# Fileset

[tic_dogu1.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/36a2ddfb-b9bc-4ddd-87ae-8af784772e33/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

## Rights



## Other metadata

[LaTeXを使い続けて20年](https://mdr.nims.go.jp/datasets/fc624dee-a276-441f-a905-bee70e018c4e)

## Fulltext

Inside the toolbox of an engineer (1): 20 years with LaTeX◎エッセイ技術者の道具箱： LATEXを使い続けて20年轟　眞市 物質・材料研究機構光材料センター∗Shin-ichi TODOROKI「一番大事なこと……それは何ですか？」「それはやな、『仕事』いうのは、つきつめていけば『作業』ってことなんや」水野敬也氏は関西弁のゾウの神様の口を借りて、さらにこう言わせている [1]。「繰り返すで。仕事は作業や。せやから、自分が仕事で幸せになりたかったら、自分が一番好きな『作業』を選ばんとあかん。どんだけでも続けられる一番好きな『作業』を仕事にするんや。それが仕事の正しい選び方や。」そういう仕事を選んだ我々技術者は、さらに道具を選ぶ。単調な作業が最小限になり、その成果が最大限になる様な道具、しかも使っていて楽しい道具を選ぶ。筆者が書き物をするのに LATEXというソフトウエアを使い続けているのも同じ理由である。学生時代から約 20年にわたる付き合いを振り返ってみる。LATEXとは何かそれは組版処理システムである。この雑誌の紙面も LATEXを使って組版されている。LATEXは TEXという組版ソフトウエアの上に構築されている。TEXを開発したのは、当時スタンフォード大学の計算機科学の教授であった D. Knuth氏であり、そのきっかけは自身の論文の組版の汚さに我慢できなかったためと聞く (1970年代半ば頃のことらしい)。このソフトウエアの表記 (TEX)自体が、当時の組版品質に対する挑発になっていたのだと筆者は推察する。∗〒 305-0044茨城県つくば市並木 1-1fax 029-854-9060URL: http://www.geocities.jp/tokyo 1406/LATEXは同じく計算機科学者である L. Lamport氏によって、TEXをより使い易くするために開発された。1980年代には数式を多用する文書を生産する学界に普及していった。LATEXとの出会いそれは 1988年 12月。きっかけは、大学の大型計算機センター広報に掲載された記事だった [2]。数式を綺麗に清書できるソフトウエアが利用できる様になった、と紹介していた。その年の春、卒業論文を一太郎 ver.3と花子 ver.1を使って、ドットマトリックスプリンタで仕上げた学生の目には、もの凄く先進的に見えた。数ヵ月前から、助教授の計算機実験を手伝うために、大型計算機センターを利用する権限をもらっていた。計算機実験はバッチ処理で行うのが主流の時代だったが、ちょうどその年に、対話型の処理が行える UNIX†のサービスが始まっていた。本来の実験とはまったく関係の無いサービスだったが、興味本位で利用していた。記事に載っていた例を真似て印刷した出力を見て、しびれてしまった。これは習得する価値がある。しかし、印刷出力をいちいち計算機センターまで取りにいくのがもどかしい。MS-DOSのパソコン (CPUは 10 MHz!)で動くバージョンを捜し出し、数少ない参考文書をかき集め、使い方を研究していった。なぜ気に入っているのか最初のうちは、美しい出力が得られることが単純に嬉しかった。使っていくうちに、本当の価値は「論†オペレーティングシステムのひとつ。1970年代初頭に開発された。C言語で記述されているので移植性が高く、さまざまな計算機上で使うことができる。92 マテリアルインテグレーション Vol.21 No.07 (2008)http://www.geocities.jp/tokyo_1406/http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html◎エッセイ理とレイアウトを分離するマークアップ言語」にあることが分かってきた。例えば論文を執筆する際、参照文献の記述法はジャーナルによって異なっている。いわゆるワープロソフトでは、巻数や出版年といったデータそのものと、「巻数は太字に、出版年は括弧付きで」という様なレイアウトは分離して記述できない。それらを分離できるということは、個々のデータを一切触らずに、レイアウトだけを一括で変更することが可能ということである。今となっては、文献管理ソフトウエアの助けを借りれば簡単にできることであるが、その当時のワープロソフトでは考えられないことだった。それ以降、全ての論文は LATEXで仕上げた。博士論文 [3]の印刷用版下を出力するのに、大型計算機センターに設置されたばかりの 1台しかない高精細レーザープリンタを、長時間占有して顰蹙を買ったことをよく覚えている。LATEXのご利益それは、論文執筆に留まらない。LATEXは本質的にはプログラミング言語なのであるから、単純な作業を自動的に繰り返し実行させることができる。例えば、引用すべき論文の書誌データを文献データベースから拾ってきて登場順に番号を振り、所定のレイアウトで出力する、などの作業である。筆者はこれを応用して、自らの研究業績リストを電子化して個人ホームページと連動させている [4]。プレゼンテーション資料やポスターも LATEXで作成している。筆者が提唱している、プレゼンテーションを分かり易くするための「論理構造の視覚化」[5]を実行するには、ポイントとなる文章や語句を複数箇所に配置しなければならない。手作業では億劫になりがちなこの種の作業は、プログラミング機能があれば簡単に済ませられる。日頃のスケジュール管理はパソコンで行っているが、手帳と連動させるのにも LATEXの力を借りている。野口悠紀雄氏の提唱する「超」整理手帳 [6]の形式になるように、パソコン上の予定表からデータを抜き出して A4横の用紙にレイアウトし、印刷するのである (図 1)。この操作も自動的にやってのける様に設定してある。図 1: 筆者が常に携帯している「超」整理手帳。匠は道具も手作りのものを使う、と聞く。技術者のハシクレとして、あやかりたいものである。とかく世間では、すぐに役立つノウハウがもてはやされるものだが、時間を掛けて身に付けた技術には、それらを凌いで余りある含蓄がある。若い世代の方々は、出現したばかりのわくわくするような技術に飛びついて欲しい。それが自分にとって好きな『作業』と確信できれば、20年くらい使い続けるのも、わけないことだろう。［参考文献］[1] 水野敬也：“夢をかなえるゾウ”,飛鳥新社 (2007).http://yumezou.jp/[2] 萩野達也：“TEXに親しもう”,京都大学大型計算機センター広報, 21, 6, pp. 362–375 (1988).[3] S. Todoroki: “Studies on Local Structure aroundRare Earth Ions in Glasses”, PhD thesis, KyotoUniv. (1993). http://hdl.handle.net/2433/51187[4] 轟 眞市：“研究業績リストの電子化―研究者のための執筆・発表支援システム”,セラミックス,42, 7, pp. 520–524 (2007).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33096[5] 轟 眞市：“セレンディピティを高めるプレゼンテーション技術 (2) 眠らせない布石”, 工業材料,55, 9, pp. 82–83 (2007).http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33107[6] 野口悠紀雄：“続「超」整理法・時間編”,中央公論社 (1995). (中公新書 1222)Materials Integration Vol.21 No.07 (2008) 93http://yumezou.jp/http://hdl.handle.net/2433/51187http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33096http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:33107http://www.tic-mi.com/publ/mi_new.html