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[wakeda_材料23.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/39fca0f7-d16b-4cbb-88f6-09f97712087c/download)

## Creator

[譯田 真人](https://orcid.org/0000-0002-6377-1318)

## Rights

© 2023 公益社団法人 日本材料学会(The Society of Materials Science, Japan)[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

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[金属ガラスにおける構造制御と変形挙動の原子論的研究](https://mdr.nims.go.jp/datasets/c1a99e4e-9dca-41e3-9e6a-94e01d279ca0)

## Fulltext

Atomistic Study on Microstructure Control and Deformation Behaviors of Metallic Glasses金属ガラスにおける構造制御と変形挙動の原子論的研究† 譯田 真人＊Atomistic Study on Microstructure Control and Deformation Behaviors of Metallic Glasses by Masato WAKEDA* Mechanical properties of metallic glasses depend on their microstructure. Rejuvenation recently has attracted much attention because it is a potential tool for controlling the microstructure and properties of metallic glasses. Here I explain molecular dynamics studies on microstructure control and deformation behaviors of metallic glasses. From atomistic simulation approaches, I revealed the thermal rejuvenation process in the heterogeneous microstructure of metallic glasses, the formation of nanocrystals in thermal processing for rejuvenation, and the effects of rejuvenation and nanocrystallization on deformation behaviors.  Key words:  Metallic glasses, Rejuvenation, Atomistic simulations, Thermal processing, Deformation behaviors, Nanocrystallization  緒     言金属ガラスは液体状態から急冷するなどの方法で作製され，1) 作製プロセスや作製後の熱処理によって同じ合金組成でも異なる緩和状態をもつ．アニーリング等によって構造緩和が生じると，金属ガラスの常温での塑性変形能は低下する場合がある．一方，もし何らかの手段で金属ガラスをより未緩和な状態にすることができれば，常温での塑性変形能を向上できる可能性がある．近年，金属ガラスの構造をより未緩和な状態にする構造若返りが注目されている．金属ガラスの実験研究において機械的あるいは熱的なプロセスによる構造若返りの実現が報告されており，構造制御とそれに基づく特性向上の手法として構造若返りの活用が期待されている．本解説では金属ガラスの熱的な構造若返りの機構，構造若返りによる局所的な変形挙動の変化，さらには構造若返りとナノ結晶形成が生じる熱処理について，原子シミュレーションである分子動力学（MD）法を用いて調べた最近の研究について述べる． 熱的構造若返りの原子シミュレーションMD 解析において，高温まで加熱する熱的プロセスで構造若返りを実現する方法について最初に説明する．2) まず液体状態から急冷することで金属ガラスモデルを作成し，次にこの金属ガラスモデルを高温まで再加熱し，高温で一定時間だけ保持した後，再急冷する．MD 解析により再加熱温度と加熱後の急冷速度の影響を系統的に評価すると，一連の熱的プロセスにより構造若返りを実現するためには 1.1Tg（Tgはガラス転移温度）以上まで加熱し，その後，最初の液体急冷時の冷却速度よりも速い速度で再急冷することが必要条件となる．この一連の熱処理過程で生じる構造若返り現象について，その構造変化の詳細を MD 計算により調査した．近年，金属ガラスの内部構造に存在する不均質性に注目が集まっている．金属ガラスは巨視的には等方かつ均質であるが，ナノメートルスケールで構造に不均質性が存在することが実験，および原子シミュレーションにより指摘されている．このことから熱的な構造若返りの機構と金属ガラスの構造不均質性との関係について議論が行われている．MD 解析を用いて調査すると，不均質な構造において密度が小さく熱力学的に不安定な領域で，加熱の際に優先的に構造変化が生じる（Fig. 1）．3)  これはこの領域において原子間結合が相対的に弱い，あるいは相対的に局所的な融解が生じやすいことに関係すると考える．さらなる高温まで加熱を行うと，原子間結合の強い領域においても局所的な融解が生じており，Tg より上の温度域まで加熱する熱的な構造若返りプロセスでは，金属ガラスの内部で大きな構造変化が生じる．構造若返りではガラス構造の緩和履歴を部分的あるいは全面的に消去する必要があるため高温まで加熱することが重要となる．さらにガラスの緩和状態は冷却速度に依存するために，緩和履歴を消去した高温での状態を，最初の液体急冷時よりも速い冷却速度で再急冷することで，より未緩和なガラス構造を実現することが可能となる．解析の加熱過程において見られた構造変化の不均質性は，原子間結合や熱力学的な安定性に関して，金属ガラス構造にはナノメートルスケールの不均質性が存在することを示唆している．†   原稿受理 令和4年8月10日 Received Aug. 10, 2022 2023 The Society of Materials Science, Japan * 正 会 員 物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 〒305-0047 つくば市千現* Research Center for Structural Materials, National Institute for Materials Science, Sengen, Tsukuba 305-0047.Fig. 1 Schematic images of the structural heterogeneity and thethermal rejuvenation process; the left image shows the microstructures of the initial state, while the center and right imagesshow the microstructures in the rejuvenation process. 3)3 構造若返りが変形挙動に及ぼす影響解析では，構造緩和によって金属ガラスの弾性定数は増加する一方，構造若返りにより弾性定数は低下する．これは構造若返りによって安定な短範囲秩序構造および中範囲秩序構造が減少することと関係している．これらの安定な局所構造は局所的な剛性率が高いため，構造若返りが生じることで内部構造の変化と弾性定数の減少が生じたと考える．構造若返りによる原子スケールの構造変化は，塑性変形挙動に対しても影響を与える．構造若返りが生じる前後のモデルに対して，MD 法を用いてそれぞれせん断変形シミュレーションを実施し応力－ひずみ応答と変形領域の発展について調査した．前述のように構造若返りにより剛性率が低下することから，弾性変形での応力は低下する．さらに大きなせん断ひずみを負荷した場合には，構造若返りにより塑性変形挙動が変化する．3) 構造緩和が進んだモデルでは，帯状の領域に変形が局所化したせん断帯が発生するのに対して，構造若返りが生じたモデルでは変形の局所化は相対的に抑制されより均一な変形となる．これは前述のように構造若返りによる安定な局所構造が減少した結果，shear transformation zone と呼ばれるような塑性変形単位ユニットの活性化エネルギー障壁が低下し，モデル全体での変形が促進されより均一な変形が生じたためであると考える．せん断帯は金属ガラスの常温での塑性変形能と最終的な破壊に影響を与えることが指摘されており，この MD 解析の結果は金属ガラスの緩和状態の変化が，塑性変形能に影響を与える可能性を示している．4 構造若返りとナノ結晶形成ガラス相にナノ結晶が分散したナノ結晶分散金属ガラスについて，ナノ結晶が金属ガラスの力学特性に及ぼす影響等がこれまで議論されてきた．高温での熱処理をともなう熱的な構造若返りでは，高温状態において結晶化が生じる可能性がある．結晶化が生じうる系を用いることで，MD 解析でも構造若返り熱負荷中にナノ結晶が形成される様子が実際に見られた．4) この結果は，ナノ結晶を分散させかつガラス相の構造若返りを同時に実現する熱処理が存在する可能性を示している．著者らは若返り熱処理中に生じたナノ結晶が力学特性に及ぼす影響を MD解析により評価した．前述のように構造若返りによりガラス相の弾性率は低下するが，高い剛性率をもつナノ結晶はナノ結晶分散金属ガラスモデルの弾性定数を高める．さらにせん断変形解析において，分散したナノ結晶相が，構造若返りが生じたガラス相でのせん断帯の発展挙動に影響を与えていた．このことからガラス相の構造若返りと，そこに分散するナノ結晶の双方が同時に巨視的な塑性変形能に影響をあたえる可能性がある．このように緩和状態やナノ結晶などの構造制御は，金属ガラスのさらなる特性向上において重要な手段となる．ここで紹介した以外にも，高圧環境下での熱的構造若返り 5)など，近年，金属ガラスの構造制御に関して様々な原子シミュレーションが行われている．これらの研究は金属ガラスの構造と特性の関係を理解し，諸特性をさらに向上するうえで役立つ知見になると考える． 結   言本解析では金属ガラスの構造制御と変形挙動について，最近の原子論解析を紹介した．熱負荷プロセスによる構造若返りの機構，緩和状態が変形機構に及ぼす影響，さらには若返り熱処理中に生じるナノ結晶相について MD計算を用いた研究について述べた．構造若返りは，金属ガラスの緩和状態制御という観点で近年注目されている手法であり，また金属ガラスの構造や特性を理解するうえでも興味深い現象である．本解説で紹介した金属ガラスの原子論解析を実施するにあたり，東北大学 才田淳治 教授，東北大学 市坪 哲 教授，大阪大学 尾方成信 教授に多くのご助言・ご協力を頂きました．ここに謝意を表します．参 考 文 献                                               ｢材料｣ (Journal of the Society of Materials Science, Japan), Vol. 72, No. 3, pp. 214-215, Mar. 2023解　　説14-2022-0080-(p.214-215).indd   21414-2022-0080-(p.214-215).indd   214 2023/01/16   17:12:442023/01/16   17:12:44金属ガラスにおける構造制御と変形挙動の原子論的研究† 譯田 真人＊  Atomistic Study on Microstructure Control and Deformation Behaviors of Metallic Glasses by Masato WAKEDA*  Mechanical properties of metallic glasses depend on their microstructure. Rejuvenation recently has attracted much attention because it is a potential tool for controlling the microstructure and properties of metallic glasses. Here I explain molecular dynamics studies on microstructure control and deformation behaviors of metallic glasses. From atomistic simulation approaches, I revealed the thermal rejuvenation process in the heterogeneous microstructure of metallic glasses, the formation of nanocrystals in thermal processing for rejuvenation, and the effects of rejuvenation and nanocrystallization on deformation behaviors.   Key words:  Metallic glasses, Rejuvenation, Atomistic simulations, Thermal processing, Deformation behaviors, Nanocrystallization   緒     言金属ガラスは液体状態から急冷するなどの方法で作製され，1) 作製プロセスや作製後の熱処理によって同じ合金組成でも異なる緩和状態をもつ．アニーリング等によって構造緩和が生じると，金属ガラスの常温での塑性変形能は低下する場合がある．一方，もし何らかの手段で金属ガラスをより未緩和な状態にすることができれば，常温での塑性変形能を向上できる可能性がある．近年，金属ガラスの構造をより未緩和な状態にする構造若返りが注目されている．金属ガラスの実験研究において機械的あるいは熱的なプロセスによる構造若返りの実現が報告されており，構造制御とそれに基づく特性向上の手法として構造若返りの活用が期待されている．本解説では金属ガラスの熱的な構造若返りの機構，構造若返りによる局所的な変形挙動の変化，さらには構造若返りとナノ結晶形成が生じる熱処理について，原子シミュレーションである分子動力学（MD）法を用いて調べた最近の研究について述べる．  熱的構造若返りの原子シミュレーションMD 解析において，高温まで加熱する熱的プロセスで構造若返りを実現する方法について最初に説明する．2) まず液体状態から急冷することで金属ガラスモデルを作成し，次にこの金属ガラスモデルを高温まで再加熱し，高温で一定時間だけ保持した後，再急冷する．MD 解析により再加熱温度と加熱後の急冷速度の影響を系統的に評価すると，一連の熱的プロセスにより構造若返りを実現するためには 1.1Tg（Tgはガラス転移温度）以上まで加熱し，その後，最初の液体急冷時の冷却速度よりも速い速度で再急冷することが必要条件となる． この一連の熱処理過程で生じる構造若返り現象について，その構造変化の詳細を MD 計算により調査した．近年，金属ガラスの内部構造に存在する不均質性に注目が集まっている．金属ガラスは巨視的には等方かつ均質であるが，ナノメートルスケールで構造に不均質性が存在することが実験，および原子シミュレーションにより指摘されている．このことから熱的な構造若返りの機構と金属ガラスの構造不均質性との関係について議論が行われている．MD 解析を用いて調査すると，不均質な構造において密度が小さく熱力学的に不安定な領域で，加熱の際に優先的に構造変化が生じる（Fig. 1）．3)  これはこの領域において原子間結合が相対的に弱い，あるいは相対的に局所的な融解が生じやすいことに関係すると考える．さらなる高温まで加熱を行うと，原子間結合の強い領域においても局所的な融解が生じており，Tg より上の温度域まで加熱する熱的な構造若返りプロセスでは，金属ガラスの内部で大きな構造変化が生じる．構造若返りではガラス構造の緩和履歴を部分的あるいは全面的に消去する必要があるため高温まで加熱することが重要となる．さらにガラスの緩和状態は冷却速度に依存するために，緩和履歴を消去した高温での状態を，最初の液体急冷時よりも速い冷却速度で再急冷することで，より未緩和なガラス構造を実現することが可能となる．解析の加熱過程において見られた構造変化の不均質性は，原子間結合や熱力学的な安定性に関して，金属ガラス構造にはナノメートルスケールの不均質性が存在することを示唆している． †   原稿受理 令和4年8月10日 Received Aug. 10, 2022 2023 The Society of Materials Science, Japan *   正 会 員 物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 〒305-0047 つくば市千現 *   Research Center for Structural Materials, National Institute for Materials Science, Sengen, Tsukuba 305-0047. Fig. 1 Schematic images of the structural heterogeneity and the thermal rejuvenation process; the left image shows the microstructures of the initial state, while the center and right images show the microstructures in the rejuvenation process. 3)   3 構造若返りが変形挙動に及ぼす影響 解析では，構造緩和によって金属ガラスの弾性定数は増加する一方，構造若返りにより弾性定数は低下する．これは構造若返りによって安定な短範囲秩序構造および中範囲秩序構造が減少することと関係している．これらの安定な局所構造は局所的な剛性率が高いため，構造若返りが生じることで内部構造の変化と弾性定数の減少が生じたと考える．構造若返りによる原子スケールの構造変化は，塑性変形挙動に対しても影響を与える．構造若返りが生じる前後のモデルに対して，MD 法を用いてそれぞれせん断変形シミュレーションを実施し応力－ひずみ応答と変形領域の発展について調査した．前述のように構造若返りにより剛性率が低下することから，弾性変形での応力は低下する．さらに大きなせん断ひずみを負荷した場合には，構造若返りにより塑性変形挙動が変化する．3) 構造緩和が進んだモデルでは，帯状の領域に変形が局所化したせん断帯が発生するのに対して，構造若返りが生じたモデルでは変形の局所化は相対的に抑制されより均一な変形となる．これは前述のように構造若返りによる安定な局所構造が減少した結果，shear transformation zone と呼ばれるような塑性変形単位ユニットの活性化エネルギー障壁が低下し，モデル全体での変形が促進されより均一な変形が生じたためであると考える．せん断帯は金属ガラスの常温での塑性変形能と最終的な破壊に影響を与えることが指摘されており，この MD 解析の結果は金属ガラスの緩和状態の変化が，塑性変形能に影響を与える可能性を示している． 4 構造若返りとナノ結晶形成 ガラス相にナノ結晶が分散したナノ結晶分散金属ガラスについて，ナノ結晶が金属ガラスの力学特性に及ぼす影響等がこれまで議論されてきた．高温での熱処理をともなう熱的な構造若返りでは，高温状態において結晶化が生じる可能性がある．結晶化が生じうる系を用いることで，MD 解析でも構造若返り熱負荷中にナノ結晶が形成される様子が実際に見られた．4) この結果は，ナノ結晶を分散させかつガラス相の構造若返りを同時に実現する熱処理が存在する可能性を示している．著者らは若返り熱処理中に生じたナノ結晶が力学特性に及ぼす影響を MD解析により評価した．前述のように構造若返りによりガラス相の弾性率は低下するが，高い剛性率をもつナノ結晶はナノ結晶分散金属ガラスモデルの弾性定数を高める．さらにせん断変形解析において，分散したナノ結晶相が，構造若返りが生じたガラス相でのせん断帯の発展挙動に影響を与えていた．このことからガラス相の構造若返りと，そこに分散するナノ結晶の双方が同時に巨視的な塑性変形能に影響をあたえる可能性がある． このように緩和状態やナノ結晶などの構造制御は，金属ガラスのさらなる特性向上において重要な手段となる．ここで紹介した以外にも，高圧環境下での熱的構造若返り 5)など，近年，金属ガラスの構造制御に関して様々な原子シミュレーションが行われている．これらの研究は金属ガラスの構造と特性の関係を理解し，諸特性をさらに向上するうえで役立つ知見になると考える．  結   言本解析では金属ガラスの構造制御と変形挙動について，最近の原子論解析を紹介した．熱負荷プロセスによる構造若返りの機構，緩和状態が変形機構に及ぼす影響，さらには若返り熱処理中に生じるナノ結晶相について MD計算を用いた研究について述べた．構造若返りは，金属ガラスの緩和状態制御という観点で近年注目されている手法であり，また金属ガラスの構造や特性を理解するうえでも興味深い現象である． 本解説で紹介した金属ガラスの原子論解析を実施するにあたり，東北大学 才田淳治 教授，東北大学 市坪 哲 教授，大阪大学 尾方成信 教授に多くのご助言・ご協力を頂きました．ここに謝意を表します．  参 考 文 献                                               215金属ガラスにおける構造制御と変形挙動の原子論的研究14-2022-0080-(p.214-215).indd   21514-2022-0080-(p.214-215).indd   215 2023/01/16   17:12:452023/01/16   17:12:45