# Fileset

[Todoroki14LSJ.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/20ffd13d-df92-42f2-a4b9-f087c1f8c84b/download)

## Creator

[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

## Rights



## Other metadata

[ファイバフューズの伝搬モードと自己ポンプ効果](https://mdr.nims.go.jp/datasets/4cb53daf-e0e1-45cc-bfcd-13b64bf2249d)

## Fulltext

招待講演講演番号 レーザー学会学術講演会第 33回年次大会講演予稿集ファイバフューズの伝搬モードと自己ポンプ効果Fiber fuse propagation modes and self-pumping effect轟眞市 (物材機構)Shin-ichi TODOROKI (Nat. Inst. Mater. Sci.)1. まえがき伝搬光のエネルギーを消費しながらコア部分の溶融点が移動するファイバフューズと呼ばれる現象が発見されて四半世紀が経過した [1]。この現象が持続しうる最低の光エネルギーは「伝搬しきい値」と呼ばれ、光通信用の典型的な単一モード光ファイバ (以下、SMFと略記)においては、おおむね 1 W強であることが知られている。そこで、コアあたりの光エネルギーを伝搬しきい値以下に抑えつつ通信容量の増大を目指す空間分割多重 (Space Division Multiplex)方式の研究開発が盛んになってきている。一方、ファイバフューズ現象そのものは未だ完全に解明されているとは言い難い。筆者は、SMF中をファイバフューズが通過した後に残される空孔列の精密な解析を通じて、溶融点のエネルギー状態を推定してきた。これにより、光ファイバの被覆状態によっては、ファイバフューズからの発光が戻って再吸収されること、および再吸収の on/off等の励起の急変に対して周囲のガラス融液が遅延して追随することが分かってきた [2, 3]。これらの知見は、ファイバフューズ停止デバイスの設計や、より複雑な構造の光ファイバで起こるファイバフューズの伝搬状態の推定に活かされると期待できる。2. 伝搬モードSMF中に発生させたファイバフューズの伝搬状態は、注入する光強度に依存して次の 3つのモード (不安定、単峰状、円筒状)に分類できる [4]。これは、コアに閉じ込められた発光体の形状が、小さい球状なのか、半径方向の広がりが頭打ちとなった回転楕円体状なのか、ファイバ軸方向への広がりが顕著になった円筒状なのか、に着目した分類である。ファイバフューズが残す典型的な損傷パターンである弾丸の形をした周期的空孔列は、円筒状モードの時に現れる (図 1参照)。このときの空孔間隔 (Λ)は、注入する光強度に対して単調に増加することが分かっている。図 1: ファイバフューズを停止させたときに残る空孔列。供給光: 波長 1480 nm、約 9 W。写真上下の線は、SMF-28eファイバのクラッド外周 (直径 125 µm)。3. 自己ポンプ効果コア内に閉じ込められた発光体はファイバに接続された光源からの光を吸収し、熱と光を放射しながら進んでいく。このとき光源以外から到達した光があれば、それも吸収されてしかるべきである。SMFの透明アクリル被覆を剥いて、白色油絵具 (主成分:酸化チタン)を塗布した区間にファイバフューズを走らせると (図 2上の (b)と (c)の間)、発光体自身からの放射光がクラッド表面で逆散乱された光が再吸収され、発光体のエネルギーはその分増加する (自己ポンプ効果)。これは周期的空孔生成のサイクルに影響を及ぼし、Λの変動としてファイバ自身に記録される。図 2下に、被覆状態を変化させた 4点の前後に残された、空孔列の空孔間隔の変化を示す (供給光: 9W,1480nm)。(a)の透明アクリル樹脂上に白色顔料を塗布した場合には、空孔間隔の変化、∆Λ、はわずか 0.4µmであったが、樹脂が無い場合 ((b)-(c)間)には、その変化は 2倍以上になることが分かる。また、(d)の樹脂被覆の有無によっても、∆Λは約 0.2 µm変化している。これは、発光体のファイバ軸方向の広がりが十分大きいために (図 1参照)、プラズマ先頭部からの発光が無被覆区間ではクラッドモードとして閉じ込められ、プラズマの末尾で再吸収されるからである。SMFに対して波長 1480 nmの光を注入した場合、およそ 7 Wを越えるとその効果が現れる。なお、Λの変化は被覆状態の変化に比べて遅れが伴っていることが分かる。図 2下 (c)のデータで見ると、Λの変化が終わるまでの距離 (∆x)が約 1 mmでG321pVII02                       招待講演                                                                                                                                             レーザー学会学術講演会第34回年次大会講演予稿集招待講演講演番号 レーザー学会学術講演会第 33回年次大会講演予稿集(d) (a)CladdingTransparentpolymerWhite oil paint(b)(c)(d) (c) (b) (a)21222324−202 −202 −202 −202Position (mm)Void interval, Λ (µm)図 2: (上)ファイバフューズの自己ポンプ効果の程度を被覆状態 (透明アクリル樹脂と白色顔料)によって変化させる実験の配置図。(下)ファイバフューズが右から左に上記 4点を通過した後に残された空孔列における空孔間隔 Λの位置依存性。供給光: 波長 1480 nm、約 9 W。あることが分かる。この距離を進むのに要する時間は、ファイバフューズの伝搬速度に基づいて計算すると、約 0.8msとなる。これは、発光体へのエネルギー注入状況の変化に対して、それを取り囲むガラス融液が追随するのにサブミリ秒オーダーの遅れが生じることを意味している。4. 考察ファイバフューズ停止デバイスとして、導波路のMFD を局所的に広げることで、発光体へのエネルギー供給を一時的に低下させ停止に至らせるものが提案されている [5]。これは、発光体周囲のガラス融液の追随遅延を利用したものと言うことができる。すなわち、MFDの局所的変動に発光体の寸法変化が追いつかず、発光体の維持に必要なエネルギー注入が枯渇してしまうのである。自己ポンプ効果が現れる条件は 2つあり、不透明な被覆材を介した逆散乱光が発生する場合と、クラッド-空気界面の存在によりクラッドモード光が発生する場合である。後者は、ホーリーファイバにおける孔の役割について、新たな見方ができることを示唆している。発光体周囲のガラス融液が貫通孔に接すると、内部の高圧状態を維持できずにファイバフューズが不安定化することはよく知られている [6]。しかし、両者が接しない伝搬状態においては、貫通孔と空気の界面が全反射面となって、自己ポンプ効果が現れると予想できる。しかも、その全反射面はコア近くに存在するので、反射光が再びプラズマに戻ってくる位置関係が成立しやすいと考えられる。参考文献[1] R. Kashyap and K. J. Blow: Electron. Lett., 24, 1,pp. 47–49 (1988).[2] S. Todoroki: IEICE Electronics Express, 8, 23, pp.1978–1982 (2011).[3] S. Todoroki: OFC/NFOEC 2013, JW2A.11.[4] 轟眞市：電子情報通信学会和文論文誌 B, J96-B,3, pp. 243–248 (2013).[5] 柳秀一他：電子情報通信学会技術研究報告 OPE光エレクトロニクス, 104, 507, pp. 21–26 (2004).[6] K. Takenaga et al.: ECOC 2008, P.1.14.※ファイバフューズに関する情報をまとめたサイトhttp://fiberfuse.info/もご覧ください。G321pVII02                       招待講演                                                                                                                                             レーザー学会学術講演会第34回年次大会講演予稿集