# Fileset

[TextR2.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/25329aa6-3692-4bd1-8112-b3d8a7723a36/download)

## Creator

[Hideki Katayama](https://orcid.org/0000-0001-7947-4687), Yuto Yoshida, [Takaya Akashi](https://orcid.org/0000-0003-4215-4027), [Mariko Kadowaki](https://orcid.org/0000-0002-8988-3545), [Yoshiharu Murase](https://orcid.org/0000-0001-7390-851X), [Yusuke Tsutsumi](https://orcid.org/0000-0002-9483-1256)

## Rights

[Creative Commons BY-NC-ND Attribution-NonCommercial-NoDerivs 4.0 International](https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/)

## Other metadata

[Corrosion Risk Prediction of Carbon Steels by Hyperspectral Analysis](https://mdr.nims.go.jp/datasets/c1d19e34-122e-4ff4-987e-854794bc6072)

## Fulltext

1  Abstract: 1 The utility of hyperspectral measurement was assessed as a means of predicting the corrosion 2 risk of steel materials based on surface information. Carbon steels exposed to outdoor conditions in 3 Choshi and Miyakojima were used as the test specimens. Exposure tests were conducted every six 4 months for a duration of two and a half years. Corrosion loss was calculated by comparing the 5 weight of specimens before exposure test and after removing corrosion products from the surface. 6 Hyperspectral measurements were conducted on these specimens, with corrosion products 7 identified through SAM (Spectral Angle Mapper) analysis. -FeOOH, -FeOOH, -FeOOH, and 8 Fe3O4 were employed as reference data for SAM analysis. In both Choshi and Miyakojima test 9 sites, -FeOOH was predominantly detected on the specimens after ordinary exposure tests, 10 whereas Fe3O4 was prevalent on the specimens exposed to sheltered environments. The correlation 11 between the proportion of each corrosion product identified through SAM analysis and the amount 12 of corrosion change for one year was explored. -FeOOH exhibited a positive correlation with the 13 amount of corrosion change, whereas the amount of corrosion change tended to decrease with an 14 increase in -FeOOH fraction. 15  16 Keywords: 17 Hyperspectral measurement; Carbon steel; Corrosion; Corrosion product; Exposure test . 18  19   20 2  1. 緒言 21 我が国のインフラ構造物の多くは高度経済成長期に建設されており，近年は腐食による22 高経年劣化が大きな問題になっている。このような状況下で，従来のようなインフラが大23 きく損傷してから修理・修繕する事後保全型の維持管理を続けた場合，2048 年度までに24 約 12.3 兆円の費用が必要になると試算されている。これに対し，適切に点検をしてイン25 フラが致命的なダメージを受ける前に少しずつメンテナンスを重ねる予防保全型メンテナ26 ンスを実施した場合，およそ 50％のコスト低減が期待できると報告されている 1)。しかし27 ながら，橋梁では全体のおよそ 9 割を地方公共団体が管理しており，維持管理に携わる専28 門人材の不足や維持管理コストなどの経済面の課題を抱えている地方公共団体において29 は，維持管理そのものの負担が非常に大きく，より簡便で効率的かつ客観的に予防保全型30 維持管理が可能な劣化診断技術が求められている。 31 現在のインフラ構造物の腐食劣化診断は，診断者の主観が多分に含まれる近接目視 2)が32 主流であるが，近年では，客観的かつ定量的評価法として光学的な診断技術が提案されて33 いる。Choi ら 3)は，デジタルカメラなどによる撮影画像を色，テクスチャ，形状の 3 つの34 カテゴリーによって特徴づけ，腐食損傷を均一腐食，隙間腐食，孔食，フレッティング腐35 食，粒界腐食に自動的に分類する手法を提案している。また，Feliciano ら 4)は，大気腐36 食試験を行った ASTM A36 鋼について表面外観の連続写真を取得し，それらのテクスチャ37 分析から表面劣化速度の指標を得ることができると報告している。さらに，萩原ら 5)は農38 業用排水路で用いられる鋼矢板の表面画像におけるテクスチャの均質性と空間的異方性か39 ら，非腐食，腐食および孔食の定量評価の可能性を示唆している。しかしながら，いずれ40 の手法も外観から腐食の有無や形態，その範囲を評価する腐食劣化診断技術であり，効率41 的に予防保全型管理を行うためには，簡便で定量的に評価できるだけでなく，評価した腐42 食状況からその後に腐食が進行するのか，現状維持なのかなど腐食リスクまで予測できる43 ことが重要である。そこで，診断ツールとして，波長をより細かく分光することで人間の44 目やデジタルカメラでは評価困難な物質の特性や状態などを可視化できるハイパースペク45 トルカメラに着目した。 46 3  ハイパースペクトルイメージングは，スペクトル情報を紫外線域から近赤外線域の広い47 波長帯において詳細に分光イメージングする技術であり 6)，得られるハイパースペクトル48 画像は，二次元の位置情報に加え，その場所の特性を示す情報の三次元データとなる。近49 年，ハイパースペクトル測定による評価・解析は幅広い分野で使用されており，事例とし50 て，ゴムシートやコンクリートなどの材料の劣化評価 7-9)や森林の植生や活力度の調査 10, 51 11)などがある。また，金属の腐食に関連した適用例としては，車両フレームのさびの進行52 度を可視化した例 12)がある。さらに，小林ら 13)は鉄鋼材料のハイパースペクトルについ53 て正規化指数解析をおこない，得られた指標により耐食性評価が可能であることを示し54 た。しかしながら，正規化指数解析は，外観のさびの色の反射特性を指標化した解析であ55 り，得られた指標の物理的意味は十分明らかになっていない。 56 本研究では，鉄鋼材料の表面の情報からその後の腐食リスクを予測する手法を確立する57 ことを目的として，屋外で腐食試験した炭素鋼についてハイパースペクトル解析を行い，58 形成される腐食生成物の識別を行った。さらに，腐食変化量と識別した腐食生成物量との59 関係を調査し，腐食リスクを予測する手法としてのハイパースペクトル測定の有用性につ60 いて検討した。 61  62 2. 実験方法 63 2. 1 試料 64 鉄系腐食生成物の同定を行うための教師スペクトルの測定用試料には，4 種類の既知の65 鉄系腐食生成物（-FeOOH，-FeOOH，-FeOOH，Fe3O4）を用いた。測定前の準備とし66 て，メノウ製の乳鉢および乳棒を用いてそれぞれおよそ 10 分間粉砕した。  67 ハイパースペクトル解析の有用性を検証するための試験片には，屋外環境で暴露試験し68 た炭素鋼を用いた。炭素鋼のサイズは 170 x 70 x 5t (mm)であり，試験片の化学成分は69 Table 1 に示す通りである。試験片表面を Ra 0.4～1.6m 程度で研削後，2021 年 4 月から70 2023 年 10 月までの期間において，日本ウェザリングテストセンター銚子試験場（北緯71 35°43’，東経 140°45’）および宮古島試験場（北緯 24°44′，東経 125°19′）で直接暴露試験72 4  および遮蔽暴露試験 14)を実施した。暴露試験期間中の銚子試験場および宮古島試験場の73 環境データの平均値を Table 2 に示す。試験片の暴露試験期間は 0.5，1.0，1.5，2.0，2.574 年であり，それぞれ n=4 で試験を行った。腐食減量は 4 枚のうち 3 枚を用いて，腐食生成75 物を除去後，重量測定を行い暴露試験前の重量との差を平均して求めた。ハイパースペク76 トル測定は，残りの１枚で行った。 77  78 2. 2 ハイパースペクトル測定 79 ハイパースペクトル測定には，分解能 5 nm で 350 nm – 1100 nm の測定波長範囲のスペ80 クトル画像を取得できるハイパースペクトルカメラ（エバ・ジャパン社製 NH-7）を用い81 た。Fig.1 に測定システムの外観図を示す。試料は試料台に水平になるように設置し，鉛82 直下向きに配置されたハイパースペクトルカメラにより上方から測定した。測定する際の83 光源にはハロゲンランプを用い，3 方向から同時に照射した。光を均一に照射するため，84 試料の周囲には光拡散ボックスを設けた。測定手順としては，最初に光源データとして白85 板を被写体として撮影し，次に測定対象物を撮影した（分光データ）。各ピクセルで分光86 データを光源データで除算することにより反射率を求めた。測定は Fig.2 に示す全域ある87 いは中心部の四角で囲った領域に対して，それぞれの試料について 5 回測定を行い，解析88 にはその平均スペクトルを用いた。なお，本研究での撮影時の明るさについては，スキャ89 ンレート 100 line / sec，ゲイン 50 の一定条件で調整した。 90  91 2. 3 ハイパースペクトル解析 92 ハイパースペクトル解析には，SAM（Spectral Angle Mapper）解析を用いた。SAM 解析93 は結果の物理的解釈が容易であること，バンド数（測定できる波長の数）が多いハイパー94 スペクトルデータに対しても計算負荷が小さいことから，ハイパースペクトルデータの解95 析で広く用いられている 15, 16) 。SAM 解析は，Fig.3 に示すように教師ベクトルｓと対象96 物の計測ベクトルｘとのベクトル間の角度 θ から物質の同定を行う解析方法であり，スペ97 クトル間の角度を類似度 a として(1)式のように定義される。本研究では，4 種類の鉄系腐98 5  食生成物のハイパースペクトルに対して，2 つの解析波長から教師ベクトルを決定し，こ99 れを用いて未知の鉄系腐食生成物のベクトルとの類似度を求め，最も類似度が高い鉄さび100 を未知の鉄さびと判別した。 101 𝑎 = 𝑐𝑜𝑠𝜃 =𝑥 ∙ 𝑠|𝑥||𝑠|(1) 102  103 3. 結果と考察 104 3. 1 既知の鉄系腐食生成物のハイパースペクトル 105 -FeOOH，-FeOOH，-FeOOH，Fe3O4 のハイパースペクトル測定結果を Fig.4 に示106 す。それぞれの腐食生成物のスペクトル形状の特徴として，-FeOOH は 580 nm 付近と107 760 nm 付近，-FeOOH は 740 nm 付近，-FeOOH は 600 nm 付近と 790 nm 付近でそれぞ108 れ反射率が高くなるスペクトルがみられた。一方，Fe3O4 は黒色の腐食生成物であるため109 か，特徴的な反射スペクトルはみられなかった。以上のように，それぞれの腐食生成物は110 特徴的なスペクトルを示しており，ハイパースペクトル測定によって 4 種類の鉄系腐食生111 成物の識別が可能であることがわかる。 112  113 3. 2 SAM 解析における解析波長の検討 114 2.3 で示したように SAM 解析では 2 つの波長を用いて解析を行うため，それらの波長が115 解析精度に影響を及ぼす可能性がある。そこで，SAM 解析を行うための最適な波長につい116 て，マッピング画像における腐食生成物の識別精度により調査した。識別精度の調査に117 は，マッピング画像内の色ごとのピクセル数をカウントできるビットマップ画像編集・加118 工ソフトウェア（GIMP：GNU Image Manipulation Program）を用いた。Fig.4 のハイパー119 スペクトル測定結果から，解析波長の一つは 3 種類の FeOOH の反射率が最も低くなる 500 120 nm とした。もう一つの解析波長については，FeOOH がそれぞれ特徴的な反射率を示す121 750nm から 800nm の範囲で 10nm ごとに最適値を調査した。 122 Fig.5 に識別精度の結果として，-FeOOH の例を示す。図中の円形部分が-FeOOH を堆積123 6  させた部分であり，-FeOOH；青色, -FeOOH；黄色, -FeOOH；赤色, Fe3O4；灰色として124 識別されるように色の設定を行った。その他の腐食生成物についても同様に，750nm から125 800nm の範囲で識別精度を計算した。その結果を Table3 に示す。-FeOOH において，いず126 れの解析波長でも 99％以上の識別精度となったが，750-770nm のときの識別精度が最も高127 く，780nm 以上では識別精度は低下した。Fe3O4 はどの解析波長においても識別精度がほ128 とんど変化しなかったが，-FeOOH, -FeOOH は解析波長が 750 nm および 760 nm の時に129 識別精度が高くなった。 130 Fig.6 に解析波長が 750 nm と 800 nm の時の各鉄系腐食生成物のベクトルの傾きを示131 す。-FeOOH は-FeOOH と-FeOOH の間にあり，800nm の時には-FeOOH に，750nm の時に132 は-FeOOH に近くなる傾向がみられた。SAM 解析では，各ベクトル間の角度差が大きくな133 れば，より識別精度が向上すると考えられることから，本研究においては，鉄系腐食生成134 物の SAM 解析に用いる解析波長を 500 nm と 760 nm とした。 135  136 3. 3 屋外暴露試験の結果 137 銚子試験場及び宮古島試験場で炭素鋼の直接および遮蔽暴露試験を行ったときの腐食減138 量の経時変化を Fig.7 に示す。暴露試験期間が長くなるとともに腐食減量は増加し，腐食139 環境の厳しい宮古島の方がその傾向が顕著であることが分かる。また，今回の暴露試験で140 は，どちらの試験場においても１年目までは直接暴露試験での腐食減量が大きくなってい141 た。直接暴露試験では，降雨により表面に付着した飛来海塩などの腐食性物質が洗い流さ142 れる効果があることが知られているが 17-19)，本研究での暴露試験期間においては 1 年目ま143 では主に降雨や結露などの濡れによる腐食の影響が大きかったと考えられる。一方，1.5144 年目以降では，遮蔽暴露試験での腐食減量が逆転し，大きくなっていた。海浜地域におけ145 る遮蔽環境では，降雨などによる飛来海塩などの腐食性物質が洗い流されないために，表146 面で海塩の蓄積が生じることが知られている。この場合，付着塩の吸湿により濃厚塩溶液147 に長時間，さらされることになり腐食は大きく進行する。2.0 年から 2.5 年の遮蔽暴露試148 験での腐食減量の変化が直接暴露試験と比較して非常に大きくなっており，これは付着塩149 7  の蓄積による濡れ時間の増大が大きな要因として考えられる。 150  151 3. 4 SAM 解析による暴露試験片に形成された腐食生成物の識別 152  銚子試験場および宮古島試験場で直接および遮蔽暴露試験を行ったすべての試験片につ153 いて，ハイパースペクトルを測定し SAM 解析を行った。その二次元マッピングの例とし154 て，1.5 年間暴露試験を行った試験片の結果を Fig.8 に示す。銚子試験場，宮古島試験場155 ともに，直接暴露試験片では全体的に-FeOOH が多く存在するのに対し，遮蔽暴露した試156 験片では，主に Fe3O4が検出されているのが分かる。 157 鉄の腐食生成物の成長については，Evans Model20, 21)が提唱されており，このモデルに158 よると，昼間の乾燥状態での腐食生成物は，主に FeOOH になると示されている。 159 Fe → Fe2+ + 2e− (2) 160 2Fe2+ +12O2 + 3H2O → 2FeOOH + 4H+ (3) 161 Fe2+ + 8FeOOH+ 2e− → 3Fe3O4 + 4H2O (4) 162 一方，湿潤環境に置かれると腐食生成物の還元と，その対となる下地鉄の酸化が起こり，163 下地鉄の酸化で生成した Fe2+は FeOOH と反応して酸化数の低い鉄系酸化物に変化する。す164 なわち，湿潤環境では上記(2)-(4)の反応により Fe3O4が多く存在すると考えられる 22)。165 海浜地域の遮蔽環境では飛来海塩等の腐食を誘発する物質の蓄積が生じ，それらの吸湿に166 より試験片は長時間，湿潤環境にさらされると考えられることから，Fig.8 に示した鉄系167 腐食生成物の検出結果は妥当な結果といえる。 168  169 3. 5 腐食生成物の表面存在割合と腐食変化量との関係 170  腐食状態から腐食を予測するためには，腐食評価によるパラメータと腐食変化量との相171 関を調査する必要がある。表面に形成される腐食生成物は，それまでの腐食挙動の結果で172 あるとともに，その後の腐食特性にも影響を及ぼすと考えられる。山下ら 23, 24)は，耐候173 性鋼に形成されるさび層の保護性能を定量的に評価する手法として，内部標準定量 X 線回174 折法で分析されたさび中の-FeOOH と-FeOOH の質量比を/値として指標化し,この値が175 8  2 を超えると保護的に働くさびと診断する方法を提案している。また，/値について176 は，海浜地域で生ずる層状剥離さびにおいても/値が高い値を示す場合があり，指標と177 して/*値(* = -FeOOH+-FeOOH+Fe3O4)に修正されている 25)。 178 Fig.9 に，SAM 解析による各腐食生成物の表面存在割合とその後の１年間の腐食変化量179 との関係を示す。本研究の暴露試験では 0.5 年ごとに腐食試験片のサンプリングを行って180 いるが，腐食変化量を 0.5 年ごとで考えた場合，腐食挙動に対する季節の影響が出てしま181 う可能性があるため，１年後の腐食変化量を用いた。例えば，0.5 年間暴露試験した試験182 片のハイパースペクトル解析による腐食生成物の表面存在割合に対して，腐食変化量に183 は，0.5 年目の腐食減量と 1.5 年目の腐食減量との差を用いた。 184 -FeOOH と Fe3O4については，検出された-FeOOH と Fe3O4の表面存在割合と腐食変化量185 にほとんど相関が見られず，腐食を予測するための指標としては適していないことがわか186 った。しかしながら，Fig.8 ですでに示しているとおり，-FeOOH は主に直接暴露試験し187 た試験片で，Fe3O4は主に遮蔽環境にさらされた試験片で検出されており，湿潤環境に長188 くさらされていたなど定性的ではあるが，-FeOOH と Fe3O4の表面存在割合によって環境189 側の有用な情報を得ることができる可能性が示された。 190 -FeOOH については，腐食変化量と正の相関が認められた。一般に，-FeOOH は熱力学191 的に安定な腐食生成物として知られており 25)，耐候性鋼では，/や/*による腐食生成192 物の保護性能の有用性が示されている。これは，腐食生成物内の-FeOOH の割合が大きく193 なると腐食生成物の保護性が高くなり，腐食が抑制されることを意味する。しかしなが194 ら，耐候性鋼のさび層の構造は外層と内層の 2 層構造になっているのに対し，炭素鋼の場195 合，FeOOH と Fe3O4が混在していることが報告されており 26)，耐候性鋼と同様には整理で196 きないと考えられる。腐食生成物の表面に存在する-FeOOH が耐食性に対してマイナスに197 働く可能性としては，その微細構造による結露や毛細管凝縮のしやすさがあげられる。198 OKADA ら 27)は，メスバウア分光測定により大気腐食で形成される-FeOOH の粒子サイズは199 非常に小さいことを報告している。結露や毛細管凝縮のしやすさについては，(5)式に示200 すように，曲率のない通常の液面上の蒸気圧(P0)に比べ，凹面をもつ液面上の蒸気圧(P)201 9  は小さいことが知られており，曲率の小さな細孔があるほど飽和蒸気圧は小さくなり，湿202 度が 100％にならなくても水の凝縮が生じる 28)。 203 log10𝑃𝑃0=−2𝜎𝑉𝑟𝑅𝑇(5) 204 ここでは表面張力，V は分子容，r は毛管の半径，R は気体定数，T は絶対温度である。205 したがって，微細構造をもつ-FeOOH が表面に存在する場合，毛細管凝縮を生じやすくな206 る可能性がある。 207  一方，-FeOOH については，表面存在割合が大きくなるほど腐食変化量が小さくなる傾208 向を示した。一般に，-FeOOH は非常に飛来海塩粒子が多く腐食が厳しい環境下で生成さ209 れる腐食生成物として認識されており 29)，腐食量と-FeOOH は比例すると考えられてい210 る。しかしながら，Fig.9 の結果はそれとは逆の傾向を示した。この結果については，篠211 原ら 30)も宮古島試験場で直接暴露試験を行った Fe-Ni 合金について，さびの X 線定量分212 析から-FeOOH 生成量の増加とともに腐食減量が減少することを示している。この理由と213 して，-FeOOH はその結晶を構成する FeO3(OH)3 8 面体のネットワーク間に Cl-を含有する214 31)ことが知られており，塩化物イオンの固定化 22)などにより内部への Cl-の浸透が抑制さ215 れ，その後の腐食の進行を抑えるように機能したのではないかと考えられる。 216  以上にように，ハイパースペクトルの SAM 解析から 4 種類の腐食生成物に識別し，-217 FeOOH や-FeOOH の表面存在割合が腐食変化量と相関があることを示した。しかしなが218 ら，SAM 解析では，類似度の高さで腐食生成物を識別してしまうため類似度が 1 以外は，219 それに近い腐食生成物と識別することになる。この手法でもある程度の識別率は維持でき220 ると考えられるが，さらなる識別率の向上のためには，腐食生成物を混合したサンプルで221 の教師スペクトルデータの蓄積，別の解析手法の検討などが今後の課題である。 222  223 4. 結言 224 本研究では，鉄鋼材料の表面の情報からその後の腐食リスクを予測するツールとしてハ225 イパースペクトルに着目し，屋外で腐食試験した炭素鋼についてハイパースペクトル解析226 10  を行い，形成された腐食生成物を識別した。さらに，その表面存在割合と腐食変化量との227 関係を調査した結果，以下のことがわかった。 228 1) ハイパースペクトルの SAM 解析によって，炭素鋼表面に形成された腐食生成物の識229 別割合の評価が可能である。 230 2) 直接暴露試験を行った試験片では主に-FeOOH，遮蔽環境にさらされた試験片では231 主に Fe3O4 が検出された。 232 3) 1 年間の腐食変化量に対し，-FeOOH の表面存在割合は正の相関，-FeOOH の表面233 存在割合は負の相関がある。 234 4) 炭素鋼の腐食リスクの予測技術として，ハイパースペクトルによる表面外観測定の235 有用性が確認された。 236  237 謝辞 238 本研究は，日本鉄鋼協会研究会 I「インフラ劣化診断のためのデータサイエンス研究239 会」からの支援により遂行されたものである。ここに謝意を表する。 240  241 文献 242 1) Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism, Government of Japan: Document of 243 Cabinet Office, (Promotion for preventive maintenance countermeasures of ageing 244 infrastructures), (November 5, 2020), https://www5.cao.go.jp/Keizai-245 shimon/kaigi/special/reform/wg6/20201110/pdf/shiryou1-1.pdf, (accessed 2024-04-19) (in 246 Japanese).  247 2) Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism, Government of Japan: Document of 248 Cabinet Office, (Guidelines for periodic inspection of road bridges), (February, 2019), 249 https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/tenken/yobo4_1.pdf, (accessed 2024-04-19) (in 250 Japanese). 251 3) K. Y. Choi and S. S. Kim: Corros. Sci., 47(2005), 1. https://doi.org/10.1016/j.corsci.2004.05.007 252 11  4) F. F. Feliciano, F. R. Leta and F. B. Mainier: Corros. Sci., 93(2015), 138. 253 http://dx.doi.org/10.1016/j.corsci.2015.01.017 254 5) T. Hagiwara, Y. Shimamoto, T. Suzuki, N. Otaka and Y. Fujimoto: IDRE Journal, 88(2020), 145 255 (in Japanese). https://doi.org/10.11408/jsidre.88.I_145 256 6) S. Ono: IEICE ESS Fundamentals Review, 14(2020), 138 (in Japanese). 257 https://doi.org/10.1587/essfr.14.2_138 258 7) J. Arita, T. Endo, K. Okuyama, S. Ochi and Y. Yasuoka: SEISAN KENKYU, 53(2001), 615 (in 259 Japanese). https://doi.org/10.11188/seisankenkyu.53.615  260 8) T. Nakajima, T. Endo and Y. Yasuoka: SEISAN KENKYU, 56(2004), 190 (in Japanese). 261 https://doi.org/10.11188/seisankenkyu.56.190  262 9) D. B. Siano, W. Abdullakasim, A. Terdwongworakul and K. Phuangsombut: Sens. Bio-Sens. 263 Res., 33(2021), 1. https://doi.org/10.1016/j.sbsr.2021.100441 264 10) H. P. Sato, S. Miyasaka, H. Makita, H. Yagi, M. Korai: J. of JSPRS, 45(2006), 32 (in Japanese). 265 https://doi.org/10.4287/jsprs.45.5_32 266 11) Y. Morikawa and I. Furukawa: Res. Bull. Tottori Univ For., 24(1996), 55 (in Japanese).  267 12) Iris Co.: Report for Quality management, https://hokkaido-sat.co.jp/quality_management, 268 (accessed 2023-12-22) (in Japanese). 269 13) Ryo Kobayashi, Hideki Katayama, Takaya Akashi: Zairyo-to-Kankyo, 70(2021), 354 (in 270 Japanese). https://doi.org/10.3323/jcorr.70.354 271 14) JIS Z 2381: 2017, General requirements for atmospheric exposure testing (in Japanese).   272 15) Yasushi YAMAGUCHI: J. Rem. Sens. Soc. Jpn, 39(2019), 241 (in Japanese). 273 https://doi.org/10.11440/rssj.39.241 274 16) Y. Amano and N. Takagi: J. Environ. Eng., 70(2005),49 (in Japanese). 275 https://doi.org/10.3130/aije.70.49_1 276 17) T.Shinohara: J. Surf. Sci. Soc. Jpn., 36(2015), 4 (in Japanese). https://doi.org/10.1380/jsssj.36.4 277 18) S.Hara, M.Miura, Y.Utsumi, T.Fujiwara and M.Yamamoto: Zairyo-to-Kankyo, 54(2005), 344 278 12  (in Japanese). https://doi.org/10.3323/jcorr1991.54.344 279 19) M.Takeba, M.Ohya, R.Adachi, S.Ajiki, J.Ota, R.Gan-ei, N.Kiatagawa, T.Furukawa, 280 Y.Matsuzaki and T.Aso: Zairyo-to-Kankyo, 57(2008), 188 (in Japanese). 281 https://doi.org/10.3323/jcorr.57.188 282 20) U. R. Evans: Corros. Sci., 9(1969), 813. https://doi.org/10.1016/S0010-938X(69)80074-0 283 21) U. R. Evans and A. A. J. Taylor: Corros. Sci., 12(1972), 227. https://doi.org/10.1016/S0010-284 938X(72)90671-3 285 22) T. Ohtsuka: 211st and 212nd Nishiyama Memorial Seminar, ISIJ, Tokyo, (2012), 8 (in 286 Japanese). 287 23) M. Yamashita, H. Miyuki, H. Nagano and T. Misawa: Zairyo-to-Kankyo, 43(1994), 26 (in 288 Japanese). https://doi.org/10.3323/jcorr1991.43.26 289 24) M. Yamashita, H. Miyuki and H. Nagano: Sumitomo Met., 47(1995), 4 (in Japanese). 290 25) T. Kamimura, M. Yamashita, H. Uchida, H. Miyuki: J. Jpn. Inst. Metals and Materials, 291 65(2001), 922 (in Japanese). https://doi.org/10.2320/jinstmet1952.65.10_922 292 26) H. Okada, Y. Hosoi, K. Yukawa, H. Naito: Tetsu-to-Hagané, 55(1969), 355 (in Japanese). 293 https://doi.org/10.2355/tetsutohagane1955.55.5_355 294 27) T. Okada, Y. Ishii, T. Mizoguchi, I. Tamura, Y. Kobayashi, Y. Takagi, S. Suzuki, H. Kihira, M. 295 Itou, A. Usami, K. Tanabe and K. Masuda: Jpn. J. Appl. Phys., 39(2000), 3382. 296 https://doi.org/10.1143/JJAP.39.3382 297 28) I. Matsusima: J. Jpn. Soc. Colour Mat., 49(1976), 669 (in Japanese). 298 https://doi.org/10.4011/shikizai1937.49.669 299 29) T. Misawa: CORROSION ENGINEERING, 32(1983), 657 (in Japanese). 300 https://doi.org/10.3323/jcorr1974.32.11_657 301 30) National Institute for Materials Science: NIMS Materials Data Sheet Technical Document 302 No.18, NIMS, Tsukuba, (2006), 55 (in Japanese). 303 31) U. Schwertmann and R. M. Cornell: Iron Oxides in the Laboratory, Wiley-VCH, Weinheim, 304 13  (2000), 1. 305  306   307 14   308   309   Graphical Abstract 15   310  311  312 Table 1  Chemical compositions (mass%) of specimens. 313 C Si Mn P S Fe 0.17 0.02 1.07 0.013 0.003 Balance                                                         (mass%) 314  315  316  317  318  319  320  321  322  323  324  325  326  327  328  329  330  331  332  333 16   334  335  336 Table 2  Average values of environmental data during exposure tests at Choshi and Miyakojima 337 test sites. 338  339  340  341  342  343  344  345  346  347  348  349  350  351  352  353  Choshi Miyakojima Ave. Air Temp. (℃) 16.8 24.4 Ave. RH (%) 78.4 83.3 Monthly Precipitation (mm) 162.1 178.7 Chloride deposition Rate  (mg NaCl/(m²･d)) 15.8 34.1 17   354  355  356 Table 3  Identification fraction of corrosion products by SAM analysis using each wavelength. 357 (%) 358  359  360  361  362  363  364  365  366  367  368  369  370  371  372  750 760 770 780 790 800 -FeOOH 94.3 93.3 92.6 92.4 92.2 92.0 -FeOOH 99.9 99.9 99.9 99.6 98.5 97.4 -FeOOH 99.9 99.9 99.9 99.6 99.2 99.2 Fe3O4 99.9 99.9 99.9 99.9 99.9 99.9 18   373  374  375  376  377  378  379  380  381  382  383  384  385 Fig.1  Scheme of the hyperspectral measurement system. 386  387  388  389  390  391  392  393  394  395  396  397  398 19   399  400  401  402  403  404  405  406  407  408  409  410  411  412 Fig.2  Hyperspectral measurement area. 413  414  415  416  417  418  419  420  421  422  423  424 20   425  426  427  428  429  430  431  432  433  434  435  436  437  438  439  440 Fig.3  Conceptual diagram of SAM. 441  442  443  444  445  446  447  448  449  450 21   451  452  453  454  455  456  457  458  459  460  461  462  463  464  465 Fig.4  Reflection spectra of -FeOOH, -FeOOH, -FeOOH and Fe3O4  466 using hyperspectral camera. 467  468  469  470  471  472  473  474  475  476 22   477  478  479  480  481  482  483  484  485  486  487  488  489  490  491  492  493  494 Fig.5  Identification fraction of -FeOOH by SAM analysis using each wavelength; -FeOOH; 495 blue, -FeOOH; yellow, -FeOOH; red, Fe3O4; gray. (color in print) 496  497  498  499  500  501  502 23   503  504  505  506  507  508  509  510  511  512  513  514  515  516  517  518  519  520  521  522  523 Fig.6  SAM classification for each iron corrosion product. 524  525  526  527  528 24   529  530  531  532  533  534  535  536  537  538  539  540  541 Fig.7  Change over time of corrosion loss of carbon steels exposed to ordinary and shel tered 542 environments at Choshi and Miyakojima test sites. 543  544  545  546  547  548  549  550  551  552  553  554 25   555  556  557  558  559  560  561  562  563  564  565  566  567  568  569  570  571  572  573 Fig.8  Two-dimensional mapping by SAM analysis for specimens exposed to outdoor 574 environment for 1.5 years. (a) Ordinary exposure test at Choshi, (b) sheltered exposure test at 575 Choshi, (c) ordinary exposure test at Miyakojima and (d) sheltered exposure test at Miyakojima.  576 (color in print) 577  578  579  580 26   581  582  583  584  585  586  587  588  589  590  591  592  593  594  595 Fig.9  Relationship between the identification fraction of each corrosion product by SAM analysis 596 and the change of corrosion loss over a year. 597  598  599  600