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[クリーンエネルギー 庄司NIMS.docx](https://mdr.nims.go.jp/filesets/34fc65a4-b0e5-4d49-8bab-092ac738a061/download)

## Creator

[庄司 州作](https://orcid.org/0000-0002-8481-2633), [阿部 英樹](https://orcid.org/0000-0002-8392-7586), [溝口 拓](https://orcid.org/0000-0002-0992-7449), [細野 秀雄](https://orcid.org/0000-0001-9260-6728)

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[水素オルソ・パラ転換の新触媒](https://mdr.nims.go.jp/datasets/197c8577-b944-41cb-bb55-3b8911ebce56)

## Fulltext

**水素オルソ・パラ転換の新触媒**―高イオン結合性絶縁体表面の電場勾配を利用した液体水素用触媒―庄司州作\*・阿部英樹・溝口 拓・細野秀雄**【要約】**液体水素を貯蔵する際には、水素のオルソ・パラ転換に伴う発熱が蒸発損失(ボイルオフ)の原因となる。著者らは、イオン半径が小さく、高価数の陽イオンや表面欠陥が作り出す表面電場勾配が転換活性の鍵であることを見いだした。この知見に基づき、既報よりもかなり高い活性を有する触媒を、単独では低い活性しか示さない微量の遷移金属をシリカやアルミナ上に担持することで実現した。**1. はじめに―水素社会と液体水素**水素は次世代のエネルギー源として、大規模利用に向けた技術開発が進められている。大量の水素を高密度で貯蔵・輸送する方法として、約-253℃(20K)まで冷却して液化した液体水素が検討されている。液化により体積は気体の約1/800となり、長距離の海上輸送に適する\[1\]。日本とオーストラリアによるHESC (Hydrogen Energy Supply Chain) プロジェクトでは、ビクトリア州ラトローブバレーの褐炭から製造した水素を液化し、川崎重工業が建造した液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」で日本へ輸送する構想が示された。2022年2月には褐炭由来の液体水素を積んだ同船が神戸へ入港し、国際間の液体水素輸送が実証された\[2\]。（図1下段）供給網の形態によらず、液体水素の貯蔵・輸送に共通する技術課題が、オルソ・パラ転換に伴う蒸発損失(ボイルオフ)である。本稿では、この転換を促進する触媒について、著者らの最近の研究を中心に解説する。**2. 液体水素のボイルオフとオルソ・パラ問題**水素分子（H₂）は、2個の水素原子核（核スピン *I* = 1/2）のスピン配置により、核スピンが平行なオルソ水素と、反平行なパラ水素の2種類の核スピン異性体として存在する。量子力学的な対称性の制約により、オルソ水素は奇数の回転量子数 *J* を、パラ水素は偶数の *J* をとる。このため、最低エネルギー状態はパラ水素の *J* = 0であり、オルソ水素の最低状態は *J* = 1である。H₂は分子量が小さいため回転定数 *B* が大きく（*B* ≈ 7.4 meV）、*J* = 0と *J* = 1のエネルギー差は 2*B* ≈ 15 meV に達する。このエネルギー差は、他の多くの二原子分子と比較して極めて大きい。その結果、室温ではオルソ水素とパラ水素の比は約3:1となり、オルソ75%、パラ25%のノルマル水素として存在する。一方、液化温度である20 K付近の熱平衡では、ほぼすべてが低エネルギー状態であるパラ水素となる（図1右上）。しかし、オルソ水素からパラ水素への転換は、触媒が存在しない場合には極めて遅く、20 Kにおける時定数は約100時間とされる。そのため、ノルマル水素をそのまま液化して貯蔵すると、貯蔵中に容器内でオルソ–パラ転換が徐々に進行する。このとき、*J* = 1から *J* = 0への転換に伴って、1分子あたり約15 meVの回転エネルギーが熱として放出される。この転換熱は、液体水素の気化エネルギー Δ*H*vap ≈ 9–12 meV（H₂分子1個あたり）を上回る。すなわち、2*B* \> Δ*H*₍vap₎ であるため、オルソ–パラ転換によって発生した熱は液体水素自身の蒸発を引き起こす。実際、オルソ/パラ比が3:1のノルマル水素を20 Kで保持した場合、貯蔵量の約55%が転換熱に起因する蒸発によって失われると見積もられている\[3\]。このような貯蔵中の蒸発損失が、液体水素貯蔵におけるボイルオフである（図1右下）。![](embedded:image1.png)なお、N2やF2など重い分子では 2B≪ΔHvap となり、同種の問題は生じない。ボイルオフは、回転定数Bが大きい軽元素(H2・D2)に特有の課題である。これを抑制するには、液化前または液化と同時にオルソ→パラ転換を促進し、あらかじめパラ水素(J=0)としておく必要がある。この転換を促進する触媒がオルソ・パラ転換触媒(以下、O/P転換触媒)である。図1 (上段)オルソ水素とパラ水素のスピン配置と回転エネルギー準位、(下段)社会における水素輸送の要請とボイルオフによる損失**3. オルソ・パラ転換と触媒の役割**オルソ・パラ転換は核スピン状態の変化を伴うため、核スピンに作用する摂動がなければ進行しない。1933年、Wignerは、磁性体表面に吸着した水素分子が磁性イオンの電子スピン磁気モーメントによる不均一磁場で核スピンを乱され、転換が促進される機構を提案した\[4\]。この相互作用はμ2/r6に比例する(μ:磁気モーメント、r:衝突距離)。実用触媒としては、酸化クロム(Cr2O3)や含水酸化鉄(Fe2O3・nH2O)などの3d遷移金属の磁性酸化物（局在電子スピンを持つ絶縁性酸化物）が、1950年代から開発されてきた\[5\]。また、希土類酸化物についても、O/P転換活性や水素–重水素交換との関係が検討されている\[6\]。1980年代以降、非磁性のアモルファス氷の表面でも転換が進むことが報告され、磁場以外の機構の存在が示された。福谷らは、固体表面での転換に(1)磁場、(2)電荷移動、(3)電場の3つの起源が関与しうると整理している\[7\]。とくに、表面の不均一電場による機構(シュタルク効果に関連)が提案されている\[8\]。また、配位空間を持つ金属有機構造体(MOF)による転換促進も近年報告されている\[9\]。ただし、各機構の寄与の大小や実用触媒の設計指針については、統一的な理解が未だになされていない。**4. 材料探索による設計指針**![](embedded:image2.png)著者らは、磁性/非磁性、金属/半導体/絶縁体を含む広範な固体材料について、77 K(液体窒素温度)でのO/P転換活性を系統的に評価した\[3\]。活性は、ラマン分光によりパラ水素分率の時間変化から定量した。その結果、材料は活性の大小により4群に分類された(図2)。図2 各種触媒上の77 KにおけるパラH2分率の時間変化(4群への分類)(文献\[3\]より改変) CC BY 4.0ライセンスに基づく。第1群は活性を示さない材料で、すべての金属材料と、低価数陽イオンを含む大半の酸化物が該当する。第2群はV2O5、Ta2O5、Sb2O5など高価数陽イオンを含む酸化物で、低い活性を示す。第3群はMn2O3、CuO、ZrO2、SnO2などで、第2群より高い活性を示す。第4群はMn3O4、CoOなどの酸化物で最も高い活性を示し、酸化セリウム(CeO2)では約30分でパラ水素分率が理論限界の50%に達した。これらの結果は、高活性の主因が磁性ではなく、H2分子の結合長(0.74 Å=74.1 pm)より小さいイオン半径の陽イオンを非金属(絶縁体・半導体)母体中に有することにあることを示唆する。小さく高価数の陽イオンは、その近傍に急峻で異方的・不均一な電場勾配を生じ、吸着したH2分子を分極させて核スピン転換を促す。実際、V5+(イオン半径54 pm)やSb5+(60 pm)はH2結合長より小さく、対応する酸化物は無活性群に比べ明確な活性を示した(図3)。磁性は、この電場効果に磁気的相互作用(Wigner機構)が加わることで活性を高める副次的要因と位置づけられる。最高活性のMn3O4では、小さいMn3+イオンによる強い電場と磁気モーメントの双方が寄与する。![](embedded:image3.png)図3 単一金属酸化物の構成陽イオン半径とO/P転換活性の関係(文献\[3\]より改変) CC BY 4.0ライセンスに基づく。**5. 金属の無活性と転換機構への示唆**本探索で得られた重要な結果の一つは、多くの金属系材料がO/P転換に対してほとんど活性を示さないことである。金（Au）、白金（Pt）、ビスマス（Bi）などの単体金属では、77 Kにおけるパラ水素分率は初期値である25%付近からほとんど変化しなかった。また、ErAl₂、GdAl₂、HoB₂などの金属間化合物においても、明確な転換促進効果は認められなかった。この結果は、金属表面における電子状態の特徴と関連していると考えられる。金属内部では伝導電子、すなわち遍歴電子が局所的な電荷の偏りを強く遮蔽する。そのため、表面近傍においても電場は比較的均一化されやすく、H₂分子内の2つの原子核に異なる摂動を与えるような、異方的で急峻な電場勾配は形成されにくい。したがって、非磁性金属および通常の金属間化合物の無活性は、O/P転換において単なる表面吸着や金属的電子状態だけでは不十分であり、局所的な電場勾配を形成できる表面環境が重要であることを示唆している。一方、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属についても、77 Kでは顕著なO/P転換活性は観測されなかった。これらの材料は大きな磁気モーメントを有するため、古典的なWigner機構に基づけば活性が期待される。しかし、実際には無活性であったことから、単に材料が強磁性を示すだけではO/P転換は促進されないことが分かる。この理由として、強磁性金属が形成する磁場の空間スケールが、H₂分子の核間距離と大きく異なることが考えられる。O/P転換には、2つの水素原子核に対して異なる摂動を与え、核スピン状態と回転状態の結合を変化させる局所的な相互作用が必要である。しかし、強磁性金属表面から生じる磁場は、磁区構造や表面磁化に由来する比較的長距離・連続的な場であり、H₂分子内のサブオングストロームスケールで両核を区別するほど急峻な勾配を持つとは限らない。したがって、巨視的な磁化や強磁性そのものは、必ずしも有効なO/P転換場として働かない。以上の結果は、O/P転換を支配する因子が、単純な磁性の有無ではなく、H₂分子の核間距離スケールで非等価な摂動を与え得る局所場であることを示している。特に、金属では電場勾配が伝導電子により遮蔽され、強磁性金属では磁場の空間変化がH₂分子スケールと整合しにくい。この知見は、触媒探索の対象を金属や強磁性金属から、高イオン結合性を有し、局所的な電場勾配や欠陥場を形成しやすい絶縁体酸化物へと絞り込む根拠となった。**6. 設計指針に基づく新触媒の開発**次に著者らは、イオン結合性の高い絶縁体酸化物ほど表面に強い不均一電場を形成するという作業仮説に基づき、イオン結晶の安定性の指標である格子エネルギーを手がかりに触媒候補を探索した\[10\]。代表的酸化物の格子エネルギーを表1に示す。スピネル型のMn3O4(225.4 eV)やコランダム型のα-Al2O3(188.9 eV)、石英型のα-SiO2(178.4 eV)、蛍石型のCeO2(157.5 eV)は高い格子エネルギーを示す。一方、岩塩型のMgO(123.6 eV)やウルツ鉱型のZnO(47.7 eV)は相対的に低く、これらは活性も低い傾向にある。この対応関係は、高イオン性の絶縁体酸化物表面が強い不均一電場を作り、O/P転換を促進するとの仮説を数値的にも支持する。表1 代表的酸化物の格子エネルギー(計算値)|結晶構造|酸化物|格子エネルギー (eV)||---|---|---||Spinel|MgAl₂O₄|236.2||Spinel|Mn₃O₄|225.4||Corundum|α-Al₂O₃|188.9||Quartz|α-SiO₂|178.4||Fluorite|CeO₂|157.5||Rocksalt|MgO|123.6||Wurtzite|ZnO|47.7|選定したのは二酸化ケイ素(SiO2)、γ型酸化アルミニウム(γ-Al2O3)、酸化セリウム(CeO2)であり、いずれも資源的に豊富で環境負荷の小さい元素からなる。これらの絶縁体酸化物は単独では水素分子の吸着が乏しく、活性は低い。そこで、5 mol%程度の3d後周期遷移金属(鉄・コバルト・ニッケル)をナノ粒子状に担持した。これらの遷移金属自体はO/P転換を促進しないが、水素分子を解離させずに吸着させる。担持された遷移金属ナノ粒子(粒径1〜12 nm)が水素を吸着し、絶縁体酸化物表面の不均一電場が核スピン転換を担う役割分担となる。![](embedded:image4.png)5 mol%の鉄を担持したSiO2では、パラ水素分率が20分以内に50%(77 Kの平衡値)に達した。反応速度定数はSiO2/Feで21.3 h-1、Al2O3/Coで29.4 h-1であり、代表的触媒であるMn3O4(10.5 h-1)およびFe2O3(1.3 h-1)を上回った(図4)。資源的に豊富な元素からなる触媒が、磁性酸化物の代表的触媒より高い活性を示した。図4 (左)表面電場勾配により水素の核スピン準位が分裂し、３重項から１重項への励起が容易になりO/P転換が加速される。、(右)新触媒(SiO2/Fe等)のO/P転換挙動と反応速度定数の比較(文献\[10\]より改変) CC BY 4.0ライセンスに基づく。転換機構として、著者らは表面電場勾配（EFG: electric field gradient）による四重極的相互作用に着目している。オルソ水素では、2個の水素核スピンが平行にそろい、合成全核スピン *I* = 1の三重項状態をとる。ここで、このオルソ水素を有効的に *I* = 1の単核スピン系のように見なしてみる。この場合、低対称な吸着サイト上では、表面のEFGによってオルソ水素の内部準位が、あたかも単核（*I* = 1）の核四重極準位のように分裂しうる（図4左）。この分裂幅は、*J* = 1と *J* = 0の回転準位差に比べて十分小さいため、77 Kだけでなく、実用温度域である20–30 K近傍においても、熱揺らぎや格子振動を介した準位間緩和が生じうる。1953年のReifとPurcellによる固体水素中の核磁気共鳴研究は、2原子分子であるオルソ水素の準位構造が、結晶場中であたかも *I* = 1の単核スピン系に類似した振る舞いを示すことを明らかにしており、この描像と整合する\[11\]。本触媒表面では、低対称な吸着サイトに由来するEFGがオルソ水素の準位構造を分裂させ、準位間緩和を通じて *J* = 1から *J* = 0への転換を促進すると考えられる。CeO₂では酸素欠損およびそれに伴うCe³⁺サイトが、γ-Al₂O₃では陽イオン欠損を含む低対称サイトが、いずれも大きなEFGを与える活性点として機能すると考えられる。**7. 新触媒の特長**以上の成果の新規性は、次の3点である。第一に、網羅的な材料探索と、金属が無活性であるという対照的な結果から、磁性ではなく、小さい高価数陽イオンや欠陥による表面電場勾配が転換を支配するという設計指針を示したことである。第二に、この指針に基づき、SiO2やAl2O3など資源的に豊富で環境調和性の高い絶縁体酸化物を母体とする高活性触媒を実現したことである。第三に、吸着を担う遷移金属助触媒と、転換を担う絶縁体表面とを機能分担させることで、水素吸着と核スピン転換を両立させたことである。**8. 今後の展望**今後の課題は、まずは更なる高活性化である。そのためには、絶縁体酸化物表面の欠陥構造と対称性を制御し、活性点の密度と電場勾配を高める必要がある。また、77 Kでの基礎評価に加え、実用の液化プロセスが想定する20〜30 K近傍での性能評価、長期耐久性、スケールアップの検討が必要となる。O/P転換触媒は、液体水素の貯蔵・輸送に伴うボイルオフを抑制する基盤技術であり、資源制約の小さい元素で構成され、明確な設計指針に基づく本触媒群は、その有力な選択肢となると考えられる。**謝辞**本研究は、科学研究費助成事業(22H02172、23K23440、24K21813)、JST未来社会創造事業(JPMJMI18A3)、公益財団法人JFE21世紀財団技術研究助成、ならびに公益財団法人池谷科学技術振興財団のご支援を受けて実施された。関係各位に深く感謝する。**筆者紹介**庄司 州作\*　国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS) エネルギー・環境材料研究センター　水素製造触媒材料グループ(\*連絡先著者)阿部 英樹  NIMS エネルギー・環境材料研究センター　水素製造触媒材料グループ溝口 拓  NIMS ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) 電子活性材料チーム細野 秀雄   NIMS ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)／東京科学大学**参考文献**\[1\] S. Z. S. Al Ghafri et al., Energy Environ. Sci., 15, 2690–2731 (2022).\[2\] HySTRA, "Suiso Frontier loaded liquefied hydrogen derived from Australian Brown Coal returns to Kobe," Press Release, Feb. 25, 2022. \[3\] H. Abe, H. Mizoguchi, R. Eguchi, H. Hosono, Exploration, 4, 20230040 (2024). \[4\] E. Wigner, Z. Phys. Chem. B, 23, 28 (1933). \[5\] D. H. Weitzel, W. Loebenstein, J. Draper, O. Park, J. Res. Natl. Bur. Stand., 60, 221 (1958). \[6\] D. R. Ashmead, D. D. Eley, R. Rudham, J. Catal., 3, 280 (1964). \[7\] K. Fukutani, T. Sugimoto, Prog. Surf. Sci., 88, 279 (2013). \[8\] T. Sugimoto, K. Fukutani, Nat. Phys., 7, 307 (2011). \[9\] T. Kosone et al., R. Soc. Open Sci., 2, 150006 (2015). \[10\] H. Mizoguchi, Y. Shirako, S. Shoji, H. Abe, T. Fujita, H. Hosono, J. Phys. Chem. Lett., 17, 3701 (2026). \[11\] F. Reif, E. M. Purcell, Phys. Rev., 91, 631 (1953).# image3.png# image4.png# image1.png# image2.png