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[西口 昭広](https://orcid.org/0000-0002-3160-6385), [田口 哲志](https://orcid.org/0000-0003-2541-2530)

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[第4章　ハイドロゲルの医療材料応用 第3節 組織接着剤](https://mdr.nims.go.jp/datasets/6f980c10-23b9-45fd-99b9-e7f05023e49a)

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第 4章 ハイドロゲルの医療材料応用 4-3 組織接着剤  物質・材料研究機構 西口 昭広、田口 哲志 1 はじめに 事故などで外傷を負った際に最も重要なことは、一刻も早く出血を止め、創部を閉鎖することである。大量出血が致死的であることはもちろん、創部からの細菌感染は敗血症などの重度の感染症を引き起こしてしまう。一方で、このような出血や感染は、事故現場のみならず、手術現場においても生じる。外科手術や内科的処置では、正常な組織や血管を切除するため、様々な合併症が生じることが知られている。このような手術後の合併症は術後合併症と呼ばれ、組織切除部や血管吻合部からの出血、肺手術後の空気漏れ、膵臓切除後の膵液漏、消化管の穿孔や狭窄、創部の癒着、感染など様々なものが挙げられる。たとえば、術後癒着は手術創部と周辺の臓器が組織修復の過程で一体化する術後合併症であり、開腹手術を受けた患者の 93%で発生する[1]。術後癒着は、腸閉塞や不妊症、骨盤痛などの二次的な合併症の発生につながり、QOLの低下や在院延長、再手術の原因となる。 従来、このような外傷に対する処置として、縫合やステープラーが用いられてきた。これらの手技はほとんどの症例において有効であるが、一部の症例に対しては処置が困難な場合がある。例えば、縫合不全は血液漏れを引き起こし、手術創に縫合糸があると細菌感染の可能性が高まってしまう[2]。また、肺などの伸縮性を示す臓器に対しては、縫合が困難であり、伸縮に伴い縫合部に損傷が生じる。そのため、このような処置が難しい症例に対しては、組織接着剤が用いられている。（図 1）。組織接着剤とは、術後の創部や縫合部に対して塗布し、止血やシーリングを補助する医療材料であり、合成または生体高分子を架橋することにより得られたハイドロゲルに組織接着性が付与されたものである。組織接着剤は、縫合糸やステープラーによる創部閉鎖と比較して、スプレーするだけで簡便に使用できるため手術時間が短縮可能であり、適用できる臓器の種類や部位に制限がない[3]。また、制限された術野や処置が困難な臓器に対しても適用可能であり、腹腔鏡下手術やマイクロサージャリー手技などの低侵襲的な手技に適している。組織接着剤の適用は多岐にわたっており、外科用シーラントや創部の被覆（シートとの併用）、止血剤、血管塞栓剤、癒着防止材、欠損分への注入・充填材料として用いることで、術後合併症のリスクの低減に貢献している。 本稿では、ハイドロゲルをベースとした組織接着剤の現状と分類、有用性について紹介し、特に軟組織接着剤や外科用シーラントに絞り、医療用の組織接着剤に求められる材料物性およびその設計について解説する。  ※挿入位置 図 1 医療用組織接着剤による術後合併症の予防  2 組織接着剤の現状 2.1 組織接着剤の適用 医療用組織接着剤に求められる材料特性は、適用する臓器や組織および疾患によって大きく異なる。組織接着剤を開発する上では、どのような組織にも使用できるような汎用的な接着剤を設計することが理想的ではあるが、実際には、使用する環境を想定し、最大限のパフォーマンスが発揮できる仕様を決定する必要がある。 組織接着剤に求められる基本性能としては、生理条件下で素早くゲル化することや湿潤状態の生体組織に接着すること、硬化後も柔軟であること、生体適合性や生分解性・生体吸収性があること、耐滅菌性や保存安定性が確認されていることなどが挙げられる。 なかでも、材料の力学強度や生分解性は、適用される臓器や組織によって調整されることが望ましい。例えば、脳神経外科手術における硬膜閉鎖では、1 か月以上にわたって創部を閉鎖する必要があるため、分解速度の制御が重要である。心臓血管手術では、縫合部に組織接着剤と塗布することで血液漏れを防ぐことができるが、血液と接触するため界面剥離が起きやすい。また、強い圧力がかかるため（~140 mmHg[4]）、高い耐圧強度が必要である。肺の手術においては、肺がん手術後のシーリングなどを目的として組織接着剤が使用されるが、最大 50 cm H2Oの圧力（咳き込んだ時の圧力[5]）と呼吸に伴う最大 40％のひずみ[6]が繰り返し負荷されるため、高い耐圧強度と組織追従性が求められる。消化管の手術では、重篤な術後合併症が発生するため、組織接着剤による創部の閉鎖が重要である。大腸手術における縫合不全の発生率は 2.7~13.3％であり、これらの要因は切除部位や手技だけでなく、使用した薬剤の種類や放射線治療の有無、腸内細菌叢などによって異なり[7]、組織接着剤の臨床結果に影響を及ぼす可能性がある。眼科手術では、縫合は周囲に不均一な張力を生じさせ、乱視や新生血管形成を引き起こすだけでなく、密閉性が低いと眼圧が変動する可能性が指摘されている[8]。そのため、組織接着剤には長期的な力学強度の安定性と早期に分解しないことが求められる。 2.2 臨床で使用されている組織接着剤 現在臨床で使用されている組織接着剤は、液状とシート状を合わせて数十種類を超える[3]。なかでも、液状組織接着剤としては、シアノアクリレート系接着剤（Dermabond®など）やアルデヒド系（BioGlue®など）、ポリエチレングリコール系接着剤（CoSeal®など）、フィブリン糊（Beriplast®など）が挙げられる。 シアノアクリレート系接着剤は、シアノアクリレートモノマーが水を開始剤として重合することで硬化、接着する。プレフィルドかつ 1液型で使用でき、非常に高い接着力を有することを特徴とする。一方で、水で硬化するため、体液を過剰に含む組織に対しては接着しにくい。また、モノマー成分や分解に伴って生成するホルムアルデヒドが強い炎症反応を惹起し組織障害性を示すため、その利用は一部の臓器や組織に留まっている。また、グルタルアルデヒドを使用した接着剤は、組織障害性が高いため、解離性大動脈の解離腔の閉鎖に使用が限定されており、通常の血管吻合部の止血には使用されない。ポリエチレングリコール系接着剤は、生体適合性が高く、高い組織接着性を示すが、塗布後に大きく膨潤することや 2液混合型であるため操作が煩雑であることが課題である。 フィブリン糊は、血液を原料とする血液製剤であり、その高い生体適合性から最も使用されている組織接着剤である。1944 年にクロインカイツらが現在の組織接着剤の原型を開発し、1970年代には現在の液状組織接着剤が製品化され、本邦では 1988年に販売が開始された。1999年には、コラーゲンスポンジの片面にフィブリン接着性分を担持したシート状組織接着剤も販売された。これまでに様々な症例に使用されてきた実績があるが、一方で、フィブリン糊は組織接着性が低いことが課題であり、また血液製剤であるため未知のウイルスによる感染症のリスクがある。今後、組織接着性と生体適合性、操作性を兼ね備えた組織接着剤の設計に向けて、さらなる研究開発が必要である。 3 組織接着剤の分類 3.1 合成高分子系と生体高分子系 本稿では、組織接着剤の分類として、原料の由来（合成高分子系と生体高分子系）、結合様式（化学結合と物理結合）、剤形（液状とシート状）について解説する。 組織接着剤の原料は、合成高分子系と生体高分子系の 2種類に分けられる。合成高分子系の組織接着剤は、接着強度や力学特性などの材料物性を自在に制御できることがメリットである。また、原料の製造工程が管理されており、品質が安定している。一方で、シアノアクリレートやポリウレタンに代表される合成高分子系の組織接着剤の多くが非分解性であり、長期間にわたって生体組織中に材料が残存する。その場合、免疫細胞の活性化による異物反応やカプセル化が起きる可能性があり、また、分解生成物に毒性がある場合には長期的な影響を考える必要がある。実際、大動脈や脊椎の手術を受けた患者では、数ヵ月後に異物反応や慢性炎症を生じるため、外科手術によるシーラントの除去が必要であったという報告もある[9]。これに対して、エステル結合を含むポリ乳酸やポリエチレングリコール系の組織接着剤は生分解性を有するが[10]、逆に物性の制御が難しいという課題がある。 生体高分子系の組織接着剤は、その多くが生分解性を有している。血清由来のフィブリノーゲンやトロンビン、アルブミンや細胞外マトリックス由来のコラーゲンやゼラチンなどのタンパク質を用いた組織接着剤がこれまでに開発されている。また、ヒアルロン酸やアルギン酸、キトサン、デキストランなどの多糖を用いたものも開発されている。生体高分子系の組織接着剤は、生分解性を有しているだけでなく、もともと生理活性を有する場合もあるため、組織再生を促すことも期待できる。一方で、生物を原料としているため、個体差があり品質が安定しないことがある。また、生体高分子は不安定であるため滅菌方法も限定され、エンドトキシン等の発熱物質やウイルスが混入するリスクを抱えている。また、多糖では、分子間水素結合により低濃度でも高粘性であるため、ハイドロゲルの力学強度を高くすることが難しいという課題もある。 3.2 化学結合と物理結合 生体組織は、水を多量に含んだゲル状の構造体である。生体組織の表面には、水和層が存在しており、組織接着性を低下させる原因となる。また、組織液や血液による液剤成分の希薄化やせん断応力による界面剥離が起きるため、迅速なゲル化や水中安定性、力学強度、追従性などの材料特性を接着剤に付与することが重要となる。 組織接着剤の接着機序は、化学反応あるいは物理的相互作用による接着に分類される。化学反応をベースとしたものとして、アルデヒドを用いたシッフ塩基形成や N-ヒドロキシスクシンイミドによる活性化、マイケル付加反応、ジスルフィド結合などが挙げられる[10-12]。一般的に、化学結合様式の組織接着剤は、組織との化学反応によってアンカリングするため、高い組織接着性を示す。また、カテコール基を用いた水素結合[13]や静電相互作用[14]、疎水性相互作用[15, 16]などの物理的な相互作用を複合化した接着剤では組織接着性が向上することが報告されている。さらに、光重合では、硬化プロセスが時空間的に制御できることがメリットである。しかしながら、これらの化学結合様式では、細胞毒性があることや操作性が低いこと、光開始剤やデバイスが必要であることなどの課題がある。 一方で、物理的相互作用によって接着する材料の開発も近年報告されている。たとえば、ヤモリを模倣したナノ階層構造[17]やナノ粒子を利用した構造接着[18]が挙げられる。これらは、ナノ材料－生体分子間の多点でのファンデルワールス力によって物理的に接着するため、湿潤環境下でも接着が可能であり、化学反応を用いないため生体適合性も高い。その一方で、接着強度が低いことが課題である（10 J/m2以下）。 3.3 液状とシート状 組織接着剤の剤形は、液状とシート状の 2種類に分類できる。液状組織接着剤は、インジェクタブルゲルまたは in situフォーミングゲルとも呼ばれ、スプレー噴霧するだけで、組織の形状に依存することなく被覆できることを特徴としている。また、深部や狭い場所にも送達可能であり、瞬時に固まる即時性を有している。一方で、血液による希釈の影響を受けるため激しい出血部位には適さず、また、ほとんどが 2液混合型であり、溶液調製に時間がかかることが課題である。 シート状組織接着剤は、予めハイドロゲルやスポンジを形成し創部に貼り付ける、プレフォームド型の接着剤である。貼り付けるだけで接着するため、溶液調製が不要で即時かつ簡便に使用可能である。また、手で押さえて圧迫止血をすることができ、伸縮性も高い。一方で、材料が組織に接着するまでに数分間圧迫する必要がある。また、凹凸のある組織表面には接着しづらい。さらに、シート状の場合、術野が限られている腹腔鏡下では操作が難しく時間がかかることも課題となっている。 4 組織接着剤の特性制御 4.1 高強度化 組織接着剤の接着強度の向上は、接着剤開発におけるもっとも重要な要素のひとつである。組織に接着したハイドロゲルは、応力が負荷されると、ゲル自体が破壊される凝集破壊と接着界面から剥がれる界面剥離によって組織接着性を失う。そのため、組織接着強度を改善するには、ハイドロゲルの力学強度と生体組織との界面接着強度を向上させることが重要である。 これまでに、ダブルネットワークゲルを用いることでバルク強度を向上させ、組織との界面で化学架橋を行うことで界面接着を向上させた組織接着剤が報告されている[19]。また、ポリエチレングリコールをハイドロゲルに添加することで、高分子鎖の絡み合いによって力学強度と界面強度を向上させる手法も示されている[20]。このほかにも、材料―組織界面の水和層に着目し、界面の水和層を除去して迅速に接着するシートが報告されている[21]。今後、生体組織―材料界面の接着メカニズムに対する理解を深めることで、生体適合性と組織接着性を両立した組織接着剤の開発が期待される。 4.2 薬剤の送達 組織接着剤の主要な機能は、創部の止血や閉鎖、保護を行うことであるが、組織の損傷が大きい症例や強い炎症反応が想定される部位においては、組織接着剤が組織再生プロセスに関与することが望ましいと考えられる。そのためには、材料自体が有する生体適合性や細胞接着性、抗菌活性などに加えて、薬剤（低分子医薬品、生物学的製剤、細胞など）を担持し組織再生を促進する機能を新たに付与することが有効である。組織接着剤に担持された薬剤は、局所的に徐放されることで、ターゲットへの送達効率を向上させるだけでなく、全身性の副作用を低減すると期待される。 これまでに、組織接着剤に核酸医薬を担持することでマクロファージの抗炎症活性を高め創傷治癒を促進できること[22]や抗体医薬の徐放によってがんの治療効果が向上すること[23]などが報告されており、組織接着剤のドラッグデリバリーシステムへの応用可能性が示されている。さらに、フィブリン糊に間葉系幹細胞を内包して移植することで虚血性心筋症が回復することも報告されている[24]。一方で、これらへの応用に向けては、ゲル化反応が薬剤や細胞に干渉しないことや徐放速度がゲルの構造や架橋密度に依存することなどに留意する必要があり、用途に合わせた材料設計が求められる。 5 おわりに 低侵襲治療における技術革新に伴って、医療現場での組織接着剤の重要性は今後ますます高まっていくと予測される。その一方で、多くの組織接着剤が、いまだ医療ニーズを十分に満たしていないのが現状である。実際、組織接着剤の研究開発と臨床応用の間には大きなギャップがあり、その壁を超えるには、医療現場における課題やニーズを明確にし、開発者と医療従事者が一体となって研究開発を進めることが必要である。特に、組織接着剤の力学強度や組織接着性の低下、分解による劣化、膨潤などの長期埋入に伴う物理化学的特性の変化や免疫細胞浸潤による炎症反応や異物反応、組織再生などの生体応答については、いまだ不明な点が多い。これらの現象についての理解を深めることで、術後合併症を予防可能な次世代の組織接着剤が開発できると期待される。 6 参考 [1] Menzies, D., et al., Ann. 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