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[296_304__02-03-07-01_再.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/218c1a19-2f7a-4f2f-b215-783d2b2f02eb/download)

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[後藤 真宏](https://orcid.org/0000-0002-1003-2781)

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[薄膜材料のコンビナトリアル作製法と新規材料探索](https://mdr.nims.go.jp/datasets/ef28bda2-f1ab-4c30-818d-43a0ee19ade0)

## Fulltext

296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd第Ⅱ編　創製編─  296  ─1.　はじめに薄膜材料は，今日，我々の日常生活には欠くことのできないものとなっている。身近なものでは，眼鏡，カメラ，ミラー，ディスプレイ，その他光学機器の表面反射を低減する反射防止膜，光学フィルター，周囲の明るさ，温度，微弱電流印加などの外場によって調光可能なインテリジェントウィンドウのコーティング，コンピュータ関連では，CPU，メモリ，ハードディスク，CD・DVDなどの記録媒体，薄膜コンデンサ，エネルギー関係では，省エネルギーに寄与する低摩擦・摩耗コーティングなど，多岐・多様に用いられている。材料開発の基礎研究における薄膜材料の重要性も日増しに高まりつつある。薄膜作製プロセスにおいては，その組成，結晶構造・配向性，ナノ構造（超格子やナノ結晶分散など），傾斜機能を人為的に制御して作製することが可能であり，従来のバルク材料作製プロセスでは得られなかった特異な機能性発現の可能性が生じ，新規材料探索で行き詰っていた材料開発分野に風穴を開けることが期待されている。薄膜作製技術は，これまでにさまざまな手法が開発されてきた。これらは主にウエット・ドライの 2つのプロセスに分類でき，液体を用いて処理を行うウエットプロセスと材料表面を気相または溶融状態を用いて処理を行うドライプロセスが知られている。例えば，ウエットプロセスには，メッキ法，ゾル─ゲル法などが含まれ，ドライプロセスには，蒸着法，スパッタ法，化学蒸着法（CVD）などがある。これら多くの薄膜作製技術の詳細については，他の書籍・文献をご参照いただきたい1）-5）。このように非常に多くの薄膜作製法があるが，それぞれに優れた特徴を有し，それを生かした産業応用や基礎研究が行われている。ドライプロセスの中に含まれる幾つかの薄膜作製手法の特徴をまとめたものを表 1に示す。本稿でこれからご紹介する筆者が開発してきた薄膜作製法の狙いを以下に示す。前述の通り，新規機能性発現に向けて，①組成，結晶構造・配向性，ナノ構造（超格子やナノ結晶分散など），それらの傾斜機能を制御して薄膜の作製が可能で，②材料探索・開発のための基礎研究から応用研究まで広く活用できる材料作製手法を求めていた。よって，筆者は，表 1に示す通り，これらをすべて対応可能な手法の基盤としてスパッタ法を選択した。スパッタ法は，成膜時の実験パラメータの制御により，薄膜の性能を広く変えられることから，材料の新規機能性発現や性能向上に適した手法であり，材料開発分野で用いられてきた手法の 1つである。さらに，本手法は，薄膜の中でも厚い部類に属す数十 mmレベル以上の厚さのコーティングが可能であることから，産業応用が可能な技術としても知られている。これらから，スパッタ法は，基礎研究開発から産業応用までをシームレスに繋ぐことが可能な数少ない技術の1つであると言えよう。第7節　コンビナトリル手法1.　薄膜材料のコンビナトリアル作製法と新規材料探索Keyword1 傾 斜 構 造 無段階傾斜 段 階 的 傾 斜　（３ 段 以 上） ２段階傾斜2 傾 斜 範 囲 全 体 傾 斜 部 分 傾 斜 表 面 傾 斜 界 面 傾 斜3 傾 斜 意 図 新 機 能 化 高 機 能 化 劣 化 対 策 コスト削減4 傾 斜 対 象 組 成 傾 斜 組 織 傾 斜 機 能 傾 斜 構 造 傾 斜5 傾斜スケール マクロ傾斜 ミクロ傾斜 ナ ノ 傾 斜 サブナノ傾斜6 傾 斜 材 料 金 属 セラミックス 半 導 体 高 分 子 生 体 組 織296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   296296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   296 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第 3章　新設計方法─  297  ─また，近年，研究開発にかけられる予算や人的資源が抑制・削減されている一方，新規材料開発期間の短縮が要求されている。そこで，非常に効率良く材料探索が可能なコンビナトリアル法を取り入れた新規スパッタ法を開発してきた（表 1 右端：COSCOS参照）。筆者の目指すコンビナトリアル法は，研究者の経験やマテリアルズ・インフォマティックスによりもたらされる材料探索指針に基づいて，その予測部分を中心に材料探索を行うものであり，すべての材料探索空間を網羅的に探索可能な万能な技術ではない。しかしながら，これまでは指針がある場合でさえも，従来型の実験では，その効率の悪さゆえ，短期間で満足な新規材料開発ができなかった点を，当該手法では，大幅に改善することができ，すでに多くの分野で新規材料発見を実現してきた。本稿では，この独自に開発したコンビナトリ ア ル ス パ ッ タ コ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム（COmbinatorial Sputter COating System；COSCOS）の詳細についてご紹介する。2.　 コンビナトリアルスパッタコーティングシステム（COSCOS）COSCOSは，多くの分野の材料新機能化に役立つ装置である。短期間で効率良く，高性能な材料を発見し，速やかに産業応用に展開するために，材料探索からデバイス作製までを一貫して研究開発ができる。スパッタ法では，スパッタガス圧力，混合ガス種，混合ガス分圧，スパッタ電力，基板温度，基板─ターゲット間距離，バイアス電圧などの実験パラメータが多く存在する。そのうちのいずれかを変化させれば，異なる特性を有する薄膜が作製できる。また，仮にある優れた特性が得られたとして，それに着目して基礎研究の実施や応用展開を行うためには，再現性の良い薄膜作製が必要不可欠である。しかし，制御すべき実験パラメータの数が多いこと，作製される膜の再現性が乏しいことなどが課題とされていた。筆者は，これらの課題を解消し，さらに，ハイスループット材料探索を実現するため，2000年にスパッタコーティングにコンビナトリアル技術を導入した「コンビナトリアルスパッタコーティングシステム」（COSCOS）の基本概念を提唱し，システムの構築を行った6）-10）。効率の良い材料探索からデバイスなどの産業応用までを一気通貫して行えることが装置開発の理念であったため，従来のコンビナトリアル技術とは，コンセプトが一線を画すものとなっている（図 1）。特に注目すべき点は，従来のコンビナトリアル材料探索が，組成傾斜に重点を置かれたものであったのに対して（図 1左），当該手法は，組成傾斜のみではなく，結晶構造・結晶配向性，ナノ・ミクロン構造，プロセスの表 1　ドライプロセスにおける代表的な薄膜作製手法の特徴，材料開発に要求される項目毎の適合性適合性の良いものから順に◎，〇，△，×で記載，最右列は本稿で説明するコンビナトリアルスパッタコーティングシステム（COSCOS）の特性。296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   297296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   297 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第Ⅱ編　創製編─  298  ─変化といった構造傾斜，組織傾斜も取り入れた点が特徴である（図 1右）。一例を挙げて説明すると，組成傾斜が付けられたサンプルを異なる基板温度にて系統的に複数作製した場合には，その基板温度のパラメータにより，結晶構造やマクロ組織の異なる材料が創製される。もちろん，その他の実験パラメータを変化させて同様に異種コンビナトリアル材料を作製することができる。この中で優れた特徴を有した材料が発見されれば，同装置を用いて，それらを各サンプル全面に作製する段階に展開させることができるのである。これにより，材料探索の範囲は，大幅に拡張されるとともに，応用まで短期間でシームレスに行うことができるようになった。当該装置は，これを実現するべく，薄膜作製モード，物質探索モード，デバイス作製モードの 3段階のモードを備えている。3.　COSCOSの各種材料作製モードコンビナトリアル手法でミクロ傾斜材料を作製し，材料探索効率を向上させると，組成が位置的に連続的に変化していることから，ある同一組成を満たすサンプルの大きさは極めて小さくなり，物性評価できる手法が限定され，適応分野が狭くなる。また，その特性を有するサンプル領域を拡大するためには，あらためてそれに適した実験条件の最適化が必要となるため，応用へつなげるための障壁が大きい。一方，逆に応用に重点を置き，大面積のサンプルを作製し，物性評価を行う場合では，サンプル数が限定され，材料探索範囲が狭くなる問題がある。つまり，材料開発分野に適した材料探索法を見出す必要があった。COSCOSには，高効率な材料探索を行うモードから，速やかに応用に展開できるモードが準備されている。これらモードを特徴別に 3つに分類したものを図 2に示す。以下に順を追ってこれら各モードについての詳細を説明する。3.1　薄膜作製モード図 3（a）に COSCOSの概観写真を，図 3（d）に本システムの概略図を示す。本システムは，主に，真空チャンバー，マルチサンプルホルダ，スパッタカソード，真空排気システム，自動制御系から構成されている。真空チャンバー前面には，大型のハッチが設けられ，効率良くサンプルの出し入れが行える。真空チャンバーは，大容量のターボ分子ポンプにより真空排気され，ベーキングなしでも 10－6 Pa台の真空を実現することが可能である。実験内容によっては，ベーキング時のチャンバー壁からのコンタミが，サンプル基板表面を汚染し，再現性の良いサンプル作製ができなくなる問題が多々発生するため，これを避ける意味もある。材料元素の供給には，市販，および独自に開発した各種マグネトロンスパッタカソードを用い，適宜，RF，DC電源と組図 1　立体の作成方法従来，組成傾斜のみに注目されていたものを，COSCOSでは，構造傾斜，組織傾斜も変化させてより多くのコンビナトリアルサンプルを見出すことができる。296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   298296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   298 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第 3章　新設計方法─  299  ─み合わせて行っている。これにより，金属，セラミックス，半導体，高分子など，幅広い材料種の使用を可能としている。また，スパッタコーティングサンプルの膜特性の再現性をより高めるため，スパッタプロセス中は，真空チャンバー内の圧力をキャパシタンスマノメータ（CM）でモニタし，これとゲートバルブコントローラとを連動させることにより，設定した一定のスパッタガス圧力になるよう，フィードバック制御を行っている。CMを用いている最大の理由は，酸素 100％の設定でスパッタコーティングを実施するためであり，フィラメントを用いる真空計では，フィラメントが焼き切れるために高い濃度の酸素ガスを流すことはできないことに起因する。サンプルは，複数枚をマルチサンプルホルダ（図 3（c））にセットでき，一度の真空排気にて通常 14枚のサンプル作製が可能である。図 3（b）は，真空チャンバー前面の扉を開けた状態の内部の写真である。上側にサンプル交換機構，下側にはスパッタカソードが配置されている。サンプル交換機構の下部にはマスク板が配置され，複数のサンプルの中の 1カ所のみが，コーティングされる。そして，コーティングが終了すると，マルチサンプルホルダが回転して次のサンプルをそのコーティング位置に移動させる。また，個々のサンプル固定部は，アルミナスペーサにより，マルチサンプルホルダとの間の熱伝導を抑制されており，コーティング位置のサンプルのみをヒータで約 1,000℃まで加熱することができ，その 1,000℃の加熱時においても他の図 2　コンビナトリアルスパッタコーティングシステムの 3段階研究開発モードの特徴図 3　コンビナトリアルスパッタコーティングシステムの概観と概念図296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   299296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   299 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第Ⅱ編　創製編─  300  ─13枚のサンプルは常時水冷されており，温度上昇の影響を 100℃以内に抑制することができる。サンプルホルダには，ヒータと共に熱電対も同時に接触させることが可能で，一定の設定温度になるようにフィードバック制御されている。さらに，サンプルには，1,200 Vまでの直流バイアス電圧を印加可能である。基板－ターゲット間距離は，モーター駆動の直線導入機構を用いて変化させられる。コーティングパラメータとして，スパッタガス圧力，混合ガス種，混合ガス分圧，スパッタ電力，基板温度，基板─ターゲット間距離，バイアス電圧などを設定することができ，すべて外部の制御系からリモート制御することが可能である。図 4に，COSCOSの制御画面（左）とサンプルレシピテーブル画面（右）を示す。制御画面ではマニュアルでシステム各機能の操作や，現在のシステムの状態の確認ができる。その後，レシピをスタートすれば，全自動でコーティングプロセスが実行される。コーティング中の膜厚，温度，ガス圧力などは，リアルタイムモニタが可能で，また，これらはログファイルにも状況が保存されている。これらの情報，ならびに，サンプルの物性評価結果は，データベースに収納されており，これらのデータを活用して，マテリアルズ・インフォマティックス（MI）技術と融合し，新たな材料探索に用いられる。当該自動材料作製プロセスの利点は，薄膜サンプルの面積が比較的広く，応用に展開しやすいこと，プロセス時の研究者の負担を軽減し，実験を行いながら他の業務を行えること，また，当該プロセスに人的要因が入り込まないために再現性が良いことなどが挙げられる。これにより，従来，多大な労力を必要とし，躊躇されていた新規機能を有する薄膜材料の探索の試みや，その性能のさらなる向上が容易に行えるようになり，材料開発効率は飛躍的に向上している。3.2　物質探索モード物質探索モードは，従来の化学組成を連続的に変化させるコンビナトリアルサンプル作製をより高速，かつ，組成以外の条件も変化させるために開発されたものである。図 5に本モードの概念図を示す。3つのスパッタカソードからサンプルに向けて飛来する元素をそれぞれに対応させたスキマーにて一部分だけ切り出し，さらに拡散させてサンプルに堆積させることで濃度の無段階傾斜が付いた 3種類の元素を 1度のプロセスでコーティングすることが可能である。飛来する元素の量は，各スパッタカソードへの印加電力量等にて制御し，3元素の組成傾斜の混合具合は，各スキマー穴径・穴位置を回転・変化させることで調節することができる。また，この組成傾斜だけではなく，その他のパラメータ（例えば基板温度，バイアス，スパッタガス全圧など）も変化させて同様にコンビナトリアルサンプルを作製することが可能である。作製された数多くのコンビナトリアルサンプルは，数々の物性マッピング評価装置により解析され，さまざまな物性を効図 4　コンビナトリアルスパッタコーティングシステムのオペレーション画面とサンプル作製レシピ画面296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   300296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   300 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第 3章　新設計方法─  301  ─図 5　物質探索モードの概念図図 6　物質探索補助モードの概念図（a）サンプル基板上にレーザーマーキングで位置情報を刻印，（b）異なる 3元素を濃度傾斜をつけて基板上に高速成膜，（c）得られたコンビナトリアルサンプルについてのゼーベック係数・熱伝導率マッピング評価例，（d）同電気伝導率マッピング（（c），（d）の結果から，熱電性能を表す無次元性能指数：zTのマッピングが得られる），（e）同マイクロポイント XRD（結晶構造・配向性評価）マッピング，（f）同組成マッピング評価296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   301296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   301 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第Ⅱ編　創製編─  302  ─率的に取得することができ，これらのデータも，前述した薄膜作製モードと同様に，MI技術と融合し，材料探索に用いられる。このモードには，もう 1つ，より応用側に近い薄膜作製モードにつなげるための補助的なモードがある。図 6にその概念図を示す。これは，物質探索モードにより，必要とする物性を発現させるための材料作製条件がある程度絞り込まれたとき，それらの条件範囲をレシピに記入し，小型の移動マスク機構と組み合わせて 1つの基板上に複数のコーティング条件のサンプルを作製するものである。均一条件のコーティングエリアは，マスクの大きさで変化させることができる。例えば，1 mm×1 mm角エリアのサンプルを 20 mm×20 mm基板上に 400サンプル作製する。これを 14枚のマルチサンプルホルダにそれぞれ作製すると，5600サンプルが自動で作製できる。このモードの利点は，物性マッピング装置の評価エリアに制限があり，しかも，均一な材料部分をある程度確保しなければならない場合に有効である。また，5,600点の中から最適な材料が発見された場合には，この小型移動マスク機構を基板上から退避させるだけで，同レシピ情報に基づいて薄膜作製モードで広いエリアに同材料をコーティングできることも重要な特徴である。3.3　デバイス作製モード薄膜作製モード，および，物質探索モードを駆使すれば，高性能な各種新規材料が発見されるであろう。この場合には，分野によっては，速やかにデバイス素子の作製を行いたい場合も想定される。ここでは，薄膜熱電材料を例にとって，このデバイス作製モードを説明する。サンプルは，マルチサンプルホルダに 14枚設置されていることは前述した。このマルチサンプルホルダと，マスク板の間には，異図 7　デバイス作製モードの概念図（a）上からそれぞれ，電極，p型，n型熱電薄膜用のマスク，およびそれらを順に成膜してデバイスを作製する概念図，（b）実際に作製された Π型薄膜熱電デバイス例，（c）Π型薄膜熱電デバイスの模式図296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   302296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   302 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第 3章　新設計方法─  303  ─なる 14種類のマスクパターンが刻まれた回転式のマルチマスクホルダが配置されており，これらも，PCからの制御により，全自動で最適なパターンマスクが選択されてコーティングを行うことが可能である。随時必要に応じてこのパターンマスクは交換可能である。例えば，熱電デバイス（Π型）を作製するためのプロセスでは，最小限，p型，n型，電極の 3パターンのコーティングが必要となる。（図 7）これらプロセスをあらかじめレシピに記述することにより，全自動で薄膜熱電素子が作製できる。また，熱電材料と電極材料の相性や密着性などもデバイス性能を左右する要因となるが，それらの組み合わせや，最適な電極との密着性を実現するためのコーティング条件最適化にも当該モードを利用することができる。4.　COSCOSによる材料開発事例これまで，COSCOSを活用することにより，多分野で多くの新規材料の開発に成功している。紙面の都合上，それらの詳細をご紹介することはできないが，得られた成果の一部のダイジェストを図 8に示す。COSCOSを活用し，新規の低摩擦コーティング材料を見出し，ベアリングボールへ施し，高性能ベアリング応用に展開した例（薄膜作製モード）（図 8（a））11）－19），現在実用化されている最も一般的な熱電材料の 1つである BiTe系薄膜素子の効率最適化（薄膜作製モード），p型，n型を作り分けてデバイスモデル化した例（デバイス作製モード）（図 8（b））20），ならびに内部応力の変化する全体傾斜膜を用いて，ひずみによる熱電特性の最適化をMIとの融合で実施した例（物質探索モード）（図 8（c））21），MIとの融合により，無機断熱材料を開発した例（薄膜作製モード）（図 8（d））22）など多岐に渡る。このように，COSCOSは，分野を問わず，新規機能性材料研究・開発に役立つことが，実際の開発事例から示されてきた。5.　まとめ本稿では，コンビナトリアル技術とスパッタ法を融合した，コンビナトリアルスパッタコーティングシステム（COSCOS）の材料研究への適用についての全容・詳細について紹介した。当該装置は，新規低図 8　COSCOSを活用して得られた研究開発成果の一部の概要（a）新規低摩擦コーティング材料開発例，異なる酸素分圧化で作製された摩擦性能の異なる ZnOコーティング膜（上），その断面 TEMイメージ（下左），結晶配向制御 ZnO高性能ベアリング（下右）（薄膜作製モード使用例），（b）BiTe系薄膜素子の p,n型制御と効率最適化（薄膜作製モード）で得られた素子を用いた熱電デバイス作製例（デバイス作製モード），（c）内部応力の変化する全体傾斜膜を用いて，MIとの融合でひずみによる熱電特性の最適化例（物質探索モード），熱電材料のエネルギー変換効率の決定因子である無次元性能指数（zT）のマッピングイメージ（左）と機械学習によるモデル化（右），（d）MIとの融合による無機断熱材料開発例（薄膜作製モード），ナノ構造制御されたアモルファスシリコンとビスマス結晶の断面 TEMイメージ。296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   303296_304__02-03-07-01_再_Z06.indd   303 2024/01/19   14:032024/01/19   14:03第Ⅱ編　創製編─  304  ─摩擦材料の発見・実用化をはじめとし，伝熱・熱電材料研究など，多くの分野で実績を蓄積しつつある。このように，とてもユニークな材料作製装置である COSCOSは，さまざまな分野において，短期間で効率良くスパッタ成膜諸特性最適化を実現するための強力な実験ツールとしての利用が期待されている。そして，現在開発中である，装置オペレーションシステムと人工知能（AI）との融合が完成すれば，成膜条件選択の効率化が進み，その暁には，COSCOSにおける材料研究開発の効率は飛躍的に向上するであろう。多岐分野にわたる未来の材料開発に，この COSCOSが大きく貢献していくことを願う。謝　辞本研究を共に推進してくださった物質・材料研究機構，国際ナノアーキテクトニクス研究拠点，NIMS特別研究員，佐々木道子博士に感謝する。本研究における COSCOSの装置開発は，NEDO産業技術研究助成事業（2000年（ID:00X27002x），2002年（ID:02A27010c），2006 年（ID: 06A24007d））， 科 研費基盤 A（21246030），イノベーションハブ構築支援事業（情報統合型物質・材料開発イニシアティブ：MI2I），CREST（JPMJCR21O2）の援助を受けて行われたものである。これを用いた，伝熱・熱電材料の研究は，MI2I，CREST（JPMJCR16Q5）の助成によるものである。文　　献 1） 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