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[TODOROKI, Shin-ichi](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[白色タイトバッファ付き単一モード光ファイバにおけるファイバフューズ伝搬しきい値の減少](https://mdr.nims.go.jp/datasets/e7750c8a-9a21-4900-8f0a-54c939fccb34)

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(著者訳) IEICE Electronics Express, Vol.8, No.23, 1933–1937白色タイトバッファ付き単一モード光ファイバにおけるファイバフューズ伝搬しきい値の減少Threshold power reduction of fiber fuse propagation through awhite tight-buffered single-mode optical fiber轟 眞市物質・材料研究機構〒 305-0044 つくば市並木 1-1TODOROKI.Shin-ichi@nims.go.jp要旨:白色タイトバッファ付き単一モード光ファイバにおけるファイバフューズ伝搬しきい値が、透明なアクリル樹脂被覆ファイバにおける値よりも3%小さいことが分かった。これは、バッファー層の白色顔料が可視光発光を後方に散乱させてファイバフューズを光励起するためである。すなわち、移動するプラズマを取り囲むガラス融体に含まれる熱分解生成物である SiOが後方散乱光を吸収するからである。この自己ポンプ効果は、白または黒の油絵具を塗布したファイバ区間に残された空孔列を比較することにより明かになった。このしきい値低下の発見により、光ネットワークやファイバフューズ停止噐に対する光強度耐性設計を見直す必要がでてくる。Keywords: fiber fuse, high power, fiber coatingsClassification: Optical fiber参考文献[1] R. Kashyap and K. J. Blow, “Observation of catastrophic self-propelledself-focusing in optical fibres”, Electron. Lett., vol. 24, no. 1, pp. 47–49,Jan. 1988.[2] D. P. Hand and P. St. J. Russell, “Solitary thermal shock waves andoptical damage in optical fibers: the fiber fuse”, Opt. Lett., vol. 13, no.9, pp. 767–769, Sept. 1988.[3] E. M. Dianov, I. A. Bufetov, A. A. Frolov, V. G. Plotnichenko, V. M.Mashinskii, M. F. Churbanov and G. E. Snopatin, “Catastrophic destruc-tion of optical fibres of various composition caused by laser radiation”,Quantum Electron., vol. 32, no. 6, pp. 476–478, June 2002.[4] K. Seo, N. Nishimura, M. Shiino, R. Yuguchi and H. Sasaki, “Evaluationof high-power endurance in optical fiber links”, Furukawa Review, no. 24,pp. 17–22, July 2003.[5] S. Todoroki, “Origin of periodic void formation during fiber fuse”, OpticsExpress, vol. 13, no. 17, pp. 6381–6389, Aug. 2005.[6] S. Todoroki, “Transient propagation mode of fiber fuse leaving no voids”,Optics Express, vol. 13, no. 23, pp. 9248–9256, Nov. 2005.[7] A. D. Yablon, Optical Fiber Fusion Splicing, Springer-Verlag, Berlin, p.57, 2005.c© IEICE 2011DOI: 10.1587/elex.8.1978Received October 13, 2011Accepted November 04, 2011PublishedDecember 10, 20111978(著者訳) IEICE Electronics Express, Vol.8, No.23, 1933–1937[8] R. Kashyap, “Self-propelled self-focusing damage in optical fibres”, Proc.10th Int. Conf. Lasers and Applications, Lake Tahoe, NV, pp. 859–866,Dec. 1987.[9] Y. Shuto, S. Yanagi, S. Asakawa, M. Kobayashi and R. Nagase, “Evalua-tion of high-temperature absorption coefficients of optical fibers”, IEEEPhoton. Technol. Lett., vol. 16, no. 4, pp. 1008–1010, Apr. 2004.[10] S. Todoroki, “In-situ observation of fiber-fuse propagation”, Jpn. J. Appl.Phys., vol. 44, no. 6A, pp. 4022–4024, June 2005.[11] S. Todoroki, “Fiber fuse propagation behavior”, in Optical Fibers / Book4, ed. Y. Moh, InTech, Croatia, 2011 (in print, ISBN 979-953-307-653-8,http://www.intechweb.org/books/).1 緒言ファイバフューズとは、80年代末頃に発見された、シリカガラス製光ファイバが光によって連続的に損傷する現象のことであり [1, 2]、今日の光通信システムの発展に対して避けがたい制限を課している。すなわち、ファイバコアあたりの光強度をファイバフューズの伝搬しきい値 (Pth)以下にすべし、とする制限である。この値は、レーザ波長と光出力密度 (あるいはモードフィールド径)に関係し [3, 4]、典型的な単一モードファイバにおいては約 1 ワットである。最近著者は、特定の現実的な条件下で Pthをわずかに低下させる、もうひとつの要因を発見した。本論文では、実験事実に基づき、この効果のメカニズムについて議論する。2 実験典型的な単一モード光ファイバ (SMF-28e, Corning)に対するPthの値を、以下のように決定した。まず、ファイバレーザ (RLM-10/PYL-10, IPG Photonics,1310/1480 nm)からの数ワットの光を伝送しているファイバを局所的に加熱してファイバフューズを発生させる。次に、出力強度を 1 W付近の一定の値に絞っていく。もしフューズが自発的に停止したなら、出力強度を 0.01 W増やして上記手順を繰り返し、フューズが自然に消滅しなくなるまで続ける。そして、自然停止の起こらない最小の出力強度を Pthとする。被覆状態の異なる 2種類のファイバについて検討した。外径 0.25 mmの透明なアクリル樹脂で被覆されたファイバ、および白色タイトバッファ付き光ファイバ (0.9 mmφ)である。コア部分の損傷した領域は、デジタル光学顕微鏡で観察した。Table I. 伝搬しきい値強度: SMF-28e (Corning).波長 1310 nm 1480 nmアクリル樹脂被覆 (透明, 0.25 mmφ) 1.19 W 1.33 W+タイトバッファ (白色, 0.9 mmφ) 1.15 W 1.28 Wc© IEICE 2011DOI: 10.1587/elex.8.1979Received October 13, 2011Accepted November 04, 2011PublishedDecember 10, 20111979(著者訳) IEICE Electronics Express, Vol.8, No.23, 1933–1937Fig. 1. 1.16/1.15 W, 1310 nm の光で励起したファイバフューズが残した空孔列: (a) アクリル樹脂被覆ファイバ、および (b) 白色タイトバッファ付きファイバ。(c) 周期性が失われた空孔列の例。ファイバの直径は 125 µm。3 結果Table I に、2つの異なる波長で光励起した 2種類の被覆によるファイバに対する Pthの値を示す。白色タイトバッファ付き光ファイバの Pth値は、透明なアクリル被覆ファイバの値よりも約 3%小さかった。この挙動の分析に有用なのは、損傷をうけたコア領域に沿って残された空孔列の調査である。なぜなら、Pth 付近で光励起されたファイバフューズは、周期性が失われた空孔列を残すからである [5]。Figure 1に一例を示す。Pthよりわずかに大きい強度で励起されたフューズは、Fig. 1 (b)に示すような周期的空孔列を残す。励起エネルギーが Pth以下に絞られると、フューズは Fig. 1(c)に示すような不規則な空孔パターンを残し、それは自然停止するまで続く(Fig. 1 (a)参照)。この構造は、周期的空孔列の途中に、頻繁に弾丸形状の空孔 (Fig. 1 (c)の下向き矢印参照)とそれに続く無空孔区間が挿入された結果生じたものである [6]。この挿入頻度を、 Fig. 1 (a)に示すアクリル樹脂被覆ファイバについて調査した。 Figure 2 (a) に、自然停止直前の 500 mmにおける、5 mmあたりの弾丸状空孔数、N5mm、の変化を示す。この時間内では、励起エネルギーはレーザ制御装置によって階段状に減少させられている。明らかに、N5mmは励起エネルギーの減少とともに増加している。よってこの値は、Pth付近で励起されたファイバフューズの安定性を評価する良いパラメータとなる。一方、タイトバッファ付きファイバで上記条件より低い出力で励起したものは、Fig. 1 (b)に示すとおり弾丸状空孔が生成していない。ここから、バッファ層はフューズにある一定のエネルギーを供給していることが示唆される。このことは、次の付加的実験からも支持される。アクリル樹脂被覆ファイバの一部 10 cmの区間を白い油絵具 (ルチル型 TiO2とポピー油からなる)に浸しておき、Pth付近で励起したファイバフューズをに伝搬させた。N5mmはその区間を伝搬する間、Fig. 2 (b)に示すとおりわずかに減少した。この効果は、黒の油絵具に浸したファイバの場合には観測されなかった (Fig. 2 (c)参照)。c© IEICE 2011DOI: 10.1587/elex.8.1980Received October 13, 2011Accepted November 04, 2011PublishedDecember 10, 20111980(著者訳) IEICE Electronics Express, Vol.8, No.23, 1933–1937(a)Position (mm)Bullet−like void density, N5mm020406080100PropagationSelf−terminatedreduced to 1.16 W, 1310 nm0 100 200 300 400 500(b)Position (mm)Bullet−like void density, N5mm020406080100PropagationWhite oil paint1.19 W, 1310 nm200 100 0 −100(c)Position (mm)Bullet−like void density, N5mm020406080100PropagationBlack oil paint1.19 W, 1310 nm200 100 0 −100Fig. 2. 3種類のアクリル樹脂被覆SMF-28eファイバに沿った弾丸状空孔 (Fig. 1 (c)参照)の密度分布。(a) 励起レーザー出力を段階的に 1.16 W (< Pth) まで減少させたもの、および (b,c) 1.19 W (= Pth) で励起したファイバフューズが、しろあるいは黒の油絵の具に浸された 10 cmの区間を通過させたもの。4 考察フューズにエネルギーを供給する経路として熱伝導を考えることは合理性を欠いている。なぜなら、その拡散速度はフューズの伝搬速度 (1.5 W, 1480 nmで光励起した場合、∼ 0.3 m/s[5])に比べて遅すぎるからである。封じ込められたプラズマからファイバ表面へ熱拡散するのに必要な時間が、ファイバ融着における熱浸透に必要な時間、すなわち数ミリ秒 [7]、に等しいと仮定すると、その間にフューズは数百マイクロメートル移動する。この距離は、プラズマの長さよりも少なくとも 1桁大きい。例えば、1480 nmで 2 W以下の光を供給されたフューズの形状は球形であるので [5]、その寸法はコア径約 10µmと同じくらいである。よって、エネルギーは光波の形で渡されると思われる。ひとつ考えられるメカニズムは、バッファ層内の白色顔料が、内側からの可視光放射を散乱させ、後方散乱光がフューズを取り囲むガラス融体に再吸収され発熱することである。実際、シリカガラスファイバの光吸収は 1050 ◦C以上で急上昇すること [8]はよく知られており、その原因は次式で示す SiOの生成と考えられている [9]。SiO2 −→ SiO +12O2 ↑ . (1)後方散乱に関しては、白色顔料製品は可視光散乱を最大化する様にその粒径を最適化していることに注目すべきである。加えて、2 W (1480 nm)で光励起したフューズからの発光には、強い可視光成分 (400–700 nm)が含まれてc© IEICE 2011DOI: 10.1587/elex.8.1981Received October 13, 2011Accepted November 04, 2011PublishedDecember 10, 20111981(著者訳) IEICE Electronics Express, Vol.8, No.23, 1933–1937いることが知られている [10]。他方、黒色顔料は、その強い光吸収によってほとんど可視光を散乱させない。よって、この自己ポンプ効果が黒油絵具を塗ったファイバ区間で観察されなかったのは、理にかなっている。よって、伝搬しきい値の減少は、黒以外のジャケット層を伴うあらゆるファイバ、すなわちリボンファイバケーブルやセラミックフェルール付きコネクタなどにも現れると考えられる。この自己ポンプ効果を認めるならば、Pth以上で光励起されたフューズの振る舞いも、色付きジャケット層の有無によって違いが出ると期待できる。これは、光源を瞬断することで停止させたファイバフューズが残した空孔形状の変化として観察される [11]。タイトバッファ付きファイバに残された空孔列内の 2番目の空孔の長さの平均値は、バッファ無しファイバの場合よりも明らかに長かった。これは、自己ポンプ効果が冷却速度を低下させ、ガラス融体がより安定な形状に変化したため、すなわち、先頭の長い空孔が 2つに分かれたためである。この自己ポンプ効果は、フューズの速度と周期的空孔の間隔の両方を増大させると期待することは一見妥当の様に思える。しかし、この効果は封じ込められたプラズマの長さに依存することに注意する必要がある。なぜなら、融液において変換された熱はフューズ速度に比べて非常に遅い速度で拡散するからである。よって、長さが径よりも大きいフューズの伝搬挙動は、Pth付近で光励起された球状のフューズよりも複雑であることが予想される。実際、筆者はフューズ速度と空孔間隔に明確な差があった例に遭遇していない。これらの性質についての統計的な分析などの、踏み込んだ検討が必要である。最後に、Pth付近で光励起されたファイバフューズの興味深い挙動を報告しておく。それは、この条件下でのフューズは融着点で大抵停止してしまうことである。(筆者はかつてこれを論文で報告したが [6]、その記述と考察は正確さを欠いていた。) しかし、Pthよりわずかに大きい光励起出力で、N5mm = 0となる場合には、融着点を通過してしまう。その場合、融着点で若干の弾丸状空孔が観察される1。これはおそらく、融着点での変調された導波路構造がプラズマを不安定にするためであろう。5 結論白色タイトバッファ付き単一モード光ファイバを伝搬するファイバフューズは、バッファ内の顔料において後方散乱された可視光放射によって光励起されることが分かった。この効果は伝搬しきい値をわずかに減少させるので、光ネットワークやファイバフューズ停止噐に対する光強度耐性設計を見直す必要がある。1訳注: その動画を http://www.youtube.com/watch?v=u9Ck3EbNWOI で公開した。c© IEICE 2011DOI: 10.1587/elex.8.1982Received October 13, 2011Accepted November 04, 2011PublishedDecember 10, 20111982