# Fileset

[tic_dogu2.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/39209b83-896e-4927-8607-7acf44e8796d/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

## Rights



## Other metadata

[Linuxとの巡り合わせは葉隠の如し](https://mdr.nims.go.jp/datasets/eab0dbb9-919a-42ae-8336-5d533322d3f2)

## Fulltext

Inside the toolbox of an engineer (2): How I took the plunge to be a Linux user◎エッセイ技術者の道具箱 (2)： Linuxとの巡り合わせははがくれ葉隠の如し轟　眞市 物質・材料研究機構光材料センター∗Shin-ichi TODOROKI大雨の戒めということがある。道の途中でにわか雨にあうと、濡れては困るとばかりに、急いで軒下などに走ったりするが、濡れることには変わりない。はじめから濡れてもかまわないと思っていれば、なんの苦になることがあろうか。これはすべてのことに共通する心得である。『葉隠』山本常朝、聞書第一 七九(現代語訳本田有明 [1])さらば、Microsoft Windows1999年 6月。今がその機だと確信した。学生時代から愛用している組版処理システム、LATEXを、それより後に使い始めたWindows上で利用していたのだが、どうしても操作上の違和感を拭い去れないでいた。しかし、それを上回る問題に直面し、覚悟を決めた。数年前から、ある学会の情報ネットワークを管理する小委員会に参加していた。古株の先輩達は、会員向けパソコン通信サービスを廃止し、代わりにインターネットのホームページによって情報発信する体制を組みあげて、引退していった。折りから、ネットワークに接続されたコンピュータのセキュリティ管理に注目が集まる様になり、管理の甘さが深刻な問題を引き起こすことが認識され始めていた。引き継いだサーバーは、導入当初こそ画期的な存在だったものの、ネットワークが物騒になってしまったその時点では、とても満足に管理されているとは思えないことが判明した。現状の機能を維持して管理を外注するとなると、少なくとも年間 300万円は掛かるという。この学会にそんな余裕は無い。となれば、自分が管理技術を∗〒 305-0044茨城県つくば市並木 1-1fax 029-854-9060URL: http://www.geocities.jp/tokyo 1406/身に付けるしかない。しかし、Windowsとは勝手が異なるOS(オペレーティングシステム)が動いているサーバーを手なずけられるだろうか？不安を抱えたまま責任をかぶるのは精神衛生上よろしくない。それならいっそ、進んで雨に濡れてしまおう。日常の書き物や実験で使うパソコンも同じ OSにしてしまえば、覚えるべき技術は一種類で済み、活用できる局面は倍になる。OSはDebian GNU/Linuxに決めていた。原則としてフリーソフトウエアだけでまとめられた OSであり、その管理体制もボランティアベースではあるが相当しっかりしている。加えて、日本語の解説本 [2]が出版され始めた頃だった。早速、職場と自宅のパソコンにインストールし、環境を整えていった。Linuxとは何か?それは UNIX†と互換性を有する OSであり、1991年にその最初のバージョンが公開された。開発したのは、当時フィンランドの大学生だった Linus Torvalds氏である。彼はなぜ、既存の OSのクローンをわざわざ作ったのか？それは、UNIXのシンプルな美しさに魅せられた一方で、彼が大枚をはたいて購入した PCに、唯一インストールできたある UNIX互換 OSに満足できなかったからだそうだ [3]。フリーソフトウエアとして公開した Linuxは一部の熱狂的な支持を受け、世界中に散らばる有志による草の根的共同開発の形で急速に進歩していった。今では、パソコンを買うのに、Linuxがプリインストールされたモデルを選ぶことができるまでに至っている。†前回のエッセイ (2008 年 7 月号)で、筆者は UNIX を大学院在籍中に使っていたことを述べた。Materials Integration Vol.21 No.08 (2008) 65http://www.geocities.jp/tokyo_1406/http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html◎エッセイ学会Webサーバーの交換と改良学会では新しい PC を購入してもらい、DebianGNU/LinuxをインストールしてWeb サーバーを立ち上げた。古いサーバーの中身を移し替える作業等を通じて、サーバ管理技術を身に付けていった。念願の「ブラックボックスからの脱却」を果たし、時おりアナウンスされるセキュリティ向上のためのアップデートにも、すぐに追随できる体制を整えた。次に取り組んだのが、会員限定で公開できるホームページの仕組みづくりだった。特定のページを開こうとするとパスワードの入力が求められる様にして、非会員との差別化を通じてサービスの充実を図るのである。会員 IDとパスワードは既に会員に交付してあり、学会の年会参加登録を業者がインターネット上でとりまとめるのに利用されていた。こちら側で追加すべき機能は、ID情報を業者から自動的に受け取ってパスワード認証に利用することだった。Linux上で使える秀逸なフリーソフトウエア達のお蔭で、難なく実装することができた。サーバ管理技術習得のご利益認証機能付きWebサーバーを立ち上げるスキルを身に付けたので、これを自分の仕事に活用すべく、実験ノートの電子化に取り組んだ。研究所の LAN内にブログ‡サーバーを設置し、自分しかアクセス出来ないようにパスワード認証機能を追加した。自宅のPCとも同期する仕組みを整え、いつでもどこでも実験ノートを記入・参照できるようになった。それまでは、実験ノートをどこかに置き忘れたり、昔の記述を捜し出すのに時間が掛かったりと、不便を感じていた。電子化実験ノートでは全文検索機能も使えるので、忘れて困ることは何でも書き留めておく習慣が付いた。このノウハウをまとめて、材料関係の国際ワークショップで発表した。ちょうど世界的にブログが注目される時期と重なり、オンライン公開された英文予稿にも自然と関心が集まった (和訳版は [4])。結果として、その雑誌のダウンロードランキング (2006年第 1四半期)の 11位に食い込むに至り、それが発端‡2000年当時、ブログはまだ日本に上陸しておらず、日本で独自に発展していた公開日記システムをインストールした。図 1: 筆者が管理している現在の学会Webサーバー。となって、フリー百科事典『ウィキペディア』の実験ノートの項目で紹介される事態にまで発展した。先日、職場の若手研究者からぼやきを聞かされた。「雑用が僕んとこにばっかり降ってくるんですよねー。」説教じみてしまうので口にはしなかったが、筆者の意見はひとつ。腰を据えて雨に濡れてみるのもまた一興。［参考文献］[1] 本田有明：“ヘタな人生論より葉隠”,河出書房新社 (2004).[2] 芳尾桂：“今日から Debian GNU/Linux”,オーム社 (1999).[3] リーナストーバルズ,デイビッドダイアモンド：“それがぼくには楽しかったから”,小学館プロダクション (2001). (風見潤訳、中島洋監訳).[4] 轟眞市,小西智也,井上悟：“ブログを基にした実験ノート: 個人の研究活動を効率化する情報環境”.http://pubman.mpdl.mpg.de//pubman/item/escidoc:3312866 マテリアルインテグレーション Vol.21 No.08 (2008)http://pubman.mpdl.mpg.de//pubman/item/escidoc:33128http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html