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[2294-31 第8節　数値シミュレーションによるマルチマテリアル材料のガルバニック腐食解析.pdf](https://mdr.nims.go.jp/filesets/0ce0b0a1-1983-4d74-8b1b-f5f9071722a5/download)

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[門脇 万里子](https://orcid.org/0000-0002-8988-3545), [片山 英樹](https://orcid.org/0000-0001-7947-4687)

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[数値シミュレーションによるマルチマテリアル材料のガルバニック腐食解析](https://mdr.nims.go.jp/datasets/b7931aaa-3e76-4968-a402-4664b17d8774)

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330 331第 8節　数値シミュレーションによるマルチマテリアル材料のガルバニック腐食解析（国研）物質・材料研究機構　門脇 万里子，片山 英樹1.　異種材料の共存部での腐食　近年，自動車産業分野では二酸化炭素の排出量を抑制するための車体の軽量化が重要視されている 1-5）。それを実現するための方針として，鉄鋼材料などの重いが強度に優れる材料と，軽量材料を適所に応じて組み合わせて使用する「マルチマテリアル化」に注目が集まっている。アルミニウム合金は軽量で比強度に優れ，かつリサイクル性にも優れることから，車体への適用が最も期待されている軽量材料の一つである 6-9）。　そのように自動車材料へのアルミニウム合金適用の期待が高まっている一方，鉄鋼材料とアルミニウム合金を組み合わせて使用することで，部材での腐食損傷が深刻となることが課題として挙げられる 10-14）。腐食は金属に水滴・水溶液などが付着した際に生じ，金属が溶解するアノード反応（酸化反応）と水溶液中の酸素などの化学種が引き起こすカソード反応（還元反応）による複合電極反応として進行する。図 1はアルミニウム合金と鉄鋼材料を組み合わせた部材上で起こる腐食の模式図である 15,16）。アルミニウム合金と鉄鋼材料の共存部が腐食環境にさらされると，一般的にはアルミニウム合金にてアノード反応が，鉄鋼材料にてカソード反応が生じることで腐食が進行する 10-12）。このような異なる材料上での電子授受（電池反応）により進行する腐食は「ガルバニック腐食」と呼ばれる。このガルバニック腐食において，金属の溶解であるアノード反応は主にアルミニウム合金上で起こることから，この場合はアルミニウム合金での腐食損傷が深刻となる。図 1　アルミニウム合金と鉄鋼材料を組み合わせた部材上で起こる腐食 15,16）腐食環境（水滴・水溶液など）ガルバニック腐食 自己腐食O2 O2 Fe2＋OH－ OH－Al3＋AI 合金AA6016鉄鋼材料SM490e－e－　上記のガルバニック腐食に加えて，図 1に示すようにアノード反応とカソード反応の両方が鉄鋼材料上で起こる，鉄鋼材料の「自己腐食」も同時に進行する場合があることが報告されている 13-16）。この場合は金属の溶解であるアノード反応が鉄鋼材料上で起こることから，鉄鋼材料においても腐食損傷が生じる。すなわち，アルミニウム合金と鉄鋼材料の共存部での腐食によるリスクを正確に把握するためには，ガルバニック腐食と自己腐食という，異なる腐食現象を同時に評価する必要がある。“2.1 電気化学計測によるガルバニック腐食挙動の解析”で説明するとおり，ガルバニック腐食の起こりやすさは電気化学測定17,18）などの実験的手法により評価することができる。しかし，ガルバニック腐食挙動と鉄鋼材料の自己腐食挙動を同時にかつ定量的に評価することは，実験データのみに基づく解析では困難である。　上記のような複数の腐食現象を同時に解析するにあたり，有限要素法（Finite Element Method：FEM）をはじめとした数値シミュレーションの活用は有効なアプローチの一つである。有限要素法とは，解析対象を有限個の微小要素に分割し，物理化学現象を数式として表した支配方程式を各要素内で近似的に解く数値解析の手法である 19）。こ330 331の手法をアルミニウム合金と鉄鋼材料の共存部の腐食現象に適用した場合，各材料上での腐食反応により生じた電流・電位分布や化学種濃度の空間的分布などを算出することが可能であり，そのデータに基づけばガルバニック腐食挙動と自己腐食挙動を同時に，かつ定量的に推定することが可能である 13）。本節では，実験による解析とシミュレーションによる解析を併用した研究の一例として，AA6016 アルミニウム合金と SM490 炭素鋼の共存部での腐食挙動を解析した事例を紹介する。2.　実験による腐食挙動の解析2.1　電気化学計測によるガルバニック腐食挙動の解析　はじめに，実験により AA6016 と SM490 の共存部の腐食挙動を解析した結果を紹介する 13,15,16）。図 2 は実験に使用した試料の模式図である 13-16）。この試料は，10 mm四方に切断した AA6016 板と SM490 板を，厚さ 100 μm の絶縁フィルムを挟んで隣り合わせに配置してエポキシ樹脂に包埋することで作製している。AA6016 および SM490の裏面には，電気化学計測を行うための導線を取り付けている。この試料を様々な濃度のNaCl 溶液中に浸漬した状態で，AA6016/SM490 間のガルバニック腐食により生じる電流値（以降は“ガルバニック電流”と呼称する）と電位（以降は“ガルバニック電位”と呼称する）を 3時間計測した。　図 3は，0.05 wt％，0.5 wt％，および 5 wt％ NaCl 溶液中におけるガルバニック電流とガルバニック電位の経時変化である 13,15）。なお，図 3（a）のグラフにおける電流値が正の値の場合，AA6016 がアノード，SM490 がカソードとなる向きにガルバニック電流が生じたことを意味している 13,15）。図 3（a）のグラフでは常に電流値が正であることから，常に AA6016 がアノード，SM490 がカソードとしてガルバニック腐食が進行したと考えられる。重要なのは，ガルバニック電流はNaCl 濃度が高くなるにつれて増加している点である。すなわち，NaCl 濃度が高いほどガルバニック腐食が進行しやすいことを意味している。“2.2 試料表面の腐食形態”で説明するように，このNaCl 濃度の増加に伴うガルバニック腐食の促進は，多量の塩化物イオンによって AA6016 側での局部腐食（孔食）の発生・進行が促進されたことに起因すると考えられる 13）。一方，図 3（b）のとおりガルバニック電位はNaCl 濃度が高くなるにつれて卑になっている。10 mm 10 mm（a）上面図AA6016 SM490絶縁フィルム：100 μmAA6016SM490エポキシ樹脂10 mm（b）断面図 エポキシ樹脂導線図 2　実験に使用した試料 13,16）図 3　 実験により測定したNaCl溶液中でのAA6016/SM490共存部のガルバニック電流とガルバニック電位の経時変化 13,15）5 wt％ NaCI0.5 wt％ NaCI0.05 wt％ NaCI10210110010－ 110－ 210－ 3電流密度，i/A m－2（a）ガルバニック電流時間，t/ks時間，t/ks（b）ガルバニック電位0 2 4 6 8 10 12－ 0.2－ 0.3－ 0.4－ 0.5－ 0.6電位，E/V vs. SHE0.05 wt％ NaCI0.5 wt％ NaCI5 wt％ NaCI0 2 4 6 8 10 12332 3332.2　試料表面の腐食形態　図 4（b）-（d）は図 3のガルバニック電流と電位の測定を 3時間行った後の試料表面の光学顕微鏡画像である 13,15）。また，参考として測定前の試料の画像を図 4（a）に示している 13,15）。まず，AA6016 側に着目すると，NaCl 濃度が高いほど表面は白く変色しており，顕著に腐食が進行していることがわかる。図 5は図 4の AA6016 側を拡大して観察した結果である 13,15）。全ての NaCl 溶液にて，AA6016 表面では黒い穴状の腐食の発生がみられる。これは孔食と呼ばれる局部腐食の一種である。AA6016 は Al，Mg，および Si を主成分とする合金であり，Fe などの不純物元素も含有している場合がある。金属組織中にはMg-Si 系や Al-Fe-Si 系の金属間化合物が存在する場合があり，それらの金属間化合物が起点となり孔食が発生しやすいこと 13,20），環境中の塩化物濃度が高いほどそのような金属間化合物起点の腐食発生が促進されること 21）が知られていることから，図 5の結果は妥当であると考えられる。図 4　 NaCl 溶液に 3時間浸漬（a）前および（b-d）後の試料の光学顕微鏡画像。溶液のNaCl 濃度：（b）5wt％，（c）0.5wt％，および（d）0.05 wt％ 13,15）（a）実験前（b）実験後，5wt％ NaCl（c）実験後，0.5wt％ NaCl（d）実験後，0.05wt％ NaClAA6016 SM4905 mmAA6016 SM490AA6016 SM490AA6016 SM490図 5　 NaCl 溶液に 3 時間浸漬後の AA6016 の拡大画像。溶液のNaCl 濃度：（b）5wt％，（c）0.5wt％，および（d）0.05 wt％ 13,15）（a） 5 wt％ NaCI（b） 0.5 wt％ NaCI（c） 0.05 wt％ NaCI100 μm100 μm100 μmNaCl 濃度[wt.％ ]孔食の直径の平均値 [ μm]孔食の面積率[％ ]5 14.1 2.50.5 16.0 1.00.05 14.2 0.2表 1　AA6016 で発生した孔食の直径の平均値および AA6016 全体に占める孔食の面積率 13,15）　表 1は，図 5の画像を基に各NaCl 濃度で発生した孔食の直径の平均値と，AA6016 全体に占める孔食の面積率を整理した結果である 13,15）。孔食の大きさは全てのNaCl 濃度でほとんど差がみられない。一方，前述した通りNaCl濃度が高いほど孔食の発生が促進されるため，孔食の数はNaCl 濃度が高いほど多い。言い換えると，NaCl 濃度が高332 333ガルバニック腐食 自己腐食O2 O2 Fe2＋OH－ OH－Al3＋e－e－AI 合金AA6016鉄鋼材料SM490【ここまで：実験での知見】・AA6016/SM490 間のガルバニック腐食：AA6016 をアノード・　SM490 をカソードとして進行・高NaCl 濃度ほどガルバニック腐食が起こりやすい　（ガルバニック電流値を基に定量的な評価も可能）SM490 の自己腐食：低NaCI 濃度ほど顕著だが，実験では定量的な解析が困難【これ以降】シミュレーションの活用：ガルバニック腐食・自己腐食の定量的な解析図 6　実験による解析でわかったことと未解明箇所いほど AA6016 でのアノード反応（孔食の発生）が起こりやすいと解釈できる。これは，図 3で説明したNaCl 濃度が高いほど AA6016 をアノード・SM490 をカソードとするガルバニック腐食が起こりやすいという結果と合致する傾向である。　一方，今度は図 4の SM490 側に着目すると，最もNaCl 濃度の高い 5 wt％ NaCl 中では SM490 表面はほとんど腐食していないが，NaCl 濃度が低下するにしたがって SM490 表面に溶解に伴う赤さび（鉄さび）の形成がみられる。すなわち，NaCl 濃度が低いほど SM490 の溶解反応（アノード反応）が促進されたと考えられる。ガルバニック腐食では SM490 はカソード反応側である（“2.1 電気化学計測によるガルバニック腐食挙動の解析”および図 3(a) 参照）ので，SM490 ではアノード反応は起こらないはずである。このことから，赤さびの形成は SM490 の自己腐食（アノード反応とカソード反応の両方が SM490 上で生じて進行する腐食）によるものであると考えられる。すなわち，NaCl濃度が低い場合は AA6016/SM490 間のガルバニック腐食に加えて SM490 の自己腐食も顕著に進行する。腐食によるリスクを正確に把握するためには，これら二つの腐食挙動を同時に解析する必要がある。2.3　数値シミュレーション導入の重要性　これまでの実験によりわかったことを図 6 にまとめる。まず，AA6016/SM490 間のガルバニック腐食は，AA6016 をアノード反応側，SM490 をカソード反応側として生じることがわかった。さらに，NaCl 濃度が高いほどガルバニック腐食が起こりやすく，AA6016 にて多量の孔食が発生することがわかった。NaCl 濃度にともなうガルバニック腐食の起こりやすさの変化は，例えば図 3（a）のガルバニック電流値を基にすると定量的に把握することが可能である。　さらに，NaCl濃度が低いほど上記のガルバニック腐食に加えてSM490の自己腐食も起こりやすいことがわかった。しかし，AA6016/SM490 間のガルバニック腐食と同時に，SM490 の自己腐食の起こりやすさを定量的に解析することは実験のみによる解析では困難である。そこで，これ以降は有限要素シミュレーションを活用して，NaCl 濃度の変化にともなうガルバニック腐食量・自己腐食量の変化を定量的に解析することとした。3.　有限要素法によるガルバニック腐食評価3.1　シミュレーションモデルの形態的特徴　本項の研究では有限要素法（FEM）に基づく数値シミュレーションを活用している。シミュレーションのソフトウェアには COMSOL Multiphysics を用いている。図 7は解析に用いた二次元のシミュレーションモデルの模式図で334 335ある 13,15,16）。このモデルでは，幅 10 mmの AA6016 と SM490 が幅 100 μmの絶縁層を介して隣り合っている状況を想定している。これらの形状・サイズは図 2に示す実験に用いた試料のものと同一である。これらの上には厚さ5 mmの NaCl 溶液層が存在している。有限要素解析を行うため，このNaCl 溶液層を有限個の微小な三角形要素に分割している。　前項で説明した実験による解析の結果，AA6016 では局部的な孔食が発生することがわかっている。図 7（b）はシミュレーションモデルのうち，AA6016 表面近傍を拡大した画像である 13）。現実の腐食形態を模擬するため，シミュレーションモデルにおいても AA6016 側に半円状の孔食部を設定し，それ以外の箇所は不働態部（孔食が発生していない領域）としている。さらに，図 7（c）に示すように孔食部の直径は約 15 μmとしているが，これも実験で得られた実際の孔食の直径の値（表 1参照）をもとに決定している。実験結果では，孔食の数はNaCl 濃度が高いほど増加した（表 1参照）。この結果を踏まえて，シミュレーションモデルにおいても AA6016 表面に存在する孔食部の個数をNaCl 濃度が高くなるほど多くなるように設定し，AA6016 表面に占める孔食部の面積率を実験値と同一となるようにしている。　SM490 側については，腐食現象は比較的均一に生じることがわかっている 13）ため，シミュレーションモデルにおいても SM490 側には局部的な腐食部などは設けていない。図 7　 FEMシミュレーションに用いた二次元モデル。（a）全体像，（b）AA6016 表面近傍の拡大画像，（c）AA6016 表面に存在する孔食部の拡大画像 13,15,16）（b）AA6016 表面近傍の拡大画像（a）全体像2 mm NaCl 溶液層5 mmAA6016：幅 10mm絶綠層：幅 100 μm200 μmSM490：幅 10mm（b）不働態部 不働態部 不働態部孔食部 孔食部 孔食部5μm（c）孔食部の拡大画像（c）3.2　 FEM解析に使用した支配方程式　FEM計算を行うにあたっては，前項で述べた腐食の形態的情報に加えて，計算に使用する支配方程式および電気化学反応の境界条件を適切に設定する必要がある。本項ではそれらについて説明する。支配方程式とは，FEMシミュレーションモデルを構築するために重要である物理化学現象を，数学的な方程式で表したものである。本事例のモデルでは，Nernst-Plank の式と Laplace の式を支配方程式として使用している 13）。Nernst-Plank の式は溶液中の化学種輸送を定義する方程式として使用しており，下記で表される。　　　 ∂∂ +∇ ⋅ − ∇ − ∇ +( ) =ct D c z u Fc c uii i i m i i l i, Φ 0  （1）ここで，tは時間，Fはファラデー定数，Di,ci，zi，および um,iはそれぞれ化学種 iの拡散係数，濃度，価数，および移動度である。Φlは電解質電位であり，下記の式（2）から導出される。Laplace の式は溶液中での電位勾配を定義する支配方程式として使用しており，下記で表される。　　　 il l l= ∇σ Φ  （2）ここで，σ lは溶液の導電率である。334 3353.3　電気化学反応に関する境界条件　腐食現象の FEM解析を行うにあたり，AA6016 および SM490 の表面でそれぞれどのようなアノード・カソード反応を考慮するのかを設定する必要がある。本事例では，SM490 側では以下の 2つの反応が起こるとした 13）。　　　Fe  Fe2＋＋ 2e－（Fe のアノード反応）  （3）　　　O2 ＋ 2H2O ＋ 4e－   4OH－　　　（カソード反応：溶液中に存在する酸素による還元反応）  （4）一方，前項で述べたように，AA6016 表面は「孔食部」と「不動態部」で構成されており，不動態部では以下の 2つの反応が起こるとした。　　　Al  Al3 ＋＋ 3e－（Al のアノード反応）  （5）　　　O2 ＋ 2H2O ＋ 4e－  4OH－　　　（カソード反応：溶液中に存在する酸素による還元反応）  （6）孔食部では，Al の溶解反応が起こるとした。　　　Al  Al3 ＋＋ 3e－（Al のアノード反応）  （7）　さらに，上記の電気化学反応速度に関する境界条件を設定する必要がある。本事例では，実験により測定したAA6016 と SM490 の分極曲線（電流－電位曲線）を基に境界条件を決定している 13）。例えば図 8の実線のグラフは，実験により測定した SM490 のアノード分極曲線である 13）。FEM計算での SM490 におけるアノード反応の境界条件は，この実験結果を線形に近似したもの（図中では点線で表示）を用いている。SM490 でのカソード反応およびAA6016 でのアノード・カソード反応に関する境界条件についても同様に実験で得られた分極曲線や文献値を基に決定している 13,22,23）。なお，図 7のとおり FEMシミュレーションモデルでは AA6016 側を局部的に腐食反応が顕著に生じている「孔食部」と，腐食損傷が生じていない「不働態部」から構成している。境界条件の設定においても，孔食部のアノード反応速度が不働態部のものよりも大きくなるように境界条件を設定している 13）。10210110010－ 110－ 210－ 310－ 4電流密度，i/A m－2－ 1 － 0.8 － 0.6 － 0.4 － 0.2 0電位，E/V vs. SHE実験結果FEM解析での境界条件図 8　実験により測定した分極曲線を基にした FEMシミュレーションの境界条件設定（SM490 のアノード反応の場合）13）4.　FEM解析結果の活用4.1　計算結果と現実の腐食挙動との整合性　以上の計算条件に基づき，FEM解析を行った結果を紹介する。図 9は FEM解析で得られたNaCl 溶液中でのガル336 337バニック電流と電位の値を，実験結果と比較した結果である 13,15,16）。この実験結果とは図 3から得られたものであり，測定値が比較的安定した 8ks から 11ks までのガルバニック電流と電位の平均値である。　図 9に示すように，ガルバニック電流と電位のいずれにおいても，FEM解析結果と実験結果には高い相関性がみられる。ガルバニック電流の場合，実験値はNaCl 濃度が一桁増加するごとに約一桁ずつ上昇したが，FEM解析結果もこの傾向と一致している。ガルバニック電位の実験値はNaCl 濃度の増加とともに卑になったが，FEM解析結果はこの傾向も再現している。これらの結果は，本事例で構築したシミュレーションモデルの精度が十分高く，現実の腐食現象を高い精度で再現できていることを意味している。4.2　NaCl 濃度にともなうガルバニック腐食量・自己腐食量の変化　“2.3 数値シミュレーション導入の重要性”で述べた通り，実験による解析では NaCl 濃度にともなうAA6016/SM490 間のガルバニック腐食の起こりやすさの変化を定量的に推定することは可能であるが，それと同時に SM490 の自己腐食挙動を定量的に解析することは困難である。一方，FEM解析では AA6016 および SM490 それぞれの上で起こる電気化学反応による電流値を算出することができるため，それを基にするとガルバニック腐食挙動と自己腐食挙動を同時に，かつ定量的に推定できる。　図 10は FEM解析結果に基づきガルバニック腐食による電流と SM490 の自己腐食による電流を算出した結果である 13,15,16）。AA016/SM490 間のガルバニック腐食による電流は NaCl 濃度が高いほど大きい。すなわち，ガルバニック腐食はNaCl 濃度が高いほど生じやすいことを意味している。一方，SM490 の自己腐食による電流は，NaCl濃度が高いほど小さい。これも図 4の実験結果（試料表面の腐食形態の観察結果）と一致する傾向である。ここで重要なのは，実験データのみでは SM490 の自己腐食挙動を定量的に解析することが困難であったが，FEM解析結果に基づくとそれが可能である点である。5，0.5，および 0.05 wt％ NaCl 溶液中での自己腐食による電流値はそれぞれ 1.5 × 10－ 2，1.9 × 10－ 1，および 2.7 × 10－ 1 Am－ 2 であることから，0.5 wt％および 0.05 wt％ NaCl 水溶液では，SM490 側の自己腐食量は 5wt％　NaCl 水溶液の 13 倍および 18 倍になると推定できる。このように5 wt％ NaCI0.5 wt％ NaCI0.05 wt％ NaCI10110010－ 110－ 210－ 3実験値，i/A m－2（a）ガルバニック電流（b）ガルバニック電位－ 0.2－ 0.3－ 0.4－ 0.5－ 0.60.05 wt％ NaCI0.5 wt％ NaCI5 wt％ NaCI計算値，E/V vs. SHE計算値，i/A m－ 2実験値，E/V vs. SHE－ 0.6 － 0.5 － 0.4 － 0.3 － 0.210－ 3 10－ 2 10－ 1 100 101図 9　シミュレーション結果と現実の腐食挙動との整合性：（a）ガルバニック電流および（b）ガルバニック電位の比較 13,15,16）336 337AA6016/SM490 間のガルバニック腐食に加えて，SM490 の自己腐食挙動も定量的に解析できる点が FEM解析の有用な点であるといえる。電流密度，i/A m－20.30.20.10.00.01 0.1 1 10SM490 の自己腐食AA6016/SM490 間のガルバニック腐食NaCI 濃度，C/wt％図 10　NaCl 濃度にともなう AA6016/SM490 間のガルバニック腐食および SM490 の自己腐食による電流値の変化 13,15,16）ガルバニック電流密度，i Galv/A m－20.05 wt％ NaCI0.5 wt％ NaCI0.40.30.20.10.0サイクル数0 2 4 6 8 10 12図 11　NaCl を含む水膜を滴下し乾湿を繰り返した際の AA6016/SM490 間のガルバニック電流 14,16）5.　FEM解析で得られた知見を活用した腐食メカニズムの解明5.1　実環境に近い乾湿繰り返し時の腐食挙動　次に，ここまでで得られた FEM解析による知見を基に，より実用に近い環境での腐食メカニズムの解明に取り組んだ事例を紹介する。ここまでの実験および FEM解析の対象は，AA6016/SM490 共存部が常にNaCl 溶液中に浸漬された場合の腐食挙動である。一方，自動車材料を含む実用材料の多くは，温度・湿度変化をともなう環境で使用される。試料に液滴などが付着すると腐食が起こるが，この際，液滴は温度・湿度変化にともない乾燥－湿潤を繰り返す。すなわち，より実用に近い状況での腐食リスクを予測するためには，溶液浸漬状態だけでなく，乾燥－湿潤を繰り返す液膜下でも腐食挙動を把握する必要がある。　図 11はここまでの解析に用いたものと同形状の AA6016/SM490 試料の上に，0.5 wt％または 0.05 wt％ NaCl を含有する水膜を滴下し，水膜の乾燥－湿潤サイクルを合計 12回繰り返しながら AA6016/SM490 間のガルバニック電流を計測した結果である 14,16）。図 3と同様に，電流値が正の値の場合，AA6016 がアノード，SM490 がカソードとなる向きにガルバニック電流が生じたことを意味している。図 11にて，乾燥 - 湿潤サイクルの繰り返し初期（サイクル 1から 7）では 0.5 wt％ NaCl を含む水膜中でのガルバニック電流が 0.05 wt％ NaCl を含む水膜中での値より大きい。すなわち，これら初期サイクルではNaCl 濃度が高いほどガルバニック腐食が起こりやすいと考えられる。これは，図 3に示した溶液浸漬状態での傾向と同一である。338 339　初期サイクルではそのように溶液浸漬状態と類似の腐食挙動であるが，サイクルを繰り返すごとに腐食挙動の傾向は変化している。まず，0.5 wt％ NaCl を含む水膜でのガルバニック電流はその後サイクルを繰り返してもあまり変化していない。一方，0.05 wt％ NaCl を含む水膜ではサイクルを繰り返すごとにガルバニック電流が増加している。その結果，8サイクル目以降の後期サイクルではNaCl 濃度の低い 0.05 wt％ NaCl でのガルバニック電流が 0.5 wt％ NaCl での電流値を上回っている。すなわち，水膜中のNaCl 濃度が低いほど，はじめはガルバニック腐食が生じにくいが，乾湿を繰り返すごとに何らかの要因でガルバニック腐食が促進されると考えられる。5.2　FEMシミュレーションでの知見に基づく考察　NaCl 濃度が低い場合になぜ乾燥－湿潤サイクルを繰り返すごとにガルバニック腐食が促進されるのかについては，前述の FEM解析の知見を基に考察することができる。図 10の FEM解析の結果より，SM490 の自己腐食はNaCl 濃度が低いほど生じやすい。すなわち，図 11の水膜の乾湿繰り返し初期サイクルでも，0.05 wt％ NaCl を含む水膜中の方が 0.5 wt％ NaCl 中よりも SM490 の自己腐食が生じやすかったと考えられる。その結果，0.05 wt％ NaCl を含む水膜中では環境中に多量の Fe 系化学種（Fe さびや Fe イオン）が発生する。0.5 wt％ NaCl と 0.05 wt％ NaCl を含む水膜中での大きな違いの一つはこの Fe 系化学種の発生量の差であり，これが 0.05 wt％ NaCl を含む水膜でのガルバニック腐食の促進をもたらした要因ではないかと予想される 13-15,24）。　上記の予想を検証した実験結果が図 12 である 14）。図 12 は Fe 系化学種を意図的に多量に存在させた 0.5 wt％ NaCl 溶液と，通常の 0.5 wt％ NaCl 溶液中で動電位アノード分極曲線を測定した結果である 14,16）。通常のNaCl 溶液中では，－ 0.75 V から－ 0.4 V 付近の電位域において，電流値はおよそ 1× 10－ 2 Am－ 2 と低い値になっている。このことから，AA6016 表面が安定な保護皮膜（不働態皮膜）によりおおわれており，腐食による損傷がほぼ生じていないと考えられる。一方，Fe 系化学種が存在する溶液では，この電位域での電流値がおよそ一桁高い。これは，Fe 系化学種の存在により AA6016 での腐食（アノード反応）が促進されたことを意味している。　以上のことから，Fe 系化学種が AA6016 のアノード反応を促進することがわかった。この AA6016 のアノード反応の促進は，AA6016 をアノード・SM490 をカソードとして進行するガルバニック腐食の促進につながると考えられる。すなわち，Fe 系化学種が AA6016/SM490 間のガルバニック腐食の促進をもたらす要因の一つと結論付けることが可能である。6.　シミュレーションを活用した腐食研究の展望　本項ではアルミニウム合金と鉄鋼材料の共存部について，実験とシミュレーションを併用して腐食挙動の詳細な解析に取り組んだ事例を紹介してきた。シミュレーションを活用することは，ガルバニック腐食と自己腐食など複数の現象が同時に起こるような複雑な系での挙動解析に非常に有効である。また，近年の自動車軽量化を実現するため，10210110010－ 110－ 210－ 310－ 4－ 1 － 0.8 － 0.6 － 0.4 － 0.2 0 0.2電位，E/V vs. SHE電流密度，i/A m－2Fe 系化学種ありFe 系化学種なし図 12　環境中の Fe 系化学種の有無にともなう AA6016 の腐食挙動の変化 14,16）338 339アルミニウム合金だけでなくマグネシウム合金や炭素繊維強化プラスチックなど，様々な軽量材料の使用が促進されている 25-27）。また，用いられる箇所によって部材の形状や晒される環境（温度や湿度，周囲に存在する化学種の種類など）は異なる。そのような材料の種類や形状，周囲の環境因子は腐食挙動に大きな影響をおよぼすため，腐食によるリスクを正確に把握するためには，膨大な量のデータが必要となり，実験による手法のみを用いた場合は多大な時間や労力，コストが必要となる。一方，シミュレーションを活用すれば，計算条件を系統的に変化させることで比較的効率的に，多様な条件下での腐食挙動を予測することが可能である。腐食のリスクが少なく安全性の高い自動車部材選定のため，このようなシミュレーションを活用した研究のさらなる促進が不可欠である。また，自動車部材だけでなく現代社会を支える様々な金属構造物についても，腐食による劣化は材料破壊を引き起こし得る深刻な課題である。そのような現代社会に存在する様々な腐食課題についても，シミュレーションを活用した研究を展開していきたい。文 献1）N. -H. 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