の計測が困難であるなどの問題があった。我々の用いる ESD 測定においても，水素は移動しやすく，一部の試料には溶解しにくく，一般的な ESD 測定では構造材料試料の水素画像を取得することは難しい。我々はこの問題を解決するため，系を超高真空環境に保ちながら，試料に水素を供給し続ける透過型のオペランド水素顕微鏡を開発することで，ESD 手法を広く一般の材料研究に展開した。2. 2 オペランド水素顕微鏡装置の概念図を Fig. 2に示す。オペランド水素顕微鏡は電子線で試料表面を走査して SEM 像（Fig. 2（b））と表面水素イオン像（ESD 像，Fig. 2（c））の双方を撮影Fig. 1. (color online). Energy diagram of hydrogen desorp-tion by the ESD process (MGR model). Adsorbed atom on asubstrate surface is excited from bonding state to anti-bonding state by electronic transition in the atom.Electron irradiation(b) Secondary electronsmake SEM picture  (a) H2 molecule monitored by QMSSample thickness100 μm(d) Hydrogen supply (0.1MPa)from sample backside(c) Desorbed H ionsmake hydrogen mapFig. 2. (color online). Schematic diagram of experiment setup of the Operando Hydrogen Microscope.A. N. Itakura et al.― ( 31 ) ―569することで，表面形状や表面状態を反映した解析を行うことが可能である3)。真空容器の中に試料を配置する一般的な実験用真空装置とは異なり，測定室と水素供給側を試料によって隔て，超高真空である測定室の壁の一部が，試料である構成になっている。ここで試料背面から水素を供給し（Fig. 2（d）），試料を透過させながら測定することで，時間制限のないデータ積算や，時間応答性を取得できるようになった。なお，測定室（試料表面側）はベーキング（測定室 403 K，48 時間）により到達圧力は 10－8 Pa 台，水素供給室（試料背面側）も同様に10－5 Pa 台まで真空排気しており，また一部の実験は測定室の残留水素と区別するために，供給側に重水素を用いた。現在，水素画像を取得するために，水素イオンを検出しているが，輝度を上げるため将来的には中性のラジカル水素も検出することを計画している。なお，試料表面で再結合し，水素分子として脱離するものについては四重極型質量分析器で検出した。2. 3 画像解析ESDで 65 時間までに取得した 5 時間毎の水素分布図13 枚と，SEM 像とのイメージフュージョンは，65 時間分の水素分布を積算した ESD 像に合わせて，SEM 像を回転・切り出し・拡大縮小することによって実施した。13枚の ESD像と同位置に合わせた SEM像を全て同じ解像度（256×256）とし，各測定図を 256×256＝65536行の 1 列行列に変換して，ESDの水素分布図 13 枚に対して SEM 像 1 枚を足し，65536×14の行列データとした。測定ごとに得られる数値強度範囲が異なるため，標準化（auto scaling）して，主成分分析した。主成分分析は，Matlab 上で動作する PLS Toolbox（Eigenvector Research社）を用いた15, 16)。2. 4 計測試料の調整測定例として，代表的な構造材料であり真空容器材として使われるステンレス鋼の水素透過を紹介する。構造の違いが水素透過にどう現れるか確認するために，圧延して加工変態を導入した試料を用いた。市販のステンレス鋼（304L 鋼）の板材に複数回の熱処理を行い，母相であるオーステナイト（face-centered cubic, FCC 構造）の結晶粒を 100 µm 程度に制御した。次に，10％の冷間圧延を施すことで積極的にせん断変形を加えた。この条件で圧延したとき，オーステナイト粒内に加工誘起マルテンサイト変態によってマルテンサイト相（body-cen-tered cubic, BCCの一軸が伸びた body-centered tetragonal,BCT 構造）が現れることが，電子線後方散乱回折（Electron Back Scattered Diffraction, EBSD）の計測から確認されている。結晶粒サイズと試料厚さが同等であることから，試料背面から計測室側の試料表面に透過する水素は，単一，あるいは 2 個程度の結晶粒を経由していると考えられる。また，試料表面は表面の凹凸による濃淡がイオン像に現れないよう，鏡面仕上げとしている。3. 実験結果と考察3. 1 水素透過実験試料背面に水素を供給し，試料を介して超高真空の計測室に湧き出してくる水素を画像化した。SEMの電子線エネルギーは 1 KeV，試料温度は 473 K（200℃）で，試料の両面を真空排気した状態で 12 時間以上保持することで，試料内の水素を除去した。そののち，背面に0.1 MPaの水素を供給し，その時間を起点（t＝0）として，測定を行った。測定領域は複数の結晶相を含むおよそ 300 µm×500 µmとし，一枚の水素画像は 400 秒（インターバル 50 秒）で撮影し，65 時間で，520 枚の水素画像を取得した。Fig. 3（a）は，520 枚の画像を積算した値である。Fig. 3（b），（c）は同じ領域の EBSDの逆極点図方位マップで，それぞれ，オーステナイト構造，マルテンサイト構造の分布である。なお，水素画像と EBSDの画像は異なる真空装置で取得したため，それぞれの装置で撮影した SEM 像を利用して，すべての画像に対して画像フュージョンを行い，その後主成分分析を行って，相関の強い領域 A-Hを抽出した7, 15)。Fig. 3 図中に書き込んだX，Yは，Fig. 3（a）の左側に見える特徴的なリング型の明るい領域や，同右下の明るい領域に対応する部分である。この部分については，Fig. 3（b），（c）のオーステナイトやマルテンサイトとの相関が明瞭ではなかった。ここでは詳細は省くが，EBSDの分解能を上げて計測することにより，水素透過と Σ3の対応粒界との関連性が示唆されている6)**。構造と水素透過の積算量を比較すると，まず，オーステナイト構造がみられる位置で水素量が大きいという関連性が見える。特に (101)方位の領域と，水素量が大きい領域が一致した。一方，マルテンサイト構造がみられる領域では，水素の積算量は少なかった。オーステナイト割合が比較的多い，マルテンサイト 15％，オーステナイト 85％の領域 Cの水素イオン数を，時間を横軸にカウントし，以下のフィックの拡散式でフィッティングした17)。** 粒界の両側に隣り合わせになった結晶の原子配列において，粒界面の結晶格子（対応格子）が双方の原子配列の中に存在する関係にある粒界を，対応粒界（Σ）と言う。Σ3は三つの原子面おきに対応格子が現れることを示し，対応粒界の中で最も整合性が高く，粒界エネルギーは最も小さい。Vacuum and Surface Science Vol. 64, No. 12 (2021)― ( 32 ) ―570Cðx; tÞ ¼ C0 1 � erfxffiffiffiffiffiffiffiffi4Dtp� �� �（ 1 ）D ¼ D0 exp � EdRT� �（ 2 ）ここで C(x, t)はある位置，ある時刻における溶質（水素）濃度，Dは拡散係数，Edは活性化エネルギー，Rは気体定数，Tは温度である。単一成分でフィッティングすることができなかったため，Component 1，Component 2の成分に分離した（Fig. 4（a））。算出される拡散係数がそれぞれ，4.1×10－14 m2/sと 7.5×10－13 m2/sとなり，それぞれオーステナイトとマルテンサイトの拡散係数の文献値と矛盾のない値だった18, 19)。なお，拡散係数は透過量の温度依存性を示すアレニウスプロットから求めることで，より正確な値が得られることが知られている。しかしながら ESDで測定される水素イオンは表面滞在原子数を反映したものであるため，再結合し水素分子として熱脱離する水素の数が減じられている。ESDイオン数の温度依存性を定量評価するには水素分子の熱脱離の影響を考慮し，何らかの仮定を入れて解釈しなければならない。よって温度依存性は今回の解析には含めず，今後の課題とする。3. 2 構造と水素挙動との比較それぞれの領域での局所的な拡散係数及び，最大透過フラックス（上記の式での C0の値）を，マルテンサイト構造の存在割合を変数としてまとめたのがそれぞれFig. 4（b）及び Fig. 4（c）である。各領域の構造割合と文献値との比較から，Component 1はオーステナイト構造由来の拡散，Component 2はマルテンサイト由来の拡散と推測した。なお，マルテンサイト構造の割合が3％ 以下の領域 Aでは Component 1の拡散係数に近い単一の成分のみが現れた（Fig. 4（b））。マルテンサイト構造が 10％ 程度含まれると，Component 2 が現れた。しかしながら，マルテンサイト構造の割合が 70％を超える部分では，Component 1は現れない。この理由については，Fig. 5 以降で説明する。局所透過フラックス Fig. 4（c）では，オーステナイト由来と考えられる Component 1の透過フラックスはマルテンサイト構造の割合が増えるに従って減少し，マルテンサイトが 70％ になる付近ではゼロになる。一方，Component 2は，マルテンサイト割合に依存せず，一定の値を示した。3. 3 水素の拡散モデルを考える構造割合と水素挙動から，オーステナイト中の 10％程度のマルテンサイトは水素の拡散に影響を及ぼしているにもかかわらず，マルテンサイト 70％ と共存する30％ のオーステナイトが拡散係数に現れないのは（Fig. 4（b）），一見矛盾しているように思える。しかしこれは，ステンレス鋼中のマルテンサイト構造の分布の仕方から説明できる。EBSDの測定から，マルテンサイトは幅約 1.1 µmの線状，あるいは，それが何本か集まった線状に分布していた。EBSDは試料の表面を計測したものだが，材料内も同様であると考えると，水素の透過経路は，Fig. 5（a）に示す拡散過程に従うと推測できる。この状況において，図の下面から上面への水素透過は，オーステナイト，あるいはマルテンサイトのみを拡散して，上面に到達することが可能である。一方，マルテンサイトが多くなると，Fig. 5（b）の様にオーステナイトが分断され，オーステナイトのみで下面から上面に透過することができなくなる。これが，マルテンサイトが 70％ 程度の所で，オーステナイトの拡散係数が見えなくなった理由であると考える。透過フラックスの解釈について，Fig. 6（a）で示す構造を水素が透過する拡散シミュレーションを行った。100µmの水素の透過経路に Fig. 6（b）の条件のマルテンサ(b)(a) (c) 001 100110111101001HighLowFig. 3. (color online). (a) Hydrogen distribution permeated through cold worked SUS 304L steel.The ion counts are integrated 65 hours after introducing it to a backside of the sample. (b) An inversepole figure (IPF) map for austenite at the same position with (a). (c) An inverse pole figure map formartensite. The color in the IPF map represents the crystal orientation when viewed from the normaldirection (ND), as shown in each bottom right. In (b) and (c) the extracted characteristic regions A toH, and X, Y are shown in dotted frame overlaid on the EBSD images.A. N. Itakura et al.― ( 33 ) ―571イト/オーステナイト界面を何回透過するかを設定し，オーステナイト割合 85％マルテンサイト 15％の共存構造，および，それぞれが 30％，70％ の共存構造に対して，各 8 個のパターンでシミュレーションを行った（Fig. 6（c））。水素が界面を超える境界条件として，オーステナイト及びマルテンサイトの飽和水素固溶量を考慮し，固溶量が大きいオーステナイトからマルテンサイトへの移動は 40％，逆の場合は 100％ が移動できるものとした18, 19)。Fig. 7は透過フラックスの時間依存性を，シミュレーションした結果である。Fig. 3（a）などで示した水素イオン数の時間変化とよく似たカーブが再現されており，このシミュレーションで仮定したとおり，構造の界面が透過挙動に影響していたことが推測される7)。また，いくつかのシミュレーション結果が重なっており，これはオーステナイトからマルテンサイトへ水素が移動する時の界面の数が，強く影響していることを示している。なお，このシミュレーションは 100 µmの試料厚さの透過フラックスを良く説明しているが，試料厚さが変わった場合には，水素透過の経時変化が変わる可能性がある。より正確な考察を行うためには，マルテンサイト構造の幅やその分布，試料厚さに対する構造分布の方向の違いなどを考慮したシミュレーションが必要になる。また，この本節では水素の透過を，水素供給側である試料の下面から上面のみの一次元的な拡散からモデル化について説明した。透過距離に対して結晶構造がより小さくなった場合，あるいは，よりマクロな水素透過実験との比較を行う場合は，透過方向に対して直行する横方向の移動も考慮すべきである。マクロな水素拡散シミュレーションは複数行われているので20)，それらの結果と局所水素透過の実験を対応させることで，より複雑な構造内の水素の挙動を明らかにしていきたい。4. ま　　と　　めオペランド水素顕微鏡を用いて可視化した水素の表面分布をもとに，二つの構造が共存した材料の水素の透過のモデルを作った。拡散係数および透過フラックスを混合する構造の存在割合で分類し，三次元の構造の入り方を考察することで，水素の拡散の条件を作り，局所透過Austenite         MartensitePercentage of martensite (%)Diffusion coefficient (m2 /s)Component 1Component 2Percentage of martensite (%)Permeation flux, (a.u)Component 1Component 2Ion count (x 1010 /m2 )(a)(b)(c)Time (h)Fig. 4. (color online). Diffusion coefficient and permeationflux for each region. (a) Time evolution of hydrogen ioncounts in the region C in Fig. 3(b) or (c). The dashed linesare the result of fitting according to the Fick's law. In thisregion, there are two components, but depending on theregion, there is only one component. (b) Diffusion coeffi-cient. The horizontal axis is the composition of martensitestructure ratio for the area. (c) Permeation flux. Each valueof the permeation flux is at the time t＝∞, after saturation,which is extrapolated from the fitting curve (see the doublearrows in (a)).(b)(a)Fig. 5. (color online). Schematic picture of diffusion modelof hydrogen permeation in the metal having dual structure.(a) Side view of the sample with low percentage ofmartensite (orange/dark gray) in austenite (blue/light gray).Hydrogen permeates from bottom side to upper side (dashedred line and arrow). (b) Side view of the sample withmartensite and austenite, where the percentage of martensiteis higher than austenite.Vacuum and Surface Science Vol. 64, No. 12 (2021)― ( 34 ) ―572現象を矛盾なく説明するシミュレーション結果が得られた。謝　　辞実験に協力してくれた東邦大学の高木祥示名誉教授，平田健一郎さん，筑波大学の岩澤智也さんに感謝します。この研究は 2016 年および 2018 年の TIA かけはし研究，JSPS 科研費 18H03849，および JST 未来社会創造事業 JPMJMI18A3の助成を受けて行われました。文　　献1) 鈴木春義, 百合岡信孝 : 鉄と鋼 10, 1657 (1981).2) 南雲道彦 : “水素脆性の基礎 水素の振る舞いと脆化機構” (内田老鶴圃, 2008).3) N. Miyauchi, K. Hirata, Y. Murase, H.A. Sakaue, T.Yakabe, A.N. Itakura, T. Gotoha and S. Takagi : Scr.Mater. 144, 69 (2018).4) N. Miyauchi, T. Iwasawa, T. Yakabe, M. Tosa, T.Shindo, S. Takagi and A.N. Itakura : Appl. Surf. Sci.492, 280 (2019).5) 岩澤智也, 宮内直弥, 高木祥示, 村瀬義治, 山田洋一,板倉明子, 佐々木正洋 : Vac. Surf. Sci. 62, 635(2019).6) N. Miyauchi, T. Iwasawa, Y. Murase, T. Yakabe, M.Kitajima, S. Takagi, T. Akiyama, S. Aoyagi and A.N.Itakura : Appl. Surf. Sci. 527, 146710 (2020).(a) (b)Mixture (austenite 85%,  martensite 15%)    Mixture (austenite 30%, martensite 70%)PuremartensitePureaustenite(c)Fig. 6. (color online). (a) Schematic image of mixed structure used for thesimulation. The boundary conditions are shown in (b). Austenite and martensitemixed structures are assumed 18 brocks, shown for the simulation as in (c). Sideviews are shown as austenite (blue/light gray) and martensite (orange/dark gray).For austenite dominant area, we picked up the region C (in Fig. 3(b) or (c)) ;austenite 85％ and martensite 15％. For martensite dominant area, we picked up theregion G ; austenite 30％ and martensite 70％. Permeation path of hydrogen isfrom the bottom to top of each side view.(a)Permeation flux, (a.u)Time (h)(b)Time (h)Permeation flux, (a.u)Fig. 7. (color online). Time evolution of the permeationflux of hydrogen through 100 µm sample with varied struc-tures obtained from the simulation. (a) Hydrogen permeationthrough the sample which has austenite dominant structures.Some of simulated lines of time evolution of the permeationflux overlapped. (b) Hydrogen permeation through themartensite dominant structure.A. N. Itakura et al.― ( 35 ) ―573http://dx.doi.org/10.2355/tetsutohagane1955.67.10_1657http://dx.doi.org/10.1016/j.scriptamat.2017.09.026http://dx.doi.org/10.1016/j.scriptamat.2017.09.026http://dx.doi.org/10.1016/j.apsusc.2019.06.172http://dx.doi.org/10.1016/j.apsusc.2019.06.172http://dx.doi.org/10.1380/vss.62.635http://dx.doi.org/10.1380/vss.62.635http://dx.doi.org/10.1016/j.apsusc.2020.1467107) A.N. Itakura, N. Miyauchi, Y. Murase, T. Yakabe, M.Kitajima and S. Aoyagi : Sci. Rep. 11, 8553 (2021).8) 桜井　誠, 平山孝人, 荒川一郎 : 放射光 5 329 (1992).9) S. Takagi and T. Gotoh : Surf. Sci. 287–288, 361(1993).10) 上田一之 : J. Vac. Soc. Jpn. 53, 602 (2010).11) D. Menzel and R. Gomer : J. Chem. Phys. 41, 3311(1964).12) 福谷克之, 岡野達雄 : J. Vac. Soc. Jpn. 49, 605 (2006).13) 秋山英二 : ふぇらむ 21 630 (2016).14) M. Koyama, M. Rohwerder, C.C. Tasan, A. Bashir, E.Akiyama, K. Takai, D. Raabe and K. Tsuzaki : Mater.Sci. Technol. 33, 1481 (2017).15) T. Akiyama, N. Miyauchi, A.N. Itakura, T. Yamagishiand S. Aoyagi : J. Vac. Sci. Technol., B 38, 034007(2020).16) S. Aoyagi, T. Akiyama, N. Suzuki, N. Miyauchi andA.N. Itakura : Vac. Surf. Sci. 64, 472 (2021).17) 林　主税 : “真空技術” (共立出版, 1985).18) S. Xiukui, X. Jian and L. Yiyi : Mater. Sci. Eng., A114, 179 (1989).19) J. Xu, X.Z. Yuan, X.K. Sun and B.M. Wei : Scr.Metall. Mater. 29, 925 (1993).20) A. Turk, S.D. Pu, D. Bombac, P.E.J. Rivera-Díaz-del-Castillo and E.I. Galindo-Nava : Acta Mater. 197, 253(2020).Vacuum and Surface Science Vol. 64, No. 12 (2021)― ( 36 ) ―574http://dx.doi.org/10.1038/s41598-021-87727-5http://dx.doi.org/10.1016/0039-6028(93)90803-Rhttp://dx.doi.org/10.1016/0039-6028(93)90803-Rhttp://dx.doi.org/10.3131/jvsj2.53.602http://dx.doi.org/10.1063/1.1725730http://dx.doi.org/10.1063/1.1725730http://dx.doi.org/10.3131/jvsj.49.605http://dx.doi.org/10.1080/02670836.2017.1299276http://dx.doi.org/10.1080/02670836.2017.1299276http://dx.doi.org/10.1116/6.0000009http://dx.doi.org/10.1116/6.0000009http://dx.doi.org/10.1380/vss.64.472http://dx.doi.org/10.1016/0921-5093(89)90857-5http://dx.doi.org/10.1016/0921-5093(89)90857-5http://dx.doi.org/10.1016/0956-716X(93)90383-4http://dx.doi.org/10.1016/0956-716X(93)90383-4http://dx.doi.org/10.1016/j.actamat.2020.07.039http://dx.doi.org/10.1016/j.actamat.2020.07.039