# Fileset

[ふぇらむ.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/106211fe-eab0-44a5-9aa0-1b81754cfde6/download)

## Creator

[岡田 和歩](https://orcid.org/0000-0003-0183-4528)

## Rights

[In Copyright](http://rightsstatements.org/vocab/InC/1.0/)

## Other metadata

[塑性変形挙動に基づいたBCC鋼の水素脆性擬へき開破壊機構](https://mdr.nims.go.jp/datasets/28511894-27f2-4851-814a-9a7266267798)

## Fulltext

塑性変形挙動に基づいたBCC鋼の水素脆性擬へき開破壊機構 1  はじめにこの度、著者らが日本鉄鋼協会より澤村論文賞をいただいた論文「Origin of serrated markings on the hydrogen-related quasi-cleavage fracture in low-carbon steel with ferrite microstructure」1）に関し、論文中では記載できなかった研究のきっかけや裏話等を紹介する機会をいただいた。まずは著者一同を代表して、関係者の方々に感謝と御礼を申し上げたい。本論文は、著者が京都大学工学研究科材料工学専攻の博士課程在籍時に、辻伸泰教授、柴田曉伸准教授（現 物質・材料研究機構 上席グループリーダー）の熱心なご指導の下行った研究成果の一部をまとめたものである。また、本論文の技術的な軸である集束イオンビーム（Focused Ion Beam，FIB）加工については、当時私の後輩であった松宮久氏（現 宇宙航空研究開発機構 助教）に教わった。この場を借りて、共著者の皆様のご指導・ご協力に深く感謝申し上げる。本稿では、体心立方（Body-Centered Cubic，BCC）構造を有する鉄鋼材料の水素脆性擬へき開破壊に関して、著者らがこれまでに発表してきた成果を振り返りながら、受賞論文の内容や今後の展開について解説させていただく。 2  本研究のコンセプト材料中に水素が侵入することで材料が脆くなる水素脆化現象は、一般に、強度上昇とともにより顕著になる。したがって、材料の更なる高強度化へのニーズが高まっている昨今、水素脆化のメカニズム解明および克服は喫緊の課題となっている。もっとも代表的な高強度鋼であるマルテンサイト鋼は、一つの旧オーステナイト粒の中にラス、ブロック、パケットという種々の階層組織が存在する複雑な微視組織を有する。マルテンサイト鋼は極めて水素脆化し易く、典型的な水素脆性破壊モードとして粒界破壊と擬へき開破壊が知られている。粒界破壊は旧オーステナイト粒界に沿った破壊である。そして、本稿で着目する水素脆性擬へき開破壊は、BCC結晶のへき開面である｛001｝面ではなく、｛011｝面に沿って生じる粒内破壊であることがわかっている 2）。また、擬へき開破面上には、特徴的な筋状模様であるserrated markingsを伴う。しかし、｛011｝面がBCC結晶のすべり面であると同時に、マルテンサイトの特定粒界（ラス境界とブロック境界）も｛011｝面と平行に近いため、擬へき開破壊が塑性変形に由来した破壊なのか、あるいはマルテンサイト組織に由来した破壊なのか議論が分かれていた。そこで、マルテンサイト組織と同じBCC構造の単純組織を有するフェライト組織の水素脆性破壊に着目し、マルテンサイト組織の水素脆性破壊と比較することで、擬へき開破壊のメカニズムを明らかにしていくというのが本研究の基本コンセプトである。本稿で示す成果では、2Mn-0.1C（wt.%）フェライト/パーライト鋼（等軸フェライト粒の体積率は87.4%）を使用している。この化学組成選択には、同一インゴットから作製したフェライト鋼とマル�＊ �［今回の対象論文］岡田和歩，柴田曉伸，松宮久，辻伸泰：「Origin of Serrated Markings on the Hydrogen Related Quasi-cleavage Fracture �in Low-carbon Steel with Ferrite Microstructure」，ISIJ International，Vol.62（2022），No.10，pp.2081-2088，（2024年澤村論文賞表彰）塑性変形挙動に基づいたBCC鋼の 水素脆性擬へき開破壊機構＊Mechanism of Hydrogen-related Quasi-cleavage Fracture in BCC Steels Based on Plastic Deformation Behavior今振り返ってみて、行間にこめた思い、エピソード岡田和歩Kazuho Okada国立研究開発法人 物質・材料研究機構 構造材料研究センター　研究員私の論文34ふぇらむ Vol.29（2024）No.9602テンサイト鋼の破壊挙動を比較するという意図がある。 3  �擬へき開破壊モデルの提案に�至るまでフェライト鋼の場合、マルテンサイト鋼のように高密度の格子欠陥を有さないため、水素プレチャージのみでは材料中にほとんど水素が侵入しない。そのため、水素プレチャージ材はほとんど水素脆化せず、ディンプルパターンを伴った延性破面が確認される（Fig.1（a）、青）。一方、水素チャージを継続しながら引張試験を行うと、試験中に新たに多量の水素が導入されることで延性が大きく低下し、主に擬へき開破壊（破面率：91.3%）によって破壊する（Fig.1（a）、赤）。破断後の試料を詳細に解析したところ、フェライト鋼の擬へき開破面は、マルテンサイト鋼の場合と同様に｛011｝面と概ね平行であり、かつserrated markingsを伴うことがわかった（Fig.1（b，c））3）。したがって、｛011｝面に沿った水素脆性擬へき開破壊がマルテンサイトの階層組織に由来した破壊ではなく、BCC構造を有する鋼における水素脆性擬へき開破壊の本質的特徴であることが明らかとなった。｛011｝面はBCC結晶のすべり面であるため、水素脆性擬へき開破壊のメカニズムは塑性変形と密接に関係していると考えられる。実際これまでに、水素助長局所変形（Hydrogen-Enhanced Localized Plasticity，HELP）モデル 4,5）や水素助長歪み誘起空孔（Hydrogen-Enhanced Strain-Induced Vacancies，HESIV）モデル 6,7）など、塑性変形の寄与を考慮した水素脆化モデルが提案されてきた。しかし、いずれのモデルも、単体では水素脆性擬へき開破壊のメカニズムを包括的に説明することはできない。そこで、著者らは、フェライト鋼の変形微視組織発達に及ぼす水素の影響を調べ、水素が刃状転位に対するらせん転位の相対的な易動度を増加させることで、絡まり合った転位形態が形成されることを明らかにした 8）。さらに、ナノボイドが｛011｝面トレースと平行に合体・連結することで、水素脆性擬へき開き裂が不連続に進展することを発見した。著者らは、これらの結果から、らせん転位のジョグ引きずり運動によって多量の空孔が導入され、これらの空孔が合体・連結することにより｛011｝すべり面に沿った水素脆性擬へき開破壊が生じるという、HELPとHESIVの混合モデルを提唱した（Fig.2）。しかし、擬へき開破面上に現れるserrated markingsの形成メカニズムは依然として不明であった。そこで、serrated markingsの形成メカニズムを明らかにするとともに、上記の擬へき開モデルを検証することを目的として、serrated markingsの微視的3次元構造と結晶学的特徴を調べた成果が受賞論文の内容となる。 4  受賞論文の概要1）本研究では、serrated markingsの微視的3次元構造と結晶学的特徴を調べるにあたり、独自の解析手法を確立した。水素脆性擬へき開破面上の20×20μm程度の領域について、SEM像を用いた3次元像再構築を事前に行っておき、3次元像を再構築した領域からFIB加工によって走査型透過電子顕Fig.1　 (a) Nominal stress-strain curves of the uncharged specimen (black)，the hydrogen pre-charged specimen tested in the air (blue)，and the specimen concurrently hydrogen-charged during the tensile test (red). (b) EBSD orientation map near the fracture surface of the concurrently hydrogen-charged specimen after tensile fracture. (c) Stereographic triangle showing the crystallographic orientation of the normal direction of the fracture facets in (b). (cited from ref.3)（Online version in color.）35塑性変形挙動に基づいたBCC鋼の水素脆性擬へき開破壊機構603微鏡（Scanning Transmission Electron Microscopy，STEM）観察用の薄膜試料を作製するというものである。STEM像からは、菊池線から得られる結晶方位と破面トレースに関する情報しか得られないが、事前に再構築した破面3次元像からSTEM観察面奥行方向への破面傾斜角がわかるため、破面方位などを正確に決定することができる。最近では、FIB-SEM/EBSDによるシリアルセクショニングを用いて、き裂の微視構造や結晶学的特徴を3次元的に再構築するという極めて先進的な手法 9）が確立されてきているのでぜひ参照されたいが、このような解析を行うには特殊仕様の装置を導入する必要がある。本論文で提案した解析手法は、通常のSEMとFIBがあれば誰でも自前で行うことができるため、金属材料の破壊研究を加速させる一助となれば幸いである。Fig.3（a）は再構築した擬へき開破面の3次元像、（b）は（a）の破面の一部の拡大SEM像、（c）は（b）の線分AB直下からserrated markingsとほぼ垂直に作製した薄膜試料のSTEM像である。破面上のserrated markingsは階段状構造のエッジ部分と対応したものであることがわかる。合計5つの結晶粒に形成された水素脆性擬へき開破面を解析し、Fig.3（c）に白破線で示すような微視的破面ファセットの面方位を調べたところ、ほとんどの破面ファセットが｛011｝面と平行に近いことが明らかとなった（Fig.3（d））。したがって、フェライト鋼の水素脆性擬へき開破面上のserrated markingsは、階段状の微視的｛011｝ファセットによって構成されていることが明らかとなった。また、微視的｛011｝ファセットの長手方向をserrated markingsの方向と定義すると、serrated markingsは<011>方向あるいは<211>方向と平行に近いことが明らかとなった（Fig.3（e））。ここまでに示した擬へき開破面の微視的構造および結晶学的特徴を、Fig.3（f）に模式図として示している。第3章（Fig.1）では、より巨視的なスケールで水素脆性擬へき開破面が｛011｝面と平行に近いことを示したが、本研究の結果から、巨視的に｛011｝面と平行な擬へき開破面が複数の微視的｛011｝ファセットによって構成されていることが明瞭に示された。ここで重要なのは、微視的擬へき開ファセットの面方位が完全な｛011｝から10°程度までずれていることからもわかるように、擬へき開破壊が｛011｝原子面の剥離による破壊ではないという点である。擬へき開破面が巨視的に｛011｝面と平行に近いのは、階段状の微視的｛011｝ファセットによって構成されていることに由来するが、微視的｛011｝ファセットもまた、おおよそ｛011｝面と平行に形成されているにすぎない。さらに、微視的擬へき開ファセットは、BCC結晶の6つの等価な｛011｝面の中で引張軸からの傾斜角が最大（70°程度）であるものと平行に近いことがわかった。すなわち、｛011｝面に働く分解垂直応力が水素脆性擬へき開破壊において重要な役割を担っており、この破壊がすべり面分離のように、水素によって助長されたすべり変形に直接引き起こされる破壊ではないことが示唆された。上記ようなserrated markingsの構造が、著者らの提唱したHELPとHESIVの混合モデルと結び付けられるのか検証する必要がある。Feと同様にBCC構造を有するMo（水素なし）の変形微視組織を観察した先行研究 10）によれば、らせFig.2　 Schematic illustrations showing the proposed mechanism explaining the hydrogen-related quasi-cleavage fracture along the {011} slip planes in the BCC steel. (cited from ref.8)（Online version in color.）36ふぇらむ Vol.29（2024）No.9604ん転位のジョグ引きずり運動によって導入される空孔列（文献内ではプリズマティック転位ループ）は、らせん転位の転位線方向と垂直な<211>方向に伸長する（すべり面法線方向（<011>）とらせん転位の転位線方向（<111>）の外積から計算できる）。本研究の水素脆性擬へき開破壊の場合も、BCC結晶の12の等価な<211>方向のうち、シュミット因子最大のらせん転位のジョグ引きずり運動によって空孔列が導入される<211>方向とserrated markingsが平行になっていた。この結果は、serrated markingsの方向がらせん転位のジョグ引きずり運動によって導入される空孔列の方向と密接に関係していることを裏付けている。水素によって空孔の拡散頻度が極めて小さくなることで、らせん転位のジョグ引きずり運動によって導入された空孔がほとんど拡散せず、すべり面近傍に高密度で残留するという第一原理計算を用いた結果 11）や、水素脆性擬へき開破面上にナノスケールのディンプルを観察した報告 12）があることからも、著者らは、これまで提唱してきたHELPとHESIVの混合モデルへの確信をより一層強めている。しかしながら、らせん転位のジョグ引きずり運動によって導入される空孔列の方向は<211>方向であるため、<011>方向と平行なserrated markingsの起源を明らかにすることはできなかった。空孔クラスターの形成・成長過程を結晶学と関連付けてその場観察することは現状非常に困難であるため、serrated markingsの形成メカニズムをより完全に明らかにするためには、計算機シミュレーションを用いた検討が必要となってくると考える。水素チャージされたFe中の空孔クラスター形成については、いくつかの計算報告があるが、<011>方向と平行なserrated markingsの形成メカニズムを説明することができる結果を見つけることはできなかった。水素の存在によって空孔の拡散頻度が極めて小さくなるため 11,13）、き裂先端近傍の特異な応力場の中で複数のすべり系が活動する際の空孔クラスター形成について、最終的なエネルギー安定状態のみでなく、空孔拡散挙動を考慮した検討が必要であろう。Fig.3　 (a) Reconstructed three-dimensional image of the hydrogen-related quasi-cleavage fracture surface. (b) Enlarged SEM image of the quasi-cleavage fracture surface in (a). (c) STEM image of the microstructure beneath the white solid line in (b). Stereographic triangles showing the (d) normal directions of the microscopic quasi-cleavage facets and (e) directions of serrated markings. (f) Schematic illustration of the three-dimensional morphology of the quasi-cleavage fracture surface. (cited from ref.1)37塑性変形挙動に基づいたBCC鋼の水素脆性擬へき開破壊機構605 5  マルテンサイト鋼との比較14）「フェライト鋼とマルテンサイト鋼の水素脆性破壊と比較することで擬へき開破壊のメカニズムを明らかにしていく」というのが本研究のコンセプトであるので、マルテンサイト鋼の結果に触れることなく本稿を締めくくることはできない。著者らは、受賞論文の続編として、マルテンサイト鋼の水素脆性擬へき開破面に対しても、受賞論文と同様の手法を用いてserrated markingsの微視的な構造や結晶学的特徴を解析した。結果はフェライト鋼の場合とほとんど同じであり、擬へき開破面は分解垂直応力が最大である微視的｛011｝ファセットの階段状構造によって構成されており、serrated markingsは<011>方向あるいは<211>方向と平行であった。ただし、フェライト鋼の場合serrated markingsのほとんどが<011>方向と平行であり、<211>方向と平行なものは限られていたが、マルテンサイト鋼の場合はほとんどのserrated markingsが<211>方向と平行であった。このような差異が何に起因しているのかは不明であるが、<211>方向と平行なserrated markingsの形成は、やはりシュミット因子最大のらせん転位のジョグ引きずり運動によって導入される空孔列によって説明できるものであった。ゆえに、BCC構造を有する鉄鋼材料において、水素脆性擬へき開破壊は共通のメカニズムによって生じており、それは著者らが提唱したHELPとHESIVの混合モデルで説明できるのではないかと考えている。 6  研究を振り返って上記の水素脆性擬へき開破壊に関する研究を通じて、「ひとまずやってみること」と「自分の手で解析すること」の大切さを痛感した。正直な話をすると、水素によってらせん転位の相対易動度が増加すること 8）を発見できたのは、ただJ-PARCを使ってみたかったのでひとまず中性子回折実験を行ってみたところ、どうやら水素の有無で何か変わっていそうだということに気づいたからである（もちろん、上記のモチベーションをそのまま指導教官に説明したわけではない）。当初、著者の研究テーマは「定荷重下および疲労変形下におけるフェライト鋼の水素脆性破壊挙動」であったが、中性子回折実験の結果をもって、単軸引張試験における水素脆性擬へき開破壊のメカニズムを塑性変形挙動に基づいて解明するだけでも面白い研究になりそうだということで、研究方針を変更した。道草を食うような実験も時に視野を広げることを体験し、今でも「ひとまずやってみる」精神を大切にしている。また、辻先生、柴田先生には、「ひとまずやってみる」ことができる環境・機会を与えていただき、感謝の念に堪えない。余談ではあるが、上記の当初の研究テーマは共著者である松宮氏に引き継がれ、その成果 15,16）も公開されているので、ご一読いただければ幸いである。受賞論文の成果においても、擬へき開破壊が塑性変形と密接に関係しているため、初めは微視的擬へき開ファセットがシュミット因子最大の｛011｝すべり面と対応しているのではないかと予想していた。結果は予想と異なり、シュミット因子ではなく分解垂直応力が支配因子であったわけだが、破面やSTEM像を自分の目で見て、破面方位やserrated markingsの方向を自分の手で解析したからこそ気づけた結果であると思っている。最近では、測定の自動化や機械学習によるデータ抽出・解析を通じた研究のハイスループット化・誰でもできる化が進んでいる。EBSD測定・分析などが典型的な例であろう。このような技術は、科学のさらなる発展のために必要不可欠であるが、機械は我々が与えたデータから求めた要素しか出力しないのである。本研究では、フェライト鋼 1）とマルテンサイト鋼 14）を合わせて17箇所（失敗例含む）の擬へき開破面に対して、3次元像再構築とFIB-STEMを組み合わせた解析を行っており、相当な時間を費やした。もし全ての測定・解析を自動で行ってくれる装置が存在したならば、楽に短期間で結果が出たであろうが、擬へき開破面上のserrated markingsが階段状の微視的｛011｝ファセットによって構成されている、というところで話が終わっていたかもしれない。上手くハイスループット化・誰でもできる化を取り入れながらも、研究対象に直接触れることで、「ひらめき」や「気づき」（すなわち、人間への意図せぬ入力に対する意図せぬ出力とでも言えるのであろうか）という我々研究者を研究者たらしめる一要素を大切にしていきたいと思っている。 7  おわりに本稿は、水素脆性擬へき開破壊のメカニズム解明に重きを置いた内容となったが、メカニズム解明はあくまで通過点に過ぎず、破壊メカニズムを抑制する材料設計指針を提案し、水素脆化を克服した材料を創製・社会実装することが最終目標である。一般にマルテンサイト鋼の場合、より厳しい水素環境下では粒界破壊が支配的となる 17）ため、現状は擬へき開破壊よりも粒界破壊の抑制に着目した研究が多い。著者らも例外でなく、旧オーステナイト粒界における偏析炭素濃度を増加させることで粒界破壊を抑制することには成功している 18）が、擬へき開破壊の抑制には成功していない。しかし、破壊はより弱い箇所で生じるものなので、現状は水素環境下で粒内より粒界が弱いだけである。粒界破壊の抑制に関する研究が発展していけば、いずれは擬へき開破壊を克服しな38ふぇらむ Vol.29（2024）No.9606ければならない時代も訪れるであろう。粒界破壊と擬へき開破壊の両方を克服したら、新たな第3の破壊モードが問題となってくる可能性も否定はできない。水素脆性に関する未解決問題はまだまだ山積しているが、それは研究者にとって楽しみであり、やりがいを感じる状態ではなかろうか。マルテンサイト鋼やフェライト鋼を主体とした廉価な低・中合金鋼において、水素脆性を克服することで、より安心安全かつ持続可能な社会の実現に貢献するため、これからも研究に励んでいく所存である。参考文献1 ） K.Okada，A. Shibata，H.Matsumiya and N.Tsuji：ISIJ Int.，62（2022），2081．https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-2122 ） A.Shibata，Y.Momotani，T.Murata，T.Matsuoka，M.Tsuboi and N.Tsuji：Mater. Sci. Technol.，33（2017），1524．https://doi.org/10.1080/02670836.2017.13122103 ） K. Okada，A. Shibata，Y.Takeda and N.Tsuji：Int. J. Hydrogen Energy，43（2018），11298．https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2018.05.0114 ） H.K.Birnbaum and P.Sofronis：Mater. Sci. Eng. A，176（1994），191．https://doi.org/10.1016/0921-5093（94）90975-X5 ） T. Tabata and H. K.Birnbaum：Scr. Metall.，18（1983），947. https://doi.org/10.1016/0036-9748（83）90268-56 ） M.Nagumo：ISIJ Int.，41（2001），590．https://doi.org/10.2355/isijinternational.41.5907 ） M. Nagumo and H.Matsuda：Philos. Mag. A，82（2002），3415．https://doi.org/10.1080/01418610208240 4528 ） K.Okada，A.Shibata，W.Gong and N.Tsuji：Acta  Mater.，225（2021）117549．https://doi.org/10.1016/j.actamat.2021.1175499 ） H.Nishikawa，Y.Furuya，T.Osada，K.Kawagishi and T.Hara：Scr. Mater.，222（2023），115026．https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2022.11502610） H.Matsui and H.Kimura：Trans. J. Inst. Met.，22（1981），481．https://doi.org/10.2320/matertrans1960.22.48111） 松本龍介，西口直，武富紳也，宮崎則幸 : 材料，63 (2014)，182．https://doi.org/10.2472/jsms.63.18212） T.Neeraj，R.Srinivasan and J.Li：Acta Mater.，60（2012），5160．https://doi.org/10.1016/j.actamat.2012.06.01413） E.Hayward and C.C.Fu：Phys. Rev. B，87（2013），174103．https://doi.org/10.1103/PhysRevB.87.17410314） K.Okada，A.Shibata and N.Tsuji：Scr. Mater.，234（2023），115568．https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2023.11556815） H.Matsumiya，A.Shibata，K.Okada and N.Tsuji：Int. J. Hydrogen Energy，46（2021），37509．https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2021.09.01116） H.Matsumiya，A.Shibata，Y.Maegawa，K.Okada and N. Tsuji：ISIJ Int.，62（2022），2089．https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-21017） Y.Hagihara，T.Shobu，N.Hisamori，H.Suzuki，K.Takai and K.Hirai：ISIJ Int.，52（2012），298．https://doi.org/10.2355/isijinternational.52.29818） K.Okada，A.Shibata，T.Sasaki，H.Matsumiya，K.Hono and N.Tsuji：Scr. Mater.，224（2023），115043．https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2022.115043（2024年5月29日受付）39塑性変形挙動に基づいたBCC鋼の水素脆性擬へき開破壊機構607https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-212https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-212https://doi.org/10.1080/02670836.2017.1312210https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2018.05.011https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2018.05.011https://doi.org/10.1016/0921-5093(94)90975-Xhttps://doi.org/10.1016/0921-5093(94)90975-Xhttps://doi.org/10.1016/0036-9748(83)90268-5https://doi.org/10.2355/isijinternational.41.590https://doi.org/10.2355/isijinternational.41.590https://doi.org/10.1080/01418610208240452https://doi.org/10.1080/01418610208240452https://doi.org/10.1016/j.actamat.2021.117549https://doi.org/10.1016/j.actamat.2021.117549https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2022.115026https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2022.115026https://doi.org/10.2320/matertrans1960.22.481https://doi.org/10.1016/j.actamat.2012.06.014https://doi.org/10.1103/PhysRevB.87.174103https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2023.115568https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2021.09.011https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2021.09.011https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-210https://doi.org/10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-210https://doi.org/10.2355/isijinternational.52.298https://doi.org/10.2355/isijinternational.52.298https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2022.115043https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2022.115043