# Fileset

[Todoroki13IEICEb.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/305e0842-fe6c-422b-af21-cec9c1de02d7/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[Copyright not evaluated](http://rightsstatements.org/vocab/CNE/1.0/)

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[研究者の目をくらまし続けてきたファイバフューズ](https://mdr.nims.go.jp/datasets/ab2d2eac-b3a2-4c35-837d-84f940507275)

## Fulltext

untitled電通会誌06月_01_学生／教養.mcd  Page 1 13/05/13 19:08  v5.50研究者の目をくらまし続けてきたファイバフューズFiber Fuse Has Blinded Researchers So Far轟 眞市�．先入観というわな人間の価値観や考え方は，今まで自らが経験したことが漏れなく説明できることをもって，その意識に安住し続けるものである．しかし，その考え方が通用しない事象に遭遇すると，衝突や葛藤が生じ，それが歴史に残る転換点にまで高められることもある．例えを挙げるなら，16 世紀にコペルニクスが唱えた地動説，20 世紀初頭の量子力学，1980 年代の準結晶やフラーレンの発見などがあろう．新しい考え方に思い至った人は，それと同時に，今までの自分の認識の狭さを思い知る．知らず知らずのうちに先入観に捕われてしまっていたことに気付く．しかしそういう境地に至ることができたのは，大抵の場合，何かいつもと違うことを試みたり，気が付いたりしたからである．科学技術で飯を食う人間にとって，その経験は喜びでもある．どんな小さなことでも誰かに伝えたくなる．そんな小さなことを文章にする機会をここに頂戴した．本記事が，読者の皆さんにとって，いつもと違う何かを見いだすきっかけになれば幸いである．�．物騒だけど不思議な現象四半世紀前に発見され，現在の光通信システムの脅威となっているファイバフューズ(用語)と呼ばれる光誘起損傷現象がある(1)．ワット級の光が注入された単一モード光ファイバの一部分が 1,000℃以上に加熱されると，その部分は光吸収体に変化して温度が急上昇しプラズマ(用語)が発生する．まぶしく光を放つ輝点に成長したプラズマは，注入光のエネルギーを消費して光源に向かって移動していき（図 1），その後には空孔状の損傷が残る．その発生を検知し停止させる技術や，フューズの伝搬を困難にするホーリーファイバ(用語)の開発が進められる一方，コア当りの光エネルギー増大なしに伝送容量を拡大させるべく，マルチコア光ファイバを使った空間分割多重方式（SDM)(用語)の研究も盛んになってきている．これからの光通信システムに影響を及ぼす現象でありながら，動き回る輝点の内部で起きていることについては，それを知る手掛かりが少ないことから，明確になっているとは言い難い．それでもこれが研究者の興味を引き続け，様々なメカニズム（詳しくは文献(�)参照）が提案されてきたのは，ファイバフューズの残す損傷構造が珍しくも美しい秩序を有しているからであろう．図 2(3)に示す写真は，ファイバフューズに供給する光を瞬断したときに残される損傷構造で，左端の一番大きな孔にプラズマが閉じ込められていたのである．その背後に残された空孔列は，供給光強度に依存して形状が変化している．(d)や(e)の条件では，プラズマはファイバ軸方向に広がって伝搬している．それに続く等間隔に並んだ弾丸状の空孔は，プラズマの尻尾が周期的に切り離され，それが後方に押しつぶされてできると解釈されている．その間隔は供給光強度の増大とともに大きくなる．プラズマの体積が小さくなると，一塊にまとまって伝搬する．(a)や(b)の条件では，切り離される尻尾が周期的に出現するが，(c)ではそれが起こらないので空孔列に周期性が現れない．学生／教養のページ 研究者の目をくらまし続けてきたファイバフューズ 441轟 眞市 正員 独立行政法人物質・材料研究機構先端フォトニクス材料ユニットShin-ichi TODOROKI, Member (Photonic Materials Unit, National Institute forMaterials Science, Tsukuba-shi, 305-0044 Japan).電子情報通信学会誌 Vol.96 No.6 pp.441-443 2013 年 6 月©電子情報通信学会 2013図 � ファイバフューズが発生するのに必要な条件の例 � Wを超える強度の光を伝送しているシリカガラス製単一モード光ファイバの一部を �,���℃以上に加熱すると，プラズマが飛び出してくる．電通会誌06月_01_学生／教養.mcd  Page 2 13/05/13 19:08  v5.50しかし今までに報告があった空孔列パターンは，これだけで尽くされているわけではない．ファイバフューズの研究が盛んになる 2003 年頃までに度々報告があったのは，周期的空孔列の途中に現れる独立した長い空孔であった（例えば文献(�)の Fig. 1(b)）．それがどのようにしてできるのか，分からぬままに，忘れ去られた存在になっていた．*．謎 解 き筆者は最近，ファイバフューズの速度と供給光強度との関係が 3種類に分類できることを見いだし(3)，それぞれを，不安定モード（図 2 中×印），単峰状モード（○印），円筒状モード（□印）とすることを提案した．あるときふと，この考え方を使ったら，あの長い空孔の出現する理由が説明できるかもしれない，とひらめいた．周期性を伴わない空孔が現れるモードへの瞬間的な移行が起こっていると仮説を立て，供給光強度を急変させる実験を試みた．すると予想に反して，どのモードにおいても長い空孔が現れ，それは供給光強度の急減時であることが分かった（図 3(a)）．これを合理的に説明できるからくりに気が付くのには，結構時間がかかった．「空孔はプラズマの尻尾の切り離し」という先入観に捕われていたからである．実際に起きていることは，「ガラス融液に囲まれた中空空間の切り離し」なのである．理解する鍵は，供給光強度の急変に対する，プラズマとガラス融液の応答時間の差である．これに気が付くきっかけとなったのは，供給光強度の急増時に現れる空孔列のスキップであった（図 3(b)）．スキップする間隔は，供給光の急増が完了する 0.2 ms電子情報通信学会誌 Vol. 96, No. 6, 2013442■ 用 語 解 説ファイバフューズ（fiber fuse） ÐfuseÑの意味には，「熱で溶ける」のほかに「導火線」があり，肉眼ではまさにそのように見える．筆者が開設したファイバフューズ情報サイト http://fiberfuse.info/jp/で紹介している一般向けビデオを御覧頂きたい．プラズマ 物質の状態の一つで，気体が部分的若しくは完全に陽イオンと電子に別れて自由に運動している状態．ファイバフューズの温度は少なくとも数千℃であるのに，光ファイバが溶けて切れてしまうことなく伝搬する理由は，熱が光ファイバの中心のコアからクラッドの表面に伝わる速度よりも速くプラズマが軸方向に移動するからである．ホーリーファイバ（holey fiber） ファイバ軸方向と平行な貫通孔を有する光ファイバ．フォトニック結晶ファイバや，コアの周囲に孔を配置する空孔アシストファイバがある．SDM Space Division Multiplex.単位断面積当りの伝送チャネル数を拡大させる方式の総称で，光通信においては，ケーブル中の単一コア光ファイバ数を増やす方式もある．Rayleigh-Plateau 不安定性 糸状の液体が液滴列に変化する現象を説明する理論で，この変化によって液体の総表面積が小さくなる．これは，液体中に発生させた円筒状の気体流が泡に変化する現象にも一般化でき，文献(�)はこれと対比している．■図 � 単一モード光ファイバに発生させたファイバフューズが残した損傷の例(*) レーザ光（波長 �,� � nm）は図の左側から供給した．(d)の上下に写る薄い横線は，直径 ��� μmのクラッドの外周．図 * ファイバフューズに供給する光を ].� ms の間に急変させたときに現れる変調構造の例 プラズマは右から左に伝搬した．（ａ），（ｂ）のそれぞれの数字は空孔間隔に基づいて算出した供給光強度の推定値．電通会誌06月_01_学生／教養.mcd  Page 3 13/05/13 19:08  v5.50の間にプラズマが進む距離に比例せず，むしろ光強度の増加量に比例するのである．このプラズマの振舞いを頭の中で再現したときに感じたのは，動きのもどかしさであった．なぜ，もどかしいのか？ それはプラズマを囲むガラス融液が粘っこいからである．レーザ光強度を急増させると，プラズマの温度と圧力は素早く上昇するが，それを取り囲むガラス融液はすぐに追随できず，プラズマの占有体積を広げるのにサブミリ秒程度の遅れが生じ，その間は空孔の切り離しが途絶えるのである．ということは，レーザ光強度が急減するときには，プラズマの温度は素早く低下して先に進む一方，ガラス融液は遅れて追随しているうちに冷えてその場にとどまり，引き伸ばされた空孔が残るのである(5)．f．見えていないものがあることを知る実はこの長い空孔は，ファイバフューズが残す周期的空孔の発生メカニズムに関するちょっとした論争の火種になっていた．周期的な構造が生成する原動力の一つに，Rayleigh-Plateau 不安定性(用語)と呼ばれるものがある．水道の蛇口から流れる細い水流が落下するにつれて水滴列に分裂する現象や，インクジェットプリンタにおけるミクロな液滴生成はこれで説明できる．文献(�)では，その長い空孔に周期的なくびれが存在する事実を根拠に，周期性発現の原因はこの現象にあると述べられている．ところが翌年，ロシアの理論物理学者が反論を表明する(6)．シリカガラスの粘性が高すぎて，この理論には当てはまらないと主張したのだ．しかし，写真に残された長い空孔の存在そのものは否定できない．改めて過去の報告を吟味してみると，どの実験もAr レーザを集光してファイバ端面に注入している．その当時のAr レーザの強度が安定していなかったのか，あるいは空気中に漂うほこりが供給光強度の急変を引き起こしたことで，あの独立した長い空孔ができたと推理できる．筆者を含めた研究者たちは皆，まぶしいプラズマに目を奪われ，見えないガラス融液の存在に思い至らなかったのである．日々の研究開発は，仮説を立てて実験によってそれを検証することの繰返しである．しかしその仮説は，今までの知見を基に外挿したものであることが多い．仮説に反する例に遭遇したときはチャンスである．今の自分に見えていないものの存在を教えてくれているのだから．あとは，見えるようになるまで諦めないこと．仮説・検証のサイクルを続けていくことだ．この当たり前な結論に，更に一言加えるなら，今まで誰も試みなかった方法を試すことである．想像してほしい．ファイバフューズ発生後に供給光強度を急変させ，停止させる．残された数 mの空孔列の中から，図 3 に示した幅約 0.1 mmの場所を探す手間を．そんなことをやろうと思った人が今までいなかったことが，この話の始まりだったのだ．文 献(�) 轟 眞市，Ðファイバフューズ：光通信にとっての眠れる悪魔，Ñオプトロニクス，vol. 31, no. 4, pp. 195-200, April 2012．(�) Ð光増幅器─光ファイバヒューズに関する一般情報，Ñ光増幅器標準化委員会(編)，Technical report TP08/AM (2010Ed. 1)，(財)光産業技術振興協会，March 2010, http://www.oitda.or.jp/main/st/TP-j.html(�) 轟 眞市，Ðファイバフューズの伝搬モードと伝搬しきい値，Ñ信学論(B)，vol. J96-B, no. 3, pp. 243-248, March 2013．(�) R.M. Atkins, P.G. Simpkins, and A.D. Yablon, “Track of a fiber fuse :a Rayleigh instability in optical waveguides,” Opt. Lett., vol. 28, no.12, pp. 974-976, June 2003.(�) S. Todoroki, “Fiber fuse propagation modes in typical single-modefibers,” Proc. Opt. Fiber Commun./National Fiber Opt. EngineersConf., no. JW2A.11, Anaheim, USA, March 2013.(�) S.I. Yakovlenko, “Plasma behind the front of a damage wave and themechanism of laser-induced production of a chain of caverns in anoptical fibre,” Quantum Electron., vol. 34, no. 8, pp. 765-770, Aug.2004.（平成 25 年 1 月 27 日受付 平成 25 年 2 月 13 日最終受付）轟とどろき眞しん市いち（正員）昭 63 京大・工・工業化学卒．平 5 同大学院博士課程了．同年日本電信電話株式会社入社．平 10 科技庁無機材研入所．以来，高強度光を伝搬する光ファイバにおける損傷現象の研究に従事．現在，物質・材料研究機構先端フォトニクス材料ユニット主幹研究員．工博．学生／教養のページ 研究者の目をくらまし続けてきたファイバフューズ 443㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇㍇