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[轟 眞市](https://orcid.org/0000-0003-3986-1900)

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[ファイバヒューズにおける空孔を残さない過渡的な伝搬モード](https://mdr.nims.go.jp/datasets/19bbb751-57fe-41dc-afe0-e0e4ec968e99)

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Transient propagation mode of fiber fuse leaving no voids (Japanese translation)ファイバヒューズにおける空孔を残さない過渡的な伝搬モード轟眞市物質・材料研究機構物質研究所茨城県つくば市並木 1-1TODOROKI.Shin-ichi@nims.go.jphttp://www.geocities.com/Tokyo/1406/Abstract: ファイバヒューズの点火と自然停止のその場観察を、波長1480 nmの光を注入した単一モードシリカガラス光ファイバに対して行なった。空孔が残されない区間の生成に関して、対応する損傷区間の検討と既知の周期的空孔生成との比較に基づいて議論した。伝搬限界ぎりぎりの強度の光を注入した光学的放電がエネルギーを失うと、周期的空孔を形成する代わりに頻繁に光パルスを放つ様になった。ファイバヒューズの点火の際にも、安定な光学的放電が出現する前に、類似のモードが見出された。この過渡的なモード変換は、先に報告した不規則な空孔パターンの原因である。OCIS codes: (060.2290) Fiber materials; (060.2400) Fiber properties; (140.3330) Laser dam-age; (140.3440) Laser-induced breakdown; (350.5340) Photothermal effects; (350.5400) Plas-mas.2005年 9月 20日提出、2005年 10月 29日修正、2005年 10月 31日受理本論文は、“Transient propagation mode of fiber fuse leaving no voids”, Opt. Express13 [23]9248–9256 (2005) [© 2005 Optical Society of America]の和訳である。http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?URI=oe-13-23-9248http://www.geocities.com/Tokyo/1406/node5.html#Todoroki05OEX9248References and links1. R. Kashyap and K. J. Blow, “Observation of catastrophic self-propelled self-focusing in optical fibres,” Electron.Lett. 24, 47–9 (1988),http://ieeexplore.ieee.org/xpl/abs_free.jsp?arNumber=8155.2. D. P. Hand and P. S. J. Russell, “Solitary thermal shock waves and optical damage in optical fibers: the fiberfuse,” Opt. Lett.13, 767–769 (1988),http://ol.osa.org/abstract.cfm?id=9379.3. S. Todoroki, “Animation of fiber fuse damage demonstrating periodic void formation,” Opt. Lett.30, 2551–2553(2005),http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?URI=ol-30-19-2551.4. S. Todoroki, “Origin of periodic void formation during fiber fuse,” Opt. Express13, 6381–6389 (2005),http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?URI=oe-13-17-6381.5. S. Todoroki, “In-situ observation of fiber-fuse ignition,” inICONO/LAT 2005 Technical Digest on CD-ROM(St.Petersburg, Russia, 2005). (LSK3).6. T. J. Driscoll, J. M. Calo, and N. M. Lawandy, “Explaining the optical fuse,” Opt. 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A.Frolov, “Temperature of plasma in silica-based fibers under the action of CW laser radiation,” inInternationalConference on Strongly Coupled Coulomb Systems Book of Abstracts, pp. 25–26 (P23), (Moscow, Russia, 2005).12. E. M. Dianov, I. A. Bufetov, A. E. Rakitin, M. A. Melkumov, A. A. Frolov, V. E. Fortov, V. P. Efremov, and M. I.Kulish, “Temperature of optical discharge under action of laser radiation in silica-based fibres,” inProc. 31stEuropean Conf. Optical Communication,vol. 3, pp. 469–470 (We3.4.4), (IEE’s Photonics Professional Network,Glasgow, Scotland, 2005).1. 諸言ファイバヒューズ効果は 1980年代末に最初の報告がなされている [1, 2].数Wの光を伝搬している光ファイバの局所的加熱によって発生し、生成した光学的放電は光源に向かって走り始める。これはコア領域の壊滅的な破壊をもたらす。よってこの現象は、強力光と光導波路を用いるすべてのシステムにとって真の脅威となっている。しかし、その現象の全容はまだ理解されているとは言い難い。最近著者は、ファイバヒューズの最中に起こる幾つかの破壊モード、すなわち周期性を持つ空孔生成と持たないもの、の生成メカニズムを提案した [3, 4]。それによると、周期的空孔は尻尾のような空孔を背後に従えた光学的放電によって残されることがわかる。また、空孔生成の見られない短い区間が存在することが、次の 2つの例で見出された。ファイバヒューズの点火プロセスにおける、安定な光学的放電が生成する直前 [5]と、ファイバヒューズが伝搬できる限界付近のレーザー強度を注入した場合 [4] である。この様な不規則な構造は、以前にも報告がなされたが [6, 7]、その生成メカニズムに触れた例は無かった。本論文では、上記 2例における無空孔区間を生成する光学的放電の直接観察を通じて、この様な区間が生成する間に何が起こっているかを考察する。この様な議論は、ファイバヒューズの点火現象や停止現象に対する理解の一助となる。さらには、この様な不規則な損傷がフォトニック構造として利用できるかどうかの判断にも役立つ。2. 実験2.1. ファイバヒューズの点火Fig. 1(a)に、ファイバヒューズの点火を観察するための実験設備を示す。商用の単一モードシリカガラスファイバ (SMF-28, Corning,コア径: 9 µm)の一端をラマンファイバレーザ (PYL-10-1480, IPG Laser, 1.48µm, 9W)に接続した。観察可能な配置でファイバヒューズを点火させるために、もう片方のファイバ端をガラスフェルールに挿入し、その先端に酸化コバルトの粉を配置した (Fig. 1(b)参照)。ファイバにレーザー光を注入すると、Fig. 1(c–e)に示すようにファイバヒューズが発生した。点火の様子は、ズームレンズを取り付けた超高速 CCDカメラ (Ultima APX-RS,白黒版, Photron Ltd.,有感波長域: 380-790nm)で観察した。64倍のNDフィルタ越しに露光時間 1µ秒で、10µ秒毎に解像度 256×32の映像を記録した。生成した損傷を光学顕微鏡で観察した。2.2. ファイバヒューズの伝搬ファイバヒューズの伝搬を観察する実験設備は、前述のものとほぼ同じであるが、ファイバヒューズの生成方法が異なっている。ファイバの一端 (被覆径: 0.9 mm)は折曲げて金属板に接触させておく。7W以上のレーザー光をファイバに注入し、ヒューズを生成させた直後に、レーザー強度を 1.3 W付近まで減少させた。ちょうど 1.30 Wを注入した光学的放電は、被覆を剥いた区間に入って 13mm進んだところで自然停止した。それ以外の条件では、ヒューズはその区間を通り越すか、その前で自然停止した (Fig. 2参照)。よって、被覆区間での自然停止は、ヒューズの伝搬に必要Fiberlaser1480nm, 9WND filterSMF-28Zoom lensUltrahigh-speedcameraGlass ferruleCo oxide powder(a)(b)(c)(d)(e)Fig. 1.ファイバヒューズの点火を観察するための実験設備 (a)、レーザー注入によって自然発火させるための配置 (b)、おおび家庭用ビデオで撮影したファイバヒューズ点火の連続写真 [8, 9] (c–e)。撮影速度は毎秒 30フレーム。http://www.opticsexpress.org/view_media.cfm?umid=18997Fig. 2.光学的放電のビデオ映像 (2.63 MB)。ファイバヒューズ伝搬に必要な臨界強度付近のレーザー光 (波長: 1.48µm)を受けて単一モードシリカファイバに沿って走る様子。ファイバの被覆を剥いた区間は、キャプチャ写真内の 2つの輝点の間に位置している。大きい方の輝点はその区間の一端に位置する光学的放電であり、もう一方はそこからの光が被覆で反射されているものである。 1.31 W以上のレーザー光を受けたヒューズはこの区間を通過する。1.30 Wの場合は、無被覆区間で自然停止し、1.28W以下の場合はそこに達する以前に自然停止する。伝搬速度は約 0.3 m/sである。な光学的放電が保持しているエネルギーが減少したために引き起こされたと考えられる。散逸されたエネルギーとは、被覆層で遮られることがなかった熱や光であろう。被覆を剥いた区間における自然停止直前の光学的放電の伝搬を CCDカメラで撮影した。映像の解像度は 128×16であり、8倍の NDフィルタ越しに 4 µ 秒毎に露光時間 1 µ秒で撮影した。3. 結果3.1. Fiber fuse ignitionファイバヒューズ点火を 5例記録したが、どれも同様の傾向を示した。焼けたファイバは、1(e)に示す様に、光を通さなくなった。Fig. 3に典型的な例を示す。上半分はファイバと酸化コバルト粉末からの可視光の放射像である。光ファイバ自体がシリンダ型レンhttp://www.opticsexpress.org/view_media.cfm?umid=18122Fig. 3.ファイバヒューズ点火のビデオ映像 (2.55 MB)。元の無彩色スケール映像を彩色スケール映像に変換してある。Fig. 4.ファイバヒューズ点火前後の可視光放射の写真 (上)、および写真上の点線に沿った強度分布を 10 µ 秒毎に重ねたグラフ (下)。ファイバ端は x = 0付近に位置し、レーザー光注入は t = 0.0 msの数秒前に開始した。Fig. 5.損傷をうけたファイバの光学顕微鏡写真。直径は 125µm。拡大率は Fig. 4と同じである。ズとして働くので、実体よりも縦方向に引き延ばされた像になっている。下半分のグラフは、上の像内に引かれた点線に沿った強度分布の時間変化である。ファイバ端は x=0付近に位置している。レーザー光注入は、t=0.0 msの数秒前開始した。最初の発光は x=0付近の加熱された粉から起こり、発光領域は徐々にファイバの中に伸びていった。次に、t = 1.55 msにおいて x= 90付近で独立した輝点が現れ、ファイバに沿って約 0.37 m/sの速度で移動し始めた。最終的に、t = 2.2 msにおいて x= 300µm付近に達した輝点から強い発光が現れ、約 1.2 m/sの速度で移動していった。この様子をFig. 4にまとめた。Fig. 5に、点火後に残された損傷の写真を示す。周期的空孔列がファイバ端から約 300µmの場所から現れており、そこは強い光が現れた場所である。小さい空孔列がファイバ端から深さ約 100µmの所まで伸びており、そこは暗い輝点が現れた場所である。Fig. 6(a)に、空孔の現れていない区間を傾斜照明で写した拡大写真を示す。コア領域近(a) (b)Fig. 6.無空孔区間を照明を傾けて撮影した光学顕微鏡写真。(a) Fig. 4に示したファイバと同じもの。(b) Fig. 9に示したもののうちの、4番目と 5番目。クラッド径は 125µm。http://www.opticsexpress.org/view_media.cfm?umid=18123Fig. 7.ファイバヒューズが自然停止する直前の様子を捕らえたビデオ映像 (0.85 MB)。元の無彩色スケール映像を彩色スケール映像に変換してある。くに屈折率の変化に起因する 2本の曲線がはっきりと見える。この曲線間の距離はもともとのコア径よりも大きくなっていることから、ファイバヒューズの通過にともなう密度変化、ゲルマニウムの拡散 [7]、あるいは塑性変形によるものと考えられる [10]。暗い輝点の軌跡は、Fig. 1(d)のビデオ取り込み画像では光る細線の途切れた区間として記録されている。写真中ほどの大きく光る領域は加熱された粉末である。そこから左側に伸びた短い細線は、暗い輝点が現れる前の加熱されたコア領域である。写真左側のもう一つの長い細線は、安定な光学的放電の軌跡である。暗い輝点の軌跡は、弱い光で移動するために光の細線として記録されなかったと考えられる。強い光が現れた後は、高速で移動するにもかかわらず、その光強度が十分に強いために光の細線が記録され、暗い輝点が現れる前は、光強度が弱いにもかかわらずその滞在時間が長いために、もう一つの細線が記録されたのであろう。3.2. ファイバヒューズの伝搬レーザー光の強度を 1.3 Wに落した後も、光学的放電は被覆したファイバを 5 m以上伝搬した。しかし、被覆を剥いた区間に入って 13mm走った後に自然停止した。CCDカメラが停止直前の動きを捕らえた様子を Fig. 7に示す。放電は視野全体 (約 11 mm)を 4ミリ秒で通過し、8回の非周期的閃光を発した。閃光の持続時間は約 120µs1であった。Fig. 8に、強度分布と位置の時間依存性を、スナップショットとともに示す。閃光が現れた時には、伝搬速度が 0.25 m/sから 0.33 m/sに僅かに増加した。Fig. 9に、生成した損傷の写真を示す。Fig. 8に示した領域から約 0.6 mm進んだ所にある停止点を含んた映像である。写真の右半分には、短い無空孔区間と小さな弾丸状の空孔の対によって不規則に分割された、小さな周期的空孔列が存在する (Fig. 6(b)参照)。この構造は、供給するエネルギーが伝搬限界強度近くの値である場合に現れると報告されている [4]。被覆を剥いた区間の一端から停止点に至る 13 mmの損傷パターンにおいて、不規則な区間が現れる間隔が徐々に短くなり、小さな周期的空孔は最後の 0.6 mmでは消えてしまい、別の周期的空孔が生成している (Fig. 9の左半分参照)。よって、この間隔の減少は、光学的放電のエネルギーが散逸することによって起こると考えられる。Fig. 9中の数字付き矢印は、Fig. 8の表示範囲に現れた無空孔区間の位置を示している。1原文の「120µm」は誤記。Fig. 8. (上)ファイバ軸に沿った 20 µ 秒毎の光学的放電の強度分布。左側から入射するレーザー (λ=1.48µm)の強度は 1.3 W。(下)放電のピーク位置の時間依存性。白丸は閃光を発した箇所を示す。挿入図 (a)および (b)は、それぞれ閃光を発した時と発しない時の光学的放電の写真。これらの強度分布は、上図の太線で示してある。Fig. 9.ファイバ線路中の被覆を剥いた区間に入って後に自然停止した光学的放電が残した損傷列の写真。拡大率は Fig. 8と同じである。縦方向の矢印は 125µmのクラッド径を表す。数字付き矢印は、Fig. 8の視野内に現れた無空孔区間である。Fig. 6(b)に、4番目と 5番目の不規則な区間を示す。ここにも、元のコア径よりも大きい屈折率変調領域が存在する。加えて、その幅は無空孔区間において僅かに広がっており、それは自然停止前の最後の 0.6mmにおける周期的空孔間の区間にも認められた。ここで、Fig. 5と Fig. 9左側に示された周期的空孔列の違いについてコメントしておく必要がある。両者の空孔の間隔は近い値ではあるが、前者は安定な光学的放電の伝搬で生じたものであり、それは Fig. 8左半分に示した発光強度分布の時間依存性に明確に現れている。他方、後者は連続した閃光とともに光学的放電によって生じたものである。その最初の 2回の閃光は、Fig. 8における x=900付近に記録されている。4. 考察4.1. ガラスファイバ中の光学的放電の状態今回の実験結果に関して議論する前に、ガラスファイバのコア領域に閉じ込められた光学的放電の状態を認識しておくことは有益である。幾つかの実験結果 [2, 11, 12]によると、このような放電の温度は、数千 K かそれ以上に達するという。その体積は膨張し得ないので、圧力もそれに伴って上昇すると考えられる。この様な状態のもとでは、シリカガラスの中心部分は超臨界流体になることが予想され、プラズマの様な気体とシリカ液体を区別することは不可能になる。次に、この光学的放電の温度が低下していく状況を考える。この様な冷却は、移動する光学的放電の軌跡に沿って起こる。光学的放電の先頭からの距離が大きくなるにしたがって、ある場所から気体とシリカ液体とを分ける界面が現れ、これが最終的に空孔に変化する。移動するファイバヒューズの発光領域の背後にこの空孔が存在することは、実験的に確かめられている [10, 9]。よって、冷却時の界面の挙動は、ここで議論する空孔パターンの形態に大きく関係することがわかる。ファイバヒューズによる損傷の写真を検討する際には、この事実に注意しなければならない。この考え方は、著者の先のの論文 [4]では考慮されていないことを、ここに指摘しておかねばならない。たとえば、ファイバヒューズ損傷の先頭部分の一連の写真 (文献 [4] のFig. 7参照)に基づき、(Fig. 5の左側に示されているような)周期的空孔を残す光学的放電は、「尻尾の付いた空隙の中」に存在すると結論した。上の議論に基づいてより正確に表現すれば、光学的放電の背後の冷却された領域は尻尾の様な界面を形成し、それが規則的空孔列の一つに変化する、となる。4.2. 自然停止前の不規則な閃光と無空孔区間Fig. 8と Fig. 9を比べると、光の点滅のピーク位置と無空孔区間の位置が一致することがわかる。さらに、無空孔区間の長さは、Fig. 8に示す閃光の包絡線の半値幅に一致する。1～7番目の区間に対する値はそれぞれ、43.3µmと 45.1µmである。よって、光パルスの放出の最中は、光学的放電は小さい周期的空孔の生成を停止していると言える。同時に、屈折率変調によって膨らんで見える区間の存在により、熱パルスの放出も行なわれていると言える。この伝搬モードは過渡的に起こり、すぐに本来のモードに復旧する。したがって、自然停止過程は以下のように記述することができる。被覆を剥いた区間にさしかかると、光学的放電は次第にそのエネルギーを失い、その伝搬モードは、過渡的なモードに切り替わって光を放出しては戻ることを繰り返すようになる。この現象は、エネルギーが減るにしたがって頻繁に起こる様になる。最終的には、放電は安定なモードに復帰しなくなり、停止までに過渡的なモードを数回繰り返す。この最後の挙動は、Fig. 9の左半分に示すような別の周期的空孔を生成する。この構造は、無空孔区間の連なりとも表現できる。この場合の「無空孔」とは、その区間の長さが、安定な伝搬モードにある時の光学的放電が残す規則的空孔の間隔よりも大きい場合を意味する。(Fig. 9の右半分参照。そこでは、小さな規則的空孔が無空孔区間によって分割されている。)4.3. 過渡的伝搬モードにある光学的放電著者の先の論文において [4]、ファイバーヒューズが伝搬できる下限に近いレーザー強度を注入した光学的放電に対し、レーザーの電源を突然落すことで急冷してできた空隙を含む試料を 30個以上の試料を作製した。これらの試料のうちの 4つが、先に述べた過渡的伝搬モードの途中で急冷されたものであった。それらの写真を、先頭の大きな空孔と最初の規則的空孔との距離が大きくなる順に並べたものを Fig. 10に示す。縦線の対は、無空孔区間長の期待値、すなわちそれぞれのファイバの直近の 8つの無空孔区間長の平均値である。Fig. 10(e)は、一番上の写真と同じであるが、85 µm左にずらしてある。安定な伝搬モードにあるときは、光学的放電は空隙を伴って移動しており、その空隙は周期的に形を変え、尻尾を形成してそれを切り離すことで周期的空孔の一つを形成する (文献 [4]の Fig. 8参照)。他方、過渡的モードにある光学的放電が冷却されると、このような尻尾を伴った空隙を形成しない (Fig. 10の先頭の空隙を参照)。今回の実験結果である、過渡的モードにある放電が光と熱のパルスを放出することを考慮すると、このパルスが系の状態を変えて光学的放電の背後に生成していた界面を除去してしまうことが考えられる。おそらくこれによって、光学的放電が周期的空孔列を残すことを止めるのであろう。(a)(b)(c)(d)(e)Fig. 10.約 1.3 Wのレーザー光によって生成した損傷を示す一連の光学顕微鏡写真。2本の縦線の間隔は、各ファイバにおける直近の 8つの無空孔区間の平均長に相当する。一番下の写真は一番上のものと同じだが、85 µm左にずらしてある。(a)を除く写真の高さは 50 µmに相当する。4.4. ファイバヒューズ点火時の無空孔区間ファイバヒューズ点火直後に生成する無空孔区間 (Fig. 10参照)の途中で冷却された空隙の写真を撮ることは非常に困難である。なぜなら無空孔区間は 1度しか現れないからである。しかし、無空孔区間を生成するこれら 2つの伝搬モードには以下の 3つの共通点がある。(1)この区間を移動する光学的放電の速度は約 0.35 m/sである。(2)この区間には屈折率変調部分の広がりが確認できる。(3)この状態は長く持続せず、すぐに安定な伝搬モードに戻り、周期的空孔を生成する様になる。これは、ファイバヒューズ点火時にも同様の現象が起きていることを示唆するものである。過渡的モードの持続時間がファイバヒューズ点火時の方が長い (650µs)のは、おそらく注入エネルギーが伝搬限界の場合(1.3 W)よりもずっと大きい (9 W)ためであろう。実用的な観点から見ると、安定な伝搬モードに移行しないうちに生成しつつある光学的放電を消滅させる技術は緊急に必要である。なぜなら、過渡的モードにある放電は空孔を残さないからである。5. 結論ファイバヒューズの点火と自然停止時に現れる過渡的な伝搬モードを調べるために、1480nmの光を単一モードシリカファイバに注入した場合に関して、光学的放電のその場観察と対応する損傷部分の観察に基づいて検討した。このモードにある放電は空孔を残さずに約 0.35 m/sの速度で移動し、直ちに安定なモードに復帰して周期的空孔を残すようになる。このモード変換は、以前に報告された不規則な空孔パターン [4, 5]が生成される原因である。謝辞次の方々に謝意を表します。超高速ビデオ撮影にご協力頂いた、株式会社フォトロンの花香和秀氏、坂巻顯氏、相澤啓助氏2。継続的なご支援を賜わった、物質・材料研究機構の井上悟博士。新たな視点をご教示いただいた匿名の審査員の方々。2訳註:原文では別の方の名前が記されているが、正しくはこの方である。謹んでお詫び申し上げます。