# Fileset

[JSA_Vol25_14-20.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/2ba878e2-4763-42c8-a465-130537963245/download)

## Creator

[Ogiwara, Toshiya](https://orcid.org/0000-0002-7376-6571), [Yanagiuchi, Katsuaki](https://orcid.org/0000-0002-3882-8052), [Yoshikawa, Hideki](https://orcid.org/0000-0002-7389-8865)

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[Auger Depth Profiling Analysis of FeNi/CoFeB/FeNi Specimen Using an Ultra Low Angle Incidence Ion Beam ](https://mdr.nims.go.jp/datasets/caf8f815-0615-4121-a4ed-f33f0507f0b2)

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極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi 多層薄膜の分析Journal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析 https://doi.org/10.1384/jsa.25.14 - 14 - 研究論文  極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi 多層薄膜の分析  荻原 俊弥,a,* 柳内 克昭,b 吉川 英樹 c a物質・材料研究機構 技術開発・共用部門 材料分析ステーション，〒305-0047 つくば市千現 1-2-1 bTDK（株）テクニカルセンター，〒272-8558 市川市東大和田 2-15-7 c物質・材料研究機構 先端材料解析研究拠点 表面化学分析グループ，〒305-0047 つくば市千現 1-2-1 *OGIWARA.Toshiya@nims.go.jp  （2018 年 3 月 23 日受理; 2018 年 8 月 17 日掲載決定）  磁気ヘッド材料として用いられている FeNi:5 nm/CoFeB:3 nm/FeNi:10 nm 多層薄膜の深さ方向組成分布を調べるために，極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析によりイオン加速電圧 0.5 kV および3.0 kV のスパッタ条件で分析を行った．その結果，イオン加速電圧 0.5 kV では多層薄膜の設計通りの構造を反映した対称的な B のオージェデプスプロファイルが得られることがわかった．イオン加速電圧 3.0 kV のデプスプロファイルは，イオン加速電圧 0.5 kV のそれに比べて深さ分解能は劣るが，多層薄膜の構造を短時間で評価できた．一方，アトムプローブ・トモグラフィーにより同試料を測定した結果，一次元濃度プロファイルは多層薄膜の対称的な構造と異なる非対称なアーティファクト構造が見られることがわかった．   Auger Depth Profiling Analysis of FeNi/CoFeB/FeNi Specimen Using an Ultra Low Angle Incidence Ion Beam  T. Ogiwara,a,* K. Yanagiuchi,b and H. Yoshikawac a Materials Analysis Station, Reseach Network and Facility Services Division, National Institute for Materials Science,  1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305-0047, Japan b Technical Center, TDK Corporation, 2-15-7 Higashi-Ohwada, Ichikawa, Chiba 272-8558, Japan c Surface Chemical Analysis Group, Research Center for Advanced Measurement and Characterization,  National Institute for Materials Science, 1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305-0047, Japan *OGIWARA.Toshiya@nims.go.jp   (Received: March 23, 2018; Accepted: August 17, 2018)  We investigated the Auger depth profiling analysis for a magnetic head material of FeNi:5 nm/CoFeB:3 nm/FeNi:10 nm by the glancing-angle Ar ion beam sputtering method at an incident angle of 7 degree from the sample surface. In consequence, Ar ion acceleration voltage of 0.5 kV provided a depth profile result with a higher depth resolution, which represented a symmetrical structure of B with sharper interfaces as high as it can be evaluated quantitatively. In additional, Ar ion acceleration voltage of 3.0 kV also provided a similar symmetry structure of B in a shorter acquisition time. However, its depth resolution was lower than 0.5 kV. In contrast, as a result of measuring the same sample by atom probe tomography, one-dimensional concentration profile of B was artificially asymmetrical.     Copyright （c） 2018 by The Surface Analysis Society of Japan https://doi.org/10.1384/jsa.25.14mailto:*OGIWARA.Toshiya@nims.go.jpmailto:*OGIWARA.Toshiya@nims.go.jpJournal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析  - 15 - 1. はじめに 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析は，半球型電子分光器（ Concentric Hemispherical Analyzer :CHA）を搭載したオージェ電子分光装置において高傾斜試料ホルダーを利用することで，電子ビームおよびイオンビームの両者を試料表面から数度の非常に浅い角度で入射する計測法である[1]．この計測法は，フラットホルダーを用いる一般的なオージェ深さ方向分析に比べて，高感度，高深さ分解能の計測を実現できるため，極薄膜，多層薄膜など積層構造の深さ方向組成分布の評価に極めて有用な手法である[2]． 本検討では，磁気ヘッド材料として用いられている FeNi/CoFeB/FeNi 多層薄膜の深さ方向組成分布を調べるために本計測法により分析を行った．この材料は，数 nm の薄膜が積層された多層構造を有するため[3]，一般には，サブナノメーターの分解能で分析可能な３次元アトムプローブ（3DAP）別称アトムプローブ・トモグラフィ(APT)により評価されることが多い．APTは，針状加工した試料表面から電界蒸発によりイオン化される原子の質量と位置の情報を連続的に検出して，原子レベルの分解能で３次元的に元素分布を検知できる優れた分析法である[4-5]． APTでは，試料を針状加工する際，観察したい領域を針先端部に位置合わせをして加工する試料作製技術が求められる[6]．また，APT により多層薄膜を分析する場合，高い電界蒸発の臨界値をもつ元素ほど遅れて検出される傾向があり，このアーティファクトに注意を払ったデータ解析が重要である[7]．一方，極低角度入射ビームを用いたオージェ深さ方向分析では，一般に試料の前処理は多層薄膜試料をホルダーにセットできる数 mm〜数 cmの大きさにカットするのみの簡便なものである．また，得られるデプスプロファイルは深さ分解能に優れており，界面におけるマトリックス効果[8]の影響が小さいことから，多層薄膜の構造を反映したデプスプロファイルが得やすいなど，実用的に用いる上で有用な手法である．そこで，極低角度入射ビームオージェ深さ方向分析により高深さ分解能での測定が期待できる低イオン加速電圧 0.5 kVと速いスパッタリングレートで分析時間の短縮が期待できる高イオン加速電圧 3.0 kV のスパッタ条件で FeNi: 5 nm/CoFeB: 3 nm/FeNi: 10 nm 多層薄膜の分析を行った．それらの結果と APT を比較することにより，本計測法の有用性について検討した結果を報告する．  2. 実験 2.1 試料   検討に用いた試料はマグネトロンスパッタ法[9]により Si 基板上に成膜された FeNi: 5 nm/CoFeB:3 nm/FeNi: 10 nm 多層薄膜である．この試料についてBの拡散を起こすため，200 ℃～250 ℃で１時間アニール処理を行った．そして，アニール処理無し，アニール処理有りの両試料について深さ方向分析を行った． オージェ深さ方向分析については，これらの試料を約 5 mm × 8 mm の大きさにカットし，それを85°高傾斜試料ホルダーにセットして測定を行った． また，APT 用の試料は，集束イオンビーム（FIB）加工装置（HITACHI FB2100A）を用いて楔形の試料片をサンプリングし，APT測定用のマイクロポスト上に FIBデポジションを用いて固定した．その後，  Fig. 1. Photographs of the 85° inclined specimen holder set on the stage at different azimuthal angles. (a) The holder faces to the CHA side and (b) The holder is rotated by 35° from the CHA side. This figure is reprinted from reference [10] Fig. 2. (color online) Journal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析  - 16 - 真上から円環状のパターンを用いて FIB ミリングを行い,先端径 60 nm 以下の針状に加工した．  2.2 測定条件 2.2.1 極低角度入射ビームを用いたオージェ深さ方向分析 測定に用いた装置は CHA 電子分光器を搭載した日本電子製オージェマイクロプローブ JAMP-9500Fである．そして，Fig. 1 は装置の試料ステージに85°高傾斜試料ホルダーをセットした状態を示し，Fig. 1(a)は試料の測定面が CHA電子分光器側を向いた位置，Fig. 1(b)は Fig. 1(a)を反時計方向に 35°回転させた位置である．Fig. 1(b)のイオン入射角度は試料表面から 7°に相当し，この位置で測定を行った[10]． イオンスパッタリング条件は，イオン種は Ar，イオン加速電圧は 0.5 kVおよび 3.0 kV，イオン入射角度は試料表面から 7°である．オージェピーク測定時の一次電子線加速電圧は 10 kV，入射角度は試料表面から 5°，ビーム電流は約 10〜30 nA，ビーム径は約 1 mφである．測定したオージェピークは B KLL(179 eV)，O KLL(505 eV)，Fe LMM(703 eV)，Co LMM(775 eV)，Ni LMM(848 eV)，Si KLL(1619 eV)である．いずれも Constant Retarding Ratio (CRR)モードで EN(E)スペクトル（積分スペクトル）を測定し，その際のエネルギー分解能は 0.5%である． デプスプロファイルは，積分スペクトルを 7 点数値微分し，微分ピークの最大強度と最小強度の差からオージェ信号強度を算出し，その信号強度をスパッタリング時間に対してプロットすることにより求めた．なお，Co LMM(775 eV)オージェピークは，Ni LMM(775 eV)オージェピークと近接している．そのため，多層薄膜の中心付近で得られたスペクトルを標準スペクトルとして非線形最小二乗法によりピーク分離を行い[11]，ピーク分離後の微分スペクトルから Co のデプスプロファイルを求めた． 深さ分解能は，FeNi: 5 nm と CoFeB: 3 nm の界面において Co LMM デプスプロファイルのオージェピーク強度が 0%から 100%（最大強度を 100%とした）に入れ替わったときの 16%強度から 84%強度の幅をスパッタリング時間（min）で読み取った．また，FeNi:10 nmとSi基板との界面までのスパッタリング時間（min）を読み取り，その時間で多層薄膜全体の厚さ 18 nmを除することにより多層薄膜の平均スパッタリングレートを求めた．この値を用いて，スパッタリング時間（min）で読み取った 16%強度から 84%強度の幅を厚さ（nm）へ換算し，深さ分解能の値（nm）とした．  2.2.2 アトムプローブ・トモグラフィ 測定に用いた装置は，CAMECA LEAP 3000HR である．電界蒸発を補助するレーザーには Green レーザー（波長：532 nm）を使用し，レーザーパワー0.4 nJ，パルス周波数 200 kHz，蒸発速度 0.2〜0.4%/pulse,試料温度 35 K とした．  3. 結果および考察 3.1 極低角度入射ビームを用いたオージェ深さ方向分析による測定結果 Fig.2 (a)はアニール処理無しの試料をイオン加速電圧 0.5 kVのスパッタリング条件で測定したときのオージェデプスプロファイルである．Fig.2 (a)が示すように，B の分布は，CoFeB 層の中心部で濃度が高く対称的なプロファイルで Co と酷似した分布をしている．そして，CoFeB 層以外の層およびFeNi:10 nm 層と Si 基板の界面において B は検出されず，設計通りの積層構造を反映したデプスプロファイルが得られた．また，最大強度を 100%強度として Co LMM デプスプロファイルから読み取った深さ分解能は 1.9 nm であった．Fig. 2(b)はアニール処理有りの試料をイオン加速電圧 0.5 kVのスパッタリング条件で測定したときのオージェデプスプロファイルである．Fig. 2(b)が示すように，B は FeNi: 5 nm 層から Si 基板との界面に至る全ての領域において，ほぼ同じ強度で検出されている． Fig.3 (a)はアニール処理無しの試料をイオン加速電圧 3.0 kVのスパッタリング条件で測定したときのオージェデプスプロファイルである．Fig. 3(a)が示すように，B の分布は，CoFeB 層の中心部で濃度が高く対称的で Co の分布と酷似したプロファイルである．これは Fig.2 (a)に示す低イオン加速電圧 0.5 kV で測定した結果と同様である．ただし，Fig. 3(a)が示すように，高イオン加速電圧 3.0 kV での B はFig. 2(a)のそれに比べて，FeNi 層と Si 基板の界面付近まで分布するブロードな形状であることがわかる．また，最大強度を 100%強度として Co LMM デプスプロファイルから読み取った深さ分解能は 2.5 nmであった．Fig. 3(b)はアニール処理有りの試料をイオン加速電圧 3.0 kVのスパッタリング条件で測定したときのオージェデプスプロファイルである．Fig. 3(b)が示すように，B は FeNi: 5 nm 層から Si 基板とJournal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析  - 17 - の界面に至る全ての領域において，ほぼ同じ強度で検出されている． 以上の結果より，低イオン加速電圧 0.5 kVの条件では，FeNi: 5 nm/CoFeB: 3 nm/FeNi: 10 nm の深さ方向組成分布を深さ分解能 1.9 nm（参考値）で定量的に評価できることが明らかになった．高イオン加速電圧 3.0 kV の条件では，深さ分解能は 2.5 nm（参考値）と低下するものの，B のデプスプロファイルの対称性は崩れておらず積層構造を定量的に評価できる．なお，Fig. 3(a)のデプスプロファイルにおいてFeNi層と Si 基板の界面付近までBが若干検出されているのは，高イオン加速電圧 3.0 kVでスパッタした際のアトミックミキシングの影響により深さ分解能以上に微量の B が拡散したためと推察される．また，アニール処理有りの試料については，Fig. 2(b)および Fig. 3(b)が示すように全ての層に B がほぼ均一に熱拡散していると考えられる． 一般に，低イオン加速電圧で試料表面からのイオン入射角度が小さいほどスパッタリングレートは遅く，イオン加速電圧 0.5 kVの平均スパッタリングレートは 0.2 nm/minである．このスパッタ条件は，深さ分解能としては優れているが測定に長時間を要するため実用面では問題がある．一方，本検討における高イオン加速電圧 3.0 kVの平均スパッタリングレートは 0.5 nm/min が得られている．したがって，Fig. 3(a), (b)のイオン加速電圧 3.0 kV のデプスプロファイルは，Fig. 2(a), (b)のイオン加速電圧 0.5 kVのそれに比べて深さ分解能は少し劣るが，短時間で多層薄膜の主要成分の構造を定量的に判断する上では活用できる測定条件と考えられる．  3.2 APT による測定結果 Fig. 4(a)はアニール処理無しの試料を測定したときの APT 一次元濃度プロファイルである．Fig.4 (a)が示すように，Bの分布はCoFeB層中においては濃度が高いプロファイルの中心部が FeNi: 10 nm 層に近い側に位置しており，B の一次元濃度プロファイルの対称性が歪んでいる．また，FeNi: 10 nm 層中と FeNi: 10 nm層と Si 基板の界面にかけて B が検出されており，特に界面においてBの濃度が高い傾向   Fig. 2. (a) AES depth profile of the unannealed sample measured with the argon ion energy of 0.5 kV. (b) AES depth profile of the annealed sample measured with the argon ion energy of 0.5 kV.      Fig. 3. (a) AES depth profile of the unannealed sample measured with the argon ion energy of 3.0 kV. (b) AES depth profile of the annealed sample measured with the argon ion energy of 3.0 kV.  Journal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析  - 18 - にある．Fig. 4(b)はアニール処理有りの試料を測定したときの APT 一次元濃度プロファイルである．Fig. 4(b)が示すように，B は FeNi: 5 nm/CoFeB: 3 nm/FeNi: 10 nm の全ての範囲で検出されている．特に，FeNi: 10 nm 層と Si 基板の界面で B の濃度が高い分布を示している． 測定した FeNi: 5 nm/CoFeB: 3 nm/FeNi: 10 nm多層薄膜中の B は，設計構造としては CoFeB: 3 nm層にのみ存在する．そして，オージェ深さ方向分析で設計通りの構造を反映したデプスプロファイルが得られた．従って，Fig. 4(a)の APT 一次元濃度プロファイルで，アニール処理無しの B のプロファイルがCoFeB 層中において FeNi: 10 nm 層に近い側に位置し対称性が歪んでいたこと，ならびに FeNi: 10 nm層中と FeNi: 10 nm層と Si 基板の界面にかけて B が検出されたという設計構造に無い結果は，APT測定によるアーティファクトの可能性がある． 本検討で用いた多層薄膜を構成する元素の電界蒸発値を Table 1 に示す．久保田らによれば APT 測定において電界蒸発のしきい値の高い元素が遅れて検出されることが示されている[12-14]．従って，APT一次元濃度プロファイルにおいて CoFeB 層内の Bの非対称な分布や FeNi 層の B の存在は，電界蒸発のしきい値の高いBが遅れて検出されることで説明される．Si基板の界面でBの濃度が高くなる結果については，Si 基板上に電界蒸発しにくい Si の酸化層が存在することによって，それまで遅れて電界蒸発していたBがSiO2より先に電界蒸発したことで，この深さにおいてまとまってBが検出されたと考えられる．AES では見られず APT にのみ見られる特徴的なBの深さ分布は，APTの測定によるアーティファクトによるものと考えることができる．  4. まとめ 極低角度入射ビームを用いたオージェ深さ方向分析により低いイオン加速電圧 0.5 kVと高いイオン加速電圧 3.0 kV のスパッタ条件で FeNi: 5 nm/CoFeB: 3 nm/FeNi :10 nm 多層薄膜の分析を行った．それらの結果と APT により得られた濃度プロファイルを比較した．その結果，以下のことを明らかにした． (1)イオン加速電圧 0.5 kV のスパッタ条件は，多層薄膜の構造を反映したオージェデプスプロファイルが得られると考えられる． (2)イオン加速電圧 3.0 kV のデプスプロファイルは，0.5 kV のそれに比べて深さ分解能は少し劣るが，このスパッタ条件は短時間で多層薄膜が持つ本来の対称的な構造を定量的に評価できると考えられる． (3)APT 一次元濃度プロファイルでは，多層薄膜の対称的な構造と異なる非対称なアーティファクト構造が見られることがわかった．この要因は電界蒸発のしきい値の高いBが遅れて検出されるためと考えられる．  5. 参考文献 [ 1] 荻原俊弥，永富隆清，金慶中，田沼繁夫，表面科学, 32, 664 (2011). [ 2] 荻原俊弥，永富隆清，金慶中，田沼繁夫，J. Surf. Anal. 18, 174 (2012). [ 3] 柳内克昭，平田京，石田洋一，J. Vac. Soc. Jpn., 55, 220 (2012).    Fig. 4. (a) One-dimensional concentration profiles of the unannealed sample measured by APT. (b) One-dimensional concentration profiles of the annealed sample measured by APT.     Table 1. Evaporating fields of elements. Element Si Fe Ni Co Ru Ta B V / nm 33 33 35 37 41 44 64  https://doi.org/10.1380/jsssj.32.664https://doi.org/10.1380/jsssj.32.664https://doi.org/10.1384/jsa.18.174https://doi.org/10.1384/jsa.18.174https://doi.org/10.3131/jvsj2.55.220https://doi.org/10.3131/jvsj2.55.220Journal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析  - 19 - [ 4] M. K. Miller, Atom Probe Tomography, Analysis at the Atomic Level, Kluwer academic/Plenum publisher, New York, 38 (2000). [ 5] 宝野和博，弘津禎彦，金属ナノ組織解析法，アグネ技術センター，東京，235 (2006). [ 6] 清水康雄，井上耕治，高見澤悠，矢野史子，永井康介，J. Vac. Soc. Jpn., 56, 340 (2013).  [ 7] D. J. Larson, T. J. Prosa, B. P. Geiser, and W. F. Egelhoff Jr., Ultramicroscopy, 111, 506 (2011). [ 8] 関根哲，ユーザーのための実用オージェ電子分光法，志水隆一，吉原一絋共編，共立出版，122 (1989). [ 9] 宮崎栄三，表面科学の基礎と応用，日本表面科学会編（フジテクノシステム）p. 994 (1991). [10] 荻原俊弥，長田貴弘，吉川英樹，J. Surf. Anal., 24, 192 (2018). [11] 池尾信行，JEOL Application Note, AP78 (1995). [12] M. Kubota, Y. Ishida, K. Yanagiuchi, H. Takamizawa, Y. Nozawa, N. Ebisawa, Y. Shimizu, T. Toyama, K. Inoue, and Y. Nagai, J. Surf. Anal., 20, 207 (2014). [13] 柳内克昭，J. Surf. Anal., 21, A-55 (2014). [14] M. Kubota, H. Takamizawa, Y. Shimizu, Y. Nozawa, N. Ebisawa, T. Toyama, Y. Ishida, K. Yanagiuchi, K. Inoue, and Y. Nagai, Microsc. Microanal. 21, 1373 (2015). 査読コメント，質疑応答 査読者 1．堤 健一（日本電子）  [査読者 1-1] いくつか論点の根拠となるデータの提示をお願いしたい． 薄膜構造をどのようにして確認したか（TEM 写真添付など）？  [著者] 弊論文につきまして，貴重なご意見をいただきまして誠にありがとうございます． TEM により薄膜構造を確認していますが，TEM写真の掲載が不可のため，現状のままでお願いいたします．  [査読者 1-2] 実験条件をわかりやすく図示してほしい．  [著者] Fig. 1 を追加しました．その説明文を 2.2.1 に追記しました．  [査読者 1-3] アブストラクトの英文を修正してほしい．  [著者] 分析法の英文名：the grazing angled Ar ion beam sputtering method のご提案ありがとうございます．既報（JSA Vol.24 No.3 p.192）で the glancing-angle Ar ion beam sputtering method としており，統一したいと思います．  [査読者 1-4] 電界蒸発のしきい値を示してほしい．  [著者] Table 1 を追加し，本検討で用いた多層薄膜を構成する元素の電界蒸発値を示しました．    [査読者 1-5] 実験データを測定時間ではなくエッチングレートで説明してほしい．また，Fig.2 (a) と (b) のエッチングレートが異なる理由について説明してほしい．   https://doi.org/10.3131/jvsj2.56.340https://doi.org/10.3131/jvsj2.56.340https://doi.org/10.1016/j.ultramic.2010.12.010https://doi.org/10.1016/j.ultramic.2010.12.010https://doi.org/10.1384/jsa.24.192https://doi.org/10.1384/jsa.24.192https://doi.org/10.1017/S1431927615015160https://doi.org/10.1017/S1431927615015160https://doi.org/10.1017/S1431927615015160https://doi.org/10.1017/S1431927615015160Journal of Surface Analysis Vol.25 No.1 (2018) pp.14 - 20 荻原俊弥,他 極低角度入射イオンビームを用いたオージェ深さ方向分析による FeNi/CoFeB/FeNi多層薄膜の分析  - 20 - [著者] 本検討におけるイオン入射角７°の極低角度入射下のスパッタ条件は，最大スパッタ収率を示す付近の角度に相当し，スパッタ収率がイオン入射角に非常に敏感なスパッタ条件です．そのため，試料のセッティングや試料ステージの回転精度など試料位置調整に関係する要因のわずかなズレがイオン入射角度の再現性に影響を与えるため，Fig. 2(a)と(b)のエッチングレートが異なったと考えられます．したがって，今回のデータについてエッチングレートで実験データを説明することは現状では控えたいと考えます．本計測法は深さ分解能に優れた計測が可能ですが，エッチングレートの再現性については課題があると考えております．  査読者 2．西田 憲二（電力中央研究所） 前報で本手法の威力は既に報告されていますが，APTで苦手な対象であっても正確に分析できる手法として本報も非常に有用な論文と思います．また，分析時間短縮の試みもされており実用分析法としての手助けになると考えられます． 多層薄膜の深さ方向分布を調べる目的で本手法を適用するとしながら，本手法で得られる深さ方向元素分布の確からしさを多層薄膜の設計構造に委ねる，という論理矛盾があります．少しの文章の表現を修正することで対処可能と思われますので，改訂の後に掲載可と判断します．  [査読者 2-1] はじめにで，低いイオン加速電圧 0.5 kVと高いイオン加速電圧 3.0 kVのスパッタ条件で，異なるイオンエネルギーを用いる理由が述べられていない．深さ分解能と分析時間についての説明が必要．  [著者] ご指摘の内容を反映するため，次の文章に修正しました． 「そこで，極低角度入射ビームオージェ深さ方向分析により高深さ分解能での測定が期待できる低イオン加速電圧 0.5 kVと速いスパッタリングレートで分析時間の短縮が期待できる高イオン加速電圧 3.0 kVのスパッタ条件で」  [査読者 2-2] 試料について，アニールの目的が述べられていない．  [著者] “B の拡散を起こすため”を追記しました．  [査読者 2-3] イオン加速電圧 0.5 kV では約 17 時間，イオン加速電圧 3.0 kVでは約 3時間半である．スパッタ時間は 40 分と 80 分であり，測定時間に 2 倍以上の差がある理由は？   [著者] イオン加速電圧 0.5 kV は 30 秒スパッタ間隔，イオン加速電圧 3.0 kV は 60 秒スパッタ間隔で測定しており，測定時間に 2 倍以上の差が生じました．なお，短時間測定の説明を測定時間ではなくエッチングレートで説明し，次の文章に修正しました． 「一般に，低イオン加速電圧で試料表面からのイオン入射角度が小さいほどスパッタリングレートは遅く，本検討におけるイオン加速電圧 0.5 kV の平均スパッタリングレートは 0.2 nm/min である．このスパッタ条件は，深さ分解能としては優れているが測定に長時間を要するため実用面では問題がある．一方，本検討における高イオン加速電圧 3.0 kV の平均スパッタリングレートは 0.5 nm/min が得られている．したがって，イオン加速電圧 3.0 kVのスパッタ条件は，イオン加速電圧 0.5 kVのそれに比べて深さ分解能は少し劣るが，短時間で多層薄膜の主要成分の構造を定量的に判断する上では活用できる測定条件と考えられる．」  [査読者 2-4] 設計構造が実際の試料で成り立っていることは 3．1 で述べたようにここまでの表現は言わない方がよい．  [著者] 削除しました．