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[New diamond_松本_著者版.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/1fbeffb9-9a0f-4465-97a5-43f7888f231f/download)

## Creator

松本凌, 中野智志, 入舩徹男, 高野義彦

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[水素化物超伝導体探索のためのBDD電極付きダイヤモンドアンビルセル](https://mdr.nims.go.jp/datasets/caf2adb1-8455-4cfa-8dbf-4a4f60e3640d)

## Fulltext

水素化物超伝導体探索のための BDD 電極付きダイヤモンドアンビルセル Diamond anvil cell with boron-doped diamond electrodes for exploration of superconducting hydrides 松本凌 1，中野智志 1，入舩徹男 2，高野義彦 1 1.物質・材料研究機構，2.愛媛大学 Ryo Matsumoto1, Satoshi Nakano1, Tetsuo Irifune2, Yoshihiko Takano1  アブストラクト  近年，ダイヤモンドアンビルセルを用いて高圧力下で合成された水素化物超伝導体が，室温に迫る高い超伝導転移温度を示すことが明らかとなり，大きな注目を集めている．しかしながら，ダイヤモンドアンビルセルの試料空間は非常に小さく，超伝導を特徴づけるゼロ抵抗状態を観測するための 4端子電極の設置が極めて困難であり，研究の発展を妨げている．本解説では，我々が開発してきたホウ素ドープダイヤモンド電極を有するダイヤモンドアンビルセルを水素化物超伝導体の探索に適用するための，技術開発について紹介する．特に約 200 GPa までの超高圧力下で硫化水素の電気抵抗測定を行った研究と，ダイヤモンドアンビルセルに高圧水素ガスを封入する試みについて，実際のデータを用いて成果と課題点を解説する．  1. 緒言 超伝導体は，ある転移温度（Tc）以下で完全導電性，完全反磁性やジョセフソン効果などの特異な性質を示す機能性材料である．実用化されている超伝導体の Tc は高くても液体窒素温度より少し高い程度であるため，より幅広く応用するために Tc の向上が望まれ，継続して研究がなされてきた．そこで高い Tc を実現するために有効とされてきたのが，物質の結晶構造を直性制御できる高圧力印加であり，多くの物質系において高圧力下での高い Tcが報告されている．例えば銅酸化物超伝導体では HgBa2Ca2Cu3Oyに 20 GPa程度の圧力を印加することで，Tcが 150 K を超える 1, 2)．近年では La3Ni2O7や La4Ni3O10といったニッケル酸化物が高圧力下で高温超伝導を発現すると報告され，基礎・応用の両面から大きな期待が寄せられている 3–5)．様々な高圧研究の中でも，2015 年に報告された「硫化水素の高温超伝導」は超伝導分野において大きな驚きをもたらした 6)．毒性ガスとして知られる硫化水素H2Sに 150 GPaの超高圧力を印加すると立方晶の H3Sへと構造相転移し，200 Kを超える Tcを発現するというものである 7)．その後，2019年には LaH10という水素化物が 180 GPaの圧力下で 260 K の Tcを発現し，再現性が確認された中では Tcの世界記録となっている 8, 9)．さらに昨年 2025 年には，260 GPa の圧力下で La–Sc–H から成る 3 元系化合物が 298 K のTc，すなわち室温超伝導を示したとの報告がなされている 10)．この真偽は現時点で定かではないが，高圧力下の水素化物が室温超伝導体の最有力候補であることは間違いない．筆者も水素化物における超伝導探索競争に参入するべく，独自に培ってきたホウ素ドープダイヤモンド（BDD）電極の技術を活用した装置開発を行ってきた 11–13)． 高圧力下での水素化物超伝導探索においては，主に 2つの困難な点が存在する．まず数十GPa を超える高い圧力下で試料を合成しなければならない点である．これはダイヤモンドアンビルセル（DAC）と呼ばれる，対となるダイヤモンド圧子で試料に高圧力を印加する装置を用いて行われる．DAC の試料空間の中に原料を封入し，レーザーなどで加熱することで試料を合成する方法が主流である．2つ目の困難は，合成した試料の電気抵抗の温度依存性を測定し，ゼロ抵抗状態を観測して超伝導である証拠を得るプロセスにある．数十 GPa以上の高圧力を発生可能な DAC では，一般に試料サイズが 100μm 以下程度に制限され，電気抵抗を測定するための 4端子電極の設置が極めて難しい．電極を作製できたとしても，高圧力下での断線が頻繁に生じる．これらの困難が，高圧力下での水素化物超伝導体探索のボトルネックとなっている． そこで我々は，これまで開発してきたダイヤンドアンビル上に BDDのエピタキシャル薄膜で回路を形成する技術を活かし，水素化物超伝導体の探索を高効率に行える手法の確立を模索している 14)．本解説では，現時点で出来るようになったことや，直面している課題について，①低温封入した硫化水素の高圧力下電気抵抗測 15)，および②ガス充填装置を用いて合成した水素化パラジウムの高圧力下電気抵抗測定 16)の結果を例に紹介する．  2. DAC の構造と測定例：超高圧力下の硫化水素 図 1(a)に BDD 電極付き DAC の典型的な構成を示す．なお BDD 電極については，過去のNEW DIAMOND 誌の解説 17)や，レビュー論文 18)に詳細が記載されているため省略するが，電子線リソグラフィで作製したマスクを用いたマイクロ波プラズマ化学気相法による選択成長で作製している．DAC 内部で測定する試料は金属ガスケットに空けた穴の中に圧力伝達媒体と共に封入され，ダイヤモンド圧子を加圧することで BDD 電極と試料が電気的に接触し，電気抵抗測定が行える．ガスケットと電極の間は絶縁体のシートを挟むか，BDD 電極の上からアンドープダイヤモンド（UDD）層を追加で成膜することで絶縁する．アンビルには単結晶ダイヤモンドの他，機械的強度に優れるナノ多結晶ダイヤモンド 19)を用いることができる． 図 1(b)-(e)には実際のダイヤモンドアンビルの光学顕微鏡写真を示す．(b)は試料に 30 GPa程度の高圧力を印加した後に，常圧まで減圧した後の様子である．アンビル表面には試料や圧力伝達媒体の破片が付着している．このアンビルを，エタノールを染み込ませた綿棒で軽く磨くと，(c)に示すようにヒビ等の劣化が無い状態に戻すことができる 20)．このように簡便なクリーニングのみで，すぐさま次の試料の高圧実験を始めることが可能な再利用性を有するため，高効率な超伝導体探索を実現できる．一方で，100 GPa近くまで加圧すると(d)のようなクラックが生じことがあるが，割れていない端子は引き続き使用できる．(e)に示すように完全に破壊するまで加圧してしまうと，当然ながら再利用はできない．通常は割れない範囲の圧力域で繰り返し使用し，新たな超伝導体を発見した際などは耐圧限界まで加圧する，という運用方法で効率良く実験を進められる． この BDD 電極付き DAC を用いた水素化物超伝導体の測定例について紹介する 15, 21)．試料の封入は，液体窒素で冷却した DACの試料空間に硫化水素のガスを吹き付け，液化した瞬間に急速に加圧することで行った．図 1(f)は，170 GPa の高圧力下で測定した硫化水素の電気抵抗の温度依存性を示す．約 30 K から電気抵抗が急激に減少し，挿入図に示すようにゼロ抵抗状態が観測されている．この結果から，開発した BDD 電極付き DAC を用いて，水素化物における超高圧力下の超伝導転移を検出可能であることが示された．なお本測定では約 200 GPa まで超伝導を観測した後，その先の加圧過程でアンビルが破壊することで実験が終了した．観測された Tcは既報の硫化水素の値である 203 K とも，分子解離によって生じる単体硫黄の 17 K22, 23)とも明確に異なることから，新規水素化物のものであると考えている．現時点では，理論的に予測されている HS2の組成から成る硫黄水素化物の Tcおよびその圧力依存性 24)と良く一致しており，本実験で観測された超伝導の起源と考えている。  図 1 (a) BDD電極付き DAC の模式図．(b) 高圧実験後，割れずに減圧された場合のダイヤモンドアンビルの顕微鏡写真と(c)エタノールを染み込ませた綿棒でクリーニングした後の様子．(d) 高圧印加によってひび割れが生じたアンビルと(e)完全に破壊したアンビル 20)．(f) BDD電極付き DAC を用いて 170 GPaの高圧力下で測定した硫化水素の電気抵抗の温度依存性 21)．挿入図は超伝導転移付近の拡大図．  3. 高圧水素ガス充填と測定例：水素化パラジウム これまでの検討で，BDD 電極付き DAC は固化させた硫化水素などの高圧力下電気抵抗測定を簡便に行えることを示した．一方，より柔軟な物質探索のためには，DAC の試料空間内に純水素と原材料を共封入した後，DAC 内部で水素化物を合成できることが好ましい．そこで筆者は，所属機関である NIMS の高圧ガス充填装置を用いて，BDD電極付き DAC内部での水素化物の合成を試みた．本装置は NIMS の竹村氏を中心に開発され 25)，現在では同機構の中野氏によって維持・運営されており，種々のガスを高圧容器内で 180 MPa まで昇圧することができる．図 2に示すように，水素化させたい原材料を BDD電極上に張り付け，180 MPaの高圧水素ガス中で DACを加圧することで，試料と純水素が封入される．ガスケットと BDD 電極の間の絶縁を UDD 層で行うことで，再現性良く高圧水素ガスを DAC内に封入することができている．試料空間内の圧力はルビー蛍光法 26)を用いて推定できる．  図 2 BDD電極付き DACによる水素化物超伝導体の合成および物性測定用のセットアップ．原材料が蒸着された BDD 電極付き DAC を高圧ガス充填装置の中に設置し，180 MPa まで水素を昇圧したのち DACを加圧する．   高圧ガス充填装置と BDD 電極付き DAC の組み合わせで水素化物超伝導体を合成する最初の試みとして，簡便に得られる水素化パラジウムの実験を行った 16)．純粋なパラジウムは非超伝導の金属で，水素化すると常圧でも超伝導を発現し，その Tc と水素量の関係や圧力依存性 27)が良く知られていることから，手法開発のベンチマークとして適している．図 3に水素を充填する前後におけるパラジウムの電気抵抗の温度依存性を示す．パラジウムは図2 に示すように，電子線蒸着法によって BDD 電極の中心部に成膜した．水素充填前は，冷却の下限である 2 Kでも超伝導転移は観測されない．一方で水素充填後は，約 7 Kで電気抵抗がゼロとなることから，水素化パラジウムの超伝導が発現していることが分かる．さらに水素充填後の 2.6 GPa から 4.1 GPa まで DAC 内部の圧力を昇圧すると，Tcが減少していく様子が見られた．この Tcの圧力依存性を過去の報告 27)と比べると，パラジウムに最大量の水素が取り込まれた PdH が合成されたと考えられる．今後は本手法により，高温超伝導の発現が理論予測されている多水素化物の合成および物性測定に取り組む予定である．  図 3 水素ガス充填前後におけるパラジウムの電気抵抗の温度依存性 16)．  4. 課題と今後の展望 BDD 電極付き DAC とガス充填装置を組み合わせることで，水素化物超伝導体を高効率に探索できる可能性が示された．しかしながら，このガス充填には大きな課題が残されている．図 4には，BDD 電極付き DACに水素ガスを充填したのち，試料室を加圧した際の光学顕微鏡写真を示す．ガス充填後，3.7 GPa までは順調に昇圧されたが，その後 BDD 電極付きアンビルに直線的なヒビ割れが生じ，圧力も自然に減圧してしまった．この水素充填後の数 GPaで生じるヒビ割れは再現性良く確認された．また，必ず BDD電極をエピタキシャル成長させた方のアンビルにクラックが発生することから，BDD 加工したことがヒビ割れに寄与していると示唆される．BDD電極を使用した場合に限らず，水素やヘリウムを DACの試料室に充填した実験では，しばしばアンビルに同様の縦割れが起こることがある。この縦割れの原因は掴めていないため，BDD電極を付けたアンビルでは，それが数 GPaという比較的低圧力で再現良く起こるということは，むしろ本課題を解決に導くヒントになるかもしれない．BDD 加工したことで縦割れが起こりやすくなる要因には，BDD自体が水素を透過 28)して劈開面で滑りが生じることが考えられる．一方で，劈開面を持たないナノ多結晶ダイヤモンドアンビルの場合でも，同様に BDD 加工側にクラックが生じたことから，試料室内に存在する段差に起因した複雑な応力分布が原因となっている可能性もある．今後はBDD 電極のホウ素濃度や形状を最適化することで，より高圧力下まで本システムが到達できるよう改良を重ねていく．  図 4 水素ガス充填後の BDD 電極付き DACにおける試料空間の光学顕微鏡写真 14)．ガス充填の後，圧力を上昇させると 3.7 GPa以上でクラックが生じて減圧されている．  5. まとめ 筆者らは DAC の試料空間に BDD エピタキシャル膜から成る微小な電極をパターニングすることで，高圧力下における水素化物超伝導体の物性測定を簡便化する試みを行っており，本稿では現状の到達点と課題を解説した．硫化水素のような既に水素化物として存在する試料の測定は問題なく行えることを，170 GPaもの超高圧力下で観測した超伝導転移を例として示した．また高圧ガス充填装置を用いて BDD 電極付き DAC の試料空間に水素を充填することで，水素化物を合成できることを水素化パラジウムの結果とともに説明した．一方でガス充填法には，数 GPaの低圧下でも BDD 電極付きダイヤモンドアンビルが割れてしまう課題が存在することを示した．今後は当該課題を電極形状の最適化などを通じて解決し，任意の温度・圧力での水素化物の合成と，その物性が可能な装置の実現に向けて検討を進めていく．  謝辞 本研究を遂行するにあたり，硫化水素の実験には大阪大学の清水グループの皆さまにご協力いただきました．ナノ多結晶ダイヤモンドの合成には愛媛大学の新名 亨氏にご尽力いただきました．また本研究は JSPS 科研費 (23H01835, 23K13549, 23KK0088, 25K01508)，JST K Program (JPMJKP25Z2), 愛媛大学先進超高圧科学研究拠点 (PRIUS)の共同研究課題(2024YB03)，NIMS微細加工オープンファシリティの支援のもと実施されました．  参考文献 1)  L. 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