# Fileset

[レーザー焼入れによる浸炭歯車鋼のリマニュファクチャリング技術の開発_ばね学会春季講演会.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/28e175e8-650c-4b25-b467-65eceafd1402/download)

## Creator

金澤智尚, [早川 正夫](https://orcid.org/0000-0001-5143-8350), ヴィナスダン, 田原佑規, 畑 典仁, 吉本光宏

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

## Other metadata

[レーザー焼入れによる浸炭歯車鋼のリマニュファクチャリング技術の開発](https://mdr.nims.go.jp/datasets/33b26516-8248-467c-a333-a2ba0ec1f2b4)

## Fulltext

レーザー焼入れによる浸炭歯車鋼のリマニュファクチャリング技術の開発   日立建機㈱  〇金澤智尚，     NIMS 早川正夫，  日立建機㈱  ヴィニャスダン，田原佑規，畑  典仁，吉本光宏   １．  緒言  SDGs の達成に向けた世界的な取り組みとともに，循環経済に根ざしたリマニュファクチャリングが大いに注目されている．建設機械業界では，製品のリマニュファクチャリングが環境負荷やメンテナンスコストの低減に大きな効果があるため，その産業規模が急激に拡大している．建設機械機器では油圧部品やエンジンなど多種多様なリマニュファクチャリングが実施されている．しかし，減速機などに用いられる大型歯車部品や軸受などの浸炭部品は，高負荷での稼働環境のためスクラップとなる割合が高い．したがって，それら高額部品のリマニュファクチャリングが強く求められている．   歯車や軸受のリマニュファクチャリングのためには，非破壊検査技術の開発が必要である．さらにリマニュファクチャリングの価値を著しく上げるために機能復元することが不可欠である．一方，機能復元に関しては，欠損部への補修にレーザークラッティングや積層造形が施工されている．これらの機能復元に関しては航空機などの高額部品に適用され始めているのみである．しかしながら，力学的負荷の高い建設機械部品においては，表面粗さや積層欠陥などの品質上の懸念，原料価格などが高額であることからも，積層造形技術の適用には依然として課題がある．  本研究の目的は，簡便かつ安価な熱処理のみによる高負荷下の稼働部品の機能復元技術を開発することである．市場で回収された歯車や軸受部品を模擬した浸炭表層の経時変化を非破壊検査で捉えると共に，摺動疲労損傷した浸炭表層に瞬間加熱・瞬間冷却を可能とするレーザー焼入れ（ LH）を施すことにより，摺動疲労損傷を瞬時に回復し，新品部品よりも長寿命を発現する画期的な組織改質を可能とした．これまで LH により，新品材の機能向上を試みた事例はあった．しかしながら，リマニュファクチャリングを目的とする稼働部品に LH を施して，機能復元を実現させた前例は全く無い．ここでは，摺動疲労損傷した稼働部品の機能復元による長寿命化のメカニズムを明らかにする．  ２．  実験方法  2.1 材料および疲労試験  ASTM4118 鋼 (0.2C,  0 .8Mn,  0 .22Si ,  0 .5Cr,  0 .12Mo; mass%)に浸炭処理を施した供試材を用いた．要素試験として， Fig.1 に示すローラピッチング試験を行った [1][2]．   2.2 レーザー焼入れ  レーザー加熱の最適条件を検討した結果，ビーム径 φ1 ㎜，出力 1050W，試験片回転速度 25 mm/sec の下，加熱温度を 800℃とした [2]．  2.3 X 線回折（ XRD）法及び組織観察  ローラピッチング試験前後の試験片ならびに稼働前後の歯車に対して， cosα 法X 線回折により，残留 γ 相（ γR）  の割合と残留応力を測定した．なお，各試験片に関しては，試験前後で同一箇所での測定を行った [1][2]．   浸炭表層の断面組織には光学顕微鏡と FE-SEM を用いて，焼入れ層，旧 γ 粒径ならびにラスマルテンサイト様相を観察した．また，Ga イオン ⁻FIB 加工により，透過型電子顕微鏡（ TEM）用薄片を得た．最表面から深さ 12.5 µm の場所を内部組織走査型透過電子顕微鏡（ STEM）と TEM で観察した [2]．  ３．  実験結果及び考察  LH 前後の疲労試験結果を Fig.2 に示す． LH 未処理材のピッチング発生までの疲労寿命は 1.7×106 サイクルである（ Step1）．図中のパーセントは破断寿命数に対する中断サイクル数の比率である．中断材（ Step2-5）に対して LH を施し，再試験した．Step2（ 15%中断）では 6.5×10⁶サイクルで LH 未処理材の破断寿命の 3.8 倍， Step3（ 50%中断）では 5.5×10 6 サイクルで 3.2 倍， Step4（ 75%中断）では 4.5×106 サイクルで 2.7 倍，Step5（ 85%中断）では 2.3×10 6 サイクルで 1.3 倍となった．中断比率が高くなる程，LH 後の寿命は短くなっており，85%中断材では LH 処理による長寿命化の効果はほぼ消失するが， 75%中断材までは顕著に長寿命化した．  S tep2 の 50％中断材では 2mm 幅の摺動痕はあるものの割れは全く存在しなかった．LH 後の Step3 では摺動痕は消えないものの 4mm 幅の焼入れ領域が認められた．Step4 と 5 の LH 処理・未処理材ではいずれもピッチングが形成されており，両者に破断形態の違いはなかった．試験前（ Step1）の表層断面組織ではラスマルテンサイト相の中に，炭化物の存在しない平坦なコトントラストを有する γR が認められた．50％中断材（ Step2）では γR がほとんど消失した．一方、Fig.3 に示す LH 後の Step3では，ラスマルテンサイトの中に γR  が再び形成された．破断後の Step4 では γR がほぼ消失し，フルマルテンサイトとなった．XRD によると LH 後の Step3 の γR のデバイ環の強度は Step1 よりも大きくなっており， Step2 と 4 で γR の強度が小さくなっていることから，微細組織様相の傾向と良く一致した．  F ig .4 に LH 未処理と処理材の旧 γ 粒様相を示す．未処理材の粒径 10µm に比べて，LH 処理材では粒径 5µm と顕著に微細化した．講演で示す STEM 像における Step1の低倍率像では，同一のコントラストを有する領域としてマルテンサイトラスと板状のラスが同じ向きで並んでいる領域（パケット）が認められ，高倍率になると，同一の結晶方位を有するラス内において，転位に対応するコントラストの不均一性が顕在化する．摺動疲労の中断材である Step2 では，パケットに相当する領域において，すべり線の痕跡が直線上に形成されており，パケット境界を挟んで対称的であることから典型的な双晶すべりの様相を呈している．一方，すべり線が顕在化しないパケット領域もあるため，すべり線はパケット単位で局所的に形成されており，巨視的な塑性変形に至っていないと推測される．  LH 後の Step3 では，ほぼ全域に渡ってすべり線が消滅しており，一部のパケットに残存しているすべり線もその間隔が広くなっている．板状のラスが判別し易くなり，Step1 の状態に近くなっている．巨視的な破壊が形成される Step4 では，摺動疲労による塑性流動により，すべり線が不明瞭になると共にパケットを超えて一方向に並んでいるすべり線の痕跡がわずかに認められる．また，板状のラスが判別しにくくなり，転位の再配列による転位セル（サブグレイン）が形成されている．サブグレインの形状は等方的であり，そのサイズはラス幅と同じであることから，ラス内に形成されていると考えられる．講演で示す TEM 像においても， Step1 では，STEM 像と同様にラスが明瞭であり，摺動疲労の中断材である Step2 では一部のラス内がサブグレイン化している．LＨを施した Step3 では転位の回復に伴い，ラスが明瞭になっている．巨視的な破壊が形成される Step4 では全域にわたってサブグレイン化が顕著に進行している．上記の通り， STEM 像ではすべり線を，TEM 像ではサブグレインの形成プロセスをそれぞれより明確に判別することができる．  表層域は摺動疲労によりサブグレイン化するため， LH 加熱時に再結晶する際にサブグレインが生成核の役割を担い，尚且つ瞬時に加熱・冷却するために旧 γ 粒が約 5µｍに微細化すると考えられる．疲労破壊は粗大な結晶粒を発生起点とする場合があることから，起点の欠陥サイズを微細化することで疲労限強度を向上させると推測される．さらに，サブグレイン境界は炭素のトラップサイトとして作用するために，LH の加熱時に脱炭することなく，γ 相の温度域が保持されるために，浸炭された高い炭素ポテンシャルに相当する γR が現出すると推測される．またこの際には， LH 未処理時の新品材の比率以上に γR が回復すると考えられる．  上記の通り，LH のタイミングを最適化することで，結晶粒微細化によるき裂発生の抑制， γR の分散強化によるき裂進展抑制の複合メカニズムにより，疲労損傷を回復させるばかりでなく，長寿命化を図ることが可能になると考えられる．（結論省略） 参考文献  [1]金澤智尚 ,  早川正夫 ,  吉本光宏 ,  田原佑規，畑  典仁 ,  目黒  奨 ,  廣戸孝信 ,   松下能孝 ,  菅原道雄：日本金属学会誌 ,  85(2021)198-206.     h t tps: / /doi .org/10.2320/j instmet . j2020034 [2]  T.Kanazawa,  M.Hayakawa, Dan Vinas,  Y.Tahar,  N.Hata ,  M.Yoshimoto:  J .  Mater.  Research and Technol . ,24(2023)39-48.  ht tps: / /doi .org/10.1016/j . jmrt .2023.02.226                F ig .1  Process of  rol ler-pi tching tes t ing.  https://doi.org/10.2320/jinstmet.j2020034https://doi.org/10.1016/j.jmrt.2023.02.226            F ig .2  Sl iding fa t igue l i fe  of  each condit ion for  rol ler-pi tching tes t ing.              F ig .3 SEM image of cross-sect ions showing martensi te  and re ta ined austeni te  (γR )  (Step 3) .              F ig .4  SEM images of  sect ion s tructure:  the  part ic le-s ize  change from 15 to  20 µm (Step 1)  to  5  µm (Step 3).  Step31 μmγR